1. 医療法人社団 新長田眼科病院
2024.11.25

医療法人社団 新長田眼科病院

紙の紹介状や検査結果等をスキャンしてデータ化し、バーコードにより電子カルテに自動保存 医療現場で大量に発生する書類のスキャンに「fiシリーズ」を導入、業務の大幅な円滑化と効率化を実現

新長田眼科病院の吉富幸徳さん(右)と山下浩治さん(左)。

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兵庫県神戸市長田区の新長田眼科病院は全国的にも数少ない、入院可能な眼科専門病院です。 外来に月間4,000人もの患者が訪れる同院では、電子カルテシステムの導入に伴い、医療現場で大量に発生する紙の書類をスキャンしてデータ化し、電子カルテに集約する運用を開始しており、2024年8月には専用のスキャナーとして計4台の「RICOH fi Series」(以下、fiシリーズ)を導入しました。 その運用フローならびに「fiシリーズ」採用の理由、現場での評価や導入効果を詳しくうかがいました。

課題
紙書類をスキャンしてイメージデータを電子カルテに紐付ける運用にあたり、よりスムーズにスキャンできる機器が求められていた。
解決法
リコージャパン株式会社の紹介を受けて「fi-800R」1台と「fi-8040」3台を導入、専用スキャナーとして受付や病棟に配置。
効果
受付での書類・保険証のスキャンが円滑化したほか、スキャナーの「スキャンボタン」を押すだけで取り込みが完了する設定により病棟でのスキャンが大きく効率化。また「PaperStream Capture」の「自動仕分け機能」活用によりイメージデータの自動保存がよりスムーズになった。

1. 「fiシリーズ」の画像補正機能と高い給紙性能によって手間と時間が削減された

新長田眼科病院で電子カルテなどのシステム関連業務を担当されているIT推進室 室長の吉富幸徳さんと、受付など医事の現場とIT推進室との橋渡し役を務めておられる医事課 医療情報技師の山下浩治さんにお話をうかがいます。はじめに新長田眼科病院がどのような病院なのか、その特長をお聞かせください。

吉富さん 当院は20床の入院設備を持つ眼科の専門病院です。日本の眼科は大半が無床診療所ですから、入院可能な眼科専門病院は全国的にもかなり珍しい存在です。

眼科の病院に入院設備があると、どういう点で有利なのでしょう。

山下さん たとえば患者様が白内障の手術を受けられると、診察のため翌日・翌々日にもお越しいただく必要がありますが、入院していただくと術後の負担が大きく軽減されます。また、緑内障で眼圧を下げるための手術を受けていただく場合にも入院が必要ですし、網膜剥離で突発的に見えなくなった方があわてて来院され、すぐに手術・入院というケースも意外に多く発生します。いずれも入院設備があればスムーズな対応が可能になります。

病院名がわかる写真

新長田眼科病院は1995年の阪神淡路大震災で全焼しましたが、苦難を乗り越えて再建を果たし、地域を代表する眼科として連日、多くの患者を受け入れています。

1階の受付・待合室の写真

自然光が差し込む1階の受付・待合室。明るく温かい雰囲気です。

患者数と手術の件数を教えてください。

山下さん 外来患者数は月に述べ約4,000人、手術は外来と入院を合わせて年間1,500件を超えています。そのほとんどが水晶体を人工のレンズと入れ替える白内障の手術です。

吉富さん 神戸でも高齢化が進んでいるため、現在は白内障が当院の主たる治療対象になっています。白内障に悩まれている高齢の方が神戸市全域から来院されるので、できるだけ多くの方に受診していただけるよう、当院は年中無休で毎日開院しています。それもまた当院の特長といえるかもしれません。

何人で病院を運営されているのでしょうか。

吉富さん 総勢70人です。診察室は3つあり、眼科専門のドクター6人がシフトを組んで診察しています。また神戸大学の先生方による専門外来や、月1回の緑内障専門外来も行っています。

院内のIT関連業務を主導する吉富さんの写真

IT推進室 室長の吉富幸徳さん。電子カルテシステムをはじめ、院内のIT関連業務を主導しています。

医事課 医療情報技師の山下さんの写真

医事課 医療情報技師の山下浩治さん。受付などの医事業務をこなしながらIT推進室との橋渡し役も務めます。

新長田眼科病院では2019年に電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ」(株式会社シーエスアイ製)を導入し、医療の現場で数多く発生する紙の書類をデータ化して電子カルテに統合する運用を開始されています。続いて2024年8月には「MI・RA・Is/AZ」の更新に伴い、紙書類をデータ化するための専用機として「fiシリーズ」を新たに導入されました。「fiシリーズ」の運用について詳しくうかがうにあたり、電子カルテ導入の経緯から教えてください。

