産業用インタフェース製品
半導体製造装置、工作機械、ロボット、医療機器など様々な分野における産業機器の制御コントローラとして活用されている組込みコンピュータARシリーズでは、各種センサー、サーボモーターさらにはコントローラ間の高速通信を実現するために、インタフェースにPCI Expressを採用した機能拡張カードとして、EterCAT®カード、MECHATROLINK-Ⅲマスタカードといった産業用Ethernet製品を提供しています。
今後もお客様のニーズに応え、産業機器のシステム性能向上に貢献するインタフェース製品のラインナップを拡充していきます。
EtherCATカード
PFUのEtherCATカードは、マスタ用/スレーブ用の両方をラインナップしています。
いずれもEtherCAT制御専用のCPUをカード上に搭載しているため、高速/高精度の通信が可能です。また、お客様のEtherCAT制御用のアプリケーション開発に有用なEtherCAT SDKおよびサンプルアプリケーションを無償提供することで、お客様の開発効率化を支援します。
EtherCATカード(マスタ)は、EtherCAT Master Class Aに準拠しており、ホットコネクトやケーブル冗長などの信頼性を高める機能もサポートしています。
EtherCATカードを搭載する組込みコンピュータARシリーズと合わせて、長期供給、長期保証としており、安心してお使いいただけます。またお客様の環境に合わせたカスタマイズにも対応します。
特長とメリット
EtherCATは、高速/高精度の通信や、高精度の同期機能を特長としているため、多軸の高精度なモーション制御において、その特長が発揮できます。
また、各社からEtherCATに対応した多種のサーボドライブ、センサー、I/Oモジュール等のスレーブ製品が提供されているため、多様なシステム設計・構築が行なえます。
導入
お客様のEtherCAT導入を容易にするために、EtherCATカードに組込みコンピュータ AR2100/AR2200を組み合わせたセットモデルをご用意しています。EtherCATセットモデルにて無償提供するSDKおよびサンプルプログラムを使うことで、効率的にEtherCAT制御の開発を開始できます。
お客様が本SDKを使用した開発にお困りの際には、当社エンジニアがサポートを行います。さらに、お客様のご要望を当社エンジニアが的確に把握し、ハードウェア、BIOS、OS、ソフトウェアの最適なカスタマイズを提案します。
AR2100 EtherCATセットモデル
AR2200 EtherCATセットモデル
適用事例
EtherCATは、工作機械や半導体製造装置に導入されています。例えば、シリアルインタフェース(RS-232C/RS-485)で個別に制御していた従来の方式から、性能、拡張性、信頼性、保守性における導入効果によってEtherCATへ移行が進んでいます。
導入効果
お客様の課題 | 解決方法 |
---|---|
性能 | スレーブとの通信は100Mbpsで行います。また、EtherCAT通信等は、EtherCATカード上のCPUが行うため、ホストCPUに負荷をかけません。 |
拡張性 | EtherCATカード1枚で、スレーブを最大2,048台接続できます。 |
信頼性 | ケーブル冗長機能により、一部のケーブルが断線しても継続稼動が可能です。 |
開発効率 | EtherCAT SDK(無償提供)を使うことで、効率的な制御プログラム開発が可能です。 |
保守性 | ホットコネクト機能により、稼働中に故障したスレーブの交換が可能です。 |
MECHATROLINK-Ⅲカード
MECHATROLINK-Ⅲは、高速な31.25μSから64msまで幅広い伝送周期に対応しています。
また、最大62スレーブ機器の接続、スレーブ間距離100mと大型装置でも対応が可能であり、配線もカスケード/スター接続といった自由度の高いトポロジーに対応します。さらには、多くのPCI Expressスロットを用意した当社組込みコンピュータに最大5枚のカードを搭載し、同期ケーブルで連結搭載することで、同期性を保証しながら接続スレーブ機器を拡張することも可能です。制御で利用するサイクリック通信とは別に、メッセージ通信を使用することで、各機器の情報をシームレスに上位機種に転送することも可能です。
特長とメリット
MECHATROLINK-Ⅲは、高速通信、確実な同期処理、通信エラー時のハードウェアによる確実なリトライ処理を実現します。
本機能により緻密な機器制御に必要なトルク制御、位置制御、速度制御が可能となります。MECHATROLINK-Ⅲはモーション制御、巻物系の制御に適しています。その他、緻密な機器制御を要する電子部品実装機械、工作機械、産業用ロボット、搬送機器、液晶製造装置に適しています。
この他、当社製品は以下のMECHTROLINK-Ⅲ本来の機能に対応していることで、緻密な機器制御が可能です。
- 複数の通信データ長:
データ長は8/16/32/48/64を混在して利用が可能。機器によって最適な通信が可能
- 可用性:
活性挿抜機能をサポート
- 柔軟な通信機構:
メッセージ通信機構によりフィールドネットワークの上位ネットワークとの通信も可能
導入
PFUは、お客様のMECHATROLINK-Ⅲ マスタカードのご導入を容易にするために、カードの初期化用ライブラリ、サンプルアプリケーションを提供します。
- MECHATROLINK-Ⅲマスタカード
- カード間同期ケーブル
※複数枚を搭載し、かつカード間連携時に必要、オプション購入品
- カード初期化ライブラリ
※カード制御自体はMECHATROLINK協会提供のライブラリを使用
- サンプルアプリケーション
適用事例
MECHATROLINK-Ⅲのスレーブ機器は、各社から提供されていますが、分類するとサーボモーター、入出力装置、インバータ、温調器、ステッピングモータードライブ、その他各種センサー装置となります。
これらのスレーブ機器を利用、組み合わせて利用することで、様々なシステムを実現することができます。
右下表は、MECHATROLINK-Ⅲを利用して実現しているシステム例です。
MECHATROLINK-Ⅲを利用したシステム例
MECHATROLINK-Ⅲによるモーションネットワークの構築
- ステッピングモータードライブ、サーボモーター、その他IO機器を一つのネットワークで一括管理
- 多軸システムを省配線で構築し、配線コストや確認の手間を削減