1. 導入事例
2023.5.23

病院内で日々発生する膨大な診療諸記録をスキャナーで電子化
紹介状や同意書を電子カルテとひも付けて一元管理。医療現場を支えると共に、院内の文書管理業務の効率化を実現

慶應義塾大学病院前の小林さんと松田さんの写真

慶應義塾大学病院 病院情報システム部 兼 医療連携推進部 主務の小林 仁さん(左)と病院情報システム部 主務の松田 留美さん。東京都新宿区の慶應義塾大学病院前にて。

慶應義塾大学病院は、高度な医療の提供と共に研究・開発などを行う「特定機能病院」であり、1日平均約3,000人の外来患者が訪れます。慶應義塾大学病院では2012年に電子カルテシステムと業務用スキャナー「fiシリーズ」を導入し、院内の紙の診療諸記録をe-文書法に沿った電子データとして保存。電子カルテシステムと連携し、患者様ごとに情報を一元管理することで、診療現場を支える情報共有基盤を構築しています。
同病院の各部門を訪ね、紙の紹介状や同意書などの電子化についてうかがいました。
※所属や業務内容は取材当時(2023年3月)のものです。

慶應義塾大学病院

業種:医療

病床数:950床(2023年4月現在)

患者数:外来患者数 延べ人数:836,773人 / 1日平均:3,088人
入院患者数 延べ人数:283,696人 / 1日平均:777人
(2021年度)

目的
同意書や紹介状などの紙の診療諸記録を電子化し、電子カルテとひも付けることで医療現場を支える。
対応
スキャンセンターにA3フラットベッド付きモデルのスキャナーなど4台、医療連携推進部にA4モデルのスキャナーなど5台、臨床検査科にA4高速スキャナー1台を導入。
効果
  • 電子カルテから診療諸記録の参照が可能になり、病院全体で共有
  • 紙の診療諸記録をe-文書法に沿った電子データとして保存、さらに管理や検索にかかる業務負荷を軽減

1. 紙書類はスキャンセンターでまとめて電子化。各部門でも適時電子化

慶應義塾大学病院では、1,200以上ある連携先医療機関から提供される紹介状や年間1万5,000件ほど行う手術で発生する同意書など、大量の紙書類が存在します。これらの紙書類の電子化について、病院で稼働するシステムの構築や保守を行っている病院情報システム部の小林さんと松田さんに伺います。

小林さんと松田さんの写真

病院情報システム部 兼 医療連携推進部 主務の小林さん(右)と病院情報システム部 主務の松田さん。

慶應義塾大学病院では、どのような紙書類を電子化して電子カルテに取り込んでいるのでしょうか。

小林さん手書きが必要な手術などの同意書がメインですが、連携先医療機関からの診療情報提供書(紹介状)など、基本的には患者さんにひも付けられる書類はすべて電子化しています。

松田さんそのほかにも外部委託検査会社や検査報告書の内容によっては、まだまだPDFと紙が混在することが多いので、紙で届いた検査報告書をスキャンして電子化しています。
これらを電子カルテにひも付けることで、医師や看護師が必要な診療記録にスムーズにアクセスできたり、検査結果や画像を早く参照できたりします。

検査や手術を受けるための同意書は、1回の入院で何枚くらい発生するのでしょうか。また、紹介状は1日に何通届くのですか。

小林さん高度な医療を行うことに伴う同意書は種類が多く、ちょっとした医療行為に対しても説明をして同意を得る必要があるうえ、当院では複数の同意書を1つにまとめることはしていないので、同意書の枚数が多くなります。たとえば1回に2種類の手術を行う場合は2種類の手術の同意書、その中で使う薬剤や輸血の同意書も必要なので、術式によっては多ければ7種類ほどの同意書が発生します。
1回の入院で考えると、紹介状、同意書など20~30枚ほどスキャンするのではないかと思います。

松田さん紹介状については、当院では原則として初診時にかかりつけ医療機関からの紹介状をご用意いただくため毎日250通ほど届きます。

病院情報システム部 兼 医療連携推進部 主務の小林さんの写真
病院情報システム部 主務の松田さんの写真

病院情報システム部は電子カルテをはじめとした約70ものシステムを構築・保守し、24時間365日行われている医療を支えていますと話す小林さん(左)(上)と松田さん。

