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「資料」と「会話」さえ持ち出せれば今日から社外で仕事ができる!堀正岳さんに聞くテレワーク実践のコツ

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日本でも多くの企業などがテレワーク(リモートワーク)を取り入れ始めている昨今。科学者でブロガーの堀正岳さんも勤務先がテレワーク可となったため、初めて自宅で本格的な業務を行ってみたそうです。ライフハックの達人でScanSnapプレミアムアンバサダーでもある堀さんに、スムーズにテレワークに移行するためのノウハウなどをうかがいました。

この記事はEvernote社とのコラボ記事です。

目次

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    「いつもやっていること」がそのまま役に立った

    堀正岳さんの本業は科学者。普段は神奈川県の自宅から東京都内にある研究所に通勤し、研究に勤しむ日々を送っています。それが最近少し変化しました。研究所がテレワークを公式に認め、自宅での勤務が可能となったのです。

    「上司の許可を得られれば在宅でよろしい、今年は3月頭から学校も閉まっているので、子供の面倒を見る人が他にいない場合は特別休暇を与える、ということになりました。僕自身は現在、週に2日か3日、在宅で仕事をしています(※)。仕事の性格上、研究所の大容量ハードディスクが必要なこともありますので、残りの日は時間をずらして出勤しています」

    たまたま論文をまとめる時期に入っていたため、巨大なデータを扱う頻度が低くなっており、よりスムーズに移行できたそうです。

    「ただ僕の場合、大きなデータのことを除けば、実は普段やっていることとほとんど変わらないんですよね。もともと論文を書くために必要な資料は、キャプチャーしたり『ScanSnap』でスキャンしたりして『Evernote』の中に入れてありますから、あまり困ることがありません。ですからテレワークが公に可能になったことで、いつもやっていることにお墨付きを得られたという感覚です」

    では、堀さんの「いつもやっていること」を具体的に教えてもらいましょう。不測の事態が発生したときや今後テレワークが可能になったとき、きっと役に立つはずです。

    ※この取材が行われた2020年3月上旬時点

    論文PDFやScanSnapのスキャンデータをEvernoteに入れて活用

    堀さんによると、会社などでの一般的な業務に必要なものは「資料」と「会話」に大きく分けられます。ICTを活用し、これらを手元に引き寄せておくことができれば、社員が社外まちまちの場所にいても業務は行えることになります。

    「僕の立場から資料に関していえば、まず必要な論文はほぼすべてEvernoteに取り込んであります。最近は論文もPDFで回ってきますから。その一方で、職場にいると報告書や予稿集が未だに紙で届くこともあります。それらは綴じられていれば断裁し、職場に置いてある『ScanSnap iX1500』で即スキャンしてEvernoteに送り、iPhoneでいつでも見られるようにしています。これが僕にとっての持ち出し文書ということになります」

    ScanSnapは簡単な設定によって検索可能なPDFを生成できるので、スキャンしてEvernoteに保存しておけば、キーワード検索で手早く目的の書類を取り出せます。またScanSnap iX1500はPC抜きでスキャンすることもでき、読み取ったデータを「ScanSnap Cloud」経由でEvernoteに自動でアップすることも可能。ScanSnapとEvernoteの組み合わせは、手間なしで活用できるのが魅力です。

    「そのほか、研究所のPCからしかアクセスできない論文を外からダウンロードしたい場合は、Googleの『Chrome リモート デスクトップ』で研究所にあるPCのデスクトップを表示して、そこにあるブラウザを使ってダウンロードし、『iCloud』で同期させてEvernoteに入れるという方法を取っています。こうすれば外にいても読みたい資料を拾うことができます。」

    資料として参照する論文はすべてEvernoteに保存。

    では、「会話」についてはどうでしょうか。職場の仲間とのミーティングやディスカッションは多くの場合、仕事に欠かせない要素です。それをテレワーク仕様にするには?

