AI時代の⼦育て・教育:AI禁止ではなく「良い学び」につなげるには?〜親と先⽣が知っておきたい⽣成AIとの距離感〜

「ChatGPTで調べたらそう言ってた!」
そんな言葉が、小学生の口から当たり前のように出てくる時代になりました。一方で、保護者や先生の多くは、
- 「正直、仕組みがよくわからない」
- 「便利そうだけど、宿題に使われるのは困る」
- 「禁止すべき?それとも上手に使わせるべき?」
と、漠然とした不安を抱えていませんか?
親世代・教育関係者の皆さんなら、「⼦どもにAIを使わせて⼤丈夫なのかな?」と少なからず感じているのではないでしょうか?
ScanSnapが提供するMRO北陸放送のラジオ番組『ラジオでAI〜miraiダネ〜』(毎週金曜日放送)では、そんな皆さんの質問や不安にお答えすべく、子どもと⽣成AIとの付き合い方を教えてくれています。
このラジオ放送では、番組パーソナリティの福島彩乃さん、AIジャーナリスト伊本貴士さん、そしてAIアシスタントのダネミーが、毎週リスナーの皆さんのリアルな不安や相談に向き合いながら「AI時代の教育」など、AIに関するいろいろなことを楽しく学習する番組です。

本記事は、この番組の内容をもとに、デジUP!視点での整理・まとめを行う連載記事第2弾。
今回は、番組の2025年10月〜11月の放送内容から、以下の2点をピックアップ。
- 家庭・学校で決めておきたいAI利用ルール
- AIハルシネーションやフェイク動画時代に必要な新しい学び方
さらに、ScanSnapを使ったプリント整理&調べ学習のアイデアもご紹介する連載記事となっていますので、ぜひ参考にしてくださいね!
目次
⼩学⽣も当たり前にAIを使う時代に、親はどう向き合うべきか
2025年10月24日の放送では、番組アドバイザーである伊本さんのお家のエピソードが紹介されました。
伊本さんの小学6年生のお子さんが、親から教えられなくても友達経由でChatGPTをすでに使っていたことがわかったそうです。
何より、近頃はGoogle検索でも、生成AIを使った回答機能が導入されていますし、普通の検索と同じ感覚でAIに質問できるようになりつつあります。
つまり、親や先生が「まだ早い」と思っていても、子どもは自然とAIに触れ始めているのが現実なのです。
したがって、『よく分からないからとりあえず禁止』は、むしろ危険だと伊本さんは指摘します。
大人側がAIをよく知らないまま、
- 「とにかくAIは禁止」
- 「宿題に使ったらダメ」
とだけ伝えてしまうと、子どもはどうするでしょうか?
逆に、
- 友達同士で勝手に使い始める
- 禁止されているからこそ、親に隠れて使う
- 危険な使い方をしても、相談しにくい
という状況になりかねません。そのほうが実は危ないですよね。

伊本さんが番組で繰り返し伝えていたメッセージは、
まずは大人が知り、理解したうえで
「ここまではOK」「ここから先はNG」を言葉にしよう
ということでした。親子でAIについてリスクも含めて理解し、普段からちゃんとコミュニケーションを図っておくことはとても大切なのです。
デジUP!流まとめ~「完全遮断」ではなく「一緒に学ぶ」へ~
インターネットやスマホのときと同じように、AIについても、今はすでに「完全に遮断するフェーズ」から「使い方を一緒に学ぶフェーズ」に移行しつつあります。
- 大人が自分でも使ってみる
- 安全な使い方と危険な使い方を、自分の言葉で説明できるようにする
- 家庭や学校で「AIとの付き合い方のルール」を一緒に考える
このスタンスに切り替えることが、AI時代の⼦育て・教育の第一歩、だそうですよ。
伊本家のルールに学ぶ:宿題とAIの「ちょうどいい距離感」
では、具体的にどのようなルールを決めれば良いのでしょうか。
番組では、伊本さんが実際に子どもに伝えている3つのルールが紹介されました。
伊本家のAI利用3ルール
- 宿題の「答え」をAIに聞くのは禁止
- 「解き方・考え方」を聞くのはOK
- 調べ物に使うのはOK。ただし、AIの答えが必ず正しいとは思わないこと。

