1. 株式会社サンニチ印刷
2024.12.25

株式会社サンニチ印刷

毎月8万5000枚の申請書データ化案件を「fiシリーズ」と「DynaEye」で円滑に処理 総合印刷会社が立ち上げたBPO事業に「fi-8950」と「DynaEye 11」が採用されて活躍中

左から、杉原賢治さん、土屋友典さん、萩原純一さん、齋藤和哉さん。

この記事のPDFチラシをダウンロード

山梨県甲府市に本社を置く老舗の総合印刷会社、株式会社サンニチ印刷が2024年、新たにBPOサービス事業を立ち上げました。同社が主に自治体から請け負う複数の大規模BPO案件を遂行するため、主軸を担うツールとして採用したのが業務用スキャナー「RICOH fi Series」(以降、fiシリーズ)とAI-OCRソフトウェア「DynaEye」です。本社BPO事業部を訪ね、目下進行中の「毎月8万5000枚の申請書データ化」業務におけるスキャンとOCR処理の実際を詳しくうかがいました。

課題
輪転印刷事業に代わる新規事業として立ち上げたBPOサービスのスタートに際し、高性能な汎用スキャナーとAI-OCRソフトウェアが必要だった。
解決法
スキャナーとして「fi-8950」と「fi-8190」、AI-OCRソフトウェアとして「DynaEye 11」を導入。BPO事業部の立ち上げに伴い順次運用を開始。
効果
さまざまな紙が混ざった大量の原稿も難なくスキャンできる「fi-8950」の機能と認識精度の高い「DynaEye 11」によってBPOサービスが好発進。新規の大型案件も見込まれている。

1. 「fiシリーズ」と「DynaEye」を知ってBPOサービス事業のイメージが具体化した

株式会社サンニチ印刷のBPOサービス事業における「fiシリーズ」と「DynaEye」の運用について、工務局 次長/BPOセンター長の萩原純一さん、工務局 BPO事業部長の齋藤和哉さん、営業局 デジタルコンテンツソリューション事業室長の土屋友典さん、営業局 コンサルティング室副部長の杉原賢治さんにお話をうかがいます。はじめに印刷会社としてのサンニチ印刷の概略を教えてください。

土屋さん 当社は1872年(明治5年)に現在の山梨日日新聞の前身である峡中(こうちゅう)新聞の印刷部門として創業しました。現在は東京にも支社を持つ総合印刷会社として、雑誌・書籍・カタログ・パンフレット・ポスターなどの商業印刷を中核的な事業としています。

サンニチ印刷の館銘板写真
サンニチ印刷の社屋写真

サンニチ印刷は山梨県で最初に発行された新聞「峡中新聞」をルーツに持つ、創業150年の印刷会社です。「サンニチ」の語源は山梨日日新聞の略称です。

長い歴史のある印刷会社がどのようなきっかけでBPOサービスを手がけるようになったのでしょうか。

萩原さん 3年ほど前に山梨県内の自治体から、ふるさと納税ワンストップ特例制度の申請書処理に関する相談を受けたのが端緒です。ワンストップ特例申請書は年末に膨大な量が集中して届くため市役所の職員が正月も総出で作業をしている、この状況を打開するために力を貸してもらえないだろうかという相談でした。

これを受け、お客様がお困りなら当社で受付と事務を引き受けましょうということでワンストップ特例申請の事務局業務を受注したのが、今にして思えばBPOサービスの始まりでした。お引き受けした内容は、ワンストップ特例申請書や寄附受領証明書の印刷、封入・封緘、発送、申請書の受付・審査、およびコールセンター業務です。

これ以降、ほかのお客様からもいくつかの仕事を承りました。ただ当時は、印刷会社がすでに持っている技術とリソースを利用していただけで、ことさらにBPOサービスを意識していたわけではありませんでした。

BPOサービスの始まりについて話す荻原さん

工務局 次長/BPOセンター長の萩原純一さん。

ふるさと納税でのスキャン業務内製化について話す齋藤さん

工務局 BPO事業部長の齋藤和哉さん。

自治体案件でのスキャナー導入について話す土屋さん

営業局 デジタルコンテンツソリューション事業室長の土屋友典さん。

BPOサービスについて話す杉原さん

営業局 コンサルティング室副部長の杉原賢治さん。

BPOサービス事業化の機運を盛り上げる別の契機がその後にあったのですね。

萩原さん そうです。一つは商業印刷部門で年々減少していたチラシの需要がコロナ禍で決定的に少なくなり、輪転印刷事業を廃止したことです。これにより巨大な輪転印刷機を置いていた一棟がまるまる空いたので、有効利用しようと新ビジネス準備室を開設して新規事業の検討を始め、BPOサービスも一案として浮かび上がりました。

