| 2025.11.13 |
スキャンした画像に線が入る原因は?3つの対処方法も解説

スキャナーや複合機で書類をスキャンした際に、黒い線や縦筋が入ってしまい困った経験はありませんか。
黒い線や縦筋は、ガラス面やADFローラーの汚れ、スキャンする原稿の状態などさまざまな要因で発生します。スキャン画像に不具合が生じる状態では、データ活用する際に誤読に繋がったり、再スキャンの手間がかかったりするなどの支障をきたす可能性があります。
本記事では、スキャン画像に線が入る主な原因と具体的な対処方法を詳しく解説します。
1. スキャン画像に線が入るときの原因
スキャンした画像に線が入ってしまう現象には、いくつかの原因があります。
原因を理解することで、迅速かつ的確な対応が可能となり、スキャン画像の品質低下を防げるでしょう。
本章では、スキャン画像に線が入るときの3つの原因について解説します。
- ADFのガラス面またはローラーに汚れがついている
- フラットベッドのガラス面や原稿押さえパッドに汚れがついている
- 原稿に異物がついている
1-1. ADFのガラス面またはローラーに汚れがついている
ADF(自動原稿送り装置)の使用時に線が入るときは、内部の読み取りガラス面やローラーに汚れがついている可能性があります。
ADFでは光学ユニットが固定され、そこに原稿が搬送される構造です。そのため、光学ユニット部のガラス面に汚れがあると、実際の汚れの大きさよりも長く引き延ばされた線がスキャン画像に現れます。
ガラス面に傷がついている場合も同様に線が入ることがありますが、ガラス面は硬いため傷がつくことは非常に稀で、糊や汚れの固着を傷と誤認していることが多いです。
1-2. フラットベッドのガラス面や原稿押さえパッドに汚れや傷がついている
フラットベッドでスキャンした画像に線が入る場合は、原稿の読み取り部分であるガラス面や対面の原稿押さえパッドに汚れが残っていることが考えられます。
フラットベッドは原稿台に置かれた用紙に対して光学ユニットが動いて読み取りを行います。ADFのように線が引き延ばされることはなく、汚れや傷がついた箇所にだけ画像に影響が出ます。
1-3. 原稿に異物がついている
スキャンする原稿に紙粉やホコリなどの異物が付着している場合でも、線が発生することがあります。
特に、以下のような原稿は異物がついている可能性が高いため、スキャンする前に取り除くようにしましょう。
- 長期間ファイルや棚で保管されていた書類
- 製造現場や倉庫などホコリの多い環境から届いた書類
- 消しゴムで修正した跡が残っている書類
また、原稿に強い折り目やシワがある場合も注意が必要です。折れ曲がった部分は光の反射が乱れやすく、画像に線が入りやすいです。
2. スキャン画像に線が入るときの3つの対処方法
スキャン画像に線が入る問題は、適切に対処することで解決できます。
ここでは、スキャン画像に線が入るときの対処方法について解説します。
- ガラス面やローラーなどを清掃する
- 原稿に付着している異物を取り除く
- 画像処理機能を活用する
2-1. ガラス面やローラーなどを清掃する
スキャン画像に線が入る原因が、スキャナーのガラス面やローラーなどに付着した汚れである場合は、まず清掃を行いましょう。紙粉やホコリが原因であれば、清掃で線が消えます。
清掃する箇所は、使用しているスキャナーのタイプによって異なるため、事前に確認したうえで以下の箇所を重点的に清掃してください。
| スキャナーのタイプ | 清掃箇所 |
|---|---|
| ADF | ガラス面、ローラー |
| フラットベッド | ガラス面、原稿押さえパッド |
なお、清掃の具体的な手順や使用する用品は、メーカーや機種によって異なります。誤った方法で清掃すると傷や故障の原因になるため、取扱説明書やメーカー公式サイトのマニュアルを確認してから行いましょう。
また、以下のような特徴を持つ原稿を頻繁にスキャンする場合は、通常よりもこまめな清掃を心がけることで、安定した品質を保てます。
- コート紙のように表面が滑らかな原稿
- インクの使用量が多い、ほぼ全面に印刷された原稿
- 特殊な加工が施された原稿(ノーカーボン紙など)
- 鉛筆で手書きされた原稿
- 印刷したてで、トナーが完全に定着していない原稿
- 藁半紙のような紙粉が出やすい紙
2-2. 原稿に付着している異物を取り除く
スキャナー本体を清掃しても線が入る場合は、原稿に汚れや異物が付着している可能性があります。そのようなときは、スキャンを行う前に原稿の状態を確認し、付着物を取り除きましょう。
特に、不特定多数の人が触れた書類や、製造現場などホコリの多い環境から届いた書類は、汚れが付着している可能性が高いため、スキャン前に軽く払い落としてください。
また、折れ目やシワがある場合は、可能な範囲で平らに伸ばしてからスキャンすることで、光の反射による線の発生を防げます。
2-3. 画像処理機能を活用する
スキャン画像に線が入らないようにする方法として、スキャナーに搭載されている画像処理機能を活用するのも効果的です。
たとえば、業務用イメージスキャナー「RICOH fi Series」には縦筋軽減という機能が搭載されています。
縦筋軽減とは、スキャン画像に入り込んだ縦の線や筋を自動的に検出し、画像処理技術によって目立たなくする仕組みです。
対応しているモデルであれば、設定画面から簡単に有効化できます。
ただし、画像処理による補正にも限界があり、汚れの放置は装置が故障する原因にもなるため、定期的な清掃は必ず実施しましょう。
3. それでも線が消えない場合は専門業者へ相談を
ガラス面やローラーの清掃や原稿の整備を行っても症状が改善しない場合は、別の原因が考えられます。
無理に自己解決しようとせず、メーカーのサポートセンターや購入した販売店に相談するのがおすすめです。専門的な知識を持つ技術者が、機器の状態を診断し、適切な修理や部品交換を行います。
問い合わせる際は、以下の情報をあらかじめ準備しておくと、トラブルの特定がスムーズに進みます。
- 問題の出たスキャン画像
- 発生頻度
- 使用環境
- 操作内容
4. まとめ
スキャンした画像に線が入る主な原因は、ガラス面やローラーの汚れ、原稿への異物付着などが考えられます。そのため、多くの場合は清掃によって改善できます。
また、業務用イメージスキャナー「RICOH fi Series」には、「縦筋軽減」機能が搭載されており、スキャンした画像に発生した線を画像処理技術によって目立たなくします。
「RICOH fi Series」の詳細について気になる方は、公式サイトをご覧ください。