このルールには、明確な意図があります。
- AIを「カンニングツール」にしない
- AIを「考えるプロセス」を教えてくれる家庭教師のように使う
- 「わからないから全部AIに丸投げ」ではなく、
自分で考えたうえで、チェックやヒントに使う方向に導く
ということ。
どの家庭や学校でも、とても参考になるルールですよね!
そのまま使える「我が家/我がクラスのAIルール例」
伊本さんのルールを参考に、家庭や学校でそのまま使える基本ルールを整理してみます。
- AIには宿題や問題の答えをそのまま聞かないこと
- わからないところの「やり方」や「ヒント」は聞いてもいい
- AIの答えが正しいか、他の本や信用できるWebサイトとも照らし合わせてみる
- AI作った文章・レポートは一度自分の言葉に直して、声に出して読み直す
いかがですか?
その他、各家庭や学校の状況にあわせた別のルールを追加するのもいいですね。
紙に書いて、冷蔵庫や教室の壁に貼っておくのもおすすめかもしれません。
ハルシネーションとフェイク動画時代の「学び方」
もう一つ、AIを使う上で1つ注意が必要な重要なポイントがあります。
⽣成AIには、「もっともらしいけれど間違った情報」(事実と異なる誤情報)を作りだしてしまう「ハルシネーション」という弱点があります。伊本さんも子どもに対して、「AIの答えをそのまま信じないでね」と、はっきり伝えているそうです。

情報ソースを「1つに決めない」習慣をつける
番組では、AI時代の学び方として、次のような複数の情報源に触れて、内容を比べてみることの重要性が強調されていました。
- 先生、有識者
- 書籍・図鑑
- 公式、または信頼できるウェブサイトや動画サイト
など、必ず信頼できる情報源できちんと調べ、比較する作業をしようということです。
歴史を振り返ると、「当時の常識」があとで覆された例はたくさんあります。だからこそ、
- 「1つの情報が絶対的な正解」と思い込まない
- いろいろな見方に触れて、自分の頭で考える
ことが、AI時代のリテラシーにつながります。
動画生成AIとフェイク動画―「動画だから本物」は通用しない
また、OpenAIの動画生成AI『Sora』(Sora 2)などのように、本物そっくりの偽動画が従来よりもずっと作りやすい時代になりました。
- ロゴを削除してSNSに投稿される
- わざと画質を落として「昔の映像風」にすることで、逆に本物らしく見せる
といったテクニックも紹介され、もはや、「動画だから本物」「写真に写っているから事実」とは言い切れない時代になってきました。
デジUP!流まとめ~親子でできる「メディアリテラシー練習」~
こうした時代に⼦どもを守るには、「疑わずに鵜呑み(うのみ)にすること」を叱るのではなく、一緒に確かめる習慣を育てることが大切です。たとえば、
- ニュースや動画を見て、「これ、本当かな?」と親子で一度立ち止まる
- 「何を調べれば確かめられるかな?」と一緒に考える
- 図鑑や信頼できるサイトで、実際に一緒に調べてみる
という「ミニ探究」を、日常会話の中に取り入れてみてください。
ポイントは、「疑うこと」をネガティブな態度ではなく、「面白い実験」のように楽しむことです。

