2024.9.17 |
請求書受領サービスで外部委託、AI-OCRで内製化、どっちがいい?徹底比較!
本記事では、日々発生する請求書の処理業務の負担を軽減する次の2つの方法について、導入効果や費用、情報漏えいリスクなどの観点で比較して解説します。自社の請求書処理業務に適した方法を選ぶ際の参考にしてください。
- ① 請求書受領サービスで業務を外部に委託する
- ② AI-OCRを使って自社でデータ入力業務を効率化する
また、記事後半に、自社でデータ入力業務を効率化したい企業におすすめのAI-OCRソフトウェアも紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
1. 請求書の処理業務を効率化する方法は大きく2つ!
請求書受領後の処理は、支払いに関することなので入力ミスを起こさないように留意し、期限に遅れないように効率よく行うことが重要です。
ミスを防ぎ、かつ効率よく進めるためには、大きく次の2つの方法があります。
外部に業務委託する方法(請求書受領サービスを利用)
「請求書受領サービス」を利用して、請求書の受け取りやデータ化作業を外部に委託する方法です。「請求書受領サービス」には、「請求書の受領からシステムへのアップロードまでを依頼元(自社)で行い、その後のデータ化する作業を代行するタイプ」と、「請求書の受領からデータ化までを代行するタイプ」があります。
※本記事での「請求書受領サービス」は、「請求書の受領からデータ化までを代行するタイプ」を取り上げて解説します。
AI-OCRを導入して自社で対応する方法(AI-OCRで内製化)
「処理業務フローはこれまでどおり大きく変えずに、システムなどへ必要な情報を入力・転記する手間のかかる作業を効率化することで業務改善を目指す方法です。支払い依頼に必要な情報をシステムなどへ入力・転記する作業にAI-OCRを活用します。
2. 請求書受領サービスと自社でAI-OCRを利用する方法を徹底比較
「請求書受領サービスを利用」と「AI-OCRで自社対応」について、導入を検討する際に考慮するポイントで比較します。
比較ポイント | 請求書受領サービスを利用 | AI-OCRで自社対応 |
---|---|---|
改善効果 |
○ 改善効果大(請求書業務全体を効率化可能) |
△ 部分的な効率化にとどまる |
費用 |
△ 従量課金制が主流(利用件数により変動) |
○ 処理件数に関わらず費用が定額のタイプもある |
導入スピード |
△ 運用変更やルール化、教育が必要。時間がかかる可能性がある |
○ 既存のフローは変わらないため、スムーズな導入が可能 |
受領請求書の処理タイミング |
△ 請求書がすぐに処理されない場合があり、自社が確認するまでに数日かかることがある |
○ 自社のタイミングで処理が可能 |
情報漏えいリスク |
△ クラウド上での管理のため、サイバー攻撃や不正アクセスのリスクあり |
○ オンプレミス型の場合は、インターネット回線を使用しないため高セキュリティ |
業務改善スキル |
△ 委託した業務に関するノウハウが消失する |
○ 知識やノウハウ、業務改善スキルが向上する |
働きやすさ |
○ 受領作業を依頼する場合は出社不要。テレワーク促進につながる |
△ 請求書を受領するため出社が必要 |
汎用性 |
△ 請求書処理業務の範囲で展開可能 |
○ 請求書処理業務以外にも展開可能 |
次に、比較ポイントごとに解説します。
2-1. 改善効果
請求書受領サービスとAI-OCRの利用では、業務の対応範囲が異なります。
請求書受領サービスの方が対応範囲は広いので、大きな改善効果が見込めます。
● 請求書受領サービスを利用
受け取り代行を含むサービスの場合、請求書の受領・開封からデータ化、保管までの請求書に関する業務全体を効率化できます。自社の担当者は、委託で削減された時間を他の作業に費やせますし、サービスによっては紙の請求書を電子帳簿保存法に対応した形式で保管できるので、業務効率化やペーパーレス化の範囲・効果が大きくなります。
● AI-OCRで自社対応
手作業で行っていた請求書のデータ化作業をAI-OCRを利用して効率化します。データ化の負荷は軽減されますが、データ化以外の作業は効率化されないので、請求書受領サービスと比較すると効率化は限定的です。
● 業務フローの比較
-
請求書受領サービスを利用
サービスによっては、Web上での申請・承認、会計ソフトなどと連携でき、会計や振り込みなどの経理業務を大幅に削減できます。 -
AI-OCRで自社対応
データ化に関わる作業を効率化できます。必要に応じて、連携するシステムで使用できる形式(csvなど)に保存できます。
2-2. 費用
請求書受領サービスは、業務効率化できる範囲が広いので、初期費用や月額費用が高額になる場合があります。また、従量課金制が主流なので、処理件数によって追加費用が発生することもあり注意が必要です。
AI-OCRを利用する場合も従量課金制のものが多いですが、処理件数に関わらず費用が定額のタイプもあります。
費用は、機能やサービス内容、プランなどによって大きく変わります。自社が改善したい処理、予算、運用、他システムとの連携などを考慮し、請求書受領サービスとAI-OCR利用のどちらを選ぶのか、さらにはどのサービスや商品を選ぶのかを比較検討することが大切です。
2-3. 導入スピード、受領請求書の処理タイミング
導入スピードと運用に入ってからの請求書の処理タイミングについて比較します。
● 導入スピード
すでに運用している請求書承認フローや、発注システム、請求書管理システムなどから請求書受領サービスの利用に切り替える場合は、運用ルールの見直しや申請者・承認者への説明が必要になります。データの移行作業が発生することもあるので、初期導入に手間や時間がかかる可能性があります。
AI-OCRを利用する場合は、手入力でデータ化していた作業のみを変更するので、既存の申請・承認フローからの変更が少なく導入がスムーズです。まずは請求書の入力作業を軽減したい、業務効率化を早期実現したいとお考えの場合は、AI-OCRを利用するのが良いでしょう。
● 受領請求書の処理タイミング
受け取り代行を含む請求書受領サービスを利用する場合、休日などの関係で受領した請求書がすぐに処理されるとは限らないため、請求書の確認が数日遅れる可能性があります。締め日間際の場合は支払い遅延につながりかねないので注意が必要です。
AI-OCRを利用する場合は、請求書を自社で受領するため必要なタイミングで処理できます。また、オンプレミス型の場合は、インストールしたPC内で処理が完結するので、クラウドへのアップロードやダウンロードの待ち時間もありません。
オンプレミスはレスポンスが速い!
