経理業務の完全ペーパーレス化で毎月1,800件の押印業務が不要に。文書管理コストは3,000万円の大幅削減を見込む

日本航空(JAL)グループの商社として、航空分野を軸に非航空分野まで幅広い事業を展開する株式会社JALUX。2022年にあんしんエビデンス管理を導入し、経費申請のペーパーレス化と電子帳簿保存法への対応を実現しました。導入前の課題や採用の決め手、その効果について、財務部経理課 山本輝也氏(写真左)、財務部資金課 主任 佐伯純氏(写真右)に伺いました。

株式会社JALUX

1962年設立。航空関連の部品調達や海外空港運営、空港免税店「JAL DUTYFREE」や空港店舗「BLUE SKY」の運営、オンラインショッピングモール「JAL Mall」や「JALふるさと納税」の企画・運営、さらには農水産物やワインの輸入など、多岐にわたる事業を展開。「幸せづくりのパートナー 〜人に社会に環境に、もっと豊かな輝きを〜」という企業理念のもと、航空分野で培われた「安全」「安心」を礎に、高品質で独自性のある事業・ 商品・サービスを創造している。

毎月1,800件の証憑に押印。コロナ禍の出社制限で経費計上が遅れる事態に

航空・空港事業本部、ライフサービス事業本部、リテール事業本部、フーズ・ビバレッジ事業本部と4つの部門で事業を展開する同社。従業員数422名(※1)の組織において、財務部では毎月約1,800件もの経費が処理されます。

同社は2007年から財務関連業務のシステム化を推進。申請・承認のワークフローにはNTTデータ社が提供するイントラマート、会計システムとしてはSAP社のSAP ECCを採用し、経費や売上・仕入計上をシステム化していました。

しかし、紙の運用も残っていたと、従前の課題について佐伯氏は次のように話します。「システム化によって営業部門の経費申請はパソコンで行えるようになりました。しかし、エビデンスとなる領収書やレシートなどの証憑は原紙を提出してもらう必要があり、財務部ではイントラマートで申請された内容と証憑を照合して承認を行っていました。毎月決算の締め日が近づくと、財務部課長はデスクに山積みになった700〜800件の証憑を一つひとつイントラマートのデータと突き合わせ、押印する作業に追われ、忙殺されていました。ときには申請された経費の請求書・領収書が見つからずに探し回ることも。さらに、承認後は証憑の原紙をファイリングして倉庫保管する必要があり、業務負荷や文書管理コストも課題でした。」

※1:2023年3月31日時点の従業員数

財務部資金課 主任 佐伯純氏

こうした従前の仕組みは、近年のコロナ禍において経費計上が滞る要因になったと山本氏は述べます。「感染症対策で従業員の出社が全社的に制限され、営業担当の証憑提出や承認者の押印が困難になりました。その結果、決算処理が遅れてしまったこともありました。」

従前システムの運用を変えず証憑のペーパーレス化を実現できる「あんしんエビデンス管理」を採用

紙を主体とした経費計上の運用による慢性的な業務負荷に加え、コロナ禍による決算の遅れでその課題が浮き彫りになり、同社は証憑のペーパーレス化を検討。ソリューションを選定する際の要件について、佐伯氏はこう振り返ります。「従来のシステムを全てリプレイスするという選択肢もありますが、規模も非常に大きいため、期間やコスト、影響範囲を考えると現実的ではありませんでした。これまでの運用を変えずにペーパーレス化を実現できる文書管理基盤の導入を検討しました。」

財務部経理課 山本輝也氏

同社は3社のソリューションを比較検討した結果「あんしんエビデンス管理」を採用。選定理由について山本氏はこう話します。「あんしんエビデンス管理(OnBase)は、会計システムのSAP ECCと連携してワンクリックで証憑を呼び出すことができます。既存システムとの親和性に加え、電子帳簿保存法に対応していることや、JIIMA認証済で導入実績も豊富という信頼性も選定の決め手になりました。」

同社は2021年12月からあんしんエビデンス管理の導入に向けた要件定義を開始。PFUと打ち合わせを重ね、電子帳簿保存法の対応に向けて法令要件のポイントを整理していきました。PFUからは同社に対して導入ガイド(導入手順書やシステム化業務フロー説明書といった4つマニュアル)を提供。佐伯氏はPFUの導入支援体制を次のように評価します。「充実したマニュアル類のなかでも、特に電子帳簿保存法の対応を踏まえた規定の雛形を提供いただいたことが非常に有用でした。雛形をもとに国税局にも相談しながら当社に合わせた記載にアレンジし、スムーズに新たな規定を準備できました。」

経理業務のペーパーレス化により、3つの課題を解決

リモート環境でも経費計上が可能に。年間3,000万円の文書管理コスト削減を見込む

要件定義の開始から約半年後の2022年7月、同社は新たな財務関連業務システムをリリース。導入後、経費計上の業務は激変したと、両氏は語ります。

「証憑を電子データ化できるようになったため、在宅勤務や出張先でも証憑の提出や承認ができるようになりました。導入当初、営業部門からは『領収書の写真を撮って送るのが手間』といったネガティブな意見もありましたが、運用が進むにつれ、その都度オフィスに帰って提出するよりも効率的であることを実感し、撮影してデータ化した証憑の原本は破棄できるので、今では営業部門にも馴染んでいます。」(佐伯氏)

「何よりも、財務部ではシステム上で承認の手続きを完了できるようになり、証憑を探したり、押印したりする手間から解放され、業務負荷が大幅に改善。月に20時間程、業務時間が短縮され、残業も減って体力的な負担も軽減されました。また、財務部では過去の類似した申請と内容を照合する場合もありますが、以前は比較対象の証憑が入った段ボールを2〜3日かけて保管倉庫から配送してもらい、そのなかから1枚を探し出していました。あんしんエビデンス管理を導入してからは、検索機能を使ってキーワードや決算月で簡単に探せるようになりました。」(山本氏)

あんしんエビデンス管理の使用イメージ

さらに、あんしんエビデンス管理の導入は文書管理コストの削減にも大きな効果があったと佐伯氏は評価します。「従前は証憑を保管するために社内のキャビネットや、契約した倉庫を利用していました。ペーパーレス化の実現、適用範囲の拡大により、年間3,000万円の文書管理コストを削減できる見込みです。 」

今後、売上の計上や商品売買の支払い手続きに広げていきたい

既存システムの運用性を変えることなく、電子帳簿保存法対応により証憑のペーパーレス化、脱ハンコ、経費計上業務の効率化、文書管理コストの削減など、さまざまな効果をもたらしました。最後に、PFUへの評価やあんしんエビデンス管理の今後の活用について、両氏は次のように語ります。

「あんしんエビデンス管理の導入に際し、PFUには導入支援の枠を超えてプロジェクトをサポートしていただき、スムーズな進行ができました。改めて大変感謝しております。」(佐伯氏)

「今後、売上の計上や商品売買の支払い手続きなどでもあんしんエビデンス管理を活用していきたい。PFUには、引き続き手厚い支援やご提案を期待しています。」(山本氏)

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