テレワークの課題を解決!便利なサービス19選
働く場所にとらわれず、住む場所の選択肢さえも広げる柔軟な働き方として急速に普及したテレワーク。
「どこで働くか」ではなく「何を生み出すか」に全集中できる反面、他のメンバーの様子が見えないことで「誰が何をやっているのか、いまどんな状況なのか」を把握しにくいという悩みもききます。
今回はテレワークのメリットとデメリットを整理し、テレワークの現場に見られる様々な課題とその解決方法について解説します!
※ 価格はすべて編集部調べ(2021年12月27日現在)
※ 画像はすべて各リンク先(公式サイト)から引用
※ 各ベンダーはアルファベット順
目次
1.テレワークとは
テレワークとは、ICT(情報通信技術)を利用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方です。企業で働く従業員の場合は、在宅勤務のほか、モバイルワークやサテライトオフィスなど自宅以外の場所を就業場所にする形態も含みます。
総務省の通信利用動向調査では、テレワークの導入と労働生産性の関係について、2011年から2020年まで一貫してテレワークを導入している事業者の方が、導入していない事業者と比較して労働生産性が高い、と報告されています。
テレワークの導入と労働生産性の関係(推移)
※労働生産性=(営業利益+人件費+減価償却費)÷従業員数 により算出
※出典:「令和3年版情報通信白書」(総務省)
2.テレワークのメリット/デメリット
導入にともなうメリットとデメリットを具体的に見ていきましょう。
2-1.テレワークのメリット
コスト削減
オフィス賃料などの固定費は、企業のコストに大きく影響します。
日常的にテレワークが可能なオフィスでは、必然的にペーパーレス化もすすめていくことになります。書類を保管するためだけのスペースを自由に使えるようになったとしたら、いまと同じ広さのオフィスは必要でしょうか?
またテレワークの利用が定着してきたら、社員の座席を固定しない「フリーアドレス制」も有効です。出社する社員の割合から全体で必要な座席数を確保し、誰がどの席を使うかは自由とすることで、オフィスのスペースを効率的に活用できるようになります。
優秀な人材の離職を防止
働く人にとってテレワークを利用したい理由の第1位が「通勤時間・移動時間の削減」です。そして第2位以下の理由から、「自由な時間」「家族と過ごす時間」「子育て」「介護」などに時間を使えるようになったことがわかります。
テレワークを利用する/したいと考える理由(複数回答)
時間のゆとりが個々人のQOL向上につながるのはもちろんですが、「子育て」や「介護」、「(病気、ケガの)治療」との両立は、それができない場合に離職の大きな原因にもなります。
会社にテレワーク制度があることで仕事を続けやすくなり、優秀な人材の離職防止につながります。
非常時の事業維持性を向上
オフィスへの出社を自粛せざるをえない非常時にも、テレワークが可能なら、社員の安全性を確保しながらビジネスを継続できます。
総務省の令和2年通信利用動向調査の結果(※)でも、企業がテレワークを導入した目的に「非常時の事業継続に備えて」という理由が最も多くなっています。
平時には働き方改革の側面をもつテレワークは、感染症の流行や災害発生時に事業の継続性を保つという目的においても重要性が高いといえます。
生産性の向上
電話が鳴ったり、話しかけられたり、他人のキーボードの打鍵音が気になったり...。オフィスでは周囲の環境音のせいで気が散ってしまうことも多くあります。
集中しているときに、わずかな時間でも中断されると、再び集中力を取り戻すまでに時間がかかります。繰り返し仕事が中断される環境は、生産性を著しく低下させます。
東京都の調査(※)でも、テレワーク経験者は「(定型的・創造的いずれも)業務の生産性向上」や「業務への集中力向上」をメリットとして回答しています。
※ 東京都「多様な働き方に関する実態調査(テレワーク)結果報告書」
また、顧客先や現場への訪問が多い場合は、サテライトオフィスやコワーキングスペースなど、通信が可能で、集中できる拠点を利用したモバイルワークが有効です。
自宅から移動先への直行・直帰と組み合わせることで、オフィスを起点に往復する「移動のためだけの時間」を減らし、1日の仕事時間を効率よく使えるようになります。
多様な働き方の確保
ICT環境があればオフィス以外のどこでも仕事ができるため、働く場所だけでなく、暮らす場所の選択肢も広がります。
「平日の朝に趣味のサーフィンができる場所で暮らしたい」、「(ケガまたは障がいで)通勤は困難だが在宅でなら働ける」、「高齢になった親の近くに住みたい」...。
個人のライフスタイルや価値観が変化、多様化していくなかで、仕事も生活も充実させるための働き方のひとつがテレワークです。
2-2.テレワークのデメリット
プロジェクトやタスクの管理が難しい
オフィスの壁やホワイトボードを利用した情報共有や、毎日の朝会で進捗や相談事項を会話するなど、「業務の見える化」は、プロジェクトを協力してすすめていくための重要な取り組みです。
オフィスに出社していた頃のように、メンバーが集まり、互いの状況を伝えあえる場がないと、プロジェクトやタスクの進捗管理に難しさを感じてしまうかもしれません。
