1. 導入事例
2022.9.13

患者から預かる紹介状や検査結果などをデータ化して電子カルテに連携
地域医療を担う医院の事務を効率化、スタッフ増員なしで円滑な運営を実現

院長の関根武彦さんと事務長の関根真衣さん

関根内科外科医院 院長の関根武彦さんと事務長で臨床検査技師の関根真衣さん。

関根内科外科医院 院長の関根武彦さんと事務長で臨床検査技師の関根真衣さん。

埼玉県児玉郡神川町の「関根内科外科医院」は、地域住民を対象に一般外科・内科をはじめとする総合的な医療サービスを提供する個人病院です。
高齢者施設などへの往診ほか、院長の関根武彦さんを筆頭に全スタッフが日々激務をこなす中、同医院ではfiシリーズの導入によって、紹介状や検査結果などの書類をスキャンして電子カルテに紐付ける作業をスピードアップし、忙しい事務の業務を効率化しました。同医院を訪ね、事務長の関根真衣さんにお話をうかがいました。

関根内科外科医院

業種:医療

診療科:一般外科・内科・消化器科・麻酔科・整形外科 ほか

往診範囲:埼玉県児玉郡神川町を中心に半径16km(群馬県の一部を含む)

課題
紹介状や検査結果などの書類を画像データにして電子カルテに紐付ける際、フラットベッドスキャナーで1枚ずつスキャンして特定のPCで紐付けていたため手間と時間がかかり、診察に間に合わないこともあった。
解決法
PFUのスキャナー「fi-7300NX」を導入。書類をまとめて高速スキャンし、紐付け作業をどのPCからでも手の空いたときに行えるようにした。
効果
以前は事務職員1名が1回につき100枚を一日がかりで処理していたのに対し、ほぼ1時間強で終わるようになって負担が大きく軽減。スタッフを増員することもなく日々の医療業務を遂行できている。

1. 滞りがちなスキャン作業を効率化するためにfiシリーズのドキュメントスキャナーを導入

関根内科外科医院でマネジメント全般を担当されている、事務長で臨床検査技師の関根真衣さんにうかがいます。関根内科外科医院は一般外科・内科・消化器科・整形外科など幅広い診療科を備えているほか、高齢者施設や一般家庭への往診、送迎サービスの実施など、地域社会に密着して医療の一翼を担っておられます。そうしたあり方は、院長である関根武彦先生のお考えに基づくものでしょうか。

関根さんそうです。院長が地元に合った医療サービスを提供したいと考え、両親が持っていた建物を改装してこの医院を開きました。高齢者が多く、交通の便が悪い地域ですので、なるべく通院を1か所で済ませられるよう、総合的な診療をしています。専門性の高い治療が必要な患者さんは地域の総合病院などに紹介しますが、たとえば花粉症の方にお薬を出す、皮膚の荒れた方に塗り薬を処方するといったことは当院でも行っています。

毎日、何人くらいの方が来院するのでしょう。また、往診はどのくらいの頻度で行うのでしょうか。

関根さん当院では午前中を外来に充てており、毎日2時間半ほどの間に40人前後がいらっしゃいます。ご病気の方のほか、神川町に外科が当院だけしかないこともあって、作業中に怪我をした農家の方などもよく来院されます。お一人で来られない高齢の方には送迎車を出しています。

往診は毎日、午後に行います。往診先は高齢者施設が10か所、個人宅が現時点で2軒あります。施設では一度に30人以上の方を診ますし、週に1回来てもらっている整形外科の専門医と院長が手分けして往診するときは総数が100人近くにのぼるため、往診後の事務はかなりの作業量になります。

待合室

待合室。午前中は外来で訪れた地域の高齢者でいっぱいになります。

壁に飾られた額

関根内科外科医院は地域の総合病院などと連携してきめ細かい医療サービスを提供しています。

現在は何人のスタッフで運営されているのでしょうか。

関根さん医師については、整形外科を除いてすべて院長が診察しています。看護師は4名、事務職員が7名、放射線技師が1名いますが、全員がフルタイムというわけではないので、常に人手が足りていない状況です。事務職員は送迎車の運転も交代で行っています。

