読書で学びを深めたい!読書記録ノートの書き方と活用方法

読書は知識や教養を深めるだけでなく、自己成長を促す貴重な機会です。
しかし、せっかく読んだ本の内容も、時間が経つにつれて忘れてしまうことが多いのではないでしょうか。読書記録ノートをつけることで、本の内容をしっかりと記録し、読書体験をより豊かなものにすることができます。
この記事では読書記録ノートのメリットから書き方、活用方法まで、テンプレートも交えながらご紹介します。特に、ルーズリーフとスキャナーを活用した効率的な読書記録ノート作成術は必見です。
目次
1. 読書記録ノートをつけるとどんな良いことがある?
本を読了した後、その内容や考えたことを読書記録ノートとしてまとめるのは代表的な読書習慣のひとつですが、実際得られるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

1-1. 記憶の定着が促進される
読書記録ノートを作成する過程で記憶の定着と深い理解が促進され、読んだ内容を忘れず知識を自分のものにすることができます。
単に本を読むだけでは、時間が経つと内容を忘れてしまいがちです。しかし、読んだ内容をノートに書き出して整理することで、脳がその情報を再処理し、より長く覚えておけるようになります。
実際、試験勉強の際に教科書を読むだけではなく、ノートにまとめた方が内容が頭に入りやすいと感じた方も多いはず。書くという行為は、情報をより深く理解し、記憶に定着させる効果があるため、読書記録ノートの作成は記憶の定着に一役買ってくれるのです。
1-2. アウトプットの能力が身につく
自分の考えを整理し、それを文章として表現することで、思考力や表現力が身につきます。
本を読んで学んだ知識や感じたことをただ頭に入れておくだけではなく、実際にアウトプットするとなると、読んだ内容をどのようにまとめるか、自分の視点をどう反映させるか考えなければなりません。その過程で、論理的な思考も鍛えられるのです。
純粋に文章を書くトレーニングにもなるため、読書記録を通してインプットとアウトプットの両方を行うことができるといえます。この習慣を続けることで、自然とアウトプット能力が向上し、他者に分かりやすく伝える力や自分の意見を持つ力も磨かれるでしょう。
1-3. 自身の成長過程を記録できる
読書記録ノートを作成する際、読んだ本の内容だけでなく、その時に自分が考えていたことや抱えていた課題を記録するようにしておけば、ノートを定期的に振り返ることで自身の成長を実感することができるようになります。
どうしても時間が経つと、当時の自分が何に興味を持ち、どのような視点で物事を捉えていたのかを忘れてしまいます。しかし、読書記録ノートという形で記録を残しておくことで、その時々の思考や感情が蘇り、自分の変化を具体的に感じられるようになります。
特に、過去の課題に対して今はどう対処できるようになったか、どのような知識を得て成長したかを見ておくことは、自己成長の大きなモチベーションになるでしょう。
2.【初心者向け】読書記録ノートの基本的な書き方&ジャンルごとのテンプレート
それでは、実際に読書記録をする際のノートの書き方を解説していきます。基本情報や要約など、どの本でも共通して書くべきことと、ジャンルによって異なる記載事項があるので、ご自身の中でジャンル別のテンプレートを作っておくのがおすすめです。
2-1. 読書記録ノートにはどんなことを書いたら良い?
