1. 【文書管理とは?】これで安心!業務がスムーズになる文書管理の基本 ~ルールの策定からシステムの選び方まで~
2025.5.27

【文書管理とは?】これで安心!業務がスムーズになる文書管理の基本
~ルールの策定からシステムの選び方まで~

メール、紙、クラウド、チャット……、あらゆる場所に文書が散らばり、探すだけで一苦労。文書管理は、今や企業にとって必要不可欠な業務ですが、その煩雑さや難しさが新たな問題となっています。本記事では、企業における文書管理の重要性を改めて確認し、多くの組織が直面している課題とその解決について紹介します。さらに、確実に運用するためのルールづくり、システム選定のポイントを解説します。

1. 文書管理とは

文書管理とは、企業など組織内の情報資産をルールや目的に則り、効率的に管理するための業務です。対象となる文書は、紙の書類だけではありません。電子ファイル、メール、クラウドストレージに保存されたデータなど、あらゆる形式の文書が含まれます。これらの多様な文書について、作成から適切な保存、廃棄に至るまでの全ライフサイクルにわたる管理を意味します。保存のフェーズでは、変更履歴の記録や権限に応じたアクセス制御なども行います。

2. 文書管理の目的

紙の文書であっても、電子ファイルであっても、文書管理の目的は共通しています。それらは、大きく、「業務の効率化」「セキュリティ対策」「コンプライアンス強化」という3つの観点から説明することができます。適切な文書管理は、ビジネスの生産性を高め、同時に様々なリスクから組織を守るものです。

■「業務の効率化」──円滑な情報共有と活用の促進

「必要な書類をすぐに見つけられる」「不要な書類が存在しない」「必要な情報が、必要なユーザーに共有できる」ことで、情報活用が進み業務が効率化します。併せて、プロセスの標準化を行えば、さらなる業務改善も見込めます。

■「セキュリティ対策」──情報を漏えいから守る

閲覧権限の正しい管理により、文書への不正なアクセスや情報漏えいを防止します。

■「コンプライアンス強化」──法令遵守の取り組み

法令や社会規範の遵守など、コンプライアンスを意識した文書管理は、企業の社会的責任を果たすとともに、信頼性向上やリスク管理にもつながります。

3. 文書管理が複雑化する要因とは?

なぜ、組織内の文書管理は複雑になってしまうのでしょうか。文書のライフサイクルにおけるフェーズごとに、様々な原因があります。下記は多くの組織に共通する課題です。

  1. 既存文書の存在を知らないユーザーが、同じような内容の文書を作成してしまう。
  2. それぞれ独立した複数の業務システムに、重複する内容のデータが蓄積されていく。
  3. 紙の書類と電子文書が混在して保存場所が分散した結果、一元的な管理ができなくなる。
  4. 電子文書は様々な形式があり、受け取り方法もメールだけではなく、Webダウンロードやビジネスチャットなど多岐にわたる。
  5. 法令のアップデートに合わせて、保存する文書が増加し続けている。
  6. 働き方改革にともない、働く場所がオフィス外に拡大した結果、文書の保存場所、共有の方法やアクセス方法も多様化している。

4. 適切な文書管理を行うために必要なこと──文書管理のルールの策定

文書管理の課題を解決するために重要なのは、目的に合わせてルールを策定することです。目指すゴールは、情報の保存や共有なのか、セキュリティ対策なのか、コンプライアンス強化なのか、または、そのすべてなのか。そして、目的を明確にしたら、文書の種類ごとに、業務の実態に即したルールを確立します。次にいくつか例を挙げます。

■保存場所と保存期間

文書の重要度や用途に合わせて、保存先や保存期間を決定します。電子文書の場合は、ストレージやサーバーのバックアップ頻度もルール化します。紙文書の場合は、劣化・破損や散逸、盗難から守るために、安全な保存先が必要です。このように、紙文書と電子文書を混在して管理すると非効率になりがちになるため、入手した紙文書は早い段階で電子化して運用できないか検討することが効率化のポイントになります。

■ファイル名のつけ方

ファイル名は管理のしやすさを考慮し、できるだけ同一の規則を適用します。統一感があり、内容がわかる名称になっていることが重要です。例えば、日付を入れるなら、同じ形式(例:YYYYMMDD)にするなど、具体的に決めておきます。プロジェクト名の略称やプロジェクト番号、バージョン番号なども有用です。

■閲覧権限の付与

文書のセキュリティを高めるために、ユーザーごとに閲覧権限の付与を行います。権限は定期的に見直し、不必要に与えられている場合は、速やかに削除します。機密性の高い文書については、アクセスログの取得が推奨されます。

■申請・承認の仕組み

文書管理の透明性を確保し、責任を明確化するために、申請・承認のプロセスが必要です。法令遵守や業界の規範に則った管理を目的とする場合には、特に重要です。

5. 文書管理システム活用のすすめ

ルールが策定できたら、運用を軌道に乗せていきましょう。電子文書の管理については、ファイルサーバーやクラウドストレージなどがありますが、より効果的なのが文書管理システム(DMS:Document Management System)の導入です。文書管理をシステム化することで統制を図り、ルールの逸脱や操作ミスなど防ぐことができます。人的依存を減らした運用により、確実かつ効率的な文書管理が実現します。

