次のレベルへ進み始めたScanSnapを間近で体験!――「ScanSnap NEXT 2025 紙×AIを体感せよ」ユーザーミートアップレポート

生成AI元年と呼ばれる2022年から3年経った2025年には、AIリテラシー教育が必修化されるまでに、生成AIの活用が一般化してきました。それと同時に私たちの情報管理方法も変化を余儀なくされています。
長年、紙文書のデジタル化を牽引してきたScanSnapは、単なる「スキャナー」というハードウェアの枠を超え、生成AIと深く融合することで「アナログ情報をAIが活用可能な構造化データへ変換するデバイス」へと進化しようとしています。
その進化の真価を体感すべく、2025年12月16日にLULL TECH BEACH渋谷で「ScanSnap NEXT 2025 紙×AIを体感せよ」ユーザーミートアップが開催されました。LULL TECH BEACH渋谷は、ScanSnap iX2500を無料で利用できるScanSnap Spotにもなっているコワーキング施設です。
ScanSnap SpotにもなっているLULL TECH BEACH渋谷。施設利用者は、ScanSnapを無料で利用できます
当日は、紙に印刷した資料や手書きメモをAIで活用する方法を発信しているAI様の下僕さんとこーすけ先生をスペシャルゲストに迎え、体験ブースあり、トークセッションありで大盛況のイベントが開催されました。
目次
交流ありブース体験ありで大盛況――試作段階のため参加者だけが試せるAI機能体験も
今回のユーザーミートアップの目玉は、なんといっても ScanSnap×AI。
ゲストには AI様の下僕さん と こーすけ先生 を迎え、ScanSnapとAIを組み合わせたリアルな活用例を体感できるブースが展開されました。さらに、ScanSnapが現在開発中の未公開AI機能を限定体験できるブースも登場し、会場の注目を集めました。
AI様の下僕さんブースでは、下僕さん自身が「手書きメモをスキャンしてObsidianに取り込む方法」を実演。アナログなメモをデジタル資産として活かし、AIで管理・活用していくプロセスが紹介され、参加者は熱心に見入っていました。
一方、こーすけ先生ブースでは、「スキャンした領収書をGeminiを使ってスプレッドシートに自動で記入する」デモを披露。目の前で次々と処理が進んでいく様子に、会場からは思わず歓声が上がる場面もありました。
紙の領収書をScanSnapで取り込み、Geminiを使ってGoogleスプレッドシートへ自動的に仕分けと入力を行うシステムをデモンストレーションしているこーすけ先生
こちらはAI様の下僕さんブース。手書きメモをどのようにテキスト化してObsidianアプリへ取り込んでいくのかをていねいに解説していました
その他、オフライン参加者だけが特別に体験できるブースもありました。それは生成AIと深く融合しようとするScanSnapのAI機能をいち早く試せる、というものです。写真撮影も口外も"不可"とされた試作段階の機能を体験できるのは、参加者だけの特権といえるでしょう。
AI機能先行体験ブースの掲示物の1つ。内容は......まだ秘密です
参加者同士の交流の際に、おいしいケータリングサービスを味わえるのも、オフラインイベントの醍醐味です。イベント概要ページには「軽食」と案内されていましたが、しっかりお腹に溜まり、かつ栄養バランスも優れた品々が用意されていて、会話も弾んでいました。
ScanSnapフラッグは特注品ですよ!
