| 2026.1.23 |
領収書を電子化する6つのメリット | 成功事例とツールも紹介

2024年1月の電子帳簿保存法改正により、データで受け取った領収書などの証憑は、データのまま保存することが義務化されました。これを受け、紙で受け取った証憑も電子化し、全証憑をデータで保存する企業が増えています。
本記事では、領収書を電子化する6つのメリットや企業の成功事例、おすすめのツールまで解説します。
1. 領収書の電子化とは
領収書の電子化とは、紙で受領した領収書をデジタルデータに変換して保存する仕組みのことです。具体的には、紙の領収書を複合機やスキャナーでスキャンし、システム上で管理する方法が挙げられます。
企業が領収書を電子化する際のポイントは、電子帳簿保存法の要件を満たすことです。電子帳簿保存法 スキャナ保存の要件を満たすと、原本である紙の領収書の破棄が可能になります。
また、ペーパーレス化を実現できるだけでなく、検索性の向上や経費精算の効率化など、業務全体に幅広いメリットがあります。
2. 領収書を電子化する6つのメリット
ここでは、領収書を電子化する6つのメリットについて解説します。
- 原本の保管スペースや管理コストを削減できる
- 領収書の検索性が向上する
- 経費精算業務を効率化できる
- テレワークで経費精算ができる
- 原本の紛失・破損を防げる
- OCRを活用すればデータ入力業務も効率化できる
2-1. 原本の保管スペースや管理コストを削減できる
電子化のメリットは、原本の保管スペースや管理コストを削減できる点です。
電子化していない企業では、法的に保存が必要な7年分の領収書を保管するために、専用のキャビネットや書庫などを使用しています。領収書をデータ化して原本を廃棄できるようになれば、ファイルやバインダー、保管棚そのものを撤去することが可能です。
空いたスペースは会議室やリフレッシュスペースとして活用できます。また、外部倉庫の契約を解除することで固定費を削減できます。
2-2. 領収書の検索性が向上する
領収書を電子化してファイルサーバーやシステムで管理することで、検索性が向上します。
紙保管の場合、特定の領収書を探す際に保管場所まで移動し、大量のファイルのなかから該当する一枚を手作業で探す必要がありました。
電子化されていれば、以下のような一部の条件をシステムに入力するだけで、即座に該当データを検索できます。
- 取引年月日
- 金額
- 取引先名 など
日常業務だけでなく、税務調査の際にも調査官から求められた資料をスムーズに提示できるといった効果も期待できます。
2-3. 経費精算業務を効率化できる
領収書の電子化は、申請を行う営業担当者と確認する経理担当者の双方において、経費精算業務の効率化を実現します。
具体的に、以下のような改善が見込めます。
| 営業担当者のメリット |
|
| 経理担当者のメリット |
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実際に領収書を電子化した企業では、経費精算フローが次のように変わりました。
2-4. テレワークで経費精算ができる
領収書が電子化されることで、テレワークでも業務を進めることができ、経費精算のためにわざわざ出社する必要がなくなります。
従来のアナログな運用では、月末などの締め日にあわせて出社し、領収書の提出や承認印の押印を行う必要があり、経理部門や営業部門のテレワーク移行が難しくなる要因になっていました。
電子化された運用フローであれば、自宅から申請・承認を完結できるためテレワークの推進が可能です。
結果として、従業員のワークライフバランスの向上にもつながるでしょう。
2-5. 原本の紛失・破損を防げる
紙の領収書を電子化することで、原本の紛失・破損を防げます。
紙の領収書をそのまま管理していると、以下のようなトラブルが発生する可能性があります。
- 経年劣化による文字の退色
- 管理不足による紛失
- 汚れの付着
受領後すぐにスキャンしてデータ化することで、鮮明な画質のまま半永久的に保存可能です。
また、災害時における書類の紛失は企業にとって深刻な問題です。クラウドストレージなどを活用した電子データでの保管により、事業継続性の観点からもリスクを軽減できます。