私自身は臨床検査技師で、超音波検査や心電図、内視鏡、新型コロナウイルスのPCR検査など、レントゲン以外の検査をすべて行います。医院の規模のわりに検査の種類は多いほうだと思います。また、看護師が足りないときに備えて准看護師の資格も取得しています。

ほほ笑む院長の関根武彦さん

院長の関根武彦さん。午前は外来、午後は往診と、地域住民の健康のために忙しい日々を送っています。

壁に貼られた担当医表示板

毎週火曜日に整形外科の専門医が来るほかは、すべての診療科を院長の関根さんが担当しています。

そうした中、事務職員の業務を効率化するため、1年ほど前にfiシリーズのスキャナーを導入されたとうかがいました。どのような書類を、なぜスキャンするのでしょうか。

関根さんスキャンするのは患者さんから預かる紹介状、別の病院での検査結果、お薬手帳など、診察に必要な書類です。スキャンする理由は、それらを画像データにして電子カルテに紐付けておく必要があるからです。

そのスキャン作業を、当院では長くフラットベッドスキャナーで行っていましたが、1枚ずつスキャンするため手間と時間がかかって作業が追いつかなくなり、ドキュメントスキャナーのfiシリーズを導入しました。おかげでスキャンと電子カルテへの紐付けがだいぶ楽になり、スタッフを増やすことなく日々の業務をこなすことができています。

導入されたfi-7300NX

約1年前に導入したfiシリーズのドキュメントスキャナー。機種は「fi-7300NX」です。

関根真衣さんとフラットベッドスキャナー

関根さんの背後に見えるのがフラットベッドスキャナー。高解像度に対応し、レントゲンフィルムも読み取ることができます。

2. 預かった書類のコピーを取り、あとから100枚ずつスキャンして電子カルテに紐付ける

スキャンする主な書類について詳しくうかがいます。紹介状は他の病院の先生がこちらの先生宛てに作成した、患者の状態や治療の経緯などを詳しく伝えるための文書ですね。

関根さんそうです。たとえば、専門的な手術などが必要な患者さんは当院から地域の総合病院や大学病院に紹介しますが、そうした大きな病院での治療が終わったあとのフォローアップのため、逆紹介という形で当院に戻ってこられることがあります。紹介状はそのときに患者さんが持参されます。

患者が持参する紹介状

患者が持参する紹介状はスキャンして電子カルテに紐付ける書類の代表です。受付時に患者から預かります。

体裁がさまざまな書類

書類の一例。検査結果はレシート状、複写式の紙に手書きなど体裁がさまざまです。右端はお薬手帳です。

紹介状には決まったフォーマットがあるのでしょうか。

関根さん いえ、電子カルテシステムから出力された紹介状でも病院ごとに形式が違いますし、電子カルテを導入していない病院の場合は便箋や複写式の紙などに手書きされています。

電子カルテを導入している病院同士で、紹介状や検査結果などをデータで直接やり取りすることもあるのでしょうか。

関根さんがんのような限られた病気に関しては、専門の病院間で電子カルテのデータをやり取りする仕組みはありますが、一般的にはほとんどないと思います。これは各病院で使用している電子カルテのシステムがまちまちで連携できないためで、電子カルテを導入している病院同士でも紹介状や検査結果などは紙に出力して運用することになります。

参考まで、関根内科外科医院で導入されている電子カルテシステムを教えてください。

関根さん 日本医師会標準の医事会計システム「ORCA」と連携できることを前提に、「Dr.Pen Lite」という電子カルテシステムを導入しています。

検査結果の紙は、血液検査などを受けたときに病院から渡されるものですね。最近は大きめのレシートのような体裁が多い印象です。

関根さんそうですね。これも電子カルテから出力されて紹介状と一体になっている場合もありますし、紹介状なしで患者さんがそれだけお持ちになる場合もあります。当院で検査した結果も同様にスキャンして、電子カルテに随時紐付けていくことになります。