電子カルテにひも付ける紙書類の枚数が多いのですね。電子化したデータの患者さんごとの振り分けはどのように行っているのですか?流れを含めて教えてください。

小林さん同意書とそれ以外の紹介状や検査報告書によって方法が違います。同意書の場合は、電子カルテシステムの文書作成機能で説明文書(電子カルテシステムに保存されている文書)と院内用・患者さん用の同意書が2部発行されます。院内用の同意書には患者さんのIDや発行日時などが入ったバーコードが印字されます。同意書にサインしていただいたあとスキャナーで同意書を取り込むと、バーコードの情報に従って該当する説明文書に電子化したデータへのリンクが張り付きます。これで、説明文書と同意書がひも付きます。
紹介状や検査報告書の場合は、電子カルテシステムからスキャン依頼のオーダーを発行すると取り込み情報やQRコードが印字された仕切り紙が作成されます。取り込む紙書類の先頭にこの仕切り紙を表紙として添付してスキャン依頼をします。スキャンセンターで表紙からスキャンすることで患者さんにひも付いたデータとして登録されます。

スキャンセンターとは、紙書類を電子化する専門の部門なのでしょうか。

小林さんそうです。基本的には外来や病棟からスキャン依頼を回収してスキャンセンターに集約し、スキャンセンターでまとめて電子化しています。
当院では同意書や紹介状などの紙書類の真正性を担保するため、e-文書法に対応した医療機関向け文書管理システムを導入しています。スキャンセンターでスキャンした文書を文書管理システムに取り込み、タイムスタンプを付与・管理して原本扱いとしています。

松田さんスキャンセンター以外に、紙の検査結果は臨床検査科で、紹介状は医療連携推進部でも電子化しています。

書類の一元管理の全体像

運用の全体像

院内の紙書類は文書管理システムでタイムスタンプが付与されて一元管理されます。スキャンセンター、医療連携推進部、臨床検査科での運用については後述しています。

紙の診療諸記録はe-文書法に沿った電子データとして保存されるので、スキャン後は電子データが原本となるのですね。スキャン後、紙の診療諸記録の保管はどうされているのですか?

小林さん原本が電子データに移行するので、紙の書類は一定期間保存したあと、まとめて廃却しています。紙が原本のときは保管庫が紙であふれていたので、そのときに比べて保管スペースはかなり減っています。

病院には今でも大量の紙書類が存在するのでその読み取りには業務用スキャナーが適しているということですね。慶應義塾大学病院様では業務用スキャナー「fiシリーズ」を使用されていますが、どのような機種を使用されているのですか。

松田さん現在fiシリーズは、スキャンセンターでA3フラットベッド付きモデル「fi-7700」やA3高速モデル「fi-7600」などを4台、臨床検査科や医療連携推進部など院内各所でA4対応の「fi-8170」などを35台ほど導入しています。

fi-7700とfi-7600の写真

スキャンセンターに導入されているA3フラットベッド付きモデル「fi-7700」、A3高速モデル「fi-7600」。

fi-8170の写真

臨床検査科に導入されているA4対応の「fi-8170」。

病院情報システム部でスキャナーをはじめとする各種機器を調達されていると伺いましたが、どのように調達されているのでしょうか。また、fiシリーズを2012年から継続して使用されている理由があればお聞かせください。

松田さん周辺機器は電子カルテベンダーから提案されますが、そのまま採用することはありません。私たちで候補を挙げることもありますし、検証機を借りて動作確認や評価も行います。fiシリーズのスキャナーも継続して使用していますが、販売終了した機種の後継機をそのまま採用することはなく、必ず検証・評価しています。今回も「デモ機貸し出しサービス」を利用して動作確認を行いました。

小林さんfiシリーズを2012年から継続して使用している理由は、スキャンしている現場から読み取りスピードが遅い、紙詰まりが発生するといった問題があがってこないうえ、長期間使用し続けても高い性能・出力品質を保ち続けているからです。fiシリーズに高い信頼感をもっていました。また、他社製にすると操作性が変わってしまうことも後継機を選択した理由の1つです。