おいしいケータリングサービスを味わえるのも、オフラインイベントの醍醐味
2025年に発売された新製品を体験できるブースも用意されていました。iX110の展示では、気になるデザインカバーの仕上がりを見る人が次から次へと足を運んでいました。
ブラックモデル用デザインカバー
こちらはホワイトモデル用のデザインカバーです
iX2500やiX2400展示ブースでは、どのように操作するのか、何が変わって何ができるようになったのか、などスタッフに質問したり、追加してもらいたい機能について伝えたりする人たちが後を絶ちませんでした。
左がiX2400、右がiX2500です
1月8日に正式提供の始まった「ScanSnap Go」のデモを体験することもできました。ScanSnap Goは、自分のスマートフォンに保存したスキャン設定を、フリーアドレスのオフィスやコワーキングスペースなど様々な場所にあるScanSnap iX2500で利用できる機能です。
これまでだと、ScanSnap本体にあらかじめ設定しておかないとScanSnap Cloudを利用できませんでしたが、これにより今ここにある紙をすぐにスキャンしてクラウド保存し、その場で廃棄できるようになります。スマートフォン内の設定がScanSnap iX2500の操作パネルに表示されるのを見た参加者たちは、一様に感心していました。
ScanSnap Goのデモ。この頃は、まだベータ版のため、正式提供された現在とは画面が異なる場合があります
ユーザーの声を大切に――2025年は新機種3モデルが誕生
今回ユーザーミートアップでは、スペース全体を活用し、新しいScanSnapシリーズのハンズオンスペースやスペシャルゲストによる体験ブースが設営されていました。受付開始直後から参加者のうちかなりの割合の人が集まり、新製品についてスタッフから説明を受けたり、体験ブースで何ができるのかを聴講したりしていました。
まずは2025年のScanSnapについて、ScanSnap販売推進部 部長 平井将也さんが振り返ります。
PFU ScanSnap販売推進部 部長 平井将也さん
ScanSnapシリーズは累計出荷台数が770万台を突破しました。800万台も目前に迫っています。
グローバルでの出荷台数が累計770万台を突破しました!
最大のトピックは新製品3モデルの発表です。6月24日にフラッグシップモデルとなる「ScanSnap iX2500」が、10月30日に「ScanSnap iX110」、そして11月13日に「ScanSnap iX2400」が発表となりました。
2025年には3つの新機種を発表しました
ScanSnap iX2500は、iX1600(iX1500)同様、操作部にタッチパネルを搭載したフラッグシップモデルです。次世代SoC「iiGA」(イーガ)を内蔵したことで、スキャン枚数はA4カラー両面で毎分45枚、Wi-Fi 6やBluetooth機能も搭載、拡張性も高いものとなっています。
スキャナー用次世代SoC「iiGA」を搭載しています
USB Type-Cに対応したiX110についても嬉しい報告が。
「iX110は大好評で、さらに温かい口コミをいただき、白モデルは在庫が切れるほどの状況になりました。本当に皆さんのおかげです」(平井さん)
iX110についてはクリエイターコラボカバーも同時発売。ミチルさんの"かつらむき"をイメージした『大根』デザイン、せきのさんのラップフィルム風デザイン、ダ・ヴィンチ・恐山さんのメッセージ入りデザインなどが展開されています。
3人のクリエイターによるデザインカバー
アップデートで広がる世界にも期待大
iX2500の登場に伴い、ScanSnap専用アプリ「ScanSnap Home」でも共有機能を大幅にアップデートしています。様々な場所にあるiX2500で"いつもの"設定を反映したスキャニングが行えるようになったり、1月のアップデートで提供開始となった「ScanSnap Go」を活用すれば、スマホを近づけるだけで簡単にiX2500と接続・スキャンができます。
これにより、全国各地のカフェやコワーキングスペースに設置されているiX2500を"共有"することができるでしょう。PFUでは、その範囲を広げるべく「ScanSnap Spot」プロジェクトをスタートさせています。
ScanSnap Spotプロジェクト
ScanSnap×紙×AI
ここで、今回のミートアップのテーマでもある紙×AIに話が移ります。
ScanSnapでは、生成AIが台頭しているこの機会を捉え、紙をScanSnapで取り込み、それをAIと組み合わせることで新たな価値を生み出す「Scan to AI 価値創造アイデアコンテスト」を開催中。
会場では、第1期の受賞作品も紹介されました。
第1期受賞作品
AIとの連携について、テスター募集の発表がなされた当日、ということもあり、これからも目が離せません。最後に平井さんから「一緒にScanSnapを盛り上げていきましょう!」という呼びかけがなされました。
トークセッション
フリータイムの後は、お待ちかねのAI様の下僕さんとこーすけ先生によるトークセッションです。全体のテーマは「AIは紙を入れることで、もっと活用の幅が広がる」というもの。お二人は紙をAIにどのように入れているのでしょうか?