そうした中、スキャナーでイメージデータにした申請書をAI-OCRで読み取って審査まで行う運用を大手システム会社から教えてもらい、「なるほどAI-OCRを活用すればそういうこともできるのか」と興味を抱きました。これと時をほぼ同じくしてリコージャパン株式会社から紹介を受けたのが、PFUの業務用スキャナー「fiシリーズ」とAI-OCRソフトウェア「DynaEye」です。リコージャパン主催の展示会でPFU製品のデモを見学したことで、AI-OCRを活用したBPOサービスのイメージがだいぶ具体的に見えてきました。

そこに折よく、ある自治体から新型コロナウイルスワクチン接種の予診票、数十万枚をデータ化する業務の打診がありました。これが結果的に、BPO事業部としての最初の仕事になりました。

土屋さん その仕事は入札でしたが幸い当社が落札できたので、2024年1月にA3高速・大容量スキャナー「fi-8950」と、サブ機としてA4高速スキャナー「fi-8190」を1台ずつ購入して準備を整え、運用を開始しました。また、やや遅れて「DynaEye 11」も導入し、のちほど詳述する大型案件から運用を開始しています。

齋藤さん ふるさと納税の業務では協力会社に頼っていたスキャン作業を内製化したいと考えていたので、予診票データ化業務の受注はよい機会になりました。BPOサービスでは宿命的に個人情報を取り扱うことになりますから、スキャンから始まる工程をすべて自社でできるに越したことはありません。

設置されているfi-8950の写真

A3高速・大容量スキャナー「fi-8950」は「fiシリーズ」のフラッグシップモデル。750枚のA4用紙をセットでき、1分間に150枚・300面の高速でスキャンします。原稿をまっすぐにしてから給紙する「自動スキュー補正」や、ステープラーで留められた原稿を検知して止まる「ステープル原稿検知」など、多彩な機能を備えています。

設置されているfi-8190の写真

A4高速スキャナー「fi-8190」は高い機能と省スペース性を備えた、汎用性に富むモデルです。1分間に90枚・180面をスキャンします。サンニチ印刷では「fi-8950」のサブ機としての役割を持たせているほか、将来的に見込まれている新たなふるさと納税関連業務では主軸として活躍する予定です。

2024年4月のBPO事業部立ち上げ以降の現況を教えてください。

土屋さん 現在は前述の空いた一棟を改装してBPOセンターとし、5分野のBPOサービスを提供しています。現状では自治体のお客様がメインですが、企業のお客様のお仕事も承っています。スタートしてまだ半年ではあるものの、売上は順調に伸びると見込んでいます(※)

※:取材は2024年10月。

サービスの内容について具体的にお聞かせください。

杉原さん BPOサービス5分野の内訳は「事務局運営」「アセンブリ・発送代行」「DX推進」「DMマーケティング」「フルフィルメントサービス」で、全分野に共通する当社ならではの強みとしては「文字のスペシャリストによる検査体制」「正確な仕分け発送業務」「色調のスペシャリストによる画像補正」「開封率を上げるDMデザイン」「徹底した情報管理体制」などが挙げられます。

なお、5分野のうち「fiシリーズ」と「DynaEye」を活用するのは主にDX推進ですが、事務局運営の一環として使用することもあります。分野同士が密接に関係しているため、今後活用の場が広がるかもしれません。

BPOサービスの概要
サンニチ印刷の強み

BPOサービスの事業案内パンフレットより。偽造防止技術や画像補正、検査(校正)など、印刷会社の技術がBPOサービスにも活用されています。

先ほどもお話があったように、総合印刷会社がもともと持っている多くの技術やリソースをBPOサービスに活かしておられるのですね。

杉原さん そうですね、サービス構成要素の多くが手慣れたものといえます。加えて当社の場合、紙媒体とデジタル媒体、双方のコンテンツ制作にも以前から力を入れており、映像制作やホームページ制作、Web広告やSNS広告といったメディアの提案から制作までを請け負っています。こうした方面でお客様の悩みをまるごと引き受けて解決してきた経験も、現在のBPOサービス事業に活かされています。

