2025.6.24 |
三協立山株式会社
電子帳簿保存法対応ファイリングシステム「あんしんエビデンス管理」と「Box」の活用で確実な電帳法対応と業務デジタル化の両立を実現
月7万件超の電子取引データを、法令要件を満たしながら効率的に「Box」へ保存

右から高畑裕紀さん、大野学さん。高岡市の本社にて。
アルミ建材の大手企業、三協立山株式会社では電子帳簿保存法(電帳法)(*)に対応するため電子帳簿保存法対応ファイリングシステム「あんしんエビデンス管理」を導入し、取引関係書類(電子取引)の正確かつ効率的な保存に成功しています。社員数千人の足並みを揃えながらの法対応には困難も予想されましたが、「あんしんエビデンス管理」の活用によって検索要件となる「取引年月日」「取引金額」「取引先」を楽に登録できるようになったほか、全社的な業務改革を目的としたデジタル化の流れに沿ってクラウドストレージ「Box」へのデータ集約も実現しました。富山県高岡市の本社を訪ね、導入の経緯と運用方法、導入効果などを詳しくうかがいました。
*:電子帳簿保存法とは https://www.pfu.ricoh.com/rm/anshinrm/denchoho.html
三協立山株式会社
業種:製造
中核事業:建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業
従業員数:連結 10,116名/単体 4,724名(2024年11月30日現在)
- 課題
- 電帳法対応では、対象文書が膨大にある中で、いかにして個々の文書に検索要件となる「取引年月日」「取引金額」「取引先」を入力しながら保存するかが課題となるが、保存先の「Box」に投入するだけでは要件を満たすことが難しく、法令を遵守した追加作業が膨大になる。そのため作業負荷を下げられる新たな仕組みを必要としていた。
- 解決法
- ネット記事で「あんしんエビデンス管理」を知り、PFUが電帳法対応に長けた信頼できるメーカーであること、直感的な操作で簡単に登録できること、「Box」との連携が可能なことから導入を決定。宥恕期間終了の半年前に運用を開始。
- 効果
- 月平均約7万枚の取引関係書類(電子取引)を「あんしんエビデンス管理」に登録するフロー(手動登録、RPAによる半自動の一括登録および基幹システムからの自動登録)を構築し、「Box」への正確で効率的な保存を実現。以来、デジタル化の一環として順調に運用している。

1. 労働人口減少を受け、一人当たりの生産性向上のためにペーパーレス化に着手
情報システム統括室 システム企画開発部 部長の高畑裕紀さんと、改革推進統括室 改革推進部 企画グループ グループ長の大野学さんに、三協立山株式会社が進めているデジタル技術を活用した業務改革について、またその中における「あんしんエビデンス管理」の位置づけと導入効果についてお聞かせいただきます。本題に入る前に三協立山の概略を教えてください。
大野 当社は1960年に設立され、さまざまなグループ再編を経て、現在は建材事業、マテリアル事業、商業施設事業、国際事業の4つの事業を運営しています。このうち、建材事業、マテリアル事業、商業施設事業は社内カンパニー制を導入しています。
建材事業の三協アルミ社は売上規模が最も大きく、ビル用・住宅用サッシやエクステリア製品などを取り扱っています。マテリアル事業の三協マテリアル社では、産業機械の部品・部材や自動車部品のほか、素材としてアルミビレット(アルミニウムの押出加工に使用する円柱状のアルミニウム合金)などを製造しています。また商業施設事業のタテヤマアドバンス社では、一般の方に馴染み深い製品の例としてコンビニエンスストア、ドラッグストア、家電量販店などの什器・看板などを取り扱っています。
一方、国際事業では欧州・タイ・中国の海外拠点でアルミニウムの鋳造・押出・加工を行い、グローバルサプライヤーとして自動車・鉄道・航空機・産業機械分野などに高付加価値製品を提供しています。