今回も司会進行を担当してくださったのはガジェタッチのお二人(左からリンクマンさんと弓月ひろみさん)です
最初の話題は「ScanSnapとAI、どう使っている?」です。
最初のトークテーマは「ScanSnapとAI、どう使っている?」です
AI様の下僕さんがAIを使い始めたきっかけは、「クリエイティブなことが好きなのに、上手に絵を描けなかった。でも、画像生成AIが登場したことで自分の頭の中身を具現化できるのではないかとワクワクした」と言います。
AI様の下僕さん。YouTubeでご覧になっている方も多いのではないでしょうか
こーすけ先生は、「行政機関に勤めていて、AIを使っていかなければ、という風潮の中でChatGPTに手を出した」のがきっかけだったそう。とはいえ「当時の精度では、正直業務で使うには未熟だ」と感じていました。
「ハルシネーションが多かったんですよね。遊びで使う分には構わないが、行政機関の業務にはとても使えるレベルではないと感じ、同僚たちもAIへの関心を失っていってしまいました」(こーすけ先生)
こーすけ先生。「先生といわれると照れるので、"高橋"とか"こーすけ"と呼んでいただいても」と前置きしていました
では、なぜ今AIを使い、AIの使い方を発信しているのでしょうか。それは生成AIの進化速度が非常に速く「これを使わないのは"悪"だな」と感じたからだと言います。その結果、AIを使った業務改善に取り組むようになったと言います。
では、実際に「紙とAI」をどのように組み合わせて活用しているのでしょうか。
AI様の下僕さんは、元々クリエイティブなことを行いたかったこともあり、画像生成や動画生成にAIを活用。さらに「そのアイデア出しとまとめ」の部分で紙とAIを組み合わせています。
「最初のうちはスマートフォンでメモを取っていました」とAI様の下僕さん。「でも、スマートフォンだとすぐにSNSを見てしまい、何を思いついたのか忘れちゃうんですよね」と笑います。
「これではいけないと思い、アナログではありますが、紙とペンでアイデア出しをするようになりました。初めのうちは、そのメモを見ながらメモアプリ"Obsidian"に手打ちしていたんですが、非常に面倒くさい。
そんなときにScanSnap iX2500が発表されました。スキャンしてPDFにしたものをGemini CLIで読み取り、テキスト化してObsidianに取り込むようにしたんです」(AI様の下僕さん)
手書きメモからAI活用までのマトリクス
AI様の下僕さんがObsidianをメモアプリとして使う理由は、「マークダウン記法で内容を把握しやすいから」、テキスト化するのにGeminiCLIを使うのは「最もOCRが強いと感じたから」です。
紹介した方法は次の動画から確認できます。
業務改善に力を入れるこーすけ先生は、「これだけペーパーレスといわれていても、生活の中でどうしても出てくる紙がありますよね」と会場を見渡してから「今日もお買い物で出ませんでしたか?レシートや領収書」と答えを言います。
それらをScanSnapで取り込み、特定のGoogleドライブフォルダに保存し、GAS(Google Apps Script)がそのフォルダを監視して新規ファイルがあればGeminiを呼び出しで内容を抽出し、Googleスプレッドシートに自動書き込みするというシステムを構築しています。
領収書の自動仕分けの仕組み。すべて無料サービスを使って構築しています
「もちろん、OCRでもテキスト化はできていましたが、領収書やレシートっていろんな様式があるから読み取り対応できないことも多かったんですよね。でも、生成AIなら人間が知覚するのと同じようにPDFを見てくれる。だから、店名はどれか、金額はどれか、というのを識別できる。
あとは自然言語で指示するだけで日付、店名、金額、勘定科目などを抽出してスプレッドシートに記載する。これらすべてをGoogleは無料で提供してくれているので、無料で構築できるんです。ここまでやったら、後はレシートをセットしてScanSnapのボタンを押すだけなんですよ」(こーすけ先生)
ScanSnapで紙をスキャンし、生成AIと組み合わせるだけで、現時点でもこれだけのことができることに驚きです。この方法を習得できれば、確定申告の時期の苦しみを大幅に減らせるのではないでしょうか。
紹介した方法は次の動画から確認できます。
では、お二人はどのような未来を思い描いているでしょうか。「想い描いた未来がすぐそこに」でお聞きしてみましょう。
どのような未来を想い描いているのでしょうか......
