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紙からすぐ始動する──ScanSnapとAI活用で、プロフットバッグプレイヤー石田太志の仕事を加速させる

紙からすぐ始動する──ScanSnapとAI活用で、プロフットバッグプレイヤー石田太志の仕事を加速させる

あなたはどれくらいの「紙」を持ち帰りますか?

イベントで交換した名刺、学校から持ち帰るプリント、契約書......。デジタル化が進む一方で、仕事や生活の中で紙が完全に消えることはありません。むしろ、紙という形だからこそ、手に取って確認でき、その情報を次のアクションへと繋げやすいという側面もあるのです。

しかし、その紙、本当に活かせていますか?

今回お話を伺ったのは、プロフットバッグプレイヤーの石田太志さん。フットバッグの世界大会で複数回の世界チャンピオンに輝き、アジア人として初めて殿堂入りも果たしたトップアスリートです。
彼は、競技活動と並行して、スポンサー営業、イベント出演、教室の開催など、多岐にわたる業務を一人でこなしています。

そんな石田さんの仕事術のひとつが、「紙の情報をスキャンして、AIに繋ぐ」というワークフロー。アナログの紙が持つ「手触り感(手元で扱いやすいこと)」はそのままに、必要な情報をスキャンしてAIの「処理能力」につなげることで、煩雑なタスクを効率化しているそうです。

そのワークフローの中心にあるのが、PFUのイメージスキャナー「ScanSnap」とAIエージェント「Manus」です。

イベントで交換した大量の名刺、子どもが学校から持ち帰るプリント、複雑な契約書。あらゆる紙をScanSnapでデジタル化し、Manusに処理させることで、石田さんはどのように仕事の「初動」を変えているのでしょうか。
その具体的な仕事術に迫ります。

目次

    書類も、思い出も、自由自在。情報整理に長けたスキャナーScanSnap

    事例1:名刺の山を「未来のスポンサーリスト」に変える

    イベントや交流会に参加すると、必ずと言っていいほど溜まっていくのが名刺(※1)の山。
    多くの人が、整理しきれずに机の引き出しに眠らせてしまっているのではないでしょうか。
    石田さんにとって、それは単なる連絡先の束ではなく、「未来のスポンサー候補」という宝の山でした。

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    石田さん

    「イベントに出ると、本当にたくさんの名刺をいただきます。
    以前は、それを手作業でExcelに入力して、一件一件メールを送って......と、ものすごく時間がかかっていました。正直、後回しにしてしまうことも多かったです」

    この「初動の壁」を打ち破ったのが、ScanSnapとManusの連携でした。

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    石田さん

    「今は、イベントから帰ったら、まずもらった名刺を全部ScanSnapでスキャンします。iX2500を使えば、数十枚の名刺もあっという間。
    すごいのはここからで、スキャンした名刺データをManusに渡して、『この中からスポンサーになってくれそうな会社をリストアップして』(企業への営業用資料の作成)と頼むんです」

    ※1:名刺など個人情報・機密情報を扱う際は、社内規程や契約上の守秘義務、AIサービスの利用条件を確認することをおすすめします。Manusの場合は、設定から学習をオフにすることもできます。

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    Manusは、スキャンされた名刺情報から、会社名、役職、事業内容などを読み取り、石田さんの活動内容と関連性の高そうな企業を自動でピックアップ。さらに、そのリストを元に、各企業に合わせたプレゼンテーション資料の草案まで作成してくれると言います。

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    石田さん

    「『フットバッグの普及活動に興味を持ってくれそうな、地域貢献に力を入れている企業』みたいな条件を加えることもできます。Manusが作ってくれたリストと資料の草案があれば、あとは自分で少し手直しするだけ。
    Canva AIコネクターを使えば、デザイン性の高い資料(企業への営業資料など)もすぐに作れます。あの一番面倒だった営業活動の初動が、ほぼ自動化された。これは本当に革命的でした。」

    紙の名刺というアナログな接点を、ScanSnapでデジタル化し、Manusで意味のある情報へと昇華させる。かつて数日かかっていた作業が、今では数時間で終わる。

    これにより、石田さんはより多くの時間を、本来集中すべきコミュニケーションやパフォーマンスの向上に使えるようになったのです。

    事例2:カオスな学校プリントを「我が子専用スケジュール」に変換する

    石田さんは、一人の父親でもあります。

    小学生のお子さんが毎日学校から持ち帰るプリント(※1)(※2)の管理は、多くの家庭が抱える悩みの種。特に、学年全体の予定が書かれた月間スケジュール表は、必要な情報と不要な情報がまじった処理しにくい書類です。

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    石田さん

    「1年生から6年生までの下校時間が全部書いてあるんです。
    うちの子は3年生なので、その部分だけ知りたいのに、毎回探すのが本当に大変で。冷蔵庫に貼っておいても、結局見ない(笑)。大事な情報のはずが、情報量が多すぎてノイズになってしまっていました」