受注した仕事を遂行するためのフローの組み立ては、どなたがなさるのでしょうか。

土屋さん ここにいる4人を含む主要メンバーが集まり、どうすれば成果物に対して適切なフローになるかを考えて詰め、具体的な作業を構築します。

紙書類をデータ化する業務で、送られてきた原稿の状態に即してフローを組み直すといったこともあるのでしょうか。

齋藤さん もちろんあります。一方で我々もBPOサービス事業を始めて日が浅いので、最初は非効率とわかっていても実際にやってみて、徐々に効率的なフローを組み立てているという面があります。現在は経験を通じてレベルアップしている最中です。

2. 毎月8万5000枚の原稿を「fi-8950」でスキャンし「DynaEye 11」で数字を読み取る

BPO事業のDX推進分野で現在進行中の主な仕事は、療養費支給申請書のデータ化とうかがっています。具体的にはどのような業務なのでしょう。

萩原さん 東京支社を通じてある県から請け負ったもので、1年間にわたって毎月8万5000枚の申請書類をデータ化するというものです。2024年4月のBPO事業部立ち上げと同時にスタートし、現在は6か月目です。

毎月8万5000枚をどのように処理しているのでしょうか。「fiシリーズ」と「DynaEye」の連携を含め、基本的な流れを教えてください。

萩原さん 申請書と添付書類をすべて「fi-8950」でスキャンしてイメージデータを生成します。このイメージデータから申請書だけを抜き出して「DynaEye 11」でOCR処理を行い、「診療年月日」「保険者番号」「記号・番号」の各欄に記載された数字を読み取ります。そのテキストを確認・修正後、申請書と添付書類のイメージデータが紐付いたCSVファイルに整えます。このCSVファイルと、イメージデータのファイルを併せて納品します。

スキャン専用の一室に積まれている段ボールの様子

段ボールで送られてきた原稿がスキャン専用の一室にたくさん積まれています。

スキャンする申請書の写真

申請書に記載された「診療年月日」「保険者番号」「記号・番号」をスキャン後に「DynaEye 11」で読み取ります。

フロー順に具体的な作業内容をうかがいます。県から届く申請書は単一フォーマットでしょうか。また、申請書と添付書類を分けたり、並び順を変えて整えたりするのでしょうか。

萩原さん 申請書は受診先別に5種類あり、それぞれフォーマットが市町村によって異なっています。さらに自宅のプリンターで出力したと思われる申請書には、同じフォーマットでも微妙にサイズが拡縮されていて読み取りに影響するものもあり、全体として「もう大変」のひと言です。原稿のサイズは申請書・添付書類ともにほぼA4で、たまにB5の添付書類などが混ざっていますがスキャンに影響はありません。

また、多くの場合に申請書と添付書類がステープラーで留められているので、針を外したり、付箋が貼ってあれば剥がしたりする事前作業が必要です。この作業に毎月、4人で4日間を費やします。

土屋さん 一方、申請書と添付書類を分けたり順番を入れ替えたりすることはありません。終始、県から送られてきたときの重なりのままで作業するのが大前提です。そのためスキャン前の原稿整理は、県が並べた順で「ここからここまでは申請書Aで添付書類が多め、次が申請書Bで添付書類は少なめ」というように、束を分けておくに留まります。

ステープラーの針を外す作業の様子

専用の器具を用いてステープラーの針を外します。

スキャンする原稿の束の写真

原稿の束の一つ。これは添付書類が少なく、状態が非常によいケースです。

毎月8万5000枚を何日かけてスキャンするのでしょう。

齋藤さん 専任者1人で一日に1万2000枚、状態のよい原稿が多ければ最大2万枚というところですから、一週間ほどスキャンに専念することになります。

スキャン時のソフトウェアは「fiシリーズ」標準添付の「PaperStream Capture」をお使いでしょうか。また、原稿は両面でしょうか、片面でしょうか。

齋藤さん ソフトウェアは「PaperStream Capture」です。原稿は片面で、両面をスキャンして白紙ページを削除する設定にしています。

ジョガーに原稿をセットしているところ

これはスキャン前の原稿を振動とエアの吹きつけできれいに揃える、ジョガーという専用機器です。紙を扱うプロである印刷会社ならではの設備です。

fi-8950に原稿をセットしているところ

揃えた原稿を「fi-8950」にセットし、次々にスキャンします。

スキャンの際に画質の調整が必要な原稿はありますか。ある場合、どのように調整していますか。

齋藤さん 緑の色上質紙に印刷された原稿がたまにあるので、地色を薄くする設定をしています。また原稿全体の話として、納品時にDVDに収まるデータ量になるよう画質を都度調整しています。

