カレー沢薫のなりゆきデジタル化ぐらし〜Vol. 15〜

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あと2時間ほど待てばフライングヒューマノイドの群れが飛来するという段階で「明日仕事だから」といって帰る奴がいたら、多くの人間が「こいつは悲しき現実主義者、もしくは俺の話をこれ以上聞きたくない」と思うだろう。
だが驚くべきことに、この「多くの人間」の中に日本人はあまり入らない傾向にあり、我らはガチで「明日仕事」という理由で歴史的瞬間すら見届けず帰宅しがちなのだ。
言うまでもないが、明日の仕事が楽しみで仕方ないから、仕事道具が入ったリュックを前に背負って早く寝たい、というわけではない。
むしろ日本人ほど仕事と会社を忌み嫌っている人種はいないようにすら見え、そんな仕事を他の楽しいことより優先して去っていく姿が「さすがHENTAIの国は違う」と諸外国をビビらせているのだが、国ぐるみで仕事の優先順位を間違えているだけ、ともいえる。
日本は長らく仕事や会社が何よりも優先するものとされ、現在進行形でXには「こちらの決死のSOSを『仕事を休めないから』という理由で一蹴された」というパートナーへの恨みが定期的に流れてくるし、その判断ミスが取り返しのつかない結果を産むこともある。
そろそろ仕事の優先度を見直す時期にきている。少なくとも家族や、まして自身の命や健康よりも優先すべきものではない。
そんなわけで今回のテーマは長期休み明けの「万年5月病を乗り切る慣らしの書類整理」である。
単なるScanSnapを使うための導入なのでいちいちつっかかる必要はなく、なんなら「食前食後感謝の書類整理」とか言い出してもスルーすべきなのだろう。
しかし「仕事のためにコンディションを整えなければならない」という考えはなくした方が身のためだし「仕事のためにちょっと仕事をする」という発想が、完全に毒を少しずつ飲んで耐性をつける暗殺者育成メソッドで怖い。
普通の病(ビョウ)であれば、病(ビョウ)の元になっている菌を取り除くのが普通であり、食中毒患者に追いボツリヌスしたりしないだろう。
それと同様に5月病も最大の原因である仕事を取り除いていくのが最善であり、連休明けにSNSのトレンドに退職代行が入って来るのが社会問題のように言われているが、これはやっと日本人が優先順位を間違えなくなったという吉報である。
しかし「仕事を辞める」というのは最終手段だということも分かっている。
恐ろしいことに、我々は特段理由がなければ勤労が義務というディストピアに暮らしているのだ。
どうせやらなければいけない労働なら、1秒に10回時計を見ながら嫌々やるより「やる気」を持ってやった方が楽だし、その方が早く終わって労働からの解放が早まるかもしれない。
やる気の出し方だが「やる気はとりあえずやりはじめることでスイッチが入る」らしい。
「1億円手に入れるためにまず1億用意しろ」と言っているようなものであり、まず取り掛かるやる気をどこから出すのか教えて欲しいのだが、それは今のところ「根性」もしくは「諦め」の二択なのだろう。
そこでまず無心でできる仕事、簡単に言えば脳が息をしていない状態でもできる単純作業を行い「やってやった」という錯覚により、脳を本格覚醒させるという作戦だ。

スキャン作業こそまさにうってつけだ。
コピー作業でもいいが、こちらは意識不明状態でやると資源を大量浪費するおそれがある、多少ミスしても無駄なデータが発生するだけのスキャンの方が安全だろう。
しかもスキャンで書類整理をすることでデスクも片付く。
私の机は常に汚いが、汚い方が仕事が捗るからではなく、見るたびに普通にテンションが下がっているので、やる気を出すには片付いているにこしたことはない。
スキャン作業に加え、机まで片付いてしまったら脳が「やりきった」と錯覚して、完全に閉店してしまうかもしれないが、どうせ明日以降も仕事はあるのだ、また明日やる気を出すところからはじめたらいい。
今回サンプルとして用意されたのは書類3枚だ。
なんの変哲もないA4サイズ書類であり、今まで様々な不定形かつ厚みのある印刷物をスキャンしてきたScanSnapにとっては児戯に等しいが、準備体操としてはちょうどいい。
スキャン作業については特筆することはなく、通常スキャン口から文字通り秒でスキャンできた。逆に早すぎて脳が覚醒する暇がない気さえするが、起きるまで机にある書類をスキャンし続ければいい。
しかしサンプルとして渡された書類のうちの1枚が「社員旅行のお知らせ」であり「露天風呂でちょっと一杯なんていうのもいかがでしょうか?」みたいなことが書かれている。
仕事というか、会社という存在自体が嫌になってくる。スキャンする書類のチョイスを誤っていないかと思ったら、スキャンすることでこの原本はシュレッダーで粉砕してよくなるのだ。
やる気を削ぐものは視界から消す、これもやる気を出すためには必要なことだ。

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