1. 納品書を電子化する方法|電子帳簿保存法対応を効率化した事例も紹介
2026.4.2

納品書を電子化する方法|電子帳簿保存法対応を効率化した事例も紹介

近年、ペーパーレスや業務効率化の推進により、契約書や請求書などの取引書類を電子データで発行する企業が増加しています。

一方で、納品書は納品物に添付される性質上、依然として紙で発行されるケースが多く、受領側の管理負担が課題となっています。

紙のまま保管する場合、保管スペースの確保や、必要な書類を探し出す際の検索性の低さなどが業務効率を阻害します。

こうした背景から、仕入先から受け取る納品書を複合機やスキャナーで電子化し、データで管理する取り組みが進んでいます。

本記事では、納品書を電子化する方法やメリット、さらに電子帳簿保存法対応を効率化した企業事例を紹介します。

1. 納品書は電子化して保存できる

納品書は電子帳簿保存法に基づき、紙ではなく電子データとしての保存が法的に認められています。

納品書を電子化することで、従来の紙での保管からデジタルデータでの管理へと移行が可能になり、業務プロセスの効率化が図れます。

さらに、適切に電子化を実施すると原本は廃棄可能になるため、紙の納品書をファイリングする手間や保管スペースの削減が可能です。

ただし、紙の納品書を電子化する際には、電子帳簿保存法のスキャナ保存要件を満たす必要があります。保存要件を正しく理解し、適切に対応することで、安心して納品書の電子化を進められるでしょう。

2. 納品書を電子化する3つの方法

納品書を電子化する方法はいくつかあり、業務量や運用目的に応じて適切な手段を選定することが重要です。代表的な方法として、次の3つが挙げられます。

方法 特徴
スマートフォン
  • 出張先・外出先で経費精算を処理したい場合に適している
  • 影や手ブレなど、画像品質が撮影環境や撮影者に左右されやすい
  • 1枚ずつ撮影する必要があり、大量に処理する場合には効率が悪い
複合機
  • すでに複合機が事務所にあり、追加投資を避けたい場合に適している
  • ガラス面に並べてスキャンするフラットベッドの場合、1枚ずつセットで時間がかかる
  • 電子帳簿保存法 スキャナ保存の要件を満たした設定になっているか確認・変更する手間が発生する
スキャナー
  • ADFスキャナーの場合、複数枚を一気にスキャンでき、作業効率が良い
  • 画像品質が安定しており、「e-文書モード」など電子帳簿保存法 スキャナ保存の要件を満たした画像を簡単に出力できる設定がある

3. 納品書を電子化する4つのメリット

納品書を電子化することで、さまざまな業務改善効果が期待できます。ここでは、電子化によって得られるメリットを4つ紹介します。

  • 長期的なコストの削減につながる
  • 必要な情報をすぐに見つけやすくなる
  • セキュリティ強化につながる
  • OCR活用でデータ入力業務が効率化できる

3-1. 長期的なコストの削減につながる

納品書の電子化はスキャナーの導入など初期投資が必要になるものの、長期的にはコスト削減効果をもたらします。

法人税法では、納品書の保存期間は7〜10年間と定められています。長期間にわたって紙の書類を保管するためには、キャビネットや倉庫といった物理的なスペースを用意しなければなりません。

さらに、紙の納品書を整理・ファイリングする作業にかかる人件費も必要です。

一方で、紙の納品書を電子化することで、場所のコストや整理作業にかかる人件費を削減できます。

毎月数時間を費やしていたファイリング作業が不要になれば、余ったリソースを付加価値の高い業務に充てられるでしょう。

紙書類が整理されたイメージ

3-2. 必要な情報をすぐに見つけやすくなる

電子化した納品書は、検索性の向上により必要な情報へのアクセスが容易になります。

PDFデータのファイル名に含まれる以下の情報をもとに、サーバー上でキーワード検索が可能になるためです。

  • 取引年月日
  • 取引先
  • 取引金額

従来、紙であれば書類を探すのに数分から数十分かかっていましたが、電子化することでファイル名で検索し、数秒で目的の書類を特定できます。

膨大な紙の書類の中から目的の1枚を探す手間から解放されることで、担当者のストレスも軽減されるでしょう。

大量の紙書類の検索から解放されたイメージ

3-3. セキュリティ強化につながる

納品書の電子化はセキュリティ強化にもつながります。

紙の納品書には、以下のような物理的なリスクが常に付きまといます。

  • 持ち出しによる情報漏洩
  • 紛失
  • 火災による焼失
  • 盗難

一方、納品書を電子化することで、上記の物理的なリスクを低減可能です。

具体的には、電子データはクラウドストレージやサーバーに保存することで、災害時でもデータを失うリスクを最小限に抑えられます。さらに、アクセス権限を設定することで、関係者以外が重要書類を閲覧できないような制御も可能です。

万が一、情報漏洩が発生した場合でも、ログを解析することで原因の特定と再発防止策の立案が可能になるなどセキュリティの強化につなげられます。

3-4. OCR活用でデータ入力業務が効率化できる

納品書データをOCRで読み取り、会計システムや仕入管理システムと連携させることで、手入力の負担を削減できます。

従来の紙の運用では、納品書の内容を会計システムに手入力するため、多くの時間が必要でした。さらに、手入力には入力ミスなどのヒューマンエラーが発生するリスクもあります。