2-6. OCRを活用すればデータ入力業務も効率化できる
OCR技術とは、画像データから文字情報を抽出し、テキストデータに変換する仕組みのことです。
領収書をスキャンした画像から日付・金額・取引先などの情報を読み取れば、経費精算システムへの手入力の負担を減らすことができます。
データ入力が効率化されることで、申請者の誤入力などヒューマンエラーが防げるのもメリットです。
3. 領収書を電子化した4つの成功事例
ここでは、領収書を電子化した4つの成功事例を紹介します。
- 株式会社サカタのタネ
- 伊藤忠商事株式会社
- 深澤会計事務所
- あらた税理士法人
3-1. 株式会社サカタのタネ
国内外で花や野菜の分野において高いシェアを誇る、世界有数の種苗会社・株式会社サカタのタネ。同社では、電子帳簿保存法の改正をきっかけに、紙で受け取っていた証憑をすべてデータ化する方針へと舵を切りました。
証憑をスムーズに電子化するためのツールとして、業務用スキャナー「RICOH fi-8040」を本社および各事業所に合計23台導入し、経費精算のワークフローと連携させています。
その結果、紙証憑の回覧が不要となり、申請がワークフローシステムだけで完結するようになったため、承認・支払までのリードタイムが短縮されました。
また、これまで毎日30分〜1時間かかっていた証憑のファイリング作業が不要になり、業務時間の削減を実現しています。加えて、保管用資材として毎月使用していた段ボール2〜3箱やファイル8冊が不要になり、物理的な保管コストの削減にも成功しています。
3-2. 伊藤忠商事株式会社
日本を代表する総合商社の一つである伊藤忠商事株式会社では、月間5,000件以上発生する経費精算において、証憑を紙で添付し回付・精算していました。承認作業では、添付された紙の書類とシステム上のデータを照合する必要があり、経費精算のために出社しなければならないケースもありました。
こうした状況のなか、電子帳簿保存法の改正を受けて、すべての証憑を電子化することを決断。大量の証憑処理を効率化するため、ネットワークスキャナー「RICOH fi-7300NX」を国内7拠点に約100台導入する体制を構築します。
さらに、社員証によるICカードリーダー認証機能を活用し、スキャンしたデータを社員各自に割り当てられている個人の「BOX」フォルダーに自動保存させる仕組みを整備しました。
ワークフロー全体をペーパーレス化したことで、テレワーク環境下でも承認作業を滞りなく行える体制を実現しています。
3-3. 深澤会計事務所
山梨県甲府市で税務・会計サービスを提供している深澤会計事務所。同事務所では、クライアントから預かった大量の領収書などの紙証憑をスタッフが会計ソフトに手入力しており、記帳代行業務の負荷が課題となっていました。
そこで、業務用スキャナー「RICOH fi-8190」で証憑をスキャンし、イメージデータをOCR処理することで、入力・仕訳を自動化しました。
その結果、導入直後から記帳代行業務の時間短縮を実現し、スタッフの精神的・時間的な負担が軽減されています。取材時点で、今後の見通しとしては年間1,200時間の削減が見込まれています。
業務に余裕が生まれたことで、新規クライアントへの対応や電子帳簿保存法への対応支援といった高付加価値業務に時間を充てられるようになり、サービス品質の向上にもつながっています。
3-4. あらた税理士法人
愛知県豊明市で約300の顧客を35年にわたってサポートしている、あらた税理士法人。記帳代行業務では、紙証憑を参照しながら行う会計ソフトへの入力作業に毎月480時間費やされており、スタッフにとって負担になっていました。
そこで同法人は、業務用スキャナー「RICOH fi-7180」で領収書やレシートをスキャンし、自動記帳サービス「STREAMED」で仕訳データ作成を自動化しました。
結果、手入力といった単純作業から解放され、税務申告やコンサルティングなど、専門性の高い本来の業務に時間を割けるようになりました。
現在では、事務所全体の生産性向上や収益アップに加え、テレワーク実現の見込みも立っています。
4. 領収書を電子化する3つの方法
領収書を電子化する手段にはいくつか種類があり、業務の頻度や目的にあわせて最適なツールを選ぶことが重要です。
