産直業界の雄「サンリッチ」の経理業務をScanSnapが強力サポート。 「証憑スキャン→クラウド直送」のらくらくフローで会計事務所の記帳代行業務もスムーズに |株式会社サンリッチ&伊藤会計事務所

地元九州産はもとより、全国各地の「美味しいもの」を日本全国に届ける産直業界の雄、株式会社サンリッチ(福岡県福岡市)では、複雑なフードギフトオペレーション事業で発生するたくさんの紙証憑をScanSnap iX1600でデータ化し、同社の税務顧問で記帳代行依頼先の伊藤税理士事務所(同)に直送する運用を開始しています。ScanSnap導入によってスキャン作業が大きく効率化されたほか、今後のDX推進にもScanSnapが重要な役割を果たすと期待されています。サンリッチと伊藤会計事務所のそれぞれに、ScanSnapの具体的な活用法と評価をうかがいました。
目次
膨大な紙証憑をScanSnapでデータ化し記帳代行先へ。手間と時間を大幅に削減|株式会社サンリッチ
産直ベースのフードギフト事業では多くの取引が今なお"紙だらけ"!
――株式会社サンリッチ 代表取締役の武藤元美さんと、同じく経理部 部長の余吾裕美さんに、サンリッチの経理業務におけるScanSnapの活用についてお話をうかがいます。また、サンリッチの税務・会計顧問を務める伊藤会計事務所 コンサルティング部 シニアマネージャーの池田大輔さんにもご同席いただきます。はじめにサンリッチが手がけるフードギフトオペレーション事業がどのようなものなのかを教えてください。
サンリッチ 武藤さん:簡単にいえば「全国各地の美味しいものを発掘して日本全国へお届けする」仕事です。全国を飛び回った経験からいえることとして、北海道と九州は美味しい食材に恵まれています。肉も魚も野菜も全部美味しいでしょう。加えて九州にはフルーツもあります。それら九州の食材を中心に、一部越境も含めた「美味しいもの」を全国にお届けするのが当社のミッションです。

株式会社サンリッチ 代表取締役の武藤元美さん。福岡市のIT企業、株式会社福岡情報ビジネスセンターのCEOでもあります。
――ホームページを拝見すると、事業者向けギフトオペレーションシステムの提供からコンシューマー向けの通販まで、幅の広い事業を展開されています。
武藤さん:それらの根幹にあるのが産直システムです。サンリッチは、全国各地の食品生産者やメーカーと顧客を直接つなぐ産直の仕組みを創業者が考案したところから始まりました。以降、自社で在庫を持つ必要がなく、大きな資金がなくても回せる産直システムによって業績を伸ばし、現在に至っています。
当社で供給しているWebベースのギフトオペレーションシステム「Web2000」は、創業時に産直ギフトがアナログで推移していたため、自社の作業負担の軽減と業務効率化を狙って作ったのが始まりです。ちょうど世の中にインターネットが普及しだしたタイミングで勝算があると見込んで考えた仕組みであり、現在も発展し続けています。
受発注・配送・品質などをトータルで管理する「Web2000」は当社の基幹システムであると同時に、全国の百貨店や生協などにも導入されて今では業界のインフラの一つになっています。
この「Web2000」供給に付随してサンリッチでは、当社仕入先であるメーカー・生産者と共に商品開発や販路拡大など、さまざまな支援事業も行っています。また、卸を伴うカタログ通販やカタログギフト事業、「九旬」というコンシューマー向けのWebショップ事業なども展開しています。

サンリッチが展開するカタログの一例。
――事業が多彩である上に産直が基本となると、取引先の数はかなり多いのではないかと想像します。
武藤さん:いやもう大変ですよ。全国に取引先があってトランザクション(取引)の数がすごいですから。マスタ登録の精度を保つのも大仕事ですよね。
――具体的にはどのくらいあるのでしょうか。
サンリッチ 余吾さん:現在は仕入先がマスタ上で約1,700、そのうちコンスタントに実動があるのが約500。販売先はマスタ上で約250、月次の取引があるのが約100というところです。当社の立ち位置が仲介に相当するため、両方向ともかなりの数になります。
武藤さん:しかも取引先ごとに納品書や請求書のフォーマットが全然違うんですよ。
――それらの書類はまだ紙で届くことが多いのでしょうか。
武藤さん:非常に多いです。一部の大手取引先との間にはEDI環境も整っていますが、規模の小さい生産者などの場合、そもそも先方がシステム化されていないケースが多々あるので、どうしても紙の伝票がたくさん送られてくることになります。
――月に何枚の紙書類が届きますか。また、紙が届かない電子取引は現在どの程度あるのでしょう。
余吾さん:紙の書類は月に1,000枚を超えますね。電子取引はまだ全体の2割ほどだと思います。