イメージデータは、申請書と添付書類を一組で1ファイルにするのでしょうか。

齋藤さん いえ、申請書も添付書類もすべて単ページでデータ化します。つまり申請書と添付書類を合わせて1万枚スキャンすれば、1万ファイルのイメージデータが生成されることになります。

PaperStream Captureの画面写真

「PaperStream Capture」画面。OCR処理に適した鮮明なイメージデータが生成されています。

「fi-8950」専任のご担当にお話をうかがいました

~原稿の状態に即して速度を変える制御機能に高評価~
スキャン専任者の宮下幸司さんはサンニチ印刷のOBで、かつては品質・技術担当を務めていました。その確かな目は「fi-8950」をどう評価するでしょうか。
「よいスキャナーです。特に優れているのは、取り込んだ原稿を手前上部に排出する『Uターンスキャン』と背面に排出する『ストレートスキャン』の両方ができることと、原稿の状態に応じて自動的に原稿を分離する力を調整してくれるため、1枚ずつ確実に給紙できることです」
「原稿は申請書もあれば同意書もあり、小さなチケット状の紙や写真プリントまであります。それらが全部混ざって重なっています。『fi-8950』はそうした癖のある原稿も頭を揃えてセットすれば難なく給紙してくれるので、非常に便利です」

fi-8950の前に座る宮下さんの写真

3. 「DynaEye 11」でOCR処理を行いテキスト化。手書き文字の認識精度が特に高い

続いて「DynaEye 11」でのOCR処理についてうかがいます。「fi-8950」でスキャンして生成したイメージデータをそのまま「DynaEye 11」に送るのでしょうか。

齋藤さん その前にイメージデータを申請書と添付書類に振り分けます。原稿は県から送られてきたときの順番でスキャンし、その順番を保ったまま返却しますが、「DynaEye 11」で読み込むのは申請書だけですから、データ化した段階でいったん申請書を抽出します。申請書は8万5000枚のうち5万枚強です。

どのような方法で申請書を抽出するのでしょう。

齋藤さん 「PaperStream Capture」の「ゾーンOCR機能」を活用し、どの申請書の表題にも必ず入っている「申請書」というキーワードを抽出してファイル名の一部に組み込む設定にしているので、手動で検索をかければ申請書のイメージデータだけを取り出すことができます。取り出したらいったんフォルダーに保存します。

そのデータを「DynaEye 11」で読み取るのですね。

齋藤さん そうです。このときは「DynaEye 11」に100ファイル単位で送り、読み取りを進めます。

読み取る数字は手書きでしょうか。

萩原さん 手書きもあれば印字もあります。完全に混ざっていますね。

齋藤さん 「DynaEye 11」は手書き文字を高い精度で読み取ってくれます。印字の場合は自治体によって書体も違い、中にはかなり読み取りにくい書体もありますが、そうした一部の書体を除いて読み取り精度は全体的に高く、助かっています。

「DynaEye 11」の書式定義についてうかがいます。受診先や市町村によって異なる申請書のフォーマットは、すでにひと通りを定義して登録してあると考えてよいでしょうか。

齋藤さん そうですね、ひと通りの書式定義は終えています。ただしフォーマットが多岐にわたるため、定義の切り替えには注意が必要です。これを誤るとエラーが多発することになるので、そこはしっかり確認しながら進めています。

「DynaEye 11」の書式定義画面写真

「DynaEye 11」の書式定義画面。直感的でシンプルな操作によって、読み取る箇所を指定できます。

DynaEyeのデスクトップ画面の写真

OCR処理中の「DynaEye 11」画面。進行状況がひと目でわかります。また、帳票の種類や業務ごとにキャビネットを分けて管理できます

読み取り結果の確認と修正は「DynaEye 11」の画面上で行うのでしょうか。

齋藤さん 現在は複数人で効率的に目視照合をするためのオリジナルツールを作って使用しています。そのツールでは申請書全体ではなく、確認する箇所だけのイメージデータとテキストを表示します。

読み取り結果を確認する様子
読み取り結果を確認するオリジナルツールの画面写真

サンニチ印刷が独自に作ったソフトウェアで読み取り結果の確認と修正を行います。

専任の方と確認・修正チーム5人、計6人で「DynaEye 11」を運用しているのでしょうか。

齋藤さん そうです。一日6人で一週間をかけ、全量を終わらせるペースです。

その後にCSVファイルで納品という運びになるのですね。

齋藤さん 申請書と添付書類を合わせて8万5000行のCSVファイルを毎月納品します。なお、全データ中のミスは100件未満を目標にしており、おおよそ達成しています。ミスの主たる発生源は最終確認時の修正漏れですから、現在その工程を強化しているところです。