患者が一人1冊ずつ携行しているお薬手帳も重要書類に相当するのですね。

関根さん はい。特に高齢の患者さんは病気ごとに別の病院にかかっているケースが多いにもかかわらず、薬の飲み合わせに関してはよほど重要なこと以外、ご自身では把握していないのが普通です。そのためお薬手帳は初診のときの重要な情報になります。また、普段から受診している方でも「先日、別の病院にかかったよ」ということがあればその都度提出してもらいますので、お薬手帳も随時追加で紐付けが必要です。

それらの書類を電子カルテに紐付けるのは、診察中に先生がご覧になるからでしょうか。

関根さん そうです。その患者さんが過去にどんな薬を服用していたのか、最初にどういうきっかけで受診されたのか、検査のデータがどのように変化しているかなど、経緯を振り返るために医師はほぼ必ず、過去に遡って何かしらの書類を見ます。

患者から預かった書類は、その日の診察までに電子カルテに紐付ける作業を行うのでしょうか。

関根さん いえ、受付時にお預かりした書類を診察までにスキャンして電子カルテに紐付けるのは、時間的にも正確性の点でも困難ですので、紹介状や検査結果などがあるときはまず原本のまま医師に回し、医師はその紙を見ながら診察を行います。画像データになった書類を見るのは2回目以降の診察のときです。

では、書類のスキャンは当日の診察のあとになるのですね。

関根さん はい、診察後、患者さんに返却する書類を会計までの間に、事務スペースに置いたコピー機でコピーします。その上で、別の患者さんと取り違えることのないよう、患者さんごとに割り振られている6桁数字のIDをコピーに書き込んで一時的に保管します。紹介状に限っては患者さんに返却しなくてもよいので原本のままです。これらをあとでまとめてスキャンして、電子カルテに紐付けるための画像データを作成します。

診察の様子

書類はまず原本のまま医師に回します。2回目以降の診察時にはそれらを電子カルテで見られるようにします。

IDを書き込んだコピーと紹介状の原本

3点のうち、右2点がIDを書き込んだコピー、左端は紹介状の原本。これらをあとからまとめてスキャンします。

診察後に書類の原本を直接スキャンする方法も考えられるのでしょうか。

関根さん 事務スペースが非常に狭く、コンパクトなfiシリーズでも置く場所がないという事情があるほか、多忙な中で勘違いによる取り違えが発生するおそれを考慮すると、目で見えて触ることもできる紙の特性がこの場では有利に働きます。現時点ではコピーしてIDを手書きする方法が、最も効率的でミスが起こりにくいと判断しています。

医療の現場では何事も迅速かつ正確に行う必要があるため、状況に最も適した手段を選択されているということですね。

関根さん はい。fiシリーズの機能を活用すればスキャンしたデータを電子カルテにダイレクトに連携させることもできるのだとは思いますが、なにぶん診療に追われる毎日ですので、当分の間はこの方法を取ることになると思います。

3. 一日がかりだった作業が「スキャン数分+紐付け1時間」へと大幅に短縮、負担も軽減

書類のコピーをスキャンしてデータ化し、電子カルテに紐付けるまでのフローについてうかがいます。フラットベッドスキャナーでスキャンしていた頃は、どのような問題があったのでしょうか。

関根さん 当院のフラットベッドスキャナーはレントゲンのフィルムが読み取れる大型の機種で、検査室の棚に置いています。これでコピーをスキャンしていた頃は、紙を1枚ずつスキャナーに置いて蓋を閉め、スイッチを押してスキャンが終わるのを待ち、次にスキャナーが唯一つながったPCまで歩いてスキャン結果を確認してからファイル名を編集して電子カルテに紐付け、再び立って棚のスキャナーまで戻るという作業を繰り返していました。当時も今もコピーのスキャンはだいたい週に一度、100枚程度をまとめて行っているので、フラットベッドの頃はスキャナーとPCの間を何度も往復しなければならず、作業自体がきついのはもちろんのこと、当番の事務職員はほぼ一日、検査室に缶詰になる状況でした。