紙の資料をやり取りできない
仕事に必要な情報を紙の資料でしか確認できない場合、テレワークの前に必要な書類を持ち帰っておかねばなりません。また社内で各種申請書を紙で提出するというルールの場合、書類提出や承認のために出社が必要になり、回送にも時間がかかります。
テレワークをスムーズに行うには、オフィスの紙問題を早期に解決する必要があります。
会議がうまくできない
オフィスでのテレビ会議には何度も参加しているが、いつも誰かに接続してもらっていて自分では操作が分からない、という人もいるのではないでしょうか。
テレワークでのオンライン会議では、誰もが自分のPCから接続することになります。会議システムのちょっとした操作や設定に手間どると、時間どおりに会議を始められなかったり、予定よりも会議が長引いたりと、運営も非効率になります。
コミュニケーションが円滑に取れない
すぐ隣にいれば、ほんのひと言の短い会話ですむことも、メールを何往復もすることになったり、一緒に書類を見ながら説明したくてもできなかったり...。
テレワークだと、ちょっとしたことでも、その場にいない人とのコミュニケーションが取りづらいと感じるかもしれません。
セキュリティ面が心配
オフィス内では、書類やデータ、社内システムなどすべての資産が組織のセキュリティ施策のもとで管理されています。
組織で管理されていない、一般のインターネット回線を介して社内のデータにアクセスする場合、サイバー攻撃や通信の傍受(無断で通信内容を閲覧)といったおそれがあります。
3.テレワークの課題と解決方法
ここではテレワークの導入にともなう課題を解決するための、便利なサービスを紹介します。
3-1.プロジェクトやタスクの管理に役立つサービス4選
タスクの進捗をオンライン上で見える化するサービスを利用しましょう。さらに、同じデータを共同で編集できるようにすると、テレワーク環境でもメンバー全員が協力してプロジェクトをすすめていけるようになります。
名称 | 特徴 | 価格 (1ユーザーあたり、月額) |
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タスクやプロジェクトの見える化から情報共有までの各種ツールを備えた国産ツール。コメントのやりとりでは宛先をメンションして既読管理できます。タスクを登録するとガントチャートが自動生成されるのも便利です。 | スタータープラン: 2,640円 スタンダードプラン: 12,980円 プレミアムプラン: 21,780円 プラチナプラン: 55,000円 ※ プランと価格 |
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チームが共同で作業するためのワークスペース。議事録から各種レポートまで、コンテンツは常にオンラインで更新されます。すべてのコンテンツを1つの領域に保存して、階層的に表示/検索できます。 | Free: 無料 Standard: 660円 Premium: 1,250円 ※ プランと価格 |
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アジャイル開発のプロジェクト管理ツール。スクラム、カンバンなどのフレームワークに応じたテンプレートが用意されており、全体像を把握して進捗をリアルタイムに確認するためのロードマップも備えています。 | Free: 無料 Standard: 月額9,000円 Premium: 月額17,300円 ※ プランと価格 |
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チームの「やるべきこと」を(To Do、作業中、完了など)ステージごとのリストにして可視化。単純なタスク管理だけでなく、組込みの自動化システムを利用してワークフローを自動化することもできます。 | Free: 無料 Standard: $6 USドル (年払の場合$5 USドル/月) Premium: $12.5 USドル (年払の場合$10 USドル/月) ※ プランと価格 |
3-2.オフィスのペーパーレス化に役立つ製品
業務に必要な資料は、スキャナーでデジタル化しましょう。紙の書類を社外に持ち出すことなく、テレワークもしやすくなります。
ScanSnap iX1600なら、面倒な設定をしなくても様々な書類をワンタッチで電子化できます。スキャンするだけで検索可能なPDFに変換できるので、すぐに書類を探せるようになります。
また請求書や領収書など、紙を扱うことの多い経理部門については、帳票類を電子化するとともに、会計システムの導入も検討しましょう。
日々の帳簿づけはシステムへの入力に変わり、決算書やレポートも自動で作成できるようになります。紙で受領した領収書もスキャナーで読み取ってシステムに取り込めるので、入力作業を効率化できます。
読み取ったデータはクラウドに保存されるため、オンラインでいつでも最新の状況を確認できるようになります。
3-3.使いやすいオンライン会議サービス6選