AI様の下僕さん:来年か再来年あたりには、現時点でだいぶ進化している人型ロボットが、一般家庭にも入ってくるんじゃないかなと思っています。月々8万円くらいのサブスクリプションで借りられるようになるかもしれません。
自分は椅子に座っているだけで、ロボットが家事をしてくれる。部屋を片付けているときに紙の書類があれば、ScanSnapに入れてスキャンまでしてくれる。人間は指示をするだけ、脳みそだけあればいい、という世界になるんじゃないかなと考えています。
こーすけ先生:出来合いのものを買うのも良いですが、自作するのもありではないでしょうか。だってすでに生成AIでノンプログラマーがプログラミングできる世の中になっているんだから、エンジニアじゃなくてもロボットを自作できるようになると思うんです。
どんなロボットを作りたいかを生成AIに伝えたら、パーツの選定から注文までやってくれるかもしれない。人間はその確認さえすれば良いという世の中になっているかもしれませんね。
締めの言葉を担当したのは、ドキュメントイメージング事業本部グローバル戦略統括部長 轡田(くつわだ)大介さんです。
「イベントごとに新製品を出してきたので、(新製品発表のない)今回のイベントを楽しんでもらえるだろうか、という不安がありましたが、楽しんでいただけたのではないでしょうか」と語ってから、「ScanSnap Cloudのサービスインから10周年を迎え、実績を積み上げていくことができました。然るべきときに然るべき形で次のリリースを出したいと考えていますし、ユーザーの声を大切にするチームなので、今後も引き続き忌憚のないご意見やご叱咤をいただければと思います」と締めくくっていました。
ドキュメントイメージング事業本部グローバル戦略統括部長 轡田大介さん
そして、最後は恒例の集合記念写真です。スタッフ含め、100人近い人たちの笑顔をいただくことができました。

皆さん、ありがとうございました!
NEXT LEVELへ進み始めたScanSnapに期待!
イベント終了後に、参加者のお二人から感想コメントをいただくことができました。参加された整理収納アドバイザーのお一人は、「AIと連携できれば、スキャン時に『PDFで取り込もうか、それともJPEGで取り込もうか』と悩まなくて済むようになる。一手間が減れば、片付けもはかどるのではないだろうか。その手間をなくしてくれる今後に期待したい」と話してくれました。
また、都立の中等教育学校で教育現場に立っている参加者のお一人は「文系理系に関係なく、今はデジタル機器を文房具として使わないといけない時代になっている。今回のイベントでは、スキャンしたものをデジタル化するだけでなくAIを組み合わせることでアナログな活動と結びつける方法が示されていた。流行りのAIに使われる、振り回されるのではなく、自分たちがAIをどう使っていくか。アナログ、つまりリアルとデジタルの垣根を取り払うものにScanSnapがなっていくんじゃないかなと感じた」と感想を述べてくれました。
こーすけ先生やAI様の下僕さんのように、AIを連携させることでScanSnap活用法が広がっています。さらにScanSnapが新たに搭載しようとしているAI機能のテストユーザーからのフィードバック募集も始まっており、ますますAIとScanSnapは深いところで融合しようとしています。
ScanSnapは、次の段階へ進み始めているのです。
次はどのような発表があるのでしょうか。また25周年を迎える2026年のユーザーミートアップではどのような姿を見せてくれるのでしょうか。ますますScanSnapの今後が楽しみになるイベントでした。
この記事を書いた人

ScanSnapアンバサダー。ガジェットをこよなく愛するフリーランスライター。 約10年、福島県郡山のビジネス専門学校でMS-Accessなどの講師を務める。実際に見て聞いて使って書くのが好きな、“notコタツ”ライター。二級小型船舶操縦士免許、乗馬5級、普通二輪免許など多様な資格を取得。
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