| 2026.1.23 |
伝票入力はOCRで効率化!3つの成功事例とツール選定ポイント

「毎日のように山積みになる伝票入力に追われて、気づけば定時を過ぎている。」
「入力ミスがないかの確認や修正作業が負担で、精神的な疲労が蓄積している。」
このような悩みを解決する手段として、注目されているのがOCRです。
OCRを導入することで、紙の伝票から文字情報を抽出してデータ化できるため、手入力による作業時間の削減や入力ミスを防げます。
本記事では、伝票入力をOCRで効率化するメリットや3つの成功事例、失敗しないツール選びのポイントなどを解説します。
1. 伝票入力を効率化するならOCRがおすすめ
日々大量に発生する伝票の入力作業を効率化したいなら、OCRの活用がおすすめです。
OCR(光学文字認識)とは、スキャンした画像やPDFから文字情報を読み取り、テキストデータに変換する技術です。
従来のOCRは、活字の読み取りが中心でした。近年は、AIの学習機能を活用した「AI-OCR」が登場したことで、手書き文字やさまざまなレイアウトの伝票も高い精度で認識できるようになっています。
伝票入力の時間を短縮できるだけでなく、人件費の削減やデータの即時活用も実現できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
2. OCR処理できる主な伝票の種類
OCRで読み取り可能な伝票は、納品書や請求書のような汎用的な帳票から、チェーンストア統一伝票や産廃マニフェストなど業界特有の帳票まで多岐にわたります。
また、これまで読み取りが難しかったFAXやドットプリンターで印字された伝票も、AI-OCRの登場によって対応可能になってきました。
本章では、OCR処理できる4種類の伝票例をご紹介します。
- チェーンストア統一伝票
- 産廃マニフェスト(産業廃棄物管理票)
- FAX伝票
- ドットプリンターで印字された伝票
2-1. チェーンストア統一伝票
チェーンストア統一伝票とは、スーパーマーケットやドラッグストアなどの大手流通業と取引する際に使われる、サイズやレイアウトを統一した専用の伝票です。
流通業界では取引先が多岐にわたるため、伝票のフォーマットを統一することで事務処理を効率化しています。
フォーマットが統一されているためOCRで読み取りがしやすく、高い認識精度を実現できます。
2-2. 産廃マニフェスト(産業廃棄物管理票)
産廃マニフェストとは、産業廃棄物を排出する事業者が、委託した廃棄物が最終処分まで適切に処理されたかを確認するために交付・管理する伝票です。
法令で定められた様式のため項目数が多く、手入力では工数がかかりやすい帳票のひとつです。
2-3. FAX伝票
現在でも注文書や見積書などをFAXで送信する企業は多く存在します。FAX伝票は送信時に文字がかすれたり一部が欠けたりすることがあるため、従来のOCRでは読み取りが難しいとされてきました。
しかし、AI-OCRの登場により、こうした読み取りにくい文字でも高い精度で認識できる製品が登場しています。これまで手入力が必須だったFAX伝票も、OCRの対象になってきています。
2-4. ドットプリンターで印字された伝票
ドットプリンターとは、インクリボンにピンを物理的に打ち付けて印字する方式のプリンターです。
ドットプリンターで印字された伝票は、印字が薄くなったり、罫線と文字が接触していたりすることもあり、従来のOCRでは認識精度が低くなる傾向がありました。
近年はAI-OCRにより、不鮮明な印字に対しても認識精度が大きく向上しています。
3. 伝票入力でOCRを活用する6つのメリット
ここでは、伝票入力でOCRを活用する6つのメリットについて解説します。
- 伝票入力の効率向上
- ヒューマンエラーの削減
- 検索時間の削減
- コストの削減
- 従業員の負担軽減によるモチベーション向上
- RPAと連携すればデータ入力が完全自動化
3-1. 伝票入力の効率向上
OCRを導入すれば、伝票から文字情報を抽出できるため、手入力と比べて作業時間を短縮できます。
たとえば、以下のような作業手順が一般的です。
- 伝票にOCR処理をかける
- 文字認識結果が問題ないか確認する(誤認識があれば修正する)
- データをCSVなどの形式で出力する