5-1. 文書管理システムを導入するメリット

文書管理システムの導入には様々なメリットがあります。ユーザー、管理者、法令遵守の観点では、次のものが挙げられます。

■文書の活用促進

各種の特徴を持った検索機能を有しているため、文書の見つけやすさが飛躍的に向上し、業務の様々な局面で必要な情報に迅速にアクセスできます。

■文書管理が容易になる

ファイル名だけで運用するのと違い、タグ付けやインデックス設定の自由度が高く、複数のタグを付けて多角的な観点で管理することができます。

■法令を遵守した管理

各種の法的要件に対応したシステムを選べば、法令に準拠した文書管理が簡単に行えます。法律に関する専門人材が不足していたり、法令違反のリスクを特に避けたいと考えていたりする場合は、効果的な対策となります。

5-2. 文書管理システムでできること

ここでは、文書管理システムに搭載されている一般的な機能を確認しましょう。

■文書登録

様々な形式の文書を効率的に登録します。業務で扱う文書形式がサポートされているか確認しましょう。ファイルを直接アップロードすることだけでなく、紙の文書をスキャンして電子データとして登録するなど、多様な登録方法をもつシステムがあります。登録時は、タイトル、作成者、作成日などのメタデータをインデックスとして付与します。

■高度な検索

高度な検索機能で、必要な情報に素早くアクセスします。多くのシステムがメタデータを用いた検索のほか、全文検索の機能を備えています。

■バージョン管理、更新の管理

文書の履歴を追跡し、いつ、誰が、どのように変更したのか、を明確にします。誤ったバージョンの使用を防止し、常に最新の情報を提示できます。また、過去の特定のバージョンを呼び出すことも可能です。必要があれば、アクセスログから参照・更新記録を見ることができます。

■セキュリティ権限の設定

役職や職務に基づき、適切なアクセス権限を付与できます。導入前にどのようなアクセス権が必要になるか確認しておくことが必要です。

■保存期限の管理

文書の保存期限、更新日などを管理できます。保存期限の設定されている文書を自動的にトラッキングすることも可能です。

■ワークフロー(申請・承認)

ワークフローが搭載されているシステムならば、申請や承認もシステム上で行うことが可能です。

5-3. 文書管理システムの選び方

文書管理システムを選定する際、どこに着目して選ぶべきでしょうか。ここでは、選び方の5つのポイントを紹介します。

1) 利用者にわかりやすい操作性

文書の「登録のしやすさ」は、特に重要です。例えば、メールやチャット、フォルダーなど、簡単に登録できるインターフェイスを持っているか、紙文書の電子化を進める場合にはOCRが搭載されているか、に着目してください。ユーザーが直感的に使えることも見極めのポイントです。必要な文書に、すぐにアクセスできるかも確認しましょう。

2) オンプレミスとクラウド

オンプレミスのほか、クラウドタイプの文書管理システムも増えています。セキュリティポリシーやビジネスの戦略に基づいて、総合的に判断しましょう。

3) 外部システムとの連携性

既存の業務システムとの連携性(APIの提供状況や連携機能)についても検討しましょう。文書管理システム単独で利用するだけではなく、様々な業務システムと連携してフレキシブルにデータ活用をすることで、業務の効率化につながるでしょう。

4) セキュリティ要件

大量のデータを扱うシステムにおいて、セキュリティは重要な要件です。例えば、柔軟なアクセス権限管理は、大規模環境においては欠かせません。データの暗号化やログ取得、情報漏えい対策も必要です。

5) サポート体制

導入支援の段階で大切なのは、文書管理のあるべき姿を明確にし、『使いたい』と思えるシステムの形を描くこと。導入後も文書管理のあるべき姿に向けた支援を受けられるか、管理者向けのトレーニングにより自立して運用を進めていけるか、などが評価のポイントになります。

6. PFUがおすすめする文書管理システム「DocuWare」

DocuWare(ドキュウェア)」は、企業や組織の文書を一元管理し、業務の効率化を推進する文書管理ソリューションです。タグづけや全文検索による迅速な情報アクセス、学習機能付きOCRによる登録作業の自動化など、使いやすさを重視した様々な機能を提供しています。ワークフロー・保存期限・アクセス権限などを一元的に管理することで、属人化の排除と業務の効率化も実現。ファイルサーバーや既存の業務システムとの連携にも柔軟に対応しており、無理なく、業務に溶け込む設計が特徴です。

7. まとめ

本記事では、文書管理を適切に行う方法から、文書管理システムの選び方、おすすめの文書管理システムをご紹介しました。文書管理システムは、あふれるデジタルリソースの管理を効率化するための重要なツールです。その効果は、効率化だけにとどまりません。情報の共有・活用の促進、セキュリティ対策、法令遵守など、多彩なメリットを企業にもたらします。もちろん、DXの推進にも欠かせないものです。

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*:DocuWareおよびDocuWareロゴは、DocuWare GmbHの商標です。

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