千葉県立袖ヶ浦高等学校 情報コミュニケーション科
『ScanSnap』は学校教育の現場でも活躍しています。その一例が千葉県立袖ヶ浦高等学校「情報コミュニケーション科」での活用法です。授業にインターネットやデジタル機器を導入し、深く広がりのある「学び」を実現しているこの学科では、生徒自身が『ScanSnap』で紙のレポートをスキャンして、デジタルのポートフォリオを編集する活動も行われています。 ちょっとお邪魔して、その様子を覗いてきました。
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1976年に普通高校として開校し、2011年に情報コミュニケーション科を併設。同学科では日本の公立学校で初めて生徒一人に1台ずつの「iPad」を導入しており、普通科目の授業もICTを活用して行う。近い将来の教育環境を先取りした授業は教育界の注目を集めている。
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情報コミュニケーション科の授業は生徒一人に1台ずつの「iPad」をはじめ、インターネット、電子黒板や『ScanSnap』などのデジタル機器がいつでも使用可能な環境で行われます。 これらは情報の専門科目のみならず、普通科目の授業でも常時活用されています。 先生の問いかけに対して生徒がインターネット検索を行い、クラス全員で情報を共有したり、学校専用の SNSに書き込むことで生徒同士が教え合ったり。 また「iPadを手に校庭に出て、三角関数を応用して樹木の高さを測る」といったように、より立体的に学ぶ授業も展開されます。日髙学校長の言葉を借りれば、同学科は「非凡な普通科」。 専門科目に集中するのではなく、先生と生徒、生徒と生徒が協力し刺激し合いながら「あたらしい学び」を実践し、現代人に欠かせないコミュニケーション力を育む学科なのです。
この学科の課題の一つに「デジタルポートフォリオの作成」があります。 ポートフォリオとは、学んだことや達成したことを自ら編集し、人に見せられる形にまとめた冊子です。 通常はクリアファイルを使ったり簡易製本で綴じたりして作りますが、同学科ではこれをデジタルのファイルとして完成させるのです。 「ICTを利用して人とコミュニケートするという、学科の目的に沿った課題です」(情報コミュニケーション科長・永野直教諭)。 編集する素材は、日々の授業で作成・提出したレポートなど。 その中には紙の手書きレポートもあれば、iPadで作成した動画入りのデジタル文書などもあります。 そこで今、生徒二人が行っているように『ScanSnap』で紙のレポートをスキャンしてデジタル化すれば、すべてをデジタルの次元で簡単に編集できるようになります。 「手書きの紙にはイラストなどを含めて、生徒の工夫や創造性が表れています。一方、それを見やすくまとめたり長く保存したりするにはデジタルのほうが有利です」と、二人を指導する眞山和姫教諭。 紙のレポートが『ScanSnap』でみるみるうちにデジタル化されました。あとはiPadで編集するのみ。こうして生徒自身の手で、貴重な「学びの軌跡」がいつまでも残る形に整えられていくのです。
授業のテーマや校外学習などのイベントごとに作成・提出した紙のレポートは、生徒が工夫したイラストなども書き込まれている重要な素材。これらをスキャンしてポートフォリオを編集します。レポートの入った箱を持つのは情報コミュニケーション科教師の眞山和姫教諭。
『ScanSnap』なら大量の紙レポートも手早くスキャンできます。特に「iX500」はWi-Fi接続が可能なので、iPad画面のボタンにタッチするだけでスキャンがスタート。読み取った画像データもワイヤレスで iPadに送られます。
スキャンしてデジタル化した紙レポートをiPadで編集します。不要なページを削除したり、他のデジタルファイルと合体させたりするのもデジタルなら簡単。3年生の村山詩織さん(右)と和田まりあさん(左)がスムーズに編集作業を進めます。
デジタルのポートフォリオなら、学んだことを人に説明しやすく、紙よりも確実に保存できます。情報コミュニケーション科長の永野直教諭は「紙とデジタル、各々の長所を活かしていくことが大切です」と指摘します。完成したポートフォリオから、(左)は先生の添削が入ったレポートのページ、(右)は動画入りデジタル文書のページ。これらのデジタルポートフォリオは「iBooks」を用いて管理します。
日髙校長は、ご自身が以前からの『ScanSnap』愛用者でした。「重宝していますよ。事務書類をデジタル化しておけばすぐ検索できて便利ですし、思いつきを書き込んだメモをスキャンしたり、出張関係の書類をスキャンして『Evernote』で管理したりもしています。
先日は私が出張中に入った FAXを学校の職員がスキャンして送信してくれ、出先でも迅速な対応ができました。紙には優れたところが多々あり、決してなくなることはありません。
そこに『ScanSnap』をiPadやクラウドサービスなどと組み合わせて使うことで、紙のよさがいっそう発揮されるのだと思います」。
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