読書記録ノートに何を書くかは自由ですが、ノートを見返した時のために書いておいた方が良い項目はいくつかあります。まずはジャンルを問わず共通して使える、基本的な項目をご紹介します。
ジャンル共通の項目
基本情報 | 書名、著者名、出版社、読んだ日付など |
---|---|
要約 | 本の内容を簡潔にまとめたもの |
印象に残った箇所 | 自分の価値観に影響を与えた箇所をメモ |
学び | 本から得られた学びや気づき |
その後の行動 | 本から得た学びをもとに、今後どのように行動するか |
感想 | 違和感を覚えた箇所や疑問に感じた部分も正直に |
基本情報
書名、著者名、出版社、読んだ日付などを記録します。
これらの情報をまとめておくことで、後で振り返った際にどの本から得た知識なのかをすぐに確認でき、読み返す際にも役立ちます。また、どの時期にその本を読んだかを記録することで、その時々の自分の成長や興味の変遷を知る手がかりにもなります。日付をつけておくことで、読書のペースも把握でき、今後の読書計画にも役立つでしょう。
要約
本の内容を簡潔にまとめます。
要約を作成することで、本全体の構成や主要なポイントを理解しやすくなり、学んだ知識を整理する助けとなります。要約を記録する際には、本の中で特に重要なテーマやキーワードを抜き出し、それを自分の言葉でまとめると、より深く内容を理解しやすくなります。ノートを見返してすぐ、本の内容を思い返せるようにすることを目標に、要点をまとめるようにしましょう。
印象に残った箇所
心に残った文章やフレーズなど、本の中で特に印象的だった部分や共感した考え、自分の価値観に影響を与えた箇所をメモしておくと、その本が自分にとってどんな意味を持ったのかを明確にすることができます。また、後でその本を振り返る際に、そのフレーズが自分の考え方や行動にどのように影響を与えたかを再確認するのにも使えます。
学び
本から得られた学びや気づきをまとめます。
単に本の内容を理解するだけでなく、それが自分の仕事や生活にどのように役立つか、自分自身の成長につながる具体的なポイントを記録しておくことで、学びをより実践的なものにできるでしょう。この「学び」の部分は、読書をただのインプットにとどめず、アウトプットへと繋げるステップでもあります。自らが抱える課題や新たに挑戦したいことなど、自身の状況に絡めて学びを残しておくと、具体的な行動のきっかけにもなります。
その後の行動
本から得た学びをもとに、今後どのように行動するかを具体的に記録します。
知識を得ただけではなく、それをどのように実践の場面で活かすかを明確にすることは、読書を自己成長や仕事の成果につなげる糧となります。たとえば、読書を通して学んだことを来週から日常生活や職場で試してみる、まずは1ヶ月間新しい習慣を取り入れてみるといった具体的な行動計画を立てると、学びがより実践的なものになります。この際、具体的な期間を含めて記載しておくことで、行動のモチベーションが生まれるほか、振り返りの際に達成度を測りやすくなります。
感想
読んだ本について自由に感想を書きます。
その本に対してどのように感じたのか、何を考えながら読み進めたのか、またどういった点が期待と違ったかなど、思うがままに書いていきましょう。これは本を読んだ当時の思考や感情を整理し、残しておく大事なプロセスでもあります。ポジティブな感想だけでなく、違和感を覚えた箇所や疑問に感じた部分も正直に記録しておきましょう。こうした感想は、後で他の本と比較したり、時間が経ってから自分の価値観や視点がどう変わったかを確認したりする上で役立ちます。
2-2. テンプレートに使える!本のジャンルごとにおすすめの追加項目
先ほどご紹介した基本的な項目に加えて、ジャンルごとに書いておいた方が良い項目をご紹介します。小説と自己啓発本では読む目的が異なるため、当然それに伴って書いておくべきことも変わるものです。ぜひご自身なりの読書記録テンプレートを作成する際に役立ててみてください。
ジャンル別の追加項目
小説 | 心に残ったシーン、表現など |
---|---|
ノンフィクション | 追加で調べたこと |
自己啓発 | 本から学んだことを実践としてどのように活かすか |
専門書 | 新しい知識、視点 |
小説
小説を読んだ際には、心に残ったシーンや表現を記録しておくことをおすすめします。
物語の中でどのような場面が自分の感情に深く響いたのか、言葉や情景描写をメモしておくことで、その瞬間の感動を鮮明に思い出せるようになります。また、小説ならではの豊かな言葉遣いや表現に感銘を受けた場合、それを自分の読書記録ノートに残すことで、次に読む作品との比較や自分自身の表現力向上にも役立つでしょう。
