本棚ゼロでも読書習慣は続く。自炊×スマホで「いつでも参照できる」本棚へ【ScanSnap×SideBooks】

仕事で「これ、あの本のこのページに載っていたな」と思い出しても、現物の本が家にあるのか会社にあるのか──必要な時に手元にない。
そんな"リアルな本の分断"に悩んでいたのが、重電機器メーカーで設計を担う伊藤泰久さんです。
伊藤さんは本を裁断してScanSnapでスキャンし、データをGoogle ドライブに保管。必要な本だけをSideBooks(サイドブックス)(※1)に手動で取り込み、スマホで持ち歩けるようにしています。
そのおかげで、今はご自宅の本棚がゼロになったといいます。
さらに、「スマホで本が読める環境ができると、1〜2分の隙間時間でも読むようになった」と伊藤さん。読書時間をわざわざ確保しなくても、結果として月に2〜3冊は読めるようになったそうです。
今回は、「裁断・スキャン」からスマホで「読む」までの一連の流れと、無理なく続けるための工夫について伊藤さんに詳しく聞いてきました。
※1:「SideBooks」とは、PDFなどの文書を本棚形式で整理し、書き込みや検索もできる文書閲覧アプリです。まるで実際の紙をめくるような感覚で読書を楽しむことができます。
目次
1. なぜ自炊するのか─家と会社で「同じ本」を見たい
──まず、伊藤さんのお仕事と、普段のScanSnapの利用環境を教えてください。
伊藤さん:重電機器メーカーで設計者として働いています。デスクワーク中心で、電気に関する設計を担当しています。
ScanSnapはプライベートで購入してもう5年以上使っています。機種は「ScanSnap iX1500」(白)(※2)です。欲しかった黒が売り切れだったのですが、それでも欲しくて白を買いました。(笑)
家ではリビングに置いて、妻と私がいつでもスキャンできるようにしています。

伊藤さん宅のリビングの一角に置かれているScanSnap iX1500
※2:現在ScanSnap iX1500は販売を終了しており、現行の後継機種はScanSnap iX2500です。
──ScanSnap×SideBooksの導入前は、どんな困りごとがありましたか?
伊藤さん:最初の大きな理由は仕事です。
仕事で、大学院で勉強したことを確認のために参照したくなることがあり、「そういえばあの教科書のこのページに載ってたな」というのを覚えているんです。
でも実物の本(教科書)は会社にないですよね。
最初は2〜3冊だけだったので、私物として教科書を会社に持って行って置いていましたが、今度は家に帰って「あれ何だっけ」となった時に「あ、(教科書、今は)会社だ」となる。
それで、「じゃあスキャンして教科書のデータをいつも持ち歩いた方がいいな」と思ったんです。


伊藤さんのSideBooks本棚のトップページ。興味深い本がたくさん入っています。
──ご自宅が「本棚ゼロ」に至ったとお聞きしましたが、そうなるまでの背景を教えてください。
伊藤さん:教科書以外の本はもともと自宅の本棚に置いていました。
でも、子どもが生まれたのをきっかけに、本棚が置かれている場所も生活スペースとして空けて使いたいなと思って、それで本棚の本もスキャンしてデータ化することにしたんです。
結果、今は自宅には本棚がゼロになりました。
これまでの本も、これから買う本も、基本的にはスマホの中に入れていくつもりです。
2. 運用の流れ─裁断→ScanSnap→Google ドライブ→SideBooks(溜めない習慣)
──本の自炊は、どんな手順で進めていますか?
伊藤さん:本はすべてカッターで裁断して、iX1500でスキャンしています。(※3)
やり方は、ネットで「カッターでできる」と書いてあるのを見たのがきっかけで、やってみたら「これ、すぐできるな」と思って、今もそのスタイルです。

伊藤さんの自炊セット(カッター・カッターマット・定規)
※3:著作権の対象となっている新聞、雑誌、書籍等の著作物は、個人的または家庭内、その他これらに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とする場合など、著作権法で定められた例外を除き、権利者に無断でスキャンすることは法律で禁じられています。なお業務利用では、著作権者の許諾が必要となることがありますので、著作権法、およびご利用になる企業や団体で定める利用規則等に従って利用して頂くようお願いします。
──スキャンしたデータの保管などはどうしていますか?
伊藤さん:データの保管はGoogle ドライブです。普段はバックアップなしでGoogle ドライブだけに入れています。ただ、家族の写真や、大切な資料やデータは、別途、自宅に個人的に作っているサーバーにもバックアップしています。

Google ドライブのフォルダ一覧
SideBooksへは、Google ドライブからその都度手作業で取り込む形で利用しています。
──家の中では、紙をどういう頻度やタイミングでスキャンしていますか?
伊藤さん:私は「その都度やる派」です。もらったらすぐ。
とはいえ、私の帰りが夜なので、妻がもらってきた紙や郵便物などは、テーブルにまとめておいてもらいます。その後で、私が寝る前に、すべてバーっとスキャンして、紙を捨ててから寝る、という毎日のルーティンになっています。

