| 2026.9.18 |
書類をスキャンする5つの方法|それぞれの特徴や違いを比較

書類をスキャンすることで、紙の資料をデータ化し、パソコンやクラウド上で管理できるようになります。紙の保管スペースを削減できるだけでなく、検索や共有もしやすくなるため、個人・企業を問わず書類の電子化は有用といえます。
しかし、「書類をスキャンする方法にはどのようなものがあるのか」「スマートフォン・複合機・スキャナーのどれを選べば良いのか」と迷う方も多いのではないでしょうか。
書類をスキャンする方法には、スマートフォンアプリや複合機、スキャナーなど複数の選択肢があり、それぞれ特徴や適した用途が異なります。目的に合わない方法を選ぶと、作業効率が低下したり、余計なコストがかかったりする可能性があります。
そのため、スキャンする書類の量や用途に応じて、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
本記事では、書類をスキャンする5つの方法を比較し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。書類を効率よく電子化したい方はぜひ参考にしてください。
1. 書類をスキャンする具体的な5つの方法
ここでは、書類をスキャンする具体的な5つの方法について解説します。
- オフィス・家庭用複合機
- コンビニのマルチコピー機
- スマートフォン
- 専用スキャナー
- スキャン代行サービス
1-1. オフィス・家庭用複合機
複合機は、コピー・FAX・印刷・スキャンなど複数の機能を備えた機器です。大きく「家庭用」と「業務用」に分けられます。
家庭用複合機は、主にガラス面の原稿台に書類を1枚ずつセットして読み取るフラットベッドタイプが多いです。
業務用複合機は、自動原稿送り装置(ADF)を備えているタイプが多く、複数枚の書類をまとめて読み取ることができます。また、スキャンしたデータを社内サーバーやメールアドレス、各種クラウドサービスへ直接送信・保存する機能を備えている機種もあるため、データ管理などにおける業務効率にもつながります。
1-2. コンビニのマルチコピー機
コンビニに設置されているマルチコピー機も、手軽に書類をスキャンできる方法の一つです。操作画面に従ってスキャンし、PDFデータをUSBメモリやスマートフォンへ保存できます。スキャナーや複合機を持っていない場合でも、利用しやすいのがメリットです。
一方で、利用料金は1枚ごとの課金となるため、大量の書類をスキャンするとコストがかさみやすくなります。また、個人情報を含む書類を公共の場所で扱う場合は、書類ののぞき見や原稿の取り忘れなどによる情報漏えいにも注意が必要です。
なお、企業のセキュリティポリシーや社内規程によっては、業務書類のコンビニ等での印刷・スキャンを禁止している場合があります。業務書類を扱う際は、事前に自社のルールを確認しておきましょう。
1-3. スマートフォン
スマートフォンのカメラ機能と専用のスキャンアプリを利用すれば、場所を問わず即座に紙の書類を撮影してPDF化できます。
しかし、撮影時に自分の手やスマートフォンの影が写り込んだり、手ぶれによって画像が歪んで文字が読みにくくなったりと、画質が安定しにくい点がデメリットです。
また、書類をきれいにデータ化するためには、部屋の明るさが十分に確保された環境や、対象物を平らに置ける水平なデスクが必要です。そのため、数枚のメモを一時的に保存する程度であれば問題ありませんが、大量の書類を扱う場合は1枚ごとに配置の調整・撮影・画質補正の確認・保存などの手作業が発生するため、時間がかかり作業効率が低下します。
1-4. 専用スキャナー
複数枚の書類を高速かつ安定して読み取りたい場合、専用スキャナーの利用がおすすめです。
専用スキャナーは、主に家庭や個人のデスクで使う「個人用スキャナー」と、企業のバックオフィスなどで大量の書類を処理する「業務用スキャナー」の2つに分類されます。
以下の表に、それぞれの特徴と主な違いを分かりやすくまとめましたので、自社の用途にあわせて比較してみてください。
| 項目 | 個人用スキャナー(ScanSnapなど) | 業務用スキャナー(RICOH fi Seriesなど) |
|---|---|---|
| 読み取り速度 | 1分間に25〜45枚程度 | 1分間に80〜150枚程度 |
| 主な用途 | 名刺管理、家計簿、個人の資産管理などの電子化 | 契約書、請求書、過去の膨大な蓄積書類の電子化 |
| 特徴 | 各種クラウドサービスやスマートフォンアプリとの連携が簡単 | 薄い伝票や折り目のついた紙でも紙詰まりを防ぐ高度な給紙 |