2. 書類に合わせてスキャナーを使い分け、1日1万枚を電子化するスキャンセンター

紙の診療諸記録などの電子化を一手に担っているスキャンセンターの業務について、医事統括室 主任の宗像 恒さんと、同じく医事統括室の加藤 直美さんにお話を伺います。

医事統括室の2人の写真

医事統括室 主任の宗像 恒さん(右)と医事統括室の加藤 直美さん

スキャンセンターでは同意書をメインに電子化されているとのことですが、体制と作業の流れを教えてください。

宗像さんスキャンセンターの稼働時間は8時30分から21時までで、7人の職員が2交代制で対応しています。作業の流れは、まず外来や病棟で電子カルテシステムからスキャン依頼のオーダーが行われます。オーダーによって発行された仕切り紙(表紙)と電子化する紙書類をセットにしたものが所定の回収ボックスに入れられます。1日2回、スキャンセンターの職員がそれらを回収してスキャンセンターに集約し、文書をチェックして問題がなければスキャンします。スキャンしたあともスキャンした人自身と第三者によるダブルチェックを行っています。

医事統括室 主任の宗像さんの写真
医事統括室の加藤さんの写真

スキャンセンターの業務について話す宗像さんと加藤さん。

どのようなチェックを行っているのですか?

加藤さん仕切り紙と紙書類を比較しています。たとえば、仕切り紙に記載された患者番号と電子化する書類の番号が違っていないかをチェックしています。

第三者チェックの様子

スキャン後は、スキャンした用紙と画面を比較してチェックを行います。

1日にスキャンする枚数はどれくらいになりますか?

加藤さんスキャンセンターでは、同意書以外にも、紹介状や検査結果など診療記録として電子カルテに登録しなければならない紙の書類をすべて電子化しています。現在、fi-7700やfi-7600などの4台のスキャナーが導入されていますが、1台あたり1日平均2,500枚ほどスキャンしています。スキャナーはフル稼働しているので、スキャンセンターとしては1日1万枚以上の紙をスキャンしていることになります。

スキャンする書類はどのようなものですか?なかには特殊な用紙などもありますか?

宗像さん一番多いのはA4サイズの書類です。

加藤さん眼科からの書類は、目が悪い患者さんがお相手なのでA3サイズの場合があります。当院が用意している書類はA4サイズなのですが、他の医療機関から持ち込まれた紹介状や書類のなかにはA3サイズのものがあったり、ときどき名刺サイズの紙があったりします。

用紙の種類によってスキャナーを使い分けているのですか?

加藤さんA4サイズの書類はfi-7600のADF(Automatic Document Feeder:自動給紙機構)を使って読み取っています。たとえばサイズが小さすぎるもの、レシートのように細長いもの、折り目があるようなデコボコしたもの、一部だけ糊付けされているものはfi-7700のフラットベッドを使って読み取っています。

fi-7600で書類をスキャンしている様子

A4サイズの書類をまとめてスキャンする際には、fi-7600(毎分100枚/200面)で読み取ります。

fi-7700で書類をスキャンしている様子

確実かつスムーズな読み取りを行うため、名刺のような小さいサイズや糊付けされている書類などはfi-7700のフラットベッドで読み取ります。

1日1万枚の紙をスキャンするのは大変だと思いますが、直近で導入したfi-7700、fi-7600の使い勝手はいかがでしょうか。

宗像さん職員からは、「静電気が起こりにくくなり、排紙がスムーズになった」、「読み取り速度が速く、画像も鮮明で細部まで正確に読み取れる」という声を聞きます。

加藤さんスキャンセンターは大量の書類を処理しているので、スムーズにいかなかったり上手く読み取れなかったりするとストレスになります。性能が向上して読み取りエラーが少なくなったのでスキャンもチェックも楽になり、職員のストレスも減っていると思います。

3. 臨床側で参照できるように紹介状や返書を電子化する医療連携推進部

紹介状の文書管理システムへの取り込みはスキャンセンターが行っていますが、患者様が持参したり他の医療機関から郵送されてきたりした紹介状は、地域医療ネットワークシステムに取り込んで臨床側で参照することを目的に医療連携推進部でも電子化しています。電子化手順について、医療連携推進部 主任の関根 聖純さんと医療連携推進部の菊池 奈央さんにお話を伺います。

医療連携推進部の2人の写真

医療連携推進部 主任の関根 聖純さん(左)と医療連携推進部の菊池 奈央さん。

医療連携推進部には何台のfiシリーズが導入されているのですか?