吉富さん 電子カルテは一般的に、①いわゆるカルテ、②検査結果などのデータ類、③医事会計という3つのパートに分けられます。このうち当院では①のカルテが長らく紙だったため、診察時の手書きと、その内容を医事会計システムに反映させるための手入力が必要でした。そこで2019年に電子カルテシステム「MI・RA・Is/AZ」を導入し、カルテの電子化と、カルテと医事会計の自動連携を実現させました。

これと同時に、紙で運用していた各種の書類もデータ化して「MI・RA・Is/AZ」に一元化することにし、既存のスキャナーと複合機による紙書類のスキャンを開始しました。

どのような書類がスキャンの対象になるのでしょう。

山下さん 患者様に記入していただく問診票、病院間でやり取りする紹介状や他院での検査結果などです。こうした情報は今なお99パーセントが紙のままです。患者様からお預かりしたお薬手帳をコピーした紙もスキャン対象になります。

書類のサイズや紙質はある程度統一されているのでしょうか。

山下さん まったく統一されておらず、完全にバラバラです。検査結果の紙には定型より小さいものなどがよく見られます。カーボン複写式の紙に手書きされた紹介状は薄くてペラペラですし、逆に厚めで表面がザラザラした再生紙の書類もかなり多くあります。また眼科は検査が多岐にわたっており、眼底を撮影した写真のプリントを受け取ることもあります。

スキャンする書類の写真

スキャンする書類のサイズ・紙質はさまざまです。極端に薄い紙や厚い紙もあります。

今回、「MI・RA・Is/AZ」の導入から5年を経て「fiシリーズ」を導入された理由をお聞かせください。

吉富さん 「MI・RA・Is/AZ」の更新を機に、スキャン作業をより円滑にしたいと考えたためです。2019年の運用開始以降、受付に他社製スキャナーと複合機、病棟に複合機を配置して使ってきました。いずれも重要な戦力でしたが、さまざまなサイズ・紙質の書類が混在しているため、ともに紙をスムーズに送れないことがあり、連続スキャンに失敗するケースが発生していました。

山下さん これに対応するため、相応の手間と時間をかけて書類をサイズ別・紙質別に仕分ける、いったん複合機でコピーしてA4に統一するといった作業を追加していました。

できれば追加作業なしでスキャンしたいところですね。

吉富さん そう思っていた矢先に、リコージャパン株式会社の営業担当の方が、同じリコーグループのPFUが製造販売している「fiシリーズ」を紹介してくれ、PFUによる「fi-800R」の実機デモを見せてもらえることになりました。そのデモで目の当たりにした「fi-800R」の高機能ぶりに当院の職員一同は驚愕し、これは導入する方向で考えるべきだろうという空気がその場で醸成されました。そこで「デモ機貸し出しサービス」の利用を経て「fi-800R」を1台と、併せて3台の「fi-8040」の導入を決定し、2024年8月の運用開始に至りました。

実機デモではスキャンが速いことにも驚きましたが、特に印象的だったのは画像補正機能です。横向きの原稿を縦にセットしたり、原稿が多少斜めにずれていたりしても、スキャナーがイメージデータをリアルタイムで真っ直ぐに補正してくれるのが本当にすごいと思いました。

なお、受付の他社製スキャナーは「fi-800R」に置き換えましたが、複合機はそのまま配置しているので、スキャンはスキャン専用機、FAX・大量印刷・コピーは複合機というように、現在は使い分けの明確化も実現しています。

「fi-800R」が設置されている様子
「fi-8040」が設置されているところ

新長田眼科病院では「fi-800R」(左)(上)を1台、「fi-8040」(右)(下)を3台と、計4台の「fiシリーズ」を導入し、運用を開始しています。

「fiシリーズ」の導入によって手間と時間は削減されましたか。

山下さん 削減されています。紙を読み込むスピードも速くなりましたが、作業全体の中で見ると、むしろ画像補正機能や給紙性能の高さが時短につながっていると思います。たとえばお薬手帳のコピーを取ると、たいていA4横向きの書類になりますね。従来はそのままスキャンするとイメージデータが縦になるので、紙の左右を切って幅をA4短辺に揃えたり、あとからイメージデータが横になるよう回転させたりと、別の作業が付随していました。また前述の通り、サイズや紙質をだいたい均一にするための仕分けも頻繁に行っていました。