株式会社サンリッチ 経理部 部長の余吾裕美さん。武藤さんが全幅の信頼を寄せる経理担当者です。
武藤さん:今でもFAXや電話による問い合わせが多いですし、「いつものを50個」といった注文が入って「いつもの」が何なのかから調べることもあります。そういう状況ですから、経理部でも現実の受発注と最終の請求や入金との突合にはだいぶ手間をかけています。
そこで、忙しい経理業務を効率化するためにも、現在DXに本腰を入れ始めたところです。各種システムや本題のScanSnapなどを活用して業務の手数を減らし、最終的にはDX認定事業者になることを目指しています。そうすることで社内のITリテラシーが上がり、業務効率化が進みます。
ScanSnapが実現する「一歩の削減、一手間の削減」が大きなカイゼンにつながる
――ScanSnapの活用法について具体的にうかがいます。サンリッチでは2025年1月にScanSnap iX1600を1台、伊藤会計事務所の紹介によって導入されました。紙書類が多い状況下、どのようにScanSnapを活用していますか。
余吾さん:今は伊藤会計事務所様とのやり取りに使っています。当社では請求書の突合作業に時間を取られて会計の入力を行うことが難しいので伊藤会計事務所様に記帳代行を依頼しています。記帳用資料として、紙で受け取った書類の中から記帳に必要な証憑をScanSnapで毎月1回スキャンして、イメージデータをお渡しします。
――月に約1,000枚発生する紙書類のうち、何枚をイメージデータ化するのでしょうか。
伊藤会計事務所 池田さん:金額確定前の見積書や納品書は社内で確認していただき、最終の金額が記載された請求書や領収書だけをスキャンしていただきますが、それでも200枚くらいにはなりますね。
――ScanSnap iX1600はどこに設置しているのでしょうか。
余吾さん:私を含めて3人いる経理部員が自由に使えるよう、共有の袖机の上に置いています。

余吾さんのデスクの横に置いた袖机にScanSnap iX1600を設置。経理部の3人が共有しています。
――ScanSnap iX1600ではプロファイル(スキャン設定)を複数作って保存し、タッチパネルで簡単に選択できます。何かプロファイルを作っていますか。
余吾さん:部員がそれぞれのPCにScanSnap Homeをインストールし、必要なプロファイルを作って保存しています。私の場合、伊藤会計事務所様に送るためのGoogle ドライブ直送の設定、社内の共有フォルダーに保存する設定、個人のフォルダーに保存する設定と、3つのプロファイルを作りました。社内の共有フォルダーに保存するのは会計関係ではなく、口座開設書などの一般書類です。
――ユーザー登録をしている3人のうち誰かがスキャンしたいとき、その人のPCでScanSnap Homeを立ち上げればScanSnap iX1600のタッチパネルにその人のプロファイルが表示される、という使い方ですね。
余吾さん:そうです。1台のScanSnapを3人で便利に共有しています。
ScanSnap iX1600のタッチパネルに表示された余吾さん用プロファイル。
「伊藤会計」のほかに「経理フォルダ」「社内共有保存用」のボタンが見えます。

ScanSnap iX1600のタッチパネルでプロファイルを選び、原稿をセットしてボタンを押すだけ。毎分40枚のスピードでスキャンします。
――証憑は毎月どのタイミングでスキャンするのでしょうか。
余吾さん:締めたあとですから、だいたい月の下旬ですね。
――伊藤会計事務所に送るイメージデータを生成するにあたっては、証憑1枚につき1つのPDFファイルにしているのでしょうか。
池田さん:現時点では当事務所で正しく記帳できればよいので、仕入の請求書が30枚あれば30ページで1ファイルという形でいただいています。
――仕入の請求書や経費の領収書など、証憑をいくつかの束に分類して、それぞれをまとめてスキャンしているのですね。イメージデータの受け渡しはどのように行っているのでしょうか。
池田さん:Google ドライブによる共有です。ScanSnap Cloudを経由してScanSnapからGoogle ドライブに直接アップロードできるよう設定しているので、サンリッチ様が証憑をスキャンするとダイレクトでGoogle ドライブに保存されます。この連携は非常に便利です。