また、検査室に患者さんを入れるときは作業を途中で切り上げなければなりません。特に冬場はこの部屋にインフルエンザの患者さんをご案内するため、スキャンが滞り、なかなか電子カルテに紐付けされないということも起こりました。そうなると医師が診察時に情報を見られないので、次善の策として紙のコピーを医師に回すことになりますが、コピーの束の中から必要なものを抜き出す作業に手間と時間がかかるため、事務職員に負担がかかっていました。

笑顔で話す関根真衣さん
新型コロナウイルス感染症対策に設置したキャンピングカー

「フラットベッドスキャナー時代はインフルエンザの時期が特に大変でした」と関根さん。なお参考まで、新型コロナウイルス感染症への対応では一般外来と動線を分けるため、表に設置したキャンピングカーとテントに発熱外来を設けています。

スキャナーをfiシリーズにしてから、フローはどのように変化したのでしょうか。

関根さん 以前は一日がかりだったところ、スキャン自体はものの数分で終わるようになりました。また、フラットベッドの頃はスキャナーにつながるPCが1台だけだったので、電子カルテへの紐付け作業もそのPCで行わなければならず、スキャンしながら紐付け作業をしていましたが、今はスキャンした画像データを複数のPCで扱えるようになったため、紐付け作業はあとから分担してできるようになりました。その点でも効率が大幅に向上しています。

現在のフローについて具体的にうかがいます。スキャン対象のコピーはA4に統一しているのでしょうか。

関根さん はい、サイズの小さい検査結果などもすべてA4用紙にコピーしています。fiシリーズのスキャナーは事務スペースに場所がないため2階の控室に置いており、私が食事などのために2階に上がるついでにコピーを持っていって、重ねてセットして一気にスキャンしています。

まとめてスキャンした書類を一つのPDFにして、電子カルテへの紐付けのときに分割するのでしょうか。

関根さん いえ、スキャン時点で1枚ずつ独立したファイルにしているので、コピーが100枚なら100のファイルが生成され、それをサーバーの共有フォルダーに保存しています。

fi-7300NXにコピーをセットしてスキャンするところ
スキャン中のfi-7300NX

2階の控室に設置した「fi-7300NX」でコピーをスキャン。毎分60枚を読み取れるので、100枚を2回に分けてスキャンしても数分で終わります。画像データはコピー1枚を1ファイルとし、PDF形式で共有フォルダーに保存しています。

電子カルテへの紐付け作業はいつ、どのように行っていますか。

関根さん スキャンを終えたコピーをクリアホルダーに入れて置いておけば、手の空いている事務職員が電子カルテと共有フォルダーの両方にアクセスできるPCを使って紐付け作業をしてくれます。

共有フォルダーにはスキャンした順番で画像ファイルが並んでいるので、画面に出てくる画像のプレビューと紙のコピーを照合して確認し、手動でファイル名を「患者さんのID・お名前・書類名」に編集します。ファイル名にIDとお名前を入れるのは、別の方との取り違えを避けるためです。それが終わったら電子カルテの「文書管理」という画面で、指定した画像データを追加するボタンを押すと紐付けが完了します。

fiシリーズの機能によって、患者1名ごとにバーコードをプリントした紙を挟むことで自動的にIDや氏名のファイル名を付けたり、フォルダーを仕分けて保存したりできます。そうした運用も視野に入れておられますか。

関根さん できればよいのですが、患者さんが累計で2万人に達しており、日々増えてもいることから、バーコードをプリントした紙を作成したり、それを保管しておいて使い回したりすることが現実的には難しいと思います。その段階でIDを間違えると大変という懸念もありますし、いずれにせよ書類名は画像を確認して手入力することになりますので、ここは効率化を急がず、しばらくこのまま続けたいと思います。

照合とファイル名の編集、電子カルテ画面での紐付け、それぞれ100件を処理するのにどのくらいの時間を要するのでしょう。

関根さん それだけに集中できれば1時間で終わります。作業が可能なPCが5台あるので、都合のよいときに都合のよい場所で作業できることも効率アップにつながっています。まだ実際に試みてはいませんが、5人で手分けしながら同時に紐付け作業をし、ごく短時間で100枚を終わらせることも可能だと思います。