関根さん当初は1台だったのですが、現在はA4対応コンパクトモデル5台が導入されています。

1,200以上の連携先医療機関があると伺いましたが、電子化されているのはその医療機関からの紹介状になりますか?また、医療連携推進部には1日にどれくらい届くのですか?

菊池さん医療連携推進部で電子化しているのは、患者さんのかかりつけ医からの紹介状と、当院が紹介した医療機関からの返書になります。当部に届くのは、1日100通ほどです。
紹介状は郵送されてくるものもあるのですが、一番多いのは患者さんが外来に持参されて、先生が確認されたあとで電子化を依頼されるケースです。

医療連携推進部の関根さんの写真
医療連携推進部の菊池さんの写真

医療連携推進部のスキャン業務について話す関根さんと菊池さん。

医療連携推進部では業務の合間に約100通の紹介状を電子化されていると思いますが、電子化する担当者は決まっているのですか?また、医療連携推進部での作業の流れを教えてください。

菊池さん特に電子化の担当者は決まっているわけではなく、スキャナーがある席に座った人が取り込み作業を行っています。郵送で届いた紹介状は診療前に取り込んでおく必要があるので、届いたその日にスキャンしています。
作業の流れは、紹介状が届いたら電子カルテから地域医療ネットワークシステムを開き、紹介状を取り込む枠を作成して医療機関名などを入力し、紹介状をスキャンします。スキャン後はスキャンした本人と第三者でダブルチェックします。当部でスキャンした紹介状はスキャンセンターにスキャン依頼のオーダーを出し、文書管理システムで原本管理する流れになっています。

書類をスキャンしている様子

スキャナーが設定されている席に座った人が届いた紹介状をfiシリーズにセットして取り込みます。

スキャンした書類を確認している様子

取り込んだ紹介状は、スキャンした人自身と第三者によるダブルチェックを行います。

紹介状には用紙の形状が違う検査報告書が添付されていることもあると思いますが、取り込みに問題はないでしょうか。

関根さんエコー画像などが貼り付けられている場合もあるのですが、鮮明に読み取れていますし特に問題はありません。スキャンし直すということはほぼないですね。

菊池さん用紙がたたまれていたり、写真が届いたりすることもあるのですが、ADFで問題なく取り込めます。

4. 紙の検査報告書をスキャンして検査オーダーとひも付けし、臨床検査科のサービスを向上

外部委託検査会社や検査報告書の内容によっては紙の報告書が届くため、必要なタイミングで電子カルテから検査結果を参照できる環境が必要でした。これまではスキャンセンターで電子化していたのですが、2023 年3月に臨床検査科にfi- 8170を導入してテスト運用を開始しました。4月からは正式運用の開始が予定されています(取材:2023年3月)。
臨床検査科 課長の大野 明美さん、同じく臨床検査科 課長の荒井 智子さん、臨床検査科 主任の石澤 毅士さんにスキャナー利用開始前の運用や課題、スキャナー利用を開始した新しい運用の詳細についてお伺いします。

臨床検査科の3人の写真

左から臨床検査科 課長の大野 明美さん、同じく臨床検査科 課長の荒井 智子さん、臨床検査科 主任の石澤 毅士さん。

臨床検査科で紙の検査結果報告書(報告書)の電子化を開始する前はどのような運用だったのでしょうか。

大野さん電子カルテから患者さんの情報が入った仕切り紙(表紙)を作ってスキャン依頼のオーダーを出し、仕切り紙を出力して報告書と重ねて間違いがないかを担当者同士でダブルチェックします。その後スキャンセンターで電子化して電子カルテに登録するという形でした。

この運用で何か困ったことがあったのですか?