デジUP!&ScanSnap視点の「家庭・学校でのAI活⽤」アイデア
ここからは、「禁止」ではなく「賢い活用」を⽬指して、ScanSnapと⽣成AIを組み合わせた具体的なアイデアを紹介しましょう。
1. プリント地獄をAIと⼀緒に「片付ける」
紙のプリントは、放っておくとあっという間に山になります。
- 家庭:学校・塾のプリント、習い事関連資料、宿題や学習資料などのコピー
- 学校:学年通信・お便り・行事案内、子ども達が学校で作ったもの、図書館の本
など、子ども達のまわりはいろいろな紙情報であふれています。
これを、ScanSnapと⽣成AIでスッキリ整理してみましょう。
家庭での整理例
- 学校や塾のプリントをScanSnapでまとめてスキャン
- PDFをテキスト化し、⽣成AIに以下のように依頼する。
「今月の行事予定だけ抜き出して」
「必要な持ち物だけリストアップして」 - 抜き出した内容を、家族カレンダーやToDoリストに転記
学校での活用例
- 学年通信やお便りをまとめてスキャン
- ⽣成AIに「保護者向けに一文で要約して」と依頼
- タイトルやサブタイトルの案をAIにいくつか出してもらい、先生が最終調整
いかがですか?
先生だけじゃなく、学校新聞などを使うときにも利用できそうなアイデアですよね?
アイデア次第で、AIをもっともっと便利に利用できそうです!
なお、プリント整理の実践例は、こちらの記事も参考にどうぞ。
2. 調べ学習を「AIと一緒にまとめる」体験に変える

夏休みの自由研究などで、こんな使い方もできます。
-
子どもが図鑑や本で調べたメモ書きを紙で書く
-
そのメモをScanSnapでスキャンしてデータ化
-
生成AIに以下のように依頼
1. 「自由研究レポートのタイトル案と目次案を作って」と依頼
2. その目次案を自分なりに確認・見直し
3. 目次案をもとに、小学生でもわかる言葉でレポートを作成する -
AIが出したレポート案を、正しい内容かどうかを複数ソースでチェック!
-
親子で一緒に読みながら、最終的な内容や言い回しを手直し
このプロセスは、単にAIに「レポートを書かせる」のではなく、
- 子ども自身が調べた内容を
- AIと一緒に整理・構造化し
- 最後は自分の言葉で仕上げる
という、「共創型の学び」になります。
子どもの興味があるテーマを子ども自身が調べ、AIと議論を交わすのも楽しそうですね。
AIを「宿題泥棒」ではなく「学びの相棒」に
ScanSnapは、アナログなプリントやノートをAIが扱えるデータに変える入口です。
- 「宿題を全部AIにやらせる」のではなく
- 「自分で考えたことを、AIと一緒にディスカッションする」
そんな役割でAIを位置づけることで、⽣成AIは「宿題泥棒」ではなく、「学びの相棒」になってくれます。
まとめ
子どもたちは、親が思う以上のスピードでAIに触れ始めています。
「よくわからないから禁止」ではなく、親や先生自身がAIを使ってみて、ルールを一緒に考えることが大切です。
伊本家の「答えは聞かない/考え方・調べ物はOK」というルールのように、家庭や学校ごとのAIルールを言葉にすることが、第一歩になります。
AIハルシネーションやフェイク動画が当たり前の時代だからこそ、「一緒に確かめるクセ」を楽しく身につけるメディアリテラシー教育が重要ということですね。
皆さんのご家庭でも、学校でも、今日からできるアクションとして、
- 子どもと一緒にAIを触ってみて、感想を話し合う
- ニュースや動画を見て、「本当かな?」と一度立ち止まって一緒に調べてみる
- 「我が家(学校)のAIルール」を紙に書いて貼る
- 学校・家庭のプリントをScanSnapでスキャンし、AIと一緒に整理してみる
といったことから始めてみてはいかがでしょうか?
今回ご紹介した内容の詳細なトークは、MROラジオ『ラジオでAI〜miraiダネ〜』の公式ポッドキャストで聴くことができます。ぜひ実際の番組放送についてもチェックしてみてくださいね。
では、また第3弾の特集記事でお会いしましょう!
関連リンク・参考情報
- MROラジオ「ラジオでAI〜miraiダネ〜」公式サイト
- MROラジオ「ラジオでAI~miraiダネ~」ポッドキャスト
この記事を書いた人
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