    こういった身近な課題も、ScanSnapとManusが鮮やかに解決します。

    石田さんは、お子さんが持ち帰ったプリントをScanSnapでスキャン。そのデータをManusに渡して、こう指示します。

    「息子は小学3年生です。このスケジュール表の終了時間から約20分後に子どもが帰宅するので、その一覧を作って」

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    ここで重要なのは、Manusが単に「情報を抽出する」だけでなく、石田さんの具体的なニーズを理解して、それに応じた形で情報を再構成している点です。

    1年生から6年生までが混在した情報の中から、特定の学年の情報に絞り込んで、その下校時間を抜き出す。こうした「文脈を理解した処理」は、従来のテンプレート的なツールではできない、AIならではの仕事です。

    こうして、ManusはPDFの中から該当する情報だけを抽出し、数分で「小学3年生12月の帰宅時間一覧」という、シンプルで分かりやすいデータを生成してくれます。

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    石田さん

    「これには本当に驚きました。ただ抜き出すだけじゃないんです。
    『この日は14:50に帰宅します』と、文章で教えてくれる。
    さらに、その帰宅時間に合わせて、『宿題の時間』『遊びの時間』『夕食の時間』まで提案してくれるんです。もう、秘書ですよね。」

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    単なる情報の整理に留まらず、次のアクションまで提案する。

    これがAIエージェントの真骨頂です。
    ノイズの多かった紙のプリントが、ScanSnapとManusを経由することで、親子にとって本当に「使える情報」に生まれ変わるのです。

    ※1:個人情報・機密情報を扱う際は、社内規程や契約上の守秘義務、AIサービスの利用条件を確認することをおすすめします。Manusの場合は、設定から学習をオフにすることもできます。

    ※2:学校プリントには、本人だけでなく他の児童・保護者に関する情報が含まれる場合があります。AIサービスに渡す前に、第三者の氏名等は削除/マスキングし、取り扱いルール(学習利用の有無、保存期間、共有範囲等)を確認してください。

    事例3:契約書チェックはAIに任せる「保険」

    フリーランスや個人事業主にとって、契約書(※1)(※3)の確認は避けて通れない重要な業務です。しかし、専門用語が並び、細かい文字で埋め尽くされた契約書を隅々まで読み込むのは、骨の折れる作業です。

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    石田さん

    「正直、読む気が失せますよね(笑)。
    でも、契約書のどこかにリスクが潜んでいるかもしれない。
    そこで、契約書もまずScanSnapでスキャンして、Manusに下読みさせるんです。クラウドサインとか増えましたけど、お付き合いしてる会社の属性として、IT系じゃないところもあるので、やっぱり紙でもらうことも結構多いんです。
    Manusには、『修正、あるいは相談が必要そうな点を整理してください』と指示しています。人の目だけじゃなくて、AIがどう判断するかという一種の保険ですよね」

    AIが契約内容の要点をまとめ、注意すべき条項を指摘してくれる。もちろん、最終的な判断は自分で行いますが、AIによるファーストチェックがあるだけで、心理的な負担は大幅に軽減されます。
    見落としのリスクを減らし、より安心して契約に臨むことができるのです。

    ※1:個人情報・機密情報を扱う際は、社内規程や契約上の守秘義務、AIサービスの利用条件を確認することをおすすめします。Manusの場合は、設定から学習をオフにすることもできます。

    ※3:契約書など個人情報・機密情報を扱う際は、社内規程や契約上の守秘義務、AIサービスの利用条件(学習利用の有無、保管期間、国外移転等)を確認し、必要に応じてマスキング/匿名化のうえ利用してください。

    AIは「育てる」もの──プロンプトよりも大切なこと

    石田さんの話から見えてくるのは、彼がManusを単なる「便利なツール」としてではなく、「仕事のパートナー」として捉えていることです。

    その関係性は、一方的に指示を出すだけのものではありません。これは、AIの使い方に関する大きな誤解を解くポイントでもあります。
    多くの人は、AIを使う際に「完璧なプロンプト」を作ることに注力しがちです。

    しかし、石田さんの経験から見えてくるのは、プロンプトの工夫よりも、AIに対して「良質なデータを与えること」「フィードバックを繰り返すこと」の方がはるかに重要だということです。

    実は、石田さんも最初は試行錯誤を重ねていました。
    名刺からプレゼン資料を作成させた際、最初に出てきた資料は期待と異なるものだったと言います。

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    石田さん

    「思った通りのものが出てこなかった。
    その名刺を読み込んで、プレゼン資料を作ってくれ、っていうのでも、まだまだ僕の存在を意識してないというか、何の人なのか分からないから、1回目では綺麗なものは出てこなかった。それはManusの『知識』のところがまだまだだったんですね」

    この気づきが重要です。
    Manusが石田さんのことを理解していなかったために、汎用的な資料しか作れなかったのです。

    そこで石田さんは、Manusのパーソナライゼーション機能(当時は「知識機能」と呼ばれていた)に自分のプロフィール、実績、活動内容などを充実させることにしました。

    すると、その後のプレゼン資料の精度は劇的に向上。Manusが「石田太志とは何者か」を理解することで、より適切で、より説得力のある資料を生成できるようになったのです。