大野さん診療で先生が検査結果を確認したときに検査結果が確認できない、保存されているかどうかがわからないという問い合わせがくることがありました。スキャンセンターに依頼してしまうとこちらではスキャンされる時間帯を把握できず回答できないのですが、臨床検査科で電子化すれば電子カルテを確認して問い合わせに回答できると考えました。

荒井さんそれから、これまでの運用では先生が発行した検査依頼のオーダーと報告書のスキャン依頼のオーダーとがひも付いていなかったので、先生は検査オーダーから紙で届いた検査結果を直接確認することができませんでした。別の画面から検索して確認するという煩雑な作業が発生していたと思います。

石澤さんまた、検査依頼のオーダーとひも付いていないことから、先生が検査オーダーを出したのに紙で届く検査結果を確認していないというリスクも考えられました。これを防ぐためにも臨床検査科でスキャン作業を行ってサポートできないかと考えました。

紙の報告書の運用について説明する大野さんの写真
これまでは報告書を見る際の作業が煩雑だったと話す荒井さんの写真

スキャン依頼のオーダーを発行していたときの運用の流れや困ったことについて話す大野さん(左)(上)と荒井さん。

外部委託検査会社から届く電子化が必要な紙の報告書はどのようなもので、1日に何件くらい発生しますか?

大野さん件数は1日に10件~15件ほどです。

荒井さん種類としては、たとえば遺伝子染色体の画像やグラフが付いているような報告書などが紙で届きます。

今回の臨床検査科で電子化する運用変更は、業務の効率化というよりは臨床検査サービス向上が目的のようですが、臨床検査科で電子化する具体的な流れを教えてください。

石澤さん紙の報告書をスキャンし、原本の報告書と電子化したPDFとを照合して問題がなければ部門端末に保存します。そこから部門システムに取り込みますが、このタイミングで検査結果のPDFは患者さんごとに自動的に振り分けられます。

報告書をスキャンする様子

紙の報告書は患者様ごとにスキャンします。

スキャン結果を照合する様子

スキャン後、原本の報告書と電子化したPDFを照合します。

これまでと比べて臨床検査科職員の負担が増えたのではないですか?

大野さんまだ慣れていないですが、ボタン1つで報告書を簡単に電子化できますし、ダブルチェック作業まで含めても1件あたり2 〜 3分で処理できるので、慣れれば負担になるような作業ではないと思っています。

荒井さんこれまでは仕切り紙に検査ごとの題名を付けていたのですが、検査の種類が多いので入力するのもチェックするのも手間がかかっていました。その作業がなくなったので楽になっていると思います。

運用を変えたことでどのような効果が出ていますか?または、予想される効果を教えてください。

石澤さんこれまでは外部委託検査会社から届いた紙の報告書をスキャンセンターにスキャン依頼をしていたので、電子カルテに登録されるまで1、2日かかっていました。今後はそのタイムラグがなくなるので、先生方も必要なときに検査結果を確認できて便利になるのではないかと思います。運用の目的であった臨床検査科のサービス向上につながっていると思います。

大野さん検査結果の問い合わせがあった場合、検査依頼オーダーを基に外部委託検査会社からの報告書を確認できるようになるので、私たち自身も便利になっていると思います。

fi-8170で取り込んだPDFの品質に問題はありませんか?

石澤さんカラーの書類なども試しましたが、解像度も良く、写真画像も鮮明で品質に問題はありません。

現在の運用について話す石澤さんの写真

臨床検査科での電子化は、目的であったサービスの向上につながっていると話す石澤さん。

5. 今後は紙書類を発行することなくデジタル処理できる展開へ

最後に、病院情報システム部 兼 医療連携推進部 主務の小林さんにお伺いします。電子カルテと紙書類の電子化により、業務の効率化が進んでいますが、今後の展開予定などがあればお聞かせください。

小林さんこの先、スキャンして電子化する文書そのものを減らしていきたいと考えています。現段階では、ペーパーレスを目的に電子カルテシステムを導入していますが、紙は減っておらず、逆に増えている感覚すらあります。本来のペーパーレス化に向けて動いていければ良いと思うので、紙書類を発行することなくデジタル処理できることが増えるように展開していきたいと考えています。

本日はお忙しい中、参考になるお話を詳しくお聞かせくださり、ありがとうございました。

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