本社併設のショウルームにはサッシやドアなどの建材が展示されています。
所属されている情報システム統括室と改革推進統括室は、会社全体を包括して担当する部署でしょうか。
高畑さん ともに会社全体を見ています。情報システム統括室では財務や人事といった基幹システムや、各カンパニーの拠点をつなぐネットワークなどをすべて統括しています。
一方の改革推進統括室はどのような部署でしょうか。
大野さん 会社を変革させる、あるいは業務を改革するトリガーの役割を担っています。組織や仕事の進め方など全社に関わる大きなものから、手元の業務の改善といった細かいものまで、関わる事案は多岐にわたります。
本日うかがうデジタル面での業務改革は、改革推進統括室と情報システム統括室が主導しているのでしょうか。
高畑さん 業務改革に深く関係する部署はほかにもありますが、デジタル化に関してはこの2部署が特に注力する流れになっています。広い視野で見るのが改革推進統括室、具体的な方策を考えて実装するのが情報システム統括室という役割分担です。

情報システム統括室 システム企画開発部 部長の高畑裕紀さん。

改革推進統括室 改革推進部 企画グループ グループ長の大野学さん。
業務改革推進のきっかけや目的を教えてください。
大野さん 最も大きな背景は全国的な労働人口の減少があり、当社にも同様の傾向が見られます。そうした中で短期・中長期の目標を達成しながら業績を上げていくためには、一人当たりの生産性の向上が不可欠です。それを実現するための大きな方策の一つとして業務のデジタル化、具体的にはペーパーレス化があります。スペースの有効活用やモバイルワークの積極的活用が望まれる状況でありながら、働く場所や働き方が「紙に縛られる」ことが往々にしてあるため、そこをデジタルの力で解決していこうということです。
高畑さん 業務のデジタル化に本腰を入れようという話が社内で浮上したのを受け、情報システム統括室では具体的な施策の検討に入りました。コロナ禍が始まる少し前のことです。
2. 電帳法対応に長けたメーカーならではの安心感と「Box」連携が導入の決め手に
どのような施策によって業務のデジタル化を推進したのでしょうか。
高畑さん 当社のデジタル化はペーパーレスを実現するための本流と、ほぼ時を同じくして発生した電子帳簿保存法(電帳法)への対応という支流に分けることができます。このうち本流では、2021年6月にクラウドストレージ「Box」の運用を開始しました。ちょうど、急きょ整えたVDI環境(AWS WorkSpaces)でコロナ禍の最初の波を乗り切ったタイミングです。これが本格的なデジタル化施策の第一弾でした。
クラウドストレージ導入の目的と、「Box」を選択した理由をお聞かせください。
高畑さん 当社の事業では図面が重要な役割を果たしており、社内では主に紙の図面が運用されています。この図面が紙のままだと、前述した「仕事が紙に縛られる」状況が発生します。これは特に支店で顕著で、過去の図面一枚を見るためにコロナ禍でも出社して棚を探すといったケースはその最たる例です。
そこで図面やその他の紙資料をデータ化するのがペーパーレスへの第一歩になりますが、大量のデータをどこに保存すればよいのかという問題も同時に発生します。これを解決するため、業務改革に関係する部署が検討を重ねた結果、最良の手段として浮かび上がったのがクラウドストレージの活用でした。
「Box」を採用した理由はセキュリティです。複数のサービスを比較検討し、最も安全で、なおかつ容量無制限で使える「Box」を採用しました。またBoxには保存データの訂正や消去を防止する機能もあり、後述する法対応にも適しています。
続いて、デジタル化の支流にあたる電帳法対応についてお聞かせください。こちらはいつ頃から着手し、どのような施策によって推進したのでしょう。
高畑さん 電帳法への対応を検討し始めたのは2021年です。具体的な施策としては、出張旅費精算や立替精算などの経費精算をペーパーレスで行え、かつ電帳法に対応したクラウド型経費精算システムと、本日の本題であるPFUの電帳法対応ファイリングサービス「あんしんエビデンス管理」を導入しました。いずれも本流のペーパーレス推進と密接に関係しながら、電帳法の対象書類を適正に扱い、法令遵守を実現するためのツールという位置づけです。
「あんしんエビデンス管理」はどのような目的で導入されたのでしょうか。
高畑さん これはまさに電帳法対応の本丸といえる部分に関係しています。2021年度の税制改正で「電子取引に関わる電子証憑はすべて電子データのまま保存する」ことが義務づけられました。つまり、当社と取引先の間で注文書、契約書、見積書、納品書、請求書、領収書などの取引関係書類をデータで取り交わした場合、そのデータを原本として保存することが必要となります。さらに電帳法には検索要件があり、保存したデータを「取引年月日」「取引金額」「取引先名」で検索できるようにしておかなければなりません。
ここで解決すべき問題は、当社のシステムが発行した取引関係書類のデータと、メールなどで取引先から受領した取引関係書類のデータをどこに保存し、いかにして検索可能にするかということです。これは難題ですが、保存先に関してはデジタル化の本流で導入した「Box」を活用するのが自然であると考えられました。「Box」は導入直後から当社の業務に欠かせないものとなっている上に、前述したデータの訂正や消去を防止する機能で確実な保存が約束されます。また、せっかくコストをかけている「Box」ですから、電帳法対応に活用するのは経営的にも好ましいことです。
容量無制限の「Box」であれば恒久的な電帳法対応も可能になりますね。
高畑さん それもあります。ただ問題は検索要件です。「Box」の機能だけで、膨大なデータの中から先の3項目で確実に検索できるよう保存するのは極めて困難です。書類を保存する人が少数であれば運用も不可能ではありませんが、当社の場合、取引関係書類をデータでやり取りする立場の従業員が数千人いるため、「Box」だけでは無理があります。一度は試みましたが、あまりに手間がかかるため運用は困難と判断せざるを得ませんでした。そこで最終的に白羽の矢を立てたのが「あんしんエビデンス管理」です。
「あんしんエビデンス管理」があれば、専用のWindowsアプリによって保存時に「取引年月日」「取引金額」「取引先名」を簡単に登録できるほか、独自の案件番号などのメモも追加で入力できます。また取引マスタの設定によって、名称などの表記ゆれのない登録、工数の少ない効率的な入力、キー入力が不要な取引マスタからの検索が可能になります。これらの機能を、書類データを「Box」に保存するための入り口として活用されているのですね。
高畑さん そういうことになります。当社の規模では、こうした仕組みなしに全データを税務調査に対応できる精度で保存するのはほぼ不可能です。