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    石田さん

    「最近思うのは、プロンプトを工夫するよりも、良いデータを与え続けて、フィードバックを繰り返すことの方がずっと重要だということです。

    Manusのパーソナライゼーション機能に、僕のプロフィールや活動実績、過去の資料などを覚えさせています。そうすることで、僕のことをよく理解した上で、アウトプットの精度がどんどん上がっていくんです。
    例えば、スポンサー営業の際には、どういった企業が僕の活動に関心を持ちやすいのか、過去のやり取りから学習していく。そういった『学習の積み重ね』が、AIの能力を引き出す秘訣なんだと気づきました」

    「作業」をなくし、創造的な仕事へ

    石田さんのワークフローから見えてくるのは、AIの本来の価値です。
    それは、単に「時間を短縮する」ことではなく、「人間にしかできない創造的な仕事に時間を使わせる」ことにあります。

    名刺の整理、プリントの分類、契約書の下読み──これらは、確かに必要な業務です。
    しかし、これらは「作業」であり、石田さんの真の価値を生み出すものではありません。

    石田さんが本当に力を注ぐべきは、フットバッグの技術向上、スポンサーとの関係構築、イベント企画、教室での指導といった、創造的で人間的な仕事です。

    ScanSnapとManusの連携は、その「作業」の部分を自動化し、石田さんの時間と能力を、より価値の高い仕事に解放しているのです。

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    定期タスク×Skillsで、さらに高度な自動化へ

    今後、このワークフローはさらに進化する可能性があります。それが定期タスク化です。

    例えば、毎月1日に自動的にスポンサー候補をリストアップする、学校からプリントが配布される時期に自動的にスケジュール表を処理する──こうした「定期的に繰り返される作業」を、完全に自動化できたら、どうでしょうか。

    Manusに新たに実装された「Skills」という機能は、この理想をより現実に近づけます。
    Skillsは、Manusが特定の業務フローを「スキル」として学習・記憶し、それを繰り返し実行できる機能です。

    一度限りの長い会話指示とは異なり、Skillsは新入社員のためのオンボーディングガイドだと思ってください。一度作成すれば、複数の会話、プロジェクト、さらには異なる互換性のあるAIエージェント製品全体で自動的に使用できます。

    詳しくは、Manusブログ記事を参照。

    この「新入社員のためのガイド」という概念は、石田さんが実践している「AIを育てる」という考え方と一致します。

    例えば、「名刺をスキャンしてスポンサーリストを作成し、Canvaで提案資料を生成する」という一連の流れをSkillsとして定義しておけば、定期タスクと組み合わせることで、毎月自動的に同じ処理が実行されるようになります。

    さらに、学校プリントの処理も同様です。
    プリントが配布されるタイミングで定期タスクが発動し、Skillsが自動的に「3年生の帰宅時間を抽出して、時間配分を提案するデータを生成する」という一連の処理を実行。
    その結果が家族に共有される。
    そこまで仕組み化できれば、石田さんが言う「人間にしかできない創造的な活動に集中する」という理想は、より現実になるのです。

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    スキャンして、AIに繋ぎ、紙からすぐ始動する。

    そのシンプルなやり方が、定期タスクとSkillsによって、自動化された仕事の流れを生み出す。
    それが、紙とAIがもたらす未来の働き方なのだと思います。


    ScanSnap_iX2500

    ScanSnap iX2500

    毎分45枚の両面高速スキャンで、驚くほどスピーディーに電子化。静電容量式タッチパネルによる直感操作で、誰でも簡単にスマートに使えます。原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。Wi-Fi対応で各種クラウドサービスへのデータ転送も簡単に行えます。
    ScanSnap iX110

    ScanSnap iX110

    USB Type-Cポート搭載。バッテリー・Wi-Fiを搭載しながら、わずか400gのコンパクトボディ。場所を選ばず原稿を電子化でき、手軽に情報の保管や共有が可能。

    この記事を書いた人

    ブロガー・ライター・アドバイザー いしたにまさき

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    2002年メディア芸術祭特別賞、第5回Web クリエーションアウォードl人ユニット賞受賞。著書も多数。2011 年9月より内閣広報室・IT広報アドバイザー。同年アルファブロガー・アワード受賞。 ネット発のカバンデザインも好調。ひらくPCバッグで2016年グッドデザイン賞受賞。

    プロフットバックプレイヤー 石田 太志

        x insta 個人サイト

    プロフットバッグプレイヤー。1984 年生まれ。フットバッグの世界大会「World Footbag Championships」にて 3 度優勝(2014・2018・2024)。 アジア人初の世界チャンピオン、アメリカチャンピオン、そして殿堂入りを果たした。現在は神奈川県横浜市を拠点に、日本で唯一のプロとして競技・パフォーマンス・普及活動を行っている。

    ishidataishi
    取材協力

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