専用スキャナーは、書類に記載されている文字列を機械的に読み取ってテキスト化するOCR処理をスキャンと同時に実施できるため、生成したPDFのファイル名を自動で付与するなど、スキャン後の情報整理も効率化できます。
1-5. スキャン代行サービス
スキャン代行サービスとは、書類の電子化を専門業者へ委託する方法です。自社でスキャン作業をおこなう人手や時間を確保できない場合におすすめです。
また、業者によっては、フォルダー分けやファイル名の付与など、指定したルールに沿ってデータを整理してもらえるため、電子化後の管理もスムーズです。過去の大量の紙書類を電子化したいなど、スポットでの利用に適しています。
一方で、日常的に発生する書類を継続的に電子化する場合は、専用スキャナーを導入して内製化した方が、ランニングコストを抑えることができます。専用スキャナーによる内製とスキャン代行サービスの違いは、以下の資料で詳しく解説しています。
2. 企業で書類をスキャンするなら業務用スキャナーがおすすめ
企業では日々多くの書類が発生するため、短時間で大量に処理する必要があります。さらに、複写式の薄い伝票や折り目のついた書類など、扱いづらい原稿も多く、電子化作業に負担を感じるケースは少なくありません。
このような業務課題を解決できるのが専用スキャナーの中で紹介した「業務用スキャナー」です。
業務用スキャナーは、次のようなメリットがあります。
- 一度に大量の原稿を高速で読み取り
- スキャン後のファイル名付与や保存先への振り分け作業を自動化
- 複写式の薄い伝票や折り目のある書類などの紙詰まりの抑制
なお、業務用スキャナーは以下のようにさまざまな業種・業務で活用されており、業務効率化を実現しています。
| 業種・業務 | 活用例 |
|---|---|
| 製造 | 製造記録書類をスキャンして、帳票内の文字列をファイル名に自動で付与し、検索性を向上。 |
| 医療・クリニック | 紹介状や問診票をスキャンして、電子カルテと連携。患者の情報を一元管理。 |
| BPO | スキャン代行業務でお客様から預かった大量の書類を電子化。ADFとフラットベッドを使い分けることで、多様な帳票に対応。 |
| 教育 | A3サイズの答案用紙をスキャンし、デジタル採点システムと連携して採点業務を効率化。 |
| 経理 | 領収書や請求書をスキャンし、経費精算がスムーズに完了。電帳法の保存要件を満たしたデータを簡単に生成。 |
自社の業種や扱う書類の特性に合わせて、業務効率化を実現する業務用スキャナーの活用・導入をぜひ検討してみてください。
3. 書類のスキャンに業務用スキャナーを活用した事例
ここでは、書類のスキャンに業務用スキャナーを活用した企業の事例を3つ紹介します。
- ひかり心身クリニック
- 三井金属鉱業株式会社
- サッポロビール株式会社
3-1. 書類のスキャン時間を10分の1に削減し、事務スタッフの負担を軽減|ひかり心身クリニック
- 課題
- 訪問看護や高齢者介護に関する紙の書類を複合機でデータ化していたが、1枚ずつガラス面にセットするフラットベッドタイプだったため、スキャンに時間がかかり、事務スタッフの負担になっていた。
- 解決法
- 1分間に40枚・80面の読み取りが可能なコンパクトスキャナー「RICOH fi-8040」を導入し、複合機から置き換え。ADFに複数枚の書類をセットして連続でスキャンできるようにした。
- 効果
- スキャン作業にかかる時間が10分の1に短縮。書類のデータ化を効率化し、事務スタッフの作業負荷を軽減した。
3-2. 書類のスキャン業務を効率化し、データ化の時間を75%削減|三井金属鉱業株式会社
- 課題
- 過去の製造記録を現場で活用するため、製造時に発生する紙書類を複合機でスキャンしてデータ化していたが、スキャンとファイル名を手作業で修正する作業に時間がかかっていた。
- 解決法
- 1分間に70枚両面の読み取りが可能な業務用スキャナー「RICOH fi-8170」を導入。「ゾーンOCR機能」を活用し、書類に記載された製品コードや受注No.を読み取って、ファイル名を自動で付与する運用に変更した。
- 効果
- スキャンからイメージデータの保存までにかかる時間を75%削減。書類のデータ化がスムーズになり、過去の製造記録を現場でより活用しやすくなった。
3-3. 営業活動で発生する伝票処理をペーパーレス化し、経理業務を円滑に|サッポロビール株式会社
- 課題
- 全国の営業拠点で発生する領収書や請求書などの伝票をデジタル化する取り組みを開始したが、請求書はカーボン複写式の薄い紙やさまざまなサイズの書類も含まれるため、既存の複合機でのスキャンは時間がかかり、紙詰まりも発生していた。
