家庭内の書類には、写真や思い出を含む様々なものがあり、「いつか整理しよう・・・」と思いながらたまっていく一方。 そこで、デジタル機器を活用した片づけアイデアをシリーズ6回でお届けしています。
今回は、片づけの中でもちょっと気が重い写真の整理。 終活というと大げさに聞こえるかもしれませんが、身の回りのモノを整理するのも終活のひとつ。いつはじめても早くはありません。 私が終活(写真整理)をはじめたのは30代半ばです。母を亡くした事と、自分自身の病気入院がきっかけです。予期せぬ出来事でしたが、その後、実家の生前整理にも役立ち整理しておいて良かったと思っています。
写真もスキャナーでデジタル化することで、過去の小さな写真を見やすいように拡大できたり、スマホで撮影した写真と一緒にして整理がしやすくなったり、共有もしやすくなります。 写真の片づけも、手順は他のものと同じです。段階的に進めていきましょう。
片づけの基本になりますが、必要・不必要の判断は本人(持ち主)にしかできません。 写真や思い出の品はなおさらです。 自分の写真であれば、必要・不必要の判断がつきやすく作業も進めやすいでしょう。 写真整理は、まずは自分の写真からはじめましょう。
整理した写真はどんな時に見返しますか? 家族と見返す時はどんな自分を見せたいですか? また久しぶりにあった同級生となら、どんな写真で盛り上がりたいですか? 見返すシーンを想像すると選ぶ写真が変わってきます。 どんなシーンで、誰と写真を見返すかを意識してベストショットを厳選していきましょう。
■全体量を把握する
実家の写真も全て集め、全体量を確認しましょう。 重たい古いアルバムは収納や維持管理が大変です。これ以上の劣化を防ぐためにも、思い切ってデジタル化しましょう。 アルバムに貼られた写真は熱を加えると剥がしやすくなるので、ドライヤーなどで暖めながら剥がすと良いですよ。
■分類・スキャンの準備
年代毎に分類しておくと、見返す時も見やすいですね。 自分の写真なのであまり細かいことは気にせず、ざっくりとした時系列で良いでしょう。 学生時代、旅行、イベント毎で分類しても問題ありません。 こうして分類しておくことで、スキャンした後も、目的の写真を探しやすくなります。
■厳選する
フィルム時代は、全ての写真を現像していたため、同じ構図の集合写真やピンボケ写真がありませんか? 何となく捨てずにとっておいた写真は、この段階で処分します。
■スキャン(デジタル化)
おすすめするのはScanSnap (スキャンスナップ)シリーズです。 ScanSnapは画質を自動・ノーマル・ファイン・スーパーファイン・エクセレントから選べます。 大きいサイズのフォトブックにしたい、大画面で見たい場合は、スキャンスピードはゆっくりになりますが、高画質のエクセレント(カラー/グレー600dpi、白黒1200dpi相当)に設定することをおすすめします。 プリントや画質には好みがありますので、元の写真を処分する前に、実際にプリントや鑑賞画面で確認しておくと安心です。
■保存する
写真の分類と同じフォルダ名をつくり、分類した写真の束ごとにスキャンし保管します。 私は、デジタルフォトアルバム「おもいでばこ」に保存しています。 リビングのテレビで家族と昔の写真を楽しんだり、友達と会うときに自分のスマホに入れて持ち出すこともできます。おもいでばこは、操作も簡単なのでデジタルが苦手な方には特におすすめです。
このように、懐かしい写真もテレビの大画面で鑑賞することができます。 この写真を含む実家の写真も、父に頼まれデジタル化してありました。父の葬儀の時、急な知らせにもすぐに遺影を準備できたこと、葬儀の際に「おもいでばこ」を持参し、集まった身内と昔の写真を見ながらあたたかく見送ることができたこと、写真整理をしておいて良かったと思えた経験です。
■スキャンした写真の処分
デジタル化が終わったら、中身がみえないよう紙の封筒などに「デジタル化済」と記入。 見返したい時・外出先で見たい時など、活用する上で問題がないことを確認してから処分しましょう。 写真など、心理的に処分のハードルが高いモノは見えないように保管しておき、自分で決めた期限がきたら処分する方法がおすすめです。 アルバムや思い出のモノが、どうしても処分できないという方は、有料のお焚き上げサービス「みんなのお焚き上げ」などもあります。
いかがでしたか? 写真整理は自分の人生の棚卸しです。 そして写真整理は、自分の過ごしてきた「時間と向きあう作業」です。 過去のモノを整理しているようで、これからの生き方を考える良い機会になります。
写真を整理することで「家族への感謝」「再会したい人」「やってみたかった事」を再確認することができます。 写真整理、実は気になっていたな~と思う方は、今すぐにはじめましょう。
青山 順子(あおやま・じゅんこ) 家庭内の書類整理や写真・子どもの作品をはじめ、個人事業主の書類整理などデジタル化を併用した紙類の整理「おうちプリントダイエット」を推進中。 おうちプリントダイエットとは、おうちプリント=家庭内の書類や古い写真・思い出のモノ、ダイエット=紙を減らして情報や思い出を活かすお片づけ方法です。 ScanSnap の使い方レッスンは、全国どこからでもオンライン対応しています。 整理収納アドバイザー/親・子の片づけマスターインストラクター/EvernoteMaster/ScanSnap プレミアムアンバサダー/写真整理アドバイザー上級。
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本記事は、住まい・暮らしの情報メディア LIMIAに掲載されました。記事は2020年7月22日時点の内容です。
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