その点、「fiシリーズ」は自動で画像の向きを補正してくれますし、給紙のエラーがほとんど発生しないので、スキャン前後の無駄な作業を省けるようになりました。一つひとつは小さなことですが、合計で一日に数十分は短縮されていると考えられます。

2. 「PaperStream Capture」の「自動仕分け機能」を活用し電子カルテに自動で紐付け

紙書類のデータ化では「fiシリーズ」標準添付ソフトウェア「PaperStream Capture」の「自動仕分け機能」を活用しておられるとうかがいました。具体的にはどのような運用なのでしょう。

吉富さん 「MI・RA・Is/AZ」の機能によって生成した患者様お一人ずつのバーコードを読み取り、その情報に則ってイメージデータを該当患者様の電子カルテに自動で紐付けするというものです。以前から同様の運用を行っていましたが、「fiシリーズ」導入後は「PaperStream Capture」を活用し、以下の方法でいっそうスムーズに運用しています。

  • ① 「MI・RA・Is/AZ」の機能によって患者様お一人ずつのバーコードを生成。
  • ② バーコードが印刷された台紙を書類に重ねてスキャン。
  • ③ 「fiシリーズ」の標準添付ソフト「PaperStream Capture」の機能でバーコードの数字をイメージデータのファイル名として付与(台紙のページはイメージデータ化しない設定)。
  • ④ このイメージデータを仮保存フォルダーに格納してから電子カルテシステムと連携しているクライアントPCでバッチ処理を起動。
  • ⑤ イメージデータが仮保存フォルダーから電子カルテシステムのスプールサーバーに移動。
  • ⑥ 電子カルテシステムの文書フォルダーに自動で振り分けて保存。

この間、人の作業はバッチ処理を実行するためのダブルクリックのみです。

非常に便利な仕組みを構築されているのですね。台紙と書類をスキャンするときの重ね方は、「Aさんの台紙の下にAさんの書類一式、Bさんの台紙の下にBさんの書類一式……」というイメージでしょうか。

吉富さん より正確には「Aさんの紹介状用台紙の下にAさんの紹介状、Aさんの検査結果用台紙の下にAさんの検査結果、Bさんの問診票用台紙の下にBさんの問診票、Bさんのお薬情報用台紙の下にBさんのお薬情報……」というような形ですね。これにより患者様ごと・書類種別ごとの自動振り分けが可能になります。

場合によっては印刷する台紙の枚数がかなり多くなりそうですね。

吉富さん 多くなることもありますが、小型のプリンターを各所に配置しているのですぐに印刷できます。また、印刷する手間と台紙を書類に重ねる手間が増えても、スキャン後にデータを手動で振り分ける作業に比べればはるかに楽で確実です。

このほか、当院で発行する紹介状などの書類には最初から上部にバーコードが印刷されており、それらは台紙なしでスキャンが可能です。

バーコードが印刷された台紙の写真

左はバーコードが印刷された台紙。書類の上に重ねてスキャンします。右は新長田眼科病院が発行する書類で、はじめから上部にバーコードが付いています。

新長田眼科病院が発行する書類をスキャンすることもあるのですね。元データがあるのに、なぜスキャンするのでしょうか。

山下さん 印刷した紹介状にドクターが押印したり追加で手書きをしたりするので、完成形をデータ化して保存する必要があるからです。

吉富さん 同意書など、患者様の署名をいただく書類も同様です。つまり当院における書類の原本はあくまでも紙であり、電子カルテに取り込むのは複写であるということです。そのためスキャンを終えた原本は別途、紙のまま保管することになります。

3. 「fi-800R」の省スペース性と、タッチパネル操作が直感的な「fi-8040」で業務効率が向上

ここからは今回導入された「fiシリーズ」による書類データ化のフローを具体的にうかがいます。はじめに窓口業務向けのA4コンパクトスキャナー「fi-800R」について、バーコード活用の実際とともにお聞かせください。設置場所は受付でしょうか。