- 解決法
- 領収書は受け取ってすぐに撮影できるスマートフォンを活用し、請求書は1分間に60枚の読み取りが可能な業務用スキャナー「fi-7160」を全国の営業拠点に導入して対応。さまざまなサイズ・紙質の請求書をスキャンし、電子帳簿保存法に対応した画像データとしてワークフローシステムに添付する運用に変更した。
- 効果
- 伝票の保管や配送などにかかるコストを年間約415万円削減。伝票処理が迅速になり、年間約3,300時間の工数削減を実現した。
4. 企業で書類をスキャンする際の注意点
ここでは、企業で書類をスキャンする際の注意点について3つの観点で解説します。
- セキュリティ対策をする
- 原本はしばらく保管する
- 電子帳簿保存法 スキャナ保存の要件に注意する
4-1. セキュリティ対策をする
書類をスキャンしてデータ化すると、USBメモリへの保存や社外への送信が簡単にできるため、紙の状態よりも情報漏えいやサイバー攻撃のリスクが高まってしまいます。
このようなリスクを防ぐためには、以下のようなセキュリティ対策を実施しましょう。
- データを保存する社内サーバーやクラウドストレージに対してアクセス権限を設定する
- USBメモリなどの使用や持ち出しを原則禁止にする
- 書類のスキャン方法が自社のセキュリティ要件に合うか確認する
全社員のセキュリティ意識を高めるための定期的な研修を実施し、データの取り扱いに関する社内ルールを明確に定めておくことで、安全なペーパーレス化に繋げられるでしょう。
4-2. 原本はしばらく保管する
書類のスキャン後に、すぐ原本を処分するのは避けましょう。
万が一、重要な文字が潰れて読めなかったり、複数枚の書類が重なって読み込まれてページが欠落していたりした場合、再度原本の読み取りが必要になるためです。
このような読み取りエラーによるデータ損失を防ぐためには、スキャン直後のデータ確認や原本の扱い方について社内プロセスを定めるのがおすすめです。
4-3. 電子帳簿保存法 スキャナ保存の要件に注意する
領収書や請求書などの国税に関係する書類を、紙ではなくスキャンしたデータで保存したい場合は、「電子帳簿保存法」という法律で定められた厳格な要件を満たす必要があります。
電子帳簿保存法とは、国税に関する書類を電子データで保存する際のルールを定めた法律です。
具体的には、以下のようなルールを守った電子データ化が求められます。
- 200dpi以上の一定の解像度にする
- 書類に合わせてカラーまたはグレースケールでの読み取り
- 「タイムスタンプ」を付与する など
これらの要件を満たさずにスキャンしたデータのみを保存し、原本を処分すると、法律違反になる可能性があるため注意が必要です。
電子帳簿保存法については、以下のページで詳しく解説しております。
5. おすすめの業務用スキャナー
ここでは、おすすめの製品として、PFUが提供している業務用スキャナー「RICOH fi Series」をご紹介します。
「RICOH fi Series」は、大量の書類処理やデータ化業務を効率化する以下の3つの特長を備えています。
1) 画像編集の手間を削減するデータ生成
さまざまなサイズの書類をまとめてスキャンでき、原稿サイズに合わせて画像を自動で切り出します。
また、誤って逆さまにセットした原稿も自動で正しい向きに補正するため、画像の回転などの編集作業を減らせます。
2) 業務を止めない、安定した給紙性能
原稿に応じて分離力を自動で最適化する「自動トルク制御」を搭載(*一部のモデル)。
折り目のある書類や、薄紙・厚紙が混在した原稿でも安定した給紙・読み取りを実現するため、紙詰まりによる業務の中断を防ぎ、再スキャンの手間やオペレーターの負担・ストレスを軽減したスムーズな業務運用が可能です。
3) OCR精度を高める、高品質な画像出力
OCRによる文字データ化をおこなう場合は、文字を認識しやすい画像を出力できるスキャナーが重要です。「RICOH fi Series」は以下のような処理を行うことができ、文字認識に適した画像を生成します。
- 白抜き文字の反転処理
- 背景の網かけ・印影・汚れの除去
誤認識によるデータ修正の手間を最小限に抑え、業務効率の向上に貢献します。
6. 適切な書類のスキャン方法を選んでペーパーレス化を加速させよう
書類をスキャンする方法には、スマートフォンアプリやコンビニのマルチコピー機から、専用スキャナーまで、さまざまな選択肢が存在します。
とくに、企業が本格的なペーパーレス化を推進し、業務効率を向上していきたい場合は「業務用スキャナー」の導入がおすすめです。
自社で発生する書類の量や種類に合わせたスキャン方法を選択することで、作業効率を高められるでしょう。