- システムに連携する
3-2. ヒューマンエラーの削減
伝票入力を手作業でおこなう場合、長時間作業による疲労や集中力低下で数字の打ち間違いや桁間違い、変換ミスなどのヒューマンエラーが発生するリスクが高まります。
OCRによる機械的な文字認識を活用することで、こうした単純なミスの抑制が可能です。
OCRで読み取った後の目視チェックの際も、元の画像と認識結果を画面上で並べて表示できるため、視線の移動量が減り、確認作業の効率も向上します。
入力ミスが減ることで、後から誤りを発見して修正する手戻り作業も削減でき、業務全体のスピードアップにつながるでしょう。
3-3. 検索時間の削減
OCRで読み取った箇所はファイル名に付与して検索性を向上させることも可能です。顧客から問い合わせがあった際は、「取引年月日」や「取引先名」などのキーワードから検索をかけて、すぐに画面上で伝票を確認し回答できるようになります。
結果として、事務作業の効率化だけでなく、顧客対応のスピードアップによる顧客満足度の向上にもつながります。
3-4. コストの削減
OCR導入による業務効率化は、コストの削減にもつながります。従来は手入力にかかっていた作業時間がOCRによって短縮され、人件費の削減につながるためです。
さらに、データの手入力にかかっていた工数を別の人手が足りない部署に当てることで、新規で採用をせずとも人材不足を解消できるでしょう。
3-5. 従業員の負担軽減によるモチベーション向上
OCRによる業務改善は、従業員の負担を軽減し、モチベーションの向上にもつながります。
入力作業をOCRで効率化することで残業時間が減少し、従業員の負担が軽くなるため、ワークライフバランスの改善が期待できます。
さらに、単調な入力作業から解放されることで、従業員はより付加価値の高い業務に集中でき、組織全体の生産性向上にもつながります。
3-6. RPAと連携すればデータ入力が完全自動化
RPAと連携することで、OCRで抽出した文字情報をシステムに自動反映させることも可能になり、転記作業そのものが不要になります。
たとえば、「共有フォルダに置かれたPDFをOCRし、抽出したデータを会計ソフトの入力画面に登録する」という一連のフローをRPAで自動化できます。
RPAを活用して、データ入力を自動化する方法については以下の記事で詳しく解説しています。
4. 伝票入力をOCRで効率化した3つの成功事例
ここでは、伝票入力をOCRで効率化した3つの成功事例を紹介します。
- アイサンコンピュータサービス株式会社
- 尼高運輸株式会社
- 横浜環境保全株式会社
4-1. アイサンコンピュータサービス株式会社
自動車関連製造業のお客様を対象に、設計管理システムや生産管理システムの受託開発などを展開しているアイサンコンピュータサービス株式会社。同社では、長年使用していたOCR専用システムで納品書を処理していましたが、保守サービス終了に伴い、新たなシステムへの移行が必要になりました。
業務用スキャナー「RICOH fi-8190」とAI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」に置き換え、リプレースの結果は良好。特に、「DynaEye 11」のベリファイOCR機能によって、確認作業が効率化されたことで月約8時間の時短に成功しています。
4-2. 尼高運輸株式会社
流通加工を得意とする尼高運輸株式会社。同社では、お中元やお歳暮の繁忙期になると、大量の宅配伝票が届きます。
従来はこれをハンディスキャナーで読み取り、その後手書きで「作業指示書」を作成していましたが、伝票の量が膨大なため、入力と手書き作業に多くの手間がかかっていました。加えて、繁忙期に業務が集中するため、人手と時間の確保が限界に達していました。
この状況を打開するため、同社は業務用スキャナー「RICOH fi-8190」とAI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」を導入し、伝票をOCR処理することで作業指示書の作成を自動化する仕組みを構築。
その結果、伝票処理に要する時間は約1,200時間削減され、1/2の省人化に成功しました。また、作業指示書の正確性が高まり、受注から発送までの業務効率が向上しました。