さらに、物語の中で登場人物や状況に自分を重ね合わせた場面があれば、その気持ちも大切に記録しておきます。自分が登場人物に共感した理由や、ストーリーが自身の人生にどうリンクしたかを振り返ることで、物語の意味を深く理解するための手がかりが見つかるかもしれません。
ノンフィクション
実際に起きた出来事や現実に基づいた内容が書籍になったノンフィクション。読書記録ノートを作成する際には、紹介されている出来事やテーマについて、自分なりに調べたことを記録することが大切です。
たとえば、歴史的な事件や社会問題が扱われている場合、その背景や関係する他の出来事について追加で情報を集めることで、書籍に書かれている内容がより鮮明に理解できます。調べたことをまとめた読書記録ノートは、網羅的に得た知識を整理する場にもなるでしょう。
自己啓発本
自己啓発本には自己成長や人生の目標達成に向けたヒントが詰まっています。これらを読む際は、読むことそのものよりも、学んだことを実践としてどのように活かすかという点が非常に大切になります。本で得た学びをもとに、今後の目標を具体的に設定するようにしましょう。
目標は漠然としたものではなく、できるだけ具体的に設定することで、その達成に向けた道筋が見えやすくなります。そして、その目標を達成するために「これからやること」をリスト化することも忘れないでください。リストの内容は具体的であればあるほど実行に移しやすくなります。
専門書
専門書を読む際には、その書籍から得た学びをしっかりと記録し、自分自身が持っていた知識との比較や分析を行うことが大切です。専門書は、特定の分野における高度な知識や理論をもたらします。これまでに学んだセオリーや既存の知識と照らし合わせながら、共通部分や差異を記しておきましょう。
また、専門書を通じて得た学びが自分自身にどのような影響を与えるのか分析することも重要です。この本によって、これまでの自分の考え方やアプローチがどのように変わるのか、あるいはどんな新しい視点が加わるのかを深く考えることで、単に知識を増やすだけではなく、自分自身の成長にどうつながるかを見極めることができるでしょう。
3. 読書記録ノートをルーズリーフに手書きで作成するのがおすすめな理由
いざ、読書記録ノートを作成する際に迷うのは、「何に書けば良いのか」という点ではないでしょうか。最近ではノートだけでなくスマートフォンやタブレットを使った記録も一般的なので、アナログとデジタルで迷う方も少なくないでしょう。ただ、デジUP!では読書記録を「ルーズリーフ」に「手書き」で作成することをおすすめしています。この章では、その理由を解説していきます。

3-1. 自由度が高いから
手書きの読書記録ノートをルーズリーフで作成する最大の魅力は、その自由度にあります。自分の好みに合わせて思うがままに記録を残せるのは、手書きならではの楽しさです。たとえば、気に入ったフレーズを大きな文字で書いて強調したり、気分によって色分けをしたり...。イラストを添えて視覚的に整理することもできます。ルーズリーフへの手書きは、オリジナルノートを作る手段としてもってこいなのです。
さらに、ルーズリーフを使えば、ページの追加や削除、順序の入れ替えが自由にできるので、内容が増えても情報の整理が楽になります。たとえば、ある本の記録を後から読み返している時に「もっと深掘りして調べた内容を書き足したい」と思うこともあるでしょう。そんな時、ルーズリーフなら必要なページを簡単に追加できるだけでなく、後で見やすいように順番を入れ替えることができるので、記録をどんどん進化させられるのです。
3-2. 知識定着につなげやすいから
紙媒体に手書きで記録することは、単に情報を残すだけでなく、その内容が頭に定着しやすくなるという大きな利点があります。
東京大学大学院、株式会社日本能率協会マネジメントセンターおよび株式会社NTTデータ経営研究所は研究結果として、スケジュールをメモする際に紙の手帳を用いた方が、電子機器を使用した場合と比較して脳の活動が活発になることを示しています。
つまり、ペンを持って手を動かしながら情報を整理することで、頭の中での知識も定着しやすくなるのです。そのため、読んでいるうちに気づいたことや、新しいアイデアもどんどん手書きで書いていく習慣をつけることをおすすめします。
3-3. 持ち運びやすいから
ルーズリーフを使った読書記録ノートは、必要なページだけを持ち運ぶことができる点が大きな魅力です。たとえば、仕事に関する本を読んで重要なヒントやアイデアをメモしたページを、次の日の会議に持参したい時、重いノート全体を持ち歩く必要はありません。必要なページだけを抜き出してカバンに入れておけば、移動中や出先でもすぐに確認することができます。