一方で、電子化された納品書データをOCRで読み取り、システムに反映することで、入力時間の短縮や誤入力を未然に防ぐことができます。

結果、本来注力すべき財務分析や経営管理といったコア業務に時間を割けるようにもなるでしょう。

OCR読み取りのイメージ

4. 電子帳簿保存法対応を効率化した企業事例

大阪府大阪市で、アルミやステンレスなど金属素材の卸を営む株式会社井田商店。同社は、電子帳簿保存法のスキャナ保存制度に沿ってデータ化し保存する作業を効率化するため、A4コンパクトスキャナー「RICOH fi-800R」と、イメージキャプチャリングソフトウェア「PaperStream Capture Pro」を導入しました。

以前までは複合機でスキャンしていたため、ADFにまとめて流せる書類と、ガラス面に1枚ずつ置いてスキャンすべき書類を事前に分別する必要があり、仕分け作業に時間がかかっていました。「fi-800R」導入後は、サイズやフォーマットが異なる書類をまとめてスキャンできるため、事前の仕分け作業が不要になり、スキャン作業の時短が実現しました。

また、電子帳簿保存法のスキャナ保存制度における検索要件を満たすため、イメージデータのファイル名に「取引年月日」「取引先名」「取引金額」を付与する作業を手作業で行っていました。今後は「PaperStream Capture Pro」のOCR機能を活用することで、イメージデータから情報を自動抽出し、ファイル名付与を自動化する運用を確立しています。

5. 納品書を電子化する注意点2選

納品書の電子化を進める際には、いくつかの注意点があります。ここでは、納品書を電子化する際の注意点を2つ解説します。

  • 電子帳簿保存法の要件に沿って保存する
  • 社内でマニュアルを作成する

5-1. 電子帳簿保存法の要件に沿って保存する

紙の納品書を破棄してデータのみで保存するためには、電子帳簿保存法の「スキャナ保存」に関する要件を満たす必要があります。
電子帳簿保存法の詳しい内容は、以下の記事で解説しています。

5-2. 社内でマニュアルを作成する

納品書を電子化する際に、データが混在して管理が煩雑にならないように社内でマニュアルを作成しましょう。

とくに、以下のようなルールを決めておくことで安定的な運用が可能です。

  • ファイル名の命名規則
  • スキャンのタイミング
  • 原本廃棄のルール
  • エラー時の対応

担当者が変わっても同じ品質で電子化運用が継続できるよう、業務フローを標準化しておくことが重要です。

また、マニュアルは定期的に見直しをおこない、法改正や業務改善の内容を反映させることで、常に最新の状態を保ちましょう。

6. 納品書の電子化におすすめのツール

納品書の電子化を効率的に進めることができる業務用スキャナーとイメージキャプチャリングソフトウェアをご紹介します。

6-1. 業務用スキャナー「RICOH fi Series」

RICOH fi Series」は、単に納品書をスキャンするだけでなく、電子帳簿保存法に対応した画像品質の確保と、スキャン作業の効率化を同時に実現することができます。

1) 法令要件を満たす画像を簡単に生成

電子帳簿保存法 スキャナ保存の画質要件を満たす「e-文書モード」を搭載しており、法令要件を満たした画像を容易に生成できます。ユーザーが事前に複雑なスキャン設定を行う必要はなく、納品書を読み取るだけで、法令に準拠した電子データとして保存できます。

2) 画像補正の手間を削減し、スキャン業務を効率化

納品書は、取引先ごとにサイズやレイアウトが異なる場合が多く、スキャン後の画像調整に手間がかかることがあります。

fiシリーズは、異なるサイズの納品書をまとめてスキャンしても、原稿サイズを自動検知し、それぞれに適した形で画像を出力します。
また、横向きや逆さまにセットした場合でも、文字の向きを自動判別して正しい向きに補正するため、読み取り後の回転や修正作業が不要です。これにより、納品書スキャン後の確認・編集作業の負担を軽減し、スムーズな電子保存を実現します。

画像補正のイメージ

6-2. イメージキャプチャリングソフトウェア「PaperStream Capture Pro」

PaperStream Capture Pro」は、帳票を電子化した後に発生する、ファイル名の変更(リネーム)や取引先ごとのフォルダー仕分けなどの管理作業を効率化できるソフトウェアです。

「帳票レイアウト識別」機能により、取引先ごとにレイアウトの異なる納品書をまとめてスキャンした場合でも、用紙サイズや罫線のパターンなどの特徴をもとに帳票種類を自動判別します。あらかじめ帳票ごとにOCRの読み取り位置を設定しておくことで、それぞれのレイアウトに応じて「取引年月日」「取引先名」「取引金額」などの情報を自動抽出できます。

電子帳簿保存法のスキャナ保存制度では、これらの項目で検索できる状態で保存することが求められますが、PaperStream Capture Proを活用することで、検索要件に対応したファイル名付与やフォルダー仕分けを自動化できます。

これにより、納品書電子化後のリネームや仕分け作業を手作業で行う必要がなくなり、電帳法対応と業務効率化を同時に実現できます。

帳票レイアウト識別のイメージ

7. まとめ

納品書は電子化により、業務効率化やコスト削減、セキュリティ強化などのメリットがあります。

しかし、電子帳簿保存法の要件を満たした状態で保存することが重要であり、法規制の確認や社内マニュアルの整備が必要です。

最初から大規模なシステムを導入するのではなく、スキャナ保存から少しずつ対応を始めましょう。

ぜひ本記事を参考に、自社に適した方法で納品書の電子化を検討してみてください。

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