「あんしんエビデンス管理」は電子取引の書類データや「スキャナ保存制度」に準じて生成した書類データを、「Box」などの保存先に検索要件を満たして簡単に保存するための電帳法サポートソフトウェア(JIIMA認証取得済み)を含むサービスです。

「Box」に連携する「あんしんエビデンス管理」登録画面。直感的に操作できる画面、入力履歴からの入力補完、表記ゆれの抑止など、数々の機能が効率的な登録作業をサポートします。
情報システム統括室で独自の仕組みを開発することもあり得たのでしょうか。
高畑さん できる・できないの話に限れば、作ることは可能です。ただ、電帳法対応の要点は「いかにして法令遵守を実現するか」です。生半可な知識で独自システムを構築しても、見えない落とし穴が残る可能性をぬぐいきれません。労力をかけても結局はリスクを冒すことになるのであれば、法律に準拠した確かな製品を探すほうが理に適っています。
とはいえ、これだという製品がすぐに見つかるわけでもありません。電帳法対応が宥恕期間を加えてもなお急ぎ足になる中、どうしたものかと悩んでいました。そうした状況下の2022年4月、「あんしんエビデンス管理」を紹介するネット記事を部署の者が読み、「こんな製品があります」と報告してくれました。私もすぐに記事を読み、間を置かずPFUに連絡を取りました。
「これならいけるかもしれない」と即断してくださったのですね。「あんしんエビデンス管理」の導入を決定されたとき、何が決め手になりましたか。
高畑さん 欲しい機能を備えていたことに加えて、PFUが電帳法対応に長けた信頼の置けるメーカーだと思われたことと、「あんしんエビデンス管理」がJIIMA認証取得製品だったことがまず挙げられます。製品に含まれている、専門家が監修した「導入ガイド」の存在も非常に魅力的でした。必要があれば導入支援を受けられることも含めて、経験に裏打ちされた安心感がありました。