時には電車に乗っている間にふと読書記録を見返したくなる瞬間もあるでしょう。そんな時、ルーズリーフの数ページを持ち歩いていれば、手軽に取り出して読み返すことができます。このように、移動中や出張先、カフェでのちょっとした時間でも使いやすいのがルーズリーフの強みです。
4. 読書記録におすすめのルーズリーフ3選
ここまでの内容を踏まえ、読書記録ノートにおすすめなルーズリーフを3点ご紹介します。フレキシブルさが特徴の商品や読みやすさに特化した商品など、ご自身のお好みに合わせて選んでみてください。
無印良品 植林木ペーパー裏うつりしにくいルーズリーフ
ボールペンや万年筆のインクが裏うつりしにくいことに加えて、拡張性の高さが特徴のルーズリーフ。バインダーを利用すればインデックスも追加でき、またファスナー付きのEVAケースを追加すると、読んだ本に関する資料も一緒に保管できてさらに便利です。
なお、本商品は複数サイズ展開されており、コンパクトで持ち歩きやすいA5サイズもおすすめです。
コクヨ フィラーノート
シンプルさと使い慣れた形式で、読書記録を自由にメモするのに最適です。ファイル穴つきのノートに読書記録を書いた後、そのページだけを切り取ってファイルやバインダーに整理することができます。スパイラルとじとレポート用紙タイプの2種類があり、好みのノートを選べます。
ナカバヤシ スイング・ロジカルルーズリーフ
「書きやすさ」と「読みやすさ」に特化した設計が魅力です。行間や段落、図表を作る際に使えるロジカル罫が引かれているのが特徴で、読み返ししやすいスマートなノートを作ることができます。たとえば、ビジネス書で学んだ内容を仕事のプロジェクトに活かしたい時、このルーズリーフに要点や図表をまとめておけば、必要な時にすぐ参照できます。読みやすいノートが作れていれば、会議の場でその内容を共有することもできるでしょう。
5. 読書記録ノートをさらに活用する「データ化」のススメ
ルーズリーフで作成した読書記録ノートをさらに活用するための方法として、データ化があります。書きためた記録をデータとして残しておけば、読み返すのがさらに簡単になります。ここでは、データ化のメリットやScanSnap製品の中から選定したおすすめのスキャナーをご紹介します。
5-1. データ化すると便利なこと
いつでもどこでも確認
読書記録ノートをデータ化し、スマートフォンやタブレットに保存して持ち運べば、いつでもどこでもその内容を確認することができます。気になったポイントを確認したい瞬間や、ふと本の話題になった時、すぐに手元の端末から読み返すことが可能です。
さらに、Evernoteをはじめとするクラウドストレージサービスを活用することで、オンライン環境さえあればあらかじめデータを保存していなくても内容を確認することができます。本のタイトルやジャンルなど、データに紐づけた情報をもとに必要な情報にアクセスしやすくなるのも、クラウドストレージサービスを使うメリットです。
共有がラクラク
読書記録ノートのデータ化には、内容を他の人と簡単に共有できるというメリットもあります。気に入った本や心に残ったフレーズを友人や家族と共有しやすくなると、新しい視点や意見を得る機会が増え、読書体験がさらに豊かになることもあるでしょう。周囲を巻き込んで楽しみながら読書を続けるためにも、ぜひ読書記録ノートのデータ化に取り組んでみてください。
5-2. おすすめのスキャナー
読書記録ノートや本の一部を効率的にデータ化するなら、コンパクトで高速スキャンが可能な「ScanSnap iX1300」がおすすめ。デスクに置いてもジャマにならないサイズのスキャナーながら素早くスキャンが可能で、モバイル版ScanSnap Homeとクラウドストレージの組み合わせで、読書記録だけでなく本の一部もデータ化することができます。
スマホやスキャナーを使ったPDF化の方法はこちらの記事をご確認ください。
6. 読書記録ノートをうまく活用して豊かな読書体験を
読書記録ノートは、本を「読むだけ」の状態から「インプット」に変えるツールとして有効です。読書を学びにつなげたいと考えている方はまず1冊分、読書記録を作成してみてはいかがでしょうか。またデータ化との相性も良いので、記録してスキャンし、それを手持ちの端末で読み返すというサイクルを日々の習慣に取り入れてみるのもおすすめです。
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