利用したい人数や使いたい機能にあわせて必要十分なサービスを検討し、導入しやすく、操作も簡単なWeb会議システムを選びましょう。
ここでは、社内での会議、顧客や取引先との商談といった利用シーンに使いやすいサービスを紹介します。
社内での会議なら
名称 | 特徴 |
価格 |
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Googleがお客様の情報とプライバシーの保護のために採用しているインフラストラクチャー、セキュリティ機能、グローバルネットワークと同じものが採用されています。Googleアカウントがあれば利用でき、Googleが提供するドキュメントやカレンダー機能などのツールとの連携も手軽に行えます。 | Google Meet: 無料 Google Workspace Individual: $7.99 Google Workspace Enterprise: 問合せ ※ プランと価格 |
Web会議ツールとしてだけでなく、コミュニケーションツールとしても利用できるのが特長です。Web会議以外にもチャット、通話、ファイル共有などの機能があるので、これらの専用ツールを準備する必要がありません。1つのツールで、Web会議、グループ内での情報共有、コミュニケーションの活性化を行いたい場合にお薦めです。 | Microsoft Teams: 無料 Microsoft 365 Business Basic: 540円 Microsoft 365 Business Standard: 1,360円 Office 365 E3: 2,170円 ※ プランと価格 |
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参加者が多いWeb会議の場合でも、高精細な映像・高音質が保たれるのが特長です。また、参加者を少人数のグループに分ける機能(ブレイクアウトルーム機能)を使ってディスカッションすることもできます。デスクトップ以外の各モバイル環境からもWeb会議に参加できます。ホストのZoomアカウントがあれば会議URLを発行できるので、社外のユーザーの招待も容易です。多人数での会議やウェビナーを開催する機会がある職場に適しています。 | 基本: 無料 プロ: 2,000円 ビジネス: 2,700円 企業: 2,700円 ※ プランと価格 |
顧客、取引先との会議なら
名称 | 特徴 |
価格 |
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複数拠点からの同時接続が可能なので、1対1の商談だけでなく、関係者4人まで同席して商談できます。テクニカルサポートも充実しており、ユーザー専用FAQサイト、チャット窓口、電話、B-Roomを使ったリモートサポートの4種類が用意されています。 | ※ プランおよび価格は左記トップページから参照。 | |
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音声の接続に電話回線を使用するため、安定した品質で会話できます。自社でツールをインストールしておけば、取引先はサイトにある接続ボタンを押すだけ。4桁の接続ナンバーを自社に伝えてもらうだけで接続できます。 | 料金表はリンクからダウンロード。 ※ プランと価格 |
3-4.お薦めコミュニケーションサービス7選
ちょっとした会話にはビジネスチャットツールを活用しましょう。メールのような堅苦しい定型文などは必要ありません。対面で話すような気軽さで、リアルタイムのコミュニケーションができます。
名称 | 特徴 |
価格 |
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社内外のユーザーと案件や部署単位でグループチャットを作成し、複数人で会話を進めることができます。メッセージ検索機能で過去のやりとりからキーワードを検索したり、マイチャットで自分だけが確認できるメモやファイル置き場に活用したりできます。 | フリー: 無料 ビジネス: 月額500円(年間契約の場合) エンタープライズ: 月額800円(年間契約の場合) ※ プランと価格 |
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普段から多くの人が利用しているLINEと似たUIデザインや操作性を踏襲。導入時の教育が必要ありません。トーク以外にも、掲示板、カレンダー、アンケート、アドレス帳、メール、Drive、管理などの機能が1つのアプリに連携されているので、機能間の移動がスムーズです。 | フリー: 無料 ライト: 月額300円(年契約の場合) ベーシック: 月額500円(年契約の場合) プレミアム: 月額1,000円(年契約の場合) ※ プランと価格 |
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プロジェクトやトピック、チーム別にチャンネルを作成できます。社内の誰でも参加できるパブリックチャンネルや、招待されたメンバーのみが参加できるプライベートチャンネル、連携する顧客や代理店などとやりとりできるSlackコネクトといったチャンネルを使い分けることができます。 | フリー: 無料 プロ: 月額850円 ビジネスプラン: 月額1,600円 Enterprize Grid: 問合せ ※ プランと価格 |
