1. 社会医療法人 ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院/海老名メディカルプラザ
2023.5.16

社会医療法人 ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院/海老名メディカルプラザ

受付事務や医師の業務負担軽減、診療報酬加算の要件対応を実現
狭い受付にも設置・運用が可能。PFUのコンパクトスキャナー「fi-800R」

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院(上)、海老名メディカルプラザ(下)

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院、海老名メディカルプラザは、働き方改革の一環として医療従事者の業務負担軽減対策に、PFUのコンパクトスキャナーとAI問診を導入。紹介状やお薬手帳の情報をスピーディーに電子カルテへ登録し、医師や窓口事務の業務効率化や診療報酬加算の要件対応に寄与している。

海老名総合病院は主に紹介患者を対象にした入院機能(479床)と外来機能(1日外来患者数約300人)を提供する地域密着の高度急性期病院である。道路の向かいに立地する海老名メディカルプラザは総合病院の一般外来部門を担い、地域住民に継続的な医療を提供する。18診療科を備え、1日の外来患者数は約1000人を超える大規模クリニックである。
海老名総合病院は医師等の働き方改革の一環として、医療従事者の業務負担軽減対策を検討する中で現場のICT導入にも取り組んでいる。その1つとして導入されたのが、ユビーAI問診(Ubie社)や受付でのお薬手帳および紹介状のスキャナー取り込みを行うPFUのコンパクトスキャナー「fi-800R」である。

社会医療法人 ジャパンメディカルアライアンス

海老名総合病院/海老名メディカルプラザ

業種:医療

医師等の働き方改革の一環として「fi-800R」を導入

AI問診やコンパクトスキャナー導入について、海老名総合病院 管理部管理課長の大友利昭氏はこう話す。「ユビーAI問診はグループ病院の座間総合病院での先行事例があり、医師のカルテ入力の負担軽減に活かせるツールだと期待できました。また、お薬手帳や紹介状のスキャナー取り込みも医師の診療支援に寄与できると考え、同時にfi-800Rの導入を決めました」。

そして、機能強化加算に加え、医療情報・システム基盤整備体制充実加算の算定要件に対応するための動機もあった。両加算の算定要件には、他の医療機関の受診履歴や処方されている医薬品などの情報を取得・活用して診療を行うことなどが示されている。「算定に向け他院の処方歴を電子カルテに記載する必要があったため、患者さんのお薬情報を取り込み、電子カルテに記録する業務を効率化するための環境整備も急がれました」(海老名メディカルプラザ医事担当の中村ゆかり氏、ソラスト所属)。

中村さん、菅原さん、五十嵐さん、中島さんの写真

左から、海老名メディカルプラザ事務担当 中村ゆかり氏、同 菅原咲良氏、海老名総合病院患者サポートセンター事務 五十嵐知美氏、同 中島しのぶ氏。

狭い受付にも適したコンパクトさと処理スピードが決め手

導入を検討した当初は、お薬手帳のスキャンにフラットベッドスキャナー、紹介状のスキャンにはポータブルスキャナーを候補と考えていたという。しかし、海老名総合病院の受付はカウンタ後方のスペースが非常に狭く、同様に海老名メディカルプラザの診療科グループごとに設置された受付もスペースが限られているため、フラットベッドスキャナーの設置は困難な状況。PFUからコンパクトスキャナー「fi-800R」の紹介を受けた大友氏は、「とても小型で場所を取らないため、狭い窓口での使用に適していました。また、取り込みの実演を見て、処理スピードが非常に速く、作業効率が高いと考えました」と採用の理由を話す。

導入したfi-800Rにより、海老名総合病院の受付では紹介状を取り込み、すぐさま電子カルテで画像として参照可能になった。海老名メディカルプラザでは診療科グループ受付(5カ所)で、お薬手帳をスキャンし、ユビーAI問診の機能でテキスト化した薬剤情報を電子カルテに反映している。

お薬手帳をスキャンする様子

狭い受付の端末隣に設置して作業可能、冊子状のお薬手帳は差し込んでスキャン。

お薬手帳画像からテキスト化された薬剤情報を確認する様子

ユビーAI問診に取り込まれたお薬手帳画像から薬剤情報を自動でテキスト化。

業務負担の軽減とスムーズな診療に寄与

海老名総合病院では、以前から受付から離れた事務室に置いたフラットベッドスキャナーで紹介状を取り込んでいた。「医師から診察前に紹介状を見たいという要求があった際は、原本をすぐに診察室に届ける必要がありました」(患者サポートセンター事務の五十嵐知美氏)という。fi-800Rの導入により、受付で迅速に取り込むことが可能になり、「1日に数件から約50件ある紹介状を事務室まで行って取り込んだり、原本を診察室へ届けたりする時間ロスや作業負荷がなくなりました。一方、医師も紹介状を基に先に検査オーダーが出せるなど効率化が図られました」(五十嵐氏)と運用効果を話す。

折れ目のある紹介状をスキャンする様子

折れ目のある紹介状も紙詰まりなく、1分間に40枚の高速読み取り(A4縦)が可能。向きやサイズも自動判別し見やすい画像を電子カルテに保存。

また、fi-800Rは、紹介状に添付された心電図記録紙など長尺な用紙を縦方向にスキャンしても、正方向に修正して電子カルテ上に表示できるため非常に便利だと五十嵐氏は評価している。

窓口でのスキャンは、救急外来の紹介状取り込みにも有効だという。「転院搬送された救急患者さんの紹介状原本は、診察室から病棟に回送・保管されてしまうことが多く、電子カルテへの取り込み漏れが生じることもありました。窓口で取り込むようになり、取り込み漏れはなくなりました」(患者サポートセンター事務の中島しのぶ氏)と説明する。

一方、海老名メディカルプラザでの運用は、診療科受付でお薬手帳または薬剤情報提供書を預かり、fi-800Rでスキャンし、ユビーAI問診のお薬手帳取込機能によりテキスト化された薬剤名などを原本照合し、チェックが済むと電子カルテにコピー可能な状態になる。5カ所の受付で1日平均90~100人の初診患者のお薬手帳を取り込んでいる。

以前は診察券などを収納する受付ファイルにお薬手帳を入れ、診察室ですぐ見せられるようにしたこともある。「ファイルから抜け落ちたのを患者さんが気づかず、苦情を言われることもありました。現在ではそのような問題もなくなりました」(中村氏)という。また、取り込んだお薬手帳情報の原本照合では、「照合すべき箇所が緑色で示されるので、スキャン後のチェックもスムーズです」(海老名メディカルプラザ事務の菅原咲良氏、ソラスト所属)と評価する。

fi-800R導入は医師にも効果をもたらしている。「診察前に紹介状の内容を事前に確認できるため診察がスムーズになった」「問診やお薬手帳のカルテ入力が省けて便利」などの評価もあり、文書業務の負担軽減にも寄与している。

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