また、以前はスキャンのために事務職員一人が当日の業務の流れから隔離されてしまい、いざ診療関係で人手が必要になったときに柔軟にフォローに入れないという難点がありました。それが解決されたこともかなり大きな成果です。

職員が紐付け作業している様子

紐付け作業をスキャンから独立させたことにより、手の空いた職員が都合のよい場所で作業を行えるようになりました。

電子カルテから画像を開いたところ

100件の紐付け作業は正味1時間で終わります。作業後は診察中に電子カルテから画像を開けるようになります。

スキャン後のコピーは何らかの決まりに則って保管するのでしょうか。

関根さん 紐付けが終わったコピーはクリアホルダーから保存用のファイルに移して保管しています。基本的に電子カルテのデータは5年間の保存が義務づけられていますが、画像データがあるので、コピーの保存は念のためという意味合いです。コピーを再度見直すことはほとんどありません。

ただ、電子カルテにIDが一つ違う人のデータが紐付けられていたというような人為ミスが、まれにではありますが必ず発生するので、そういうときは共有フォルダーに保存している画像データを再確認し、修正して紐付けし直します。そうしたミスは重大な事故につながりかねないので、暇さえあればチェックを入れています。

改めて、ドキュメントスキャナーにしようと思われたきっかけと、fiシリーズを選ばれた理由をお聞かせください。

関根さん 繰り返しになりますが、フラットベッドスキャナーだとどうしてもスキャンが滞ります。作業場所に関わる事情に加えて、子どもの行事などでスタッフの休みが重なることもありますし、産休に入るスタッフもいるため、慢性的に手が足りていません。そうした中で優先すべきは日常の診療ですから、午前中は今いらっしゃる患者さんのことをすぐやる、午後は往診した患者さんのことをすぐやる、その繰り返しになってスキャンは後回しになりがちでした。

その結果としてコピーの束が溜まってしまい、フラットベッドスキャナーでスキャンすることがいっそう大変になるという悪循環に陥っていたので、何かよい方法がないだろうかと考えました。私自身はドキュメントスキャナーの存在を知りませんでしたが、紙を手早くデータ化するための業務用機器があるかもしれないと思ってインターネットで検索したところ、いくつかのドキュメントスキャナーがヒットしました。その中でfiシリーズはデモ機貸し出しサービスがあったので申し込み、試用して導入を決めました。

試用したときのご感想をお聞かせください。

関根さん 「すごい!」と思いました。フラットベッドスキャナーだと1時間かけてもさほど枚数をスキャンできないのに、fiシリーズなら5分たらずで100枚をデータにしてしまいます。

設定は簡単にできましたか。また、ネットワークスキャナー「fi-7300NX」を選択したのは将来的な発展性を考慮されたからでしょうか。

関根さん 設定は特に苦労することなくスムーズにできました。機種の選択には深い考えがあったわけではなく、少しでも早く業務を楽にしたかったので検索して最初に出てきたものを選んだという事情です。そのため今は基本的な機能しか使っていませんが、今後は高度な機能を役立てることも考えていきたいと思います。

終わりに地域医療におけるデジタル化の現状と将来について、思われるところをお聞かせください。

関根さん デジタル化が進めば医療機関の業務効率が上がるのは確かだと思います。たとえば保険証がマイナンバーに紐付けられるだけで、月の途中で保険証が変わったときの資格確認などが楽になって請求も確実になります。

ただ、当院に多い高齢の患者さんがそうしたデジタル化に対応できるかというと、難しいのではないかと思います。たとえば、若い患者さんにはクレジットカードでの支払いを望まれる方もいますが高齢の方は総じて現金払いであるように、アナログのままだから病院に来られるという方が、まだ大勢いらっしゃいます。デジタル化もペーパーレス化も素晴らしいと思いますが、医療現場から紙をなくすことは非常に難しいのではないかと思っています。

アナログとデジタルをつなぐ機器としてのfiシリーズが、地域医療の効率化の一助となれて幸いです。本日は詳しくお聞かせくださり、ありがとうございました。

※ ORCAは、日本医師会ORCA管理機構株式会社の登録商標です。

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