山下さん 受付カウンター内側の、すぐ横に置いています。「fi-800R」は本体がコンパクトな上、手前に排紙トレーのないUターンスキャン方式なので狭い場所にも設置できます。スキャン対象は紹介状や問診票、当院で発行した同意書や紹介状、お薬手帳のコピーや保険証など多岐にわたります。

「fi-800R」に原稿をセットしたところ
Uターンスキャンで読み取っているところ

「fi-800R」は受付などの窓口業務に最適なA4コンパクトスキャナーです。取り込んだ原稿が上方に戻るUターンスキャンを採用しており、1分間に40枚・80面の高速スキャンが可能です。

スキャン枚数は一日あたり何枚でしょうか。

山下さん 受付の「fi-800R」は使用頻度が最も高く、平均すると一日に数十枚をスキャンしています。ただし日によって波があり、100枚を大きく超える枚数を取り込むこともあります。たとえば院長の診察がある日は紹介状をお持ちの患者様が増えるため、スキャン枚数も一気に上昇します。

受付の場合、書類はどのような経路で集約されてスキャンに至るのでしょうか。

山下さん 患者様からお預かりした問診表や紹介状などの書類は診察で使用するため、まず診察室に回り、診察後にドクターが書類に確認印を捺します。その間にクラーク(医師をサポートする事務職)や受付の職員がバーコードの台紙を印刷しておきます。

診察室から戻ってきた書類と台紙が合体するのは、その患者様が会計を済まされたあとです。職員が台紙と書類を順に重ねていったんプールしておき、手が空いたときにその時点で溜まっている書類を「fi-800R」でスキャンします。

バーコードの台紙をプリンターで印刷しているところ

電子カルテシステムが生成したバーコードの台紙をプリンターで印刷し、診察室から戻ってきた書類に重ねてスキャンします。

何人分かを重ねて一気にスキャンしているのでしょうか。

山下さん そうですね、バーコードによって自動で振り分けられるので、1回にセットできる枚数の範囲で数人分をまとめてスキャンします。

すると先ほどうかがったように、イメージデータが電子カルテに自動で紐付けられるのですね。

吉富さん そうです。スキャンするとイメージデータにファイル名としてバーコードの数字が付与されて仮保存フォルダーに送られます。それをバッチ処理すると電子カルテの文書フォルダーに患者様ごと・書類種別ごとに自動で取り込まれます。

イメージデータ仮保存フォルダーに送られたことがわかる画面

スキャンしたイメージデータはいったん仮保存フォルダーに送られます。

自動で振り分けられたことがわかる画面

その後、左側に見えている「患者記録」「検査結果」「持参薬」などのフォルダーに自動で振り分けられ、保存されます。

仮保存フォルダーに入った段階でイメージデータを確認するのでしょうか。

吉富さん 途中段階での確認は行わず、自動保存完了後に電子カルテシステムの画面上で、イメージデータと振り分け結果の確認を行います。確認が完了したら台紙を破棄し、書類の原本を保管に回します。

電子カルテへ振り分ける画面
確認作業している様子

電子カルテへの振り分け保存が完了した段階でイメージデータを確認します。

受付ではプラスチックカードもリターンスキャン(手前下部から挿入したカードが手元に戻ってくる機構)で取り込める「fi-800R」の特長を活かして、保険証もスキャンしているのですね。

山下さん はい。保険証に関してはバーコードなしで通常のスキャンを行い、イメージデータをいったんPCのフォルダーに保存して、その後に電子カルテシステムからフォルダーにアクセスして手動で取り込む形をとっています。

「fi-800R」で保険証をスキャンするところ

カウンター越しに保険証を受け取ったらそのまま「fi-800R」へ。保険証はバーコードなしの通常スキャンを行います。

読み取った保険証が表示されている画面

保険証のイメージデータはいったんPCに保存し、手動で電子カルテに紐付けます。

「fi-800R」に対する評価をお聞かせください。

山下さん 何より省スペース効果が大きいですね。また保険証もスキャンできるので、保険証スキャン専用にしていた小型のスキャナーが不要になりました。作業スペースの運用がかなりスマートになったと思います。

吉富さん 病院の受付カウンターまわりはすぐに物で埋まってしまい、悩みの種になりがちです。それが今回、ありがたいことにだいぶ解消できました。

続いて、ベーシックなADFスキャナー「fi-8040」の運用についてうかがいます。3台をどちらに配置されていますか。

吉富さん 1台目を外来の処置室、2台目を病棟に配置しています。ともに「fi-800R」同様、バーコードを活用した書類スキャンがメインで、病棟では入院計画書などの入院準備書類が多くなります。3台目を置いているのは地域連携室で、電子カルテとは別系統の一般書類を主にスキャンしています。