Workplace | Office 365、Dropbox、SharePointなどの50以上の主要クラウドサービスと統合できます。グループ機能を使えば、主題に対するコメントがスレッド形式で表示されるため、最新の状況把握が容易です。 | Core: 月額$4 +月額$2で追加機能も利用可能 ※ プランと価格 |
社内で情報を共有するには、社内wikiツールの利用をおすすめします。部署やチーム内で、情報の更新や共有が簡単に行えます。
情報が一か所に集約されるようになるため、知りたい情報を検索できるようになります。また、業務マニュアルやポイントなどを登録しておけば、業務の属人化を防げます。
名称 | 特徴 |
価格 |
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情報が不完全でも記事を「WIP(書き途中)」の状態で共有できます。「WIP」状態のドキュメントは更新しても、チーム内に通知されないため何度でも気兼ねなく書き直しができます。更新するたびに履歴が残るので、やり直しも簡単です。 | 申し込み後2ヶ月は無料 その後月額500円 ※ プランと価格 |
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高機能エディターとテンプレートのおかげでフォーマットが標準化されているため、情報の投稿・更新が簡単です。閲覧時、Word、Excel、PDFなどのファイルの中身も全文検索が可能。更新履歴は自動で記録され、変更箇所はハイライト表示されます。 | プラン8: 月額4,800円 プラン15: 月額9,000円 プラン25: 月額15,000円 プラン50: 月額30,000円 ユーザー数が100人以上の場合はホームページをご確認ください。 ※ プランと価格 |
タスク管理、ドキュメント管理、ナレッジ共有、情報管理などを一元化できます。テーブル、リスト、カンバン方式などの様々な表示形式で、タスク管理ができます。また、ドキュメントは、ページを階層化することで、分類できます。 | 個人的: 無料 パーソナルプロ: 月額$4 チーム: 月額$8 企業: 問合せ ※ プランと価格 |
3-5.安全なテレワーク環境のためのサービス3選
テレワークに特有のセキュリティ上のリスクに対しては、組織全体で役割分担を行いながら、複数の対策をとる必要があります。
総務省が策定・公表している『テレワークセキュリティ ガイドライン 第5版』は、組織内での役割やとるべき対策を理解するうえで指針となるものです。
安心してテレワークを導入・活用するために必要となるセキュリティ対策、テレワークの方式に関する解説等も示されていますので、ぜひご確認ください。
リモートアクセスサービスの活用
リモートアクセスサービスを利用することで、テレワークでもオフィス勤務と同じ業務を行えるようになります。
自社で重視したいポイント(通信が集中した際の影響度、導入コスト、セキュリティ統制など)に応じて検討しましょう。
名称 | 特徴 |
価格 |
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速度を重視したVPNネットワークでの高速接続と無制限の帯域幅を利用できる、VPN方式のサービス。設定やトラブル発生時は24時間体制でメールやチャットでの対応があります。 | 1ヶ月: 月額 $12.95 6ヶ月: 月額 $9.99 12ヶ月: 月額 $8.32 ※ プランと価格 |
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Windowsのデスクトップとアプリケーションを仮想化したクラウド環境にアクセスするVDI方式のサービス。業務データをクラウド上に保管し、各ユーザーのデスクトップ環境を一元管理できるためセキュリティが強化されます。 | 要件ごと個別見積 ※ プランと価格 |
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暗号化されたデスクトップ画面を転送するリモートデスクトップ方式のサービス。テレワークに使用する社外の端末には業務データが一切保存されないため、万が一の端末紛失時も安心です。 | 1日100円×使った日数 (1ヶ月最大1,500円) 使わなかった月は月額100円 ※ プランと価格 |
4.まとめ
今回は、テレワークのメリット/デメリット、および導入にともなう課題を解決するためのサービスについてご紹介しました。
いずれのサービスを選ぶうえでも、まずは解決すべき課題と優先度を明確にすることが大切です。
あらゆる場面でオンラインでのコミュニケーションが定着していくなかで、このような便利なサービスは、テレワークだけでなくオフィス勤務での業務効率化にもつながります。ぜひ参考になさってください。
この記事を書いた人
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