4. 「AI-OCRスタートアップサービス」の利用で「DynaEye」に対する知識と技術が深まった

「fiシリーズ」と「DynaEye」の導入背景や評価について改めてうかがいます。「fiシリーズ」のフラッグシップモデル「fi-8950」を選択された理由もお聞かせください。

萩原さん この先、ふるさと納税関連の仕事を新たに受注する見込みがあり、A3を高速でスキャンできる機種があったほうがよいと考えられたので、リリース直後の「fi-8950」を早足で購入しました。

齋藤さん 「fi-8950」が当社にやって来たときは役員や営業担当から注目を浴びていました。実際、「fi-8950」に対する社内の評価は高いと思います。スキャンのスピードが速いことに加えて、現場の担当者も言及していた原稿の状態に応じて分離力を最適化する機能と、ステープラーの外し漏れがあった場合にも原稿が破れる前に給紙をストップしてくれる「ステープル原稿検知」機能が特に素晴らしいですね。

萩原さん 半年の間に原稿の破損は1回もないはずです。全般的にトラブルの少ない、優れたスキャナーだと思います。

「DynaEye 11」は最初からスムーズに使いこなせましたか。

齋藤さん 実は「DynaEye 11」導入時に手がけていた仕事はすでに手入力で進めていたので、導入後しばらくは本格的に使ってはいませんでした。その後、PFUに使い方の詳しいレクチャーを受けて療養費支給申請書のデータ化に使用したところ、すべて手入力したときと比べて所要時間が半分以下になりました。

すべてを手入力したこともあるのでしょうか。

齋藤さん 5,000から1万といった枚数を手入力で処理したことがありますが、やはりAI-OCRを使うと工数を大幅に削減できますね。

「DynaEye 11」導入にあたり、「DynaEye 無償評価版」「無償事前検証サービス」「オンライン個別相談会」に加えて有償の「AI-OCRスタートアップサービス」を利用されていますね。有償トレーニングの詳細は本番環境セットアップ、導入トレーニング、帳票定義トレーニングで、いずれもオンサイトです。お受けになったご感想をお聞かせください。

齋藤さん いずれも懇切丁寧で、とても助かりました。無償サービスの中で特に印象に残っているのは「無償事前検証サービス」です。当社の「DynaEye」担当が利用し、PFUに帳票の見本を送って評価を受けていました。

ただ、無償サービスも利用するたびに理解が深まりましたが、最も大きくステップアップしたと実感しているのは「AI-OCRスタートアップサービス」です。このサービスの利用を機に、当方の知識や技術がかなり向上しました。

PFU製品について話す萩原さんの写真
PFU製品のサービスについても話している齋藤さんの写真

BPOサービス事業の現場を牽引する萩原さんと齋藤さんはPFUの製品とサービスを高く評価しています。

ここまでに、ふるさと納税ワンストップ特例制度の申請書、ワクチン接種の予診票、療養費支給申請書、それぞれのデータ化業務についてうかがいました。ほかにデータ化した例や、今後可能性のある分野があれば教えてください。

杉原さん 珍しいところでは有害鳥獣駆除補助金の申請書がありますね。すでにけっこうな件数を処理しているはずです。

齋藤さん ハンターの方が鹿や猪など、駆除した動物の写真を撮って貼ってきた申請書を全部スキャンしてデータ化し、番号を付けます。最近は申請が来たら先にデータ化し、それを画面で見ながら役所が審査するというケースが増えているようです。

開拓可能な分野ということでは、病院が保管している紙のカルテのデータ化などは候補になり得ますね。

土屋さん カルテを電子化したいと考えている病院は多いので、明らかにニーズはあります。

杉原さん 今のところは病院業務の中での優先順位が低いかもしれませんが、いずれ必ず需要が顕在化します。引き合いをいただければ積極的に検討します。

「fi-8950」の追加導入も考えておられるとうかがいました。

齋藤さん 3か月で20万枚以上をスキャンする仕事が新たに見込まれており、それに備えるために導入したいと考えています。まだ希望の段階ですが、実績が重なりつつあるので、実現する可能性はあります。

萩原さん 「fi-8950」はぜひもう1台欲しいところですね。

「fiシリーズ」と「DynaEye」が活躍できて幸いです。本日は詳しくお話しくださり、ありがとうございました。

関連記事

Top of Page