「あんしんエビデンス管理」には専門家の監修による充実した「導入ガイド」が含まれています。
高畑さん 次に、これは非常に実際的な話になりますが、クラウドストレージへの入り口となり得る製品を複数検討した中で、当社が求める機能を備えており、なおかつ「Box」に対応しているのが「あんしんエビデンス管理」だけだったということもあります。ほかのストレージに対しては複数の製品が存在しますが、「Box」に親和性が高いものはほとんどありませんでした。こうした理由により「あんしんエビデンス管理」の導入を決め、2023年7月に運用を開始しました。宥恕期間が終わる2024年1月の半年前でした。
「あんしんエビデンス管理」はうってつけの存在だったのですね。ところで、紙で取り交わされる取引関係書類も、電帳法の「スキャナ保存制度」に則ってデータ化し、「Box」に保存しているのでしょうか。
高畑さん 紙書類のデータ化はあえて行わず、現在は電子取引のみに留めています。電帳法対応はあくまでも法令遵守が目的なので、データで受け取って「Box」に保存する書類も、実際の業務では紙に印刷して運用しています。ただし2023年7月以降は紙に印刷した書類に税務上の意味はなく、あくまでも電子保存されたデータが原本であるということになります。
大野さん 紙の取引関係書類もすべてデータ化して運用することをルールにした場合、図面の例に顕著なように紙文化が根強く残る当業界では、業務にどのような影響が出るのか完全には予測できません。たとえば紙の注文書に紙の図面が付随していたときにすべてをデータ化しても運用できるのか、現時点では疑問が残ります。そのため、データ保存に関しては電帳法にしっかり対応しますが、一方で現実の業務を確実に維持するために必要なことは継続していこうという段階です。もちろん業務改革が最終的に目指すところはペーパーレスですから、将来的には紙書類のデータ化を行っていきたいと考えています。
3. 追加業務としての電帳法対応を、考え得る最小限のコストで実現できた
「あんしんエビデンス管理」によって書類データを「Box」に保存するフローを具体的にうかがいます。対象となるのはデータでやり取りする注文書、契約書、見積書、納品書、請求書、領収書などでしょうか。
大野さん それら取引関係書類を含む、国税関係書類のデータがすべて対象になります。
書類を直接受領した人がそれぞれ「あんしんエビデンス管理」で必要項目を登録し、「Box」に保存するのでしょうか。
大野さん 当社の運用としては、従業員が取引先からメールなどの手段で見積書や設計図などを受け取った場合、その従業員がデータを「Box」の一時的なフォルダーに格納します。これを保存担当者が「あんしんエビデンス管理」で登録し、「Box」に保存します。この保存担当者が「あんしんエビデンス管理」のアカウントを持つユーザーということになります。
高畑さん 登録と保存は、時間を決めて行うといった方法はとっておらず、書類を受領した従業員が自身の課にいる保存担当者に共有リンクをメールする、近くにいれば「登録お願いします」と声をかけて依頼するというように、日常業務の中で弾力的に処理できるようにしています。