一日の終わりにまとめてスキャンするのは伊藤さんの役割だそう
──自炊するのはかなり手間もかかりますが、ずっと続けるコツはありますか?
伊藤さん:強いて言うなら、何も考えないことです。歯磨きと同じように(いつも)スキャンする、という感覚。
「スキャンしなきゃ」「溜まってるな」じゃなくて、完全に習慣にしちゃったのが一番大きいです。
それと、スキャンしたデータを捨てるか捨てないかは、スキャンする前に判断するんじゃなくて、スキャンした後で判断すればいいと思っています。とりあえず一旦スキャン、ですね。
3. 破綻しない最小ルール─命名・プロファイル・浅い分類
──スキャンしたデータのファイル名の付け方(命名ルール)は?
伊藤さん:本は、基本的に本の題名をそのまま入れて、その後に著者名を書くくらいです。
内容によって年代がポイントになる本は、末尾に「20nn」みたいに年代を入れることもあります。区切りはアンダーバーです。
本以外だと、たとえば子どものプリントだったら、最初に日付(年月日)を入れて、その後にOCRで書類名を抽出して入れるようにしています。基本、最初に日付を持ってくることが多いですね。
でもまあ、基本的にはデフォルトのプロファイルである「フォルダに保存」のプロファイルを使用してスキャンしています。その後で、スキャンした結果(OCR結果)を確認して、問題があれば修正する形が多いです。
──ScanSnapの設定(プロファイル)は利用されていますか?
伊藤さん:基本的にはプロファイルは増やしすぎず、よく使うものだけ最小限に作っています。細かい調整はその都度、手動です。

ただ、一方で、プロファイルを個別に作成し、スキャン設定を自動化しているケースもあります。
例えば、通常は「継続スキャン」での設定でスキャンをしていますが、「手差しスキャン」のプロファイル(設定アイコン)を個別に作成して使い分けています。子どもの学校プリントはA3サイズのものが意外と多く、手差ししたいことが多いんです。それで、頻度的にもプロファイルの設定を分けたくなり、専用のプロファイルを作りました。
また、漫画のスキャンでは、原稿の向き(回転)の自動判別をオンにすると、何故か原稿の上下がひっくり返ることがあったため、漫画用に「向き:回転なし」のプロファイルを作っています。

さらにカラー/グレースケールなど、ほとんど同じ内容でも用途で分けて複数パターン作っていますね。

──写真のスキャンでは、設定を使い分けていますか?
伊藤さん:子どもの幼稚園などのイベントで、カメラマンさんが撮ってくれて購入した写真がプリントで届くので、最高画質である「エクセレント」になるように設定した写真用のプロファイルを作って、写真の時は必ずそれでスキャンするようにしています。


──SideBooksのフォルダ/本棚(分類)のルールはありますか?
伊藤さん:SideBooksの本棚のフォルダ分けはしていますが、深い階層を持たせないようにしていて、階層はなるべく2〜3つに収めています。
また、データの保管先のGoogle ドライブのフォルダもSideBooksと同じ構成にしています。
それから、まだ読んでない本や、もう1回読みたい本は、一番上に表示されるようにして、SideBooksを開いたときにすぐ目に入るようにしています。
分類自体は、学問とか歴史とか英語とか、その程度のざっくりです。


未読の本や読みたい本は、本棚の一番上に表示されるようにしているとか
4. 効果─いつでもどこでも「読める」だけじゃない、生活と気持ちの変化
──ScanSnapとSideBooksで"持ち歩ける本棚"を作ってから、どんな変化がありましたか?
伊藤さん:部屋のスペースが増えましたし、何より家にあるものが減りました。
それが物理的にも精神的にも「ゆとり」につながっている気がします。
ものがないって、余計なことを考えなくていい。
逆に増えてくると、心がざわざわして落ち着かなくなってしまうくらい、今の生活に「ゆとり」を実感しています。
──読書習慣には何か影響がありましたか?
伊藤さん:スキャンしてSideBooksでいつでも読める環境になったことで、継続的に本を読む習慣が身につきました。
導入前はあまり本を読む習慣がなかったんですが、スマホで読めると、1分~2分のちょっとした隙間時間でも読むようになる。
結果、読書時間をわざわざ確保していなくても、月に2〜3冊くらい無理なく読めています。
子どもが小さいと、まとまった時間が取りにくいですが、仕事も子育てもありながら、月2冊~3冊読めるのは、ScanSnapとSideBooksがあるおかげだと思っています。

伊藤さんがよく使っているSideBooksの「しおり」機能

余白設定を狭くすることで、スマホでも意外と読めるようになるとのこと
──電子書籍を購入するのではなく、わざわざ「自炊」してSideBooksの本棚を使う理由は?
伊藤さん:完全に自分のものになってない本が嫌なんです。
本がプラットフォームに縛られているのが合わなくて、100%自分のものにしたい。
なので、電子書籍はあまり買っていません。

もう一つの理由は、電子書籍だと文字の大きさや行間が変えられて、ページ数も可変しますよね。
あれが自分には合わなくて。「この本のここらへんに書いてあった」という感覚が好きなので、ページが動かない方が好みなのです。
──なるほど。本日は、楽しいお話を聞かせていただき、ありがとうございました!
まとめ
伊藤さんが習慣にしているのは、日々の紙を「溜めない」こと。
発生した紙はその日のうちに必要なものはスキャンし、紙は原則その場で手放す。データを残すかどうかは後で判断すればよく、まずはスキャンして"選択肢"を作るという習慣です。
同様に、本もScanSnapでスキャンし、Google ドライブに保管することで、必要な本をSideBooksに取り込み、いつでもスマホで持ち歩ける形にしました。
その結果、「必要な時に必要な本が手元にない」という困りごとが減り、本棚のスペースもゼロになるだけでなく、隙間時間で月に2〜3冊は読書ができるように。
生活にゆとりもできました。
今、伊藤さんの本棚は、家具としてではなくスマートフォンの中にあります。
読み返したい大切な本はいつでも自分の手元にある──そんな状態を、無理なく続けているのです。
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この記事を書いた人

伊藤 泰久
重電機器メーカー勤務で、設計者として活躍している伊藤さん。日々、仕事で使う書籍や資料の他、興味・関心のある書籍や資料などをScanSnapでスキャンしてデジタル化。SideBooksに取り込んでスマートフォンで読んでいるとのこと。
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