スキャナーの「スキャンボタン」を押すだけで、PCを操作することなく簡単にスキャンが完了できるように設定されておられるとか。その狙いと効果を教えてください。

吉富さん 前述の通り、画像の確認はシステムに取り込んだあとに行っているので、スキャンしたタイミングでPCでの画像確認等を行う必要はありません。そのため、現場では紙をセットしてスキャナーの「スキャンボタン」を押すだけで、ほぼ自動的にデータの保存までが完了する設定にしています。①スキャナーの「スキャンボタン」を押すと接続されているPCでソフトウェアが起動、②スキャン、③バッチ処理のダブルクリック、という簡単な操作だけですから、PCに不慣れな人でもPCやソフトウェアの操作に手間取ることなく保存までが完了し、現場の効率が大きく向上します。

ナースステーションに配置されている「fi-8040」の写真

病棟の「fi-8040」。ナースステーションのカウンター内に配置しています。1分間に40枚・80面の高速スキャンが可能です。

病棟でも書類のスキャンは事務職員の方がなさるのでしょうか。

山下さん いえ、看護師がスキャンしています。

看護業務の合間にスキャンするとなると、受付の忙しさとはまた別の慌ただしさがありそうです。

吉富さん そうですね。実際のところ、「fiシリーズ」の導入によって最も利便性が向上したのは病棟でしょう。もともと病棟ではスキャンに複合機を使っていましたが、スペースの都合でADFを付けられなかったため、書類を1枚ずつガラス面に置いてスキャンしていました。そのためスキャン枚数が多いときには書類を持って3階の病棟から1階の受付まで降り、受付の職員にスキャンを依頼していました。ただ、それだと看護師は行き来する時間を浪費することになり、受付は負担が増えることになるので、好ましい状況とはいえませんでした。

それが「fi-8040」の導入で解消され、さらには紙をセットしてスキャナーの「スキャンボタン」を押すだけで済むようになったので、一気に効率化を果たせたことになります。病棟が受けた恩恵は大きいと思います。

入院準備書類の写真

病棟でのスキャン対象は入院計画書などの入院準備書類がメインです。

スキャンボタンを押す様子

PCに触れることなく、紙をセットしてタッチパネルの「スキャンボタン」を押すだけでイメージデータの保存までが完了します。

「fi-800R」と「fi-8040」、ともに特長を引き出して活用されていますね。

吉富さん 各機種の特長的な機能がもたらす利便性も、数値化はしていませんが時短を含めた効率化につながっています。特に、PCに触れることなくスキャンから保存までを行う運用を実現できたことで、「誰がいつスキャンしても同じ成果を出せる」という、非常に好ましい環境になりました。

山下さん 受付の職員は「fi-800R」の省スペース性とスキャンの速さ、原稿の向きを気にせずセットできること、1台で保険証などプラスチックカードもスキャンできることを高く評価しています。

「fiシリーズ」導入時のセッティングはスムーズにできましたか。

吉富さん 一部機能のセッティング手順が少々複雑だったので、正直なところマニュアルだけではちょっと難しいかなと思いました。ただPFUはサポートが丁寧なので、問い合わせて電話で説明を受けながら作業したところ無事に設定できました。

今後、保管されている書類の原本や、昔の紙カルテなどをスキャンしてデータ化するご予定はありますか。

吉富さん 大きな総合病院などには紙の書類をスキャナーでデータ化する専任の部署がありますが、当院ではなかなかそこまでコストを割けないので、基本的にはこれまで通りに紙で保管することになります。

現在スキャンしている紹介状や検査結果などは、将来的に医療施設間でデータをやり取りするようになるのでしょうか。

吉富さん 厚生労働省はデータによる医療情報の共有を目指しているようですが、その実現は少し未来のことになると思われます。当分の間は電子カルテシステムとスキャナーの連携を活用しながら業務効率化を進めていきます。

「fiシリーズ」が新長田眼科病院における業務効率化の一助となれて幸いです。本日は詳しくお話しくださり、ありがとうございました。

※ MI・RA・Is は株式会社シーエスアイの登録商標です。

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