伊藤会計事務所 コンサルティング部 シニアマネージャーの池田大輔さん。サンリッチのデジタル化と業務効率化をサポートしています。
――ScanSnap導入前はどのように証憑をやり取りしていたのでしょう。現物を郵送していたのでしょうか。
池田さん:証憑の量が多いので、コロナ禍の前は私がサンリッチ様を訪問したときに棚を開けさせてもらい、ファイリングされた紙証憑を見ながら処理していました。そこにコロナ禍が発生して訪問が難しくなったので、複合機でスキャンしてからイメージデータをGoogle ドライブにアップロードしていただく方法に移行しました。ScanSnapの導入まではその方法でした。
余吾さん:ただ複合機でのスキャンでは、大きさの異なる証憑を重ねてADFに通すとうまくスキャンできないこともあったため、スキャン前に証憑のサイズや紙質を見て、ADFでスキャンできるものと1枚ずつガラス面に置いてスキャンするものに分ける手間が発生していました。
また、イメージデータをGoogle ドライブに上げる前に、いったんフォルダーに保存するというワンクッションが必要だったので、今にして思えば、そこにも手間と時間がかかっていたんだなと思います。

経理部のキャビネット。「仕入先別支払明細一覧」の分厚いバインダーが何冊も収められています。
――ScanSnap導入後、スキャン作業はどう変わりましたか。
余吾さん:サイズや紙質を気にすることなく、大小の証憑を重ねて一気にスキャンできるので、とても楽になりました。自動で証憑の向きを補正してくれる機能もすごく便利です。スキャンしてGoogle ドライブに直接保存できるので、手間と作業時間はかなり削減されています。
池田さん:ScanSnapは小さい紙や薄い紙もスムーズに送ってくれるので、当事務所でも重宝しています。重要な証憑の一つである税金の納付書もペラペラの薄い紙ですが、ScanSnapなら苦労せずにスキャンできます。
――使い勝手という点ではScanSnap iX1600をどう評価されていますか。
余吾さん:操作がすごく簡単です。私はIT機器の扱いがあまり得意ではありませんが、設定も操作も問題なくできました。
なによりコンパクトで、狭いスペースに置いて共有できるのがとてもよいと思います。ScanSnapがすぐ横にあるので複合機に並ばなくてよくなり、本当に助かっています。フロアには30人くらい従業員がいるので、複合機がふさがっていると使えず不便でしたし、逆に自分が長時間使うときは気まずい思いもしていました。今はそれがありません。

ScanSnap導入によって「スキャン作業が本当に楽になりました」と余吾さん。
――経理部以外の方もScanSnapを使用していますか。
余吾さん:今のところは経理部だけで使っていますが、本当に便利なので、今後は他部署にも紹介したいと思っています。
――武藤さんは株式会社福岡情報ビジネスセンターのCEOでもあります。IT専門家の目から見たScanSnap iX1600はいかがですか。
武藤さん:導入してから経理部の生産性はずいぶん上がっていると思いますよ。3人とも大変に重宝しているようですし。やっぱり手元にあるのがいいんだよね。
余吾さん:そうなんですよ。
武藤さん:有名な「カイゼン」じゃないけど、複合機までの「一歩」を減らすのが効果的なんですよ。あとは想像以上にコンパクトで驚きましたね。「こんなに小さいの?」って。

「ScanSnap導入で経理部の生産性は間違いなく上がりました」と武藤さん。
――今後の見通しについてうかがいます。記帳代行用とは別に、電子帳簿保存法(電帳法)のスキャナ保存制度に対応するためのスキャンもしているのでしょうか。
池田さん:現時点ではスキャナ保存の対応を行っておらず、電子取引保存の対応までですが、いずれは請求書や領収書だけではなく、見積書や納品書などすべての証憑をScanSnapでスキャンしていただき、データ化して保存する方向に持っていきましょうというお話をサンリッチ様としています。
余吾さん:それと同時に、将来的には電子取引を増やして紙自体をなるべく減らしていきたいとも思っています。今は過年度分の書類の保存のために1階の書庫を使用していますが、ものすごい量なので。
その第一歩としてクラウドベースの支払管理システムを導入し、取引先に請求書を直接アップロードしていただくことを検討しています。実現すれば電子取引はかなり増えると思います。
ただ、お話ししたようにデジタル化されていない取引先も多いので、紙の証憑は必ず届きます。届いたら紙証憑をデータ化して私たちがシステムにアップするので、そこでもScanSnapを活用することになりますね。