4-3. 横浜環境保全株式会社
産業廃棄物の収集運搬・処分をおこなう、横浜環境保全株式会社。同社では、印字と手書きが混在する社内伝票の記載内容を基幹システムへ入力する作業が大きな負荷となっていました。内容が複雑なため専任者1名が常に早出・残業で対応し、さらに他の事務職17名で手分けするほどの業務量でした。
そこで、業務用スキャナー「RICOH fi Series」とOCRソフトウェア「DynaEye」を導入。OCRの精度を上げるため、フォーマットを一新されるなどの工夫も行いました。
その結果、年間2,700時間の業務削減を達成。負担が大幅に軽減されたことで、従来は処理で手いっぱいだった担当者が他の業務に取り組めるようになるなど、働き方の面でも大きな効果が生まれています。
5. 伝票入力を効率化できるOCRの選び方
自社の業務に最適なツールを選ぶために、以下のポイントを基準に選定を進めることで、導入後のミスマッチを防げます。
- 使用している帳票フォーマットに対応しているか
- 認識させたい文字が認識できるか
- 事前定義が簡単にできるか
- セキュリティ要件をクリアしているか
- 読み取る項目数・読み取り枚数はどれくらいか
- RPAや外部システムに連携可能なデータで出力できるか
- サポートが充実しているか
なお、手書き文字が多い伝票ではAI-OCRがおすすめです。AI-OCRの選び方については、以下の記事で詳しく解説しているのであわせてご覧ください。
6. 伝票入力を効率化するおすすめのAI-OCRとスキャナー
ここでは、伝票入力の効率化におすすめのAI-OCRソフトウェアとスキャナーを紹介します。
- AI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」
- 業務用スキャナー「RICOH fi-8190」
6-1. AI-OCRソフトウェア「DynaEye 11」
PFUが提供する「DynaEye 11」は手書き文字を99.2%で認識し、FAXの文字欠けやかすれ、ドットプリンターの薄い印字や罫線接触文字などでも、高精度に認識できるAI-OCRソフトウェアです。
また、最大の特長として、OCR結果の確認作業を効率化する「ベリファイOCR」機能を備えています。一つの項目を2種類のOCRエンジンで読み取り、結果を突合。2つの認識結果に差異がある箇所だけを確認すれば良いため、確認工数を大幅に抑えられます。
入力作業の効率化に加え、確認プロセスまで効率化できる点が、さらなる業務改善につながります。
6-2. 業務用スキャナー「RICOH fi-8190」
「RICOH fi-8190」は、世界シェアNo.1(*)の実績を持つ「RICOH fi Series」のベストセラーモデルです。
異なるサイズや厚さの伝票を混ぜてスキャンしても紙詰まりしにくい高度な給紙技術を備えており、安定した連続スキャンが可能です。
「自動トルク制御」という原稿に合わせて分離力を最適化する技術により、伝票によくあるカーボン複写式の薄い伝票でも紙詰まりを起こさず、スムーズにスキャンできます。紙詰まりによる作業停止を防ぎ、再スキャンの手戻りや担当者の負担を減らします。
7. まとめ
伝票入力にOCRを活用することで、手入力の負担を減らし、企業全体の生産性を向上させられます。
とくに手書き文字や読み取りが難しい伝票にも対応できるAI-OCRの登場により、これまでデータ化が困難だった業務も効率化できるようになりました。
なお、本記事で紹介した「DynaEye 11」と「RICOH fi Series」は、多様な伝票に対応でき、作業効率向上が期待できます。
まずは自社の伝票がどれくらいの精度で読み取れるか、無料トライアルや実機確認から始めてみることをおすすめします。
*:ドキュメントスキャナーを対象とする。日本・北米はKEYPOINT INTELLIGENCE社 (InfoTrends)により集計(2024年実績)。 ドキュメントスキャナー集計よりMobile/Microを除く 6セグメントの合計マーケットシェア(主に8ppm以上のドキュメントスキャナー全体)。欧州はinfoSource社(2024年実績)の集計に基づく、西欧地区(トルコとギリシャを含む)におけるシェア。
