被災写真の洗浄活動 課外のあらいぐま
東京都武蔵野市にあるコミュニティセンターで、ボランティア団体「課外のあらいぐま」による、東日本大震災で被災した写真の洗浄活動が行われています。写真は家族の宝物。それが1枚でも多く持ち主の方のもとに返るよう、自主的に参加した大勢の人たちが真剣に作業を進めます。この意義ある活動で、「ScanSnap」が役に立っています。写真をスキャンし、データ化しているのです。具体的な作業の様子をご紹介しましょう。
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東京都武蔵野市のボランティア団体。2011年の夏より始まった「りす会+moi あらいぐま作戦」・「写真洗浄@光が丘」による被災写真洗浄活動を受け継ぐ形で、2012年秋より活動を続けている。被災地との綿密な連携のもと、参加者を随時募って週末や休日に洗浄の活動を行っている。 |
被災写真の洗浄は「砂落とし→データ化→水洗い→乾燥」の工程で行われます。どれも初めてでもできるので、「被災地の力になりたい」と願う人たちが参加可能な日に作業に加わります。この日は親子連れの姿も見られました。複数の工程は同時進行しており、アルバムのまとまりごとに動いていきます。写真は数多くあるため、作業の手が休まることはありません。その中でデータ化の工程は、被災した方々が写真を探す際に大いに役立ちます。たくさんのアルバムを手でめくって心当たりの写真を探すのは困難ですが、データ化すればパソコンで手早く探すことができ、より写真を見つけやすくすることができます。しかしカメラによる写真の複写や、フラットベッドスキャナーによるスキャンでは手間と時間がかかり、作業上の負担は多大なものでした。「限られた時間内で多くの写真データを残し、いち早く返却現場へお戻しする。その要件を満たす機器はないだろうか」??その点が「課外のあらいぐま」でも悩みの種になっていました。ところが最近、代表の福井圭一さんが「ScanSnap S1500」を試してみたところ、作業効率が大きく上がり画質も向上したため、さっそく作業に導入。現在は「S1500」と3台の「iX500」が週末の作業でフル稼働しています。1枚でも多くの写真が持ち主の方の手に戻ることを願い、これからもPFUと『ScanSnap』はこの活動を応援していきます。
写真の表面に付着している泥や砂などの汚れを、さまざまな道具を使って落とします。全作業を通じて、写真はアルバム単位で管理されます。
砂落としを終えた写真を、「iX500」でスキャンしてデータ化。画質は「エクセレント」に設定しています。写真は重ねず、手で1枚ずつ差し込んで連続スキャンします。スキャンと並行してパソコンで画像を確認します。
写真を1枚ずつ、真水でていねいに洗浄します。洗浄によってバクテリアの繁殖などを防ぐことができます。
水洗いした写真を立てて並べ、十分に乾燥させます。
被災地に設けられた返却会場のひとつ。スキャンデータをパソコンで見ることができます。
震災後に被災地を訪れたとき、家財とともに多くの思い出の写真が流されていることを知りました。写真にはそれぞれ持ち主の方がいて、現地では返却活動が行われています。そうした被災写真のデータ化は、写真を探すための検索に役立てられるメリットがあり、写真の像を劣化の進行から守る目的もあります。『ScanSnap』は作業効率の向上とともに、データの質を高めることにも役立っています。現地から返却の知らせを聞けたときは本当にうれしいものです。『ScanSnap』を活用して、この活動をさらに進めていきたいと思います。 |
【著作権について】
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