すべてのチェック項目が大事、まるごと調べて安心を届ける

信頼を100%に近づける

PFUイメージ品質保証部長
坂井 聡

お客様に約束するのは「安心・安全で信頼される製品を届ける」ことです。どれほど便利で優れた機能を持っていても、動作に不具合があったり、耐久性に問題があったりすれば良い製品とは言えません。信頼を100%に近づけるために、ソフト面とハード面で膨大なチェック項目を設け、製品をまるごと調べています。

その品質管理への徹底ぶりは「新しく開発した製品を飛行機に載せて世界一周させた」という冗談のようなエピソードが残るほど。現在でも新製品は必ず海外に空輸し、トラックで陸送する実証実験を行っています。

イメージ品質保証部長の坂井聡は「品質管理はものづくりの要です。他部門から見たら不思議なほどの綿密なチェックは、少しの漏れも許されないからです」と話し、守るのではなく“攻め”の品質管理を強調。

どんな環境でも使える“強さ”

世界には道路事情がよくない国もあります。道路は土や砂利で覆われ、人や車が通れば砂や土ぼこりが舞い上がるような環境では、スキャナー内部にほこりや砂が入ると致命的な故障を起こしかねません。そこで、塵埃(じんあい)試験機を導入し、製品の気密性をチェックしています。

この試験を行うようになったのは、2000年ごろにスキャナーの東南アジアへの海外展開を本格化させてからです。中国やタイ、インドなどで使われる機会が拡大したのに対し、急速に表面化していった問題が“ほこりと砂による動作不良”でした。以後、評価項目に「塵埃試験」を追加。JIS規格より厳しい設定で製品の密閉性を確認することで、安定した動きを確保しています。

標高3,000mの気圧を再現

いろいろな場所でいろいろな使い方をされることを前提に、安定稼働に向けた評価をしています。高地では、低気圧環境によりレンズの解像度が低下し画像がぼけるという事例から、「減圧試験機」を導入しました。3,000m以上の高地と同じ環境を再現することで、世界中で安心してご利用いただけることを確認しています。

携帯に便利なScanSnap iX100のようなモバイルスキャナーは、実際にかばんに入れて持ち運び、想定よりも圧力が加わったり、高い位置から落としたりする試験も行います。また、製品のプラスチック材料や基板を燃やし、万一の場合でも燃え広がらないことを検証する「燃焼試験」や、水中に落としたときに感電しないかといった安全性のチェックも怠りません。

大規模な評価施設で電磁波を測定

世界各国で定められた規制に対応するため、自社の敷地内に「10m電波暗室棟」を建設。開発中の製品評価だけでなく、量産製品に問題がないことも定期的に確認を行っています。

また、スマートフォンやパソコンなど、他の電子機器に影響されない、そして影響を与えないことを、外部からの電磁波ノイズを遮断した「シールドルーム」で調べています。

外からの音を完全にシャットアウトする「無響室」も完備。機械で正確な音の大きさを測定しているほか、人の耳でも嫌な音がしないか確かめています。オフィスや窓口、リビングといった静かな場所でも、音を気にせず快適に使っていただけるよう、お客様の立場でチェックしています。

長時間の継続使用や陸海空の輸送にこたえる高耐久性

いつまでも性能が衰えず長く使えるように、「連続給紙テスト」ではカメラ監視の下、24時間紙をスキャンし続け、給紙ローラが正常に機能する限界点も確認しています。また、スキャンボタンをはじめとした、すべてのボタンの動作評価では、人間が押す力の数倍以上の荷重をかけても壊れないか確かめています。

お客様へ製品を届けるまでの経路では、さまざまな輸送手段が使用されます。また、輸送経路においては荷物を積み替えるシーンも多く、さまざまな振動や衝撃が製品に加わります。あらゆる可能性を想定して、製品に激しい揺れを加える「振動試験」や、製品を梱包箱に入れた状態で実際に落とす「落下試験」を実施し、壊れるところがないか確認しています。このように数々の品質評価をクリアした製品を、信頼性とともに、安全にお客様に届けています。

「メイド・イン・ジャパン」の品質を生み出す工場づくり

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