紙証憑は年度ごとに色分けしたラベルを貼り、各法令で定められた期間、書庫に保存しています。デジタル化が進めば紙が減るため、徐々にスペースが空いていきます。
池田さん:支払管理システムの導入は、電帳法スキャナ保存制度に対応するためのよい機会でもあります。スキャナ保存だけに絞って対応しようとするとコストパフォーマンスがよくないのですが、支払という既存業務の効率化にスキャナ保存を組み込めば、デジタルファーストでの書類管理にもつながるので一石二鳥です。非常にスマートな方法といえます。
――支払管理システムの種類によってはScanSnap Cloudによる直接連携も可能です。
池田さん:それができれば完璧ですね。書類が1,000枚にも及ぶとなると、先ほどの「一歩」と同様、保存の「一手間」が省けるだけでも効果は非常に大きくなります。
余吾さん:全然違ってくるでしょうね。
――ScanSnapが業務効率化の一助になれて幸いです。詳しくお話しくださり、ありがとうございました。
クラウド会計とScanSnapの連携でリアルな数字を顧客に提供し「100%黒字化」を目指す|伊藤会計事務所
ScanSnap iX100を客先で使うとデジタル化のデモンストレーションにもなる
――伊藤会計事務所の代表者で税理士の伊藤桜子さんと、前半に続いてコンサルティング部 シニアマネージャーの池田大輔さんにお話をうかがいます。伊藤会計事務所では「100%黒字化」を掲げて顧問先の税務や財務をサポートされています。顧客には企業が多いのでしょうか。
伊藤会計事務所 伊藤さん:そうですね、基本的にはBtoBでサービスを提供しており、スタートアップから上場準備中の会社や上場企業の子会社まで、さまざまな企業のお客様の顧問を務めています。また、これから創業される方や個人事業主のお客様もいらっしゃいます。「100%黒字化」は、お客様方に対して税理士事務所が貢献できることは何かを考えたときの私なりの答えで、開業時から抱いている想いです。

伊藤会計事務所 代表で税理士の伊藤桜子さん。福岡市を中心に、地元企業の経理業務を力強くサポートしています。
――経理のデジタル化を支援する事業を展開しておられるのも、貢献の一環と考えてよいでしょうか。
伊藤さん:その通りです。会計の数字をできるだけ早く"見える化"することはお客様にとって一つの価値であり、私たち専門家の存在意義でもあります。この"見える化"を実現するために現在、積極的に進めているのがクラウド会計の導入支援です。
税理士事務所の業務には今なお多くの紙文化が残っています。また、紙で資料を回収して試算表を作り、数か月後の訪問時に報告するというようにタイムラグが発生するため、数字がリアルではないという問題もあります。ところがクラウド会計を導入し、資料もデータで回収して記帳を自動化すれば、一転して直近の数字をリアルタイムで提供できるようになります。
そこで当事務所では、お客様の経理を楽に、便利にするためにどうすればよいかという観点から、お客様のお困り事を解決する手段としてクラウド会計を提案しています。そのため提案の幅は広く、請求業務や経費精算といった周辺業務への活用も含まれます。
――デジタル化の提案は顧客の理解度や要望の強さに応じて行うのでしょうか。
伊藤会計事務所 池田さん:そうですね。デジタルへの馴染みが深いスタートアップのお客様の場合、一緒にゼロから作っていくこともあります。一方、歴史ある企業には、先のサンリッチ様のようにITの知見が豊富なお客様も、逆に旧来の経理業務にさほど問題を感じておられないお客様もいらっしゃいます。どのケースでもお客様本意のデジタル化を進めますが、特に後者の場合は急がないことが肝要です。
ただ、従来の会計ソフトからクラウド会計への移行という点では、コロナ禍が大きな転機になりました。多くの社員がリモートワークをされる中、経理担当の方だけが出社しなければならないといった状況が発生したため、当事務所もクラウド会計の導入や、紙の証憑をデータ化するためのスキャンの体制づくりをお勧めし、リモートワークでも予定通りに決算できるような仕組みを提案しました。この時期にデジタルへの移行を果たされたお客様も多くいらっしゃいます。
――伊藤会計事務所では、クラウド会計と相性のよいスキャナーとしてScanSnapを推奨してくださっています。ScanSnap活用はどのような経緯でスタートしたのでしょうか。
池田さん:モバイルタイプのScanSnap iX100が発売されたときに当事務所で数台を導入したのが馴れ初めです。その後、一人1台持ち運べるようにiX100を追加購入し、スタッフがお客様を訪問するときに持参して通帳などの資料をその場でスキャンできるようにしました。すると、それまでお客様に紙のコピーをいただいていたのが目前でのスキャンになったので、お客様も「最新式だね、そういう時代になったんだね」と興味を示してくださるようになりました。