登録依頼を受けた保存担当者が「あんしんエビデンス管理」の登録画面で検索要件などを入力します。完了するとデータが「Box」に保存されます。


「Box」には膨大な量のデータ(左)が保存されていますが、「あんしんエビデンス管理」の画面で検索要件を入力すれば簡単に検索できます(右)。
「Box」には膨大な量のデータ(上)が保存されていますが、「あんしんエビデンス管理」の画面で検索要件を入力すれば簡単に検索できます(下)。
実際には何件のデータが「あんしんエビデンス管理」を入り口にして「Box」に保存されるのでしょうか。
大野さん 2024年の実績では、当社グループ全体で月平均約7万件を「あんしんエビデンス管理」に登録しています。このうち、保存担当者が手動で登録する受領書類は約1万件です。残りの約6万件はRPAによって半自動で一括登録される受領書類と、基幹システムから自動で登録される当社発行書類で、うち当社発行書類が80パーセント近くを占めています。
受領する書類よりも自社発行書類のほうが多いのですね。
高畑さん 1案件につき何枚もの見積書を発行するケースもあります。電帳法では発行・受領の別を問わず、最終見積に至る途中の見積書もすべて保存するのがルールなので、極めて大量のデータを保存しなければなりません。
大野さん それを手動で保存していては運用が追いつかないため、情報システム統括室に基幹システムの改修をしてもらい、見積書に関しては自動で「あんしんエビデンス管理」に登録されるようにしました。
受領した書類の登録が手動とRPAに分かれているのはなぜでしょうか。
高畑さん 部署によって書類の発生件数が大きく異なるためです。手動登録が困難な量を受領する部署では、登録する書類のファイル名に工夫を施し、RPAで「あんしんエビデンス管理」に書類を一括登録する方法をとっています。
「あんしんエビデンス管理」の導入により、どのような効果がありましたか。
大野さん 厳密な検索要件を満たすデータを付与した上で、毎月7万件以上のデータを「Box」に保存すること自体、「あんしんエビデンス管理」がなければ不可能でした。専門知識がなくとも直感的な操作をするだけで確実な法対応ができることと、通常業務で使い慣れた「Box」と連携させたことにより、電帳法という新しい要素に対するストレスや業務負荷が大きく軽減されました。当社にとって「あんしんエビデンス管理」は非常にありがたい存在といえます。
「あんしんエビデンス管理」を導入していなかった場合に考えられる負担を、もし数値で表すことができたらお聞かせください。
大野さん 現在「あんしんエビデンス管理」への登録は1件につき平均約1分弱程度で完了します。もし「あんしんエビデンス管理」がなければ、その登録作業時間は数倍になっていたのではないかと思います。
電帳法対応によって企業が担うことになる一定の負担を、「あんしんエビデンス管理」の導入によって最小限、またはそれに近い水準に留めることができたのですね。
高畑さん その通りです。電帳法対応は法令遵守のために追加で発生した業務ですから、負担を抑制できるならそれに越したことはありません。その点で「あんしんエビデンス管理」は素晴らしい製品だと思っています。
また、導入が極めてスムーズだったことも特筆すべきでしょう。「あんしんエビデンス管理」をPFUに発注してから運用を開始するまでに3か月をかけたのは、誰がいつ保存するかといった業務フローの設計に注力していたためで、「あんしんエビデンス管理」自体の準備にはほとんど時間を費やしていません。システム導入の準備がこれほど短時間で完了したのは異例といえます。


「『あんしんエビデンス管理』があってよかった」と大野さん、「実によい製品だと思いますよ」と高畑さん。
「あんしんエビデンス管理」の設定は情報システム統括室でなさったのでしょうか。また、PFUのサポートは利用されましたか。
高畑さん 設定は情報システム統括室で行い、問題なく完了しました。それ以前の段階で当社の業務に合うようPFUに一部動作環境の調整をリクエストし、迅速に対応してもらいましたが、設定以降はサポートを依頼することもなく現在に至っています。
「あんしんエビデンス管理」に含まれる「導入ガイド」は役立ちましたか。
高畑さん 役立ちました。法律に対応するための基本と業務設計の大方針がわかったので、その後も安心して電帳法対応を推進することができました。
ユーザーである保存担当者の方々に、「あんしんエビデンス管理」の使い方をどのように周知されたのでしょうか。
大野さん 運用開始前の2か月間で、改革推進担当が手分けをして全国で約40回の説明会を実施しました。内容は「電帳法とはどのような法律か」「電子取引とは何か」に始まる基本的なもので、「あんしんエビデンス管理」についても「こういう仕組みです」「登録するときはここで保存先を選択してください」といったレベルの説明をしただけです。それでも全員、正しく運用してくれています。
電帳法対応により、税務調査時の負担も軽減するのでしょうか。
高畑さん 「あんしんエビデンス管理」導入後はまだ税務調査がありませんが、2023年7月以降の電子取引分に関しては紙がなくなっているので、税務調査のために準備する作業の量は半減するのではないかと思います。
終わりにデジタル化による業務改革について、今後の展望をお聞かせください。
高畑さん さまざまな施策によってデジタル化はかなりの程度、進んでいます。その結果としてペーパーレス化も推進され、自宅勤務が可能な環境も整っています。また、紙文化が根強い業界ではあるものの、一部取引先との間でEDI環境を整える取り組みも、お話ししてきた電帳法対応とは別のラインで動いています。
また直近ではペーパーレスの先にある生成AIにも注力しており、社内向け生成AIサービス「AI ふたば」を運用しています。この生成AIこそ全社貫通のデータレイクがなければ実現不可能な取り組みですから、そこはしっかりと意識しながらデータを整備し、いっそうの業務効率化が実現するよう努めているところです。
デジタル化の一面としての電帳法対応において「あんしんエビデンス管理」が一助となれて幸いです。本日は詳しくお話しくださり、ありがとうございました。
※あんしんエビデンス管理は、日本国内における株式会社 PFU の登録商標です。
※BOX、boxロゴはBox Inc.の商標または登録商標です。
※その他記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。