    「最近いいなと思っているのは『Zoom』ですね。Zoomの場合、誰か一人が他の人にリンクを送るだけでスムーズに会話を始めることができます。『どうすればいいですか?』『このリンクをクリックしてください』というやり取りだけで相手もインストールから始められますから。細かいことを気にしなくても会話に入れることはとても重要だと思います」

    「また、声ではなくコメントで会話するという方法もあります。実は新型コロナウイルス問題の影響で国際会議が一つ飛んでしまったのですが、なんとかオンライン上で会議できないだろうかという話になって、研究所内のエンジニアがWeb上に置いたプレゼンテーションの下にコメントできる仕組みを作ったんですね。その上で、コメントを残したら会議に参加したことにするという決まりをみんなで作ったんです。方法としてはブログと同じようなものですが、この仕組みなら証拠が残りますから業績の確認にもなります。今後はこうした動きが加速するのではないでしょうか」

    ポイントは、ScanSnapやEvernoteをはじめ、堀さんのお話に出てきた製品やサービスが、誰でも使えるように設計されて世に広まっているものばかりであること。すでにあるものを利用したり組み合わせたりするだけで、思いのほかスムーズにテレワークを実現することが可能なのですね。

    「ただ、普段オフィスの外にものを持ち出さない人はテレワークに馴染みにくいかもしれません。取っかかりとしては、顧客関連や決済関連など絶対に外に持ち出してはならない情報と、そうではない情報を分けて、出してよいものはEvernoteなど認証のかかったところに置き、自分の責任で扱うということだと思います。それだけでもプレゼン資料や報告書をまとめるといった仕事には十分ですから」

    テレワークは知的なフィールドワークの一局面

    ちなみに堀さんはEvernoteのプレミアムアカウント(有料)を2つ持っており、溜めておく情報の性格に応じて使い分けているそうです。

    「メインで使っているアカウントは直近の情報専用で、特に整理することもなく放り込んでいます。それでも記憶に新しいので、ノートが増えても『これ何だっけ?』と思うほどにはなりません。もう一つのアカウントはアーカイブ専用です。メインアカウントの情報が1年分くらい溜まったら、使わないノートを全部アーカイブ用アカウントに移します。こうすると、メインアカウントで検索するときに10年以上前の不要な情報まで出てきてしまうといった事態を避けることができ、さらに効率がよくなります」

    堀さんは読書をはじめとする趣味の領域の情報もEvernoteに蓄積して、知的に豊かな生活を楽しんでいます。たとえば、読んだ本の概要や登場人物、気になった箇所の引用などをまとめた膨大な記録もEvernoteの中に入っています。それらは書評記事作成のための資料になります。

    堀さんならではの読書記録。仕事の資料も趣味の情報もすべてEvernoteで一元管理している。

    「昔の作家や研究者はこうしたものを書斎に抱えていましたが、今は書斎をクラウド上に持つことができる時代です。書斎と一緒に歩きながら、いくらでも資料を取り出してフィールドワークができるということですね。テレワークにしても、大きく見ればフィールドワークの中の一局面であると表現することもできると思います」

    ICTを活用したテレワークが働き方の一つとして定着すれば、よりフレキシブルで働きやすい社会の実現が近づくかもしれません。まずは現在まわりにある製品やサービスで何をどこまでできるか、整理してみてはいかがでしょうか。

    ※記事中の「Evernote プレミアム」は現在プラン名称が変更されています。
    詳しくはEvernoteへお問い合わせください。

    ■取材協力

    堀正岳(ほり・まさたけ)さん
    ScanSnapプレミアムアンバサダー
    「人生を変える小さな習慣」をテーマとしたブログ、Lifehacking.jp管理人。ライフハックや仕事術、テクノロジー、ソーシャルメディアの最新情報をブログで紹介。 2011年アルファブロガー・アワード受賞。著書は『「リスト」の魔法』『知的生活の設計』(KADOKAWA)など多数。

    ScanSnap_iX1600

    ScanSnap iX1600

    毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。
    ※ 記事中の「ScanSnap iX1500」の後継モデルです。

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