2015年2月6日
株式会社PFU
[PRESS RELEASE]
非圧縮8K/4K高精細映像のIPマルチキャストネットワークによる
映像伝送および映像切換をNICT実証実験にて実施
~ 映像伝送装置 QoolTornado QG70 ~
株式会社PFU(社長:長谷川 清、横浜本社:横浜市西区)は、このほど、独立行政法人情報通信研究機構(NICT(注1))主催の実証実験において、当社の開発した映像伝送装置「QoolTornado QG70」を使用した、非圧縮8K/4K高精細映像のIPマルチキャストネットワーク(注2)による映像伝送および映像切換の実証実験に参加しました。
[関連リンク] QoolTornado QG70 ホームページ
NICTでは、新世代ネットワーク技術の実現とその展開のための新たなテストベッド環境(注3)として、「JGN-X(注4)」という高速ネットワーク環境を構築、運用しています。毎年、NICT主催のネットワーク技術研究の実験が「さっぽろ雪まつり」期間中に実施されており、今年も東京、大阪、および石川間を超高速ネットワークで接続した「JGN-X」で実証実験が行われました。
放送映像ビジネスへの取り組みを進めているPFUも本実証実験に一昨年から参加しており、昨年は、東京大手町と大阪うめきた間に設けられた100Gbps高速IPネットワークを使用し、非圧縮8K/4K映像の伝送を実験いたしました。
今年はIPネットワークにおける高精細映像伝送のさらなる可能性を実証するため、東京大手町と北陸石川から複数の8K映像ストリームを送信し、IPマルチキャストネットワークの機能による映像切換を行い、大阪うめきたで受信するという伝送を行いました。
本実験は2月6日に実施され、さっぽろ雪まつり風景を撮影した8K60Pデュアルグリーン方式(注5)の高精細映像を、劣化の無い非圧縮で伝送し、複数の映像のなかから選択された2つの映像を8K対応モニターに表示することに成功しました。
本実験では、8K/4K映像を伝送する装置として当社開発の「QoolTornado QG70」を使用いたしました。本装置の「映像送信時はIPマルチキャスト配信機能を使い送信し、また受信時は映像ソースから1つを選択することができる機能」と、JGN-Xの「高速なIPネットワーク」を使用することにより、8K/4Kの高精細な複数の映像から必要とする映像を選択し伝送することに成功しました。
当社は、8K/4K放送に対応した各種製品・サービスの提供が本格的に始まろうとしているなか、放送映像業界等に向けて本製品をご提供していくとともに、今後もさまざまな環境での動作検証を実施してまいります。
*この実証実験は学校法人幾徳学園 神奈川工科大学様、独立行政法人 情報通信研究機構様、国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学様、エヌ・ティ・ティ アイティ株式会社様、日本電信電話株式会社様(注6)、アストロデザイン株式会社様と共同で行いました。
QoolTornado(クールトルネード)QG70(キュージーナナジュー)について
QoolTornado QG70
映像業界向け製品「QoolTornado QG70」は、高速IPネットワーク環境(10Gbps~)でHD非圧縮映像~4K/8K非圧縮映像データを伝送することが可能です。
SDIのケーブルを接続し、ベースバンド機器との連携も可能です。片手で持ち運べるコンパクトな筐体に、LCDを備え、設定や情報の表示をメニューボタンで操作することができます。
放送局、ポストプロダクション、遠隔地スタジオ、イベント会場、医療機関など、分野を問わず、フレキシブルに活用いただくことを想定しています。
関連ホームページ
- https://www.pfu.fujitsu.com/qooltornado/ (「QoolTornado QG70」紹介ページ)
商標について
- QoolTornado は、株式会社PFUの商標です。
- その他、本文中の会社名・商品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。
注釈
- (注1)National Institute of Information and Communications Technology
NICTトップページ
http://www.nict.go.jp/ - (注2)通常のユニキャストと呼ばれる一対一通信と異なり、一対多で一つの送信元から複数の宛先を持つグループに送信する仕組み。送信元から発信したデータを途中のノードで必要な宛先のみ複製しながら伝送するため、最小限の帯域利用で効率的な伝送が可能となる。今回はプロトコルにPIM-SMを用い、マルチキャストメンバの切り替えによって受信する内容を変更する仕組みを取っている。10Gbpsを超える規模でのIPマルチキャストを広帯域で検証した初のケースとなる。
- (注3)大規模なシステム開発で用いられる、実際の運用環境に近づけた試験用プラットフォームの総称。
- (注4)NICTが2011年4月から運用している新世代ネットワーク技術の実現とその展開のための新たなテストベッド環境。
- (注5)7680*4320画素、60枚/秒の映像。フルハイビジョンは、1920*1080画素、30枚/秒の映像であり、画素数にして約16倍の高解像度映像です。デュアルグリーン方式はHD-SDI信号を16本(24Gbps)使用した方式です。
- (注6)NTT未来ねっと研究所:QG70の開発にご協力をいただいております。
以上
お客様お問い合わせ先
株式会社PFU
放送映像ビジネス部
電話:045-305-6045
報道関係お問い合わせ先
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