2-4. 情報漏えいリスク
請求書受領サービスはクラウド上でデータ管理を行えるので便利ですが、その反面サイバー攻撃のリスクや不正アクセスの危険性があります。利用する場合は、サービスのセキュリティ対策が十分であるかを確認する必要があります。
AI-OCRはクラウド型とインターネット回線を使用しないオンプレミス型があります。オンプレミス型のAI-OCRを利用すれば取引先や取引内容・取引金額などの情報漏えいリスクが低いため、高セキュリティです。
2-5. 業務改善スキル
業務を外部委託すると、委託した業務が担当者から切り離れるため、業務ノウハウの消失につながる可能性があります。
自社で業務改善を行う場合は、内製化で発生する様々なプロセスを経験していくことになるので、次に示すような知識やスキルを身につけることができ、DX人材育成につながります。
● 課題解決力の向上
内製化することで、現場の具体的なニーズに合わせたカスタマイズが求められます。これにより、社員は問題を定義し、デジタル技術で解決策を構築する力を養うことができます。
● プロジェクトマネジメントスキルの強化
技術導入から実運用までのプロセス全体を社内で管理することで、プロジェクトマネジメントのスキルが強化されます。進捗管理やチームワーク、課題解決など、DXに必要なリーダーシップも培われます。
● 継続的な学習と改善の文化形成
社内で対応する場合、常に技術の更新や改善が必要になるので、社員は継続的に学習し成長します。これにより、常に新しい知識やスキルを取り入れる文化が根付いていきます。
2-6. 働きやすさ
受け取り代行を含む請求書受領サービスを利用すると、FAXや郵送された請求書を受け取るための出社が不要になります。請求書の原紙を保管するスペースも不要になります。
また、ワークフローを電子化できるので、承認のためにハンコを押す作業が不要になり、PC上で承認処理が可能になります。これにより、出社しなくても請求書の処理が可能になり、テレワークなどの働き方に柔軟に対応できるようになります。
2-7. 汎用性
請求書受領サービスは、請求書処理業務の効率化の範囲にとどまります。
自社でAI-OCRを利用する場合は、請求書の処理業務に限らず、注文書や納品書、それ以外の申請書などの帳票にも利用することができ、他の業務への横展開が可能です。
ここまでで、請求書受領サービスとAI-OCRの利用を導入検討時のポイントで比較して解説しました。自社の業務のフローや予算などと照らし合わせ、請求書処理業務の効率化をどちらで行うかを検討してください。
次におすすめのAI-OCRをご紹介しますので、AI-OCRの利用をお考えの方、興味をお持ちの方は、ぜひご確認ください。
3. AI-OCRのココを重視するならDynaEye 11がおすすめ
AI-OCRの利用を検討するうえで、次のことを重視したい方に、国内シェアNo.1(*1)であるオンプレミス型OCRのAI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」をご紹介します。
- とにかくセキュリティを重視したい
- 追加料金を発生させたくない
- 大量の請求書を効率よくデータ化したい
- ほかの業務でもAI-OCRを活用したい
「DynaEye 11」は、次のような特長があります。
● オンプレミス型なので「安心・安全のセキュリティ」
インストールしたPC内でOCR処理を完結するオンプレミス型なので、外部に情報を送る必要がなく安全です。また、個人情報を扱う業務でも情報漏えいのリスクがないので安心して利用できます。
● 定額なので枚数制限を気にせずに使える
枚数制限なくどれだけ使っても費用は一定。追加料金が発生しないので予算化しやすく、業務繁忙期の処理量増加や業務拡張時も安心です。
*1:「OCRパッケージソフトウェア 国内シェアNo.1」は、「DynaEyeシリーズ」を対象とする、富士キメラ総研「ソフトビジネス新市場2023年度版」<2022年度(2022年4月1日〜2023年3月31日)> (提供形態:パッケージソフトウェア)の日本国内における集計に基づく。
4. まとめ
請求書処理業務の効率化を検討するときは、請求書処理業務全体の運用を整理し、どの部分を効率化したいのか、利用している既存システム・業務システムなどに影響が出るのかなどを把握することが大切です。そのうえで、自社の運用に適した方法を検討してください。
トライアル版を提供している製品もありますので、操作感を試してみたり、やりたいことができるかを確認したり、実際に検証してみると良いでしょう。不明点を問い合わせることで、ホームページやカタログでは見つけられなかった情報に気づくこともできます。
なお、AI-OCRの利用を検討されている方向けに、「DynaEye 11」の無償評価版をご用意しております。機能制限がありませんので、認識精度や操作性を60日間無償でご確認いただけます。ぜひ下のバナーからお試しください。