代表的な方法として、以下の3つが挙げられます。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| スマートフォン |
|
| 複合機 |
|
| スキャナー |
|
5. 領収書を電子化する際の注意点
ここでは、領収書を電子化する際の注意点について3つの観点で解説します。
- セキュリティ対策を講じる必要がある
- 運用変更を社内へ周知する
- 電子帳簿保存法の要件に沿って保存する
5-1. セキュリティ対策を講じる必要がある
領収書には、取引先名や金額などの重要な機密情報が含まれており、電子化する際は十分なセキュリティ対策が必要です。
紙で保管している場合と異なり、データ化された情報はサーバーへの不正アクセスや、サイバー攻撃の対象となる可能性があります。
具体的には、アクセス権限の設定、アクセス履歴のログ管理、ID/パスワード管理ルールの徹底など、社内のセキュリティポリシーに基づいた運用体制を構築しましょう。
5-2. 運用変更を社内へ周知する
経費精算業務など、領収書を電子化することで運用方法が変わる場合は変更内容を社内へ確実に周知し、新しいルールを徹底することが重要です。
電子化によって、紙の提出や回覧が不要になる一方、スキャン方法や証憑データの保存先、命名規則など、従業員が把握すべきポイントが増えます。これらが十分に共有されていないと、運用に不備が発生し、経理担当者の負担増につながる可能性があります。
マニュアルの作成、説明会の実施、QAの公開など、社内で新しい運用を定着させる仕組みを整えましょう。
5-3. 電子帳簿保存法の要件に沿って保存する
紙の領収書を破棄してデータのみで保存するためには、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」に関する要件を満たす必要があります。
電子帳簿保存法の詳しい内容は、以下の記事で解説しています。
6. 領収書の電子化におすすめのスキャナー
領収書の電子化を効率的に進めるには、業務用スキャナーの導入がおすすめです。ここでは、世界シェアNo.1(*)の実績を持つ「RICOH fi Series」について紹介します。電子帳簿保存法 スキャナ保存の要件を満たした画像を容易に生成できる「e-文書モード」を搭載しているだけでなく、領収書の電子化に最適な3つの特長を備えています。
1) 画像編集の手間をなくすデータ生成
さまざまなサイズの領収書をまとめてスキャンでき、自動で原稿の形に合わせて画像出力します。また、横向きや逆さまにセットしてスキャンした際は、正しい向きに自動補正してくれます。スキャン後の編集作業が不要となり、担当者はスムーズに経費精算申請を行うことができます。
2) 業務を止めない安定した給紙性能
原稿に合わせて分離力を最適化する自動トルク制御により、折り目のついた領収書や紙質(薄さ)がバラバラな原稿も安定して読み取ることができます。紙詰まりによる業務中断を防ぎ、再スキャンの手間や担当者のストレスを軽減します。
3) OCRに最適な画像出力
白抜き文字の反転処理や、背景の網かけ・印影・汚れの除去によって、OCRが認識しやすい画像データを生成します。これにより、文字認識精度が向上し、OCRの誤認識によるデータ修正作業を最小限に抑えられます。


7. 領収書を電子化して経費精算業務を効率化しよう
領収書の電子化は、保管スペースやコストの削減、経費精算業務の効率化などのメリットをもたらします。テレワークの推進やDX推進の観点からも、今後ますます重要性が高まる取り組みです。
自社に適した電子化ツールを選択し、正しい手順で導入を進めることで、業務改善を実現できます。
本記事を機に、自社のデータ管理体制を見直し、電子化による業務改革を前進させましょう。
*:ドキュメントスキャナーを対象とする。日本・北米はKEYPOINT INTELLIGENCE社 (InfoTrends)により集計(2024年実績)。 ドキュメントスキャナー集計よりMobile/Microを除く 6セグメントの合計マーケットシェア(主に8ppm以上のドキュメントスキャナー全体)。欧州はinfoSource社(2024年実績)の集計に基づく、西欧地区(トルコとギリシャを含む)におけるシェア。