ScanSnap iX100は持ち歩けるモバイルタイプのスキャナーです。PCレスでのスキャンも可能です。
池田さん:現在は初めからデジタルデータで回収できる書類もかなり増えましたが、紙の資料は必ず残ります。この最後のピースを回収するために欠かせないのがScanSnapです。お客様にデータ化を丸投げすることなく、それでいてデータ化によって経理が楽になることも理解していただけるので、iX100は今でも必携です。
――一種のデジタル化デモンストレーションの役割も果たしたのですね。
伊藤さん:そうですね。これからデジタル化を始めようというお客様の場合、いきなり全部データにしてくださいとお願いするよりも、その一段階を当事務所がお見せすることで、徐々にデジタルに対する意識を変えてくださるという面があると思います。
池田さん:その結果として「ScanSnap、いいね。導入してみようかな」ということになれば、ScanSnapにはiX1600やiX1300などの据え置きモデルもあることをお伝えしたり、導入後に資料のイメージデータをお送りいただくときの方法や、ファイル名の付け方などを説明したりします。

伊藤会計事務所ではScanSnap iX1600を3台、iX100を10台所有し、フルに活用しています。
ペーパーレス化と環境の整備により、年間300人以上が応募する人気事務所に変貌
――伊藤会計事務所は「80%の力で回せるようにしたい」という目標を立て、デジタル化によって従来の激務を大きく効率化したことでも知られています。その経緯を教えてください。
伊藤さん:もともとは膨大な業務に追われていたので、ただ目の前の業務をひたすら片づけていくという仕事の仕方でした。繁忙期は忙しくて当たり前だと思っていましたし、残業も当然のようにしていました。
その結果、繁忙期の平均残業時間が90時間に達して退職者が続出し、残ってくれている職員にものすごい負荷がかかるという、絵に描いたような負のスパイラルに陥りました。ここに至って「このままでは駄目だ、なんとかしなければ」と決心し、所内の業務管理を開始しました。まず手を着けたのがペーパーレス化です。
――それはいつ頃のことでしょうか。
伊藤さん:着手したのが2017年です。それまではキャビネットに不要な資料が詰まっているなどして探し物も一苦労でしたが、パートの方を頼み、紙資料を複合機でどんどんデータ化しました。その際にフォルダー体系や保管場所のルールなどを整備し、業務フローも標準化して、どこに何のデータがあるかを明確にしました。すると一転して整理整頓がすごく進むようになり、何かを探すときも検索すれば済むので業務の手を止める必要もなくなりました。
池田さん:ScanSnap iX100を客先に携行するようにしたのも、それとほぼ同じ時期です。事務所の業務効率化の一翼をScanSnapが担ってくれたので、今でもScanSnapにはデジタル化の「はじめの一歩」というイメージがあります。
――顧客のデジタル化推進の前段として事務所内の業務効率化があったのですね。
伊藤さん:両方をほぼ並行して進めましたが、自社の効率化が進んでいない状況でお客様にデジタル化やクラウド会計の提案をしても説得力がないので、特に意識したのは事務所内の業務改革でした。工数管理や業務の"見える化"によって無駄をどんどん省いたので、現在では工数が当初の1/2以下にまで削減されています。職員のストレスもかなり軽減されたと思います。

伊藤会計事務所はデジタル化によって劇的な業務効率化を果たしました。なお、池田さんは業務改革前の激務時代から勤務する職員の一人です。
――全業種で人手不足が顕在化する中で、伊藤会計事務所の求人にはかなりの応募があるとうかがいました。
伊藤さん:かつては半年間も応募がないような状況でしたが、デジタル化を進めて残業を減らし、働きやすい環境を整えてからは少ない年でも300人以上の応募があります。どれだけデジタル化されてペーパーレスの環境が整っているかが、今は求人にも大きく影響すると思います。
――終わりに、ScanSnapに対する総評をお聞かせください。
池田さん:PCレスでスキャンできるScanSnapによって、紙書類のデータ化という作業が身近になったと思います。当事務所ではScanSnap iX1600も3台稼働しており、使うたびにタッチパネルの素晴らしさを実感しています。触りやすく使いやすいインターフェイスがとても洗練されていると思います。
伊藤さん:今は私自身がスキャンすることはあまりありませんが、当事務所が変わるきっかけにもなったScanSnap iX100はすごく便利に活用してきました。iX100という、小さくて持ち運べてペーパーレスの入り口になる機器が、あってよかったなと思っています。
――ScanSnapが顧客のデジタル化のみならず、伊藤会計事務所の業務効率化でも重要な役割を果たすことができて幸いです。詳しくお聞かせくださり、ありがとうございました。

ScanSnap iX1600
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