ScanSnap

タブレット活用やマークシート導入を促進! アナログとデジタルをつなぐスキャナーが教務デジタル化の扉を大きく開いた

杏和高校情報科教諭の魚住惇先生。

「ドキュメントスキャナー ICT教育支援プロジェクト」に応募して「ScanSnap iX1500」と「fi-7160」を導入した愛知県立杏和高等学校様に、導入によって教員の業務がどのように変わり、また今後どのような可能性が広がっていくかについてうかがいました。

※現在ScanSnap iX1500 は販売を終了しており、現行の後継機種はScanSnap iX1600 です。

目次

    紙の情報を、もっと自由に 情報整理に長けたスキャナーScanSnap

    「ScanSnap iX1500」に導入によってタブレットを積極的に活用できるようになった

    愛知県立杏和高等学校(愛知県稲沢市祖父江町)は総合学科の高校として16年前に開校した公立高校です。大学進学や資格取得などに関するきめ細かい指導に定評があり、近年は情報科の授業にも力を入れています。このたびドキュメントスキャナー導入を主導した情報科教諭の魚住惇先生に、導入の経緯と現在の状況についてお話を聞きました。

    「実はこのプロジェクトに先んじて、杏和高校では2020年の6月頃に『ScanSnap iX1500』を1台、導入していました。ドキュメントスキャナーによる教務のデジタル化はそこからスタートしていますので、まずはその『iX1500』についてお話しします」

    この「iX1500」は魚住先生が学校に頼んで、学校の予算で購入したものです。ICTに詳しく、すでにScanSnapを個人で愛用していた魚住先生は、液晶画面を備えた『iX1500』ならばスキャナーに不慣れな先生方も使いやすいのではないかと考えました。また『iX1500』は、A3判やB4判の紙も二つ折りにするだけで簡単にスキャンできます。その点も大きなポイントでした。

    「学校現場の紙はB4やA3が圧倒的に多いので、A4にしか対応していないスキャナーでは困ります。ScanSnapは以前からB4やA3もスキャンできましたし、『iX1500』以降は『A3キャリアシート』なしでもスキャンできるようになったので、これなら初めての先生方にも使ってもらえるに違いないと考えました」

    「ScanSnap iX1500」の置き場所は職員室のシュレッダーの横。

    「ScanSnap iX1500」の置き場所は職員室のシュレッダーの横でした。

    学校に「iX1500」が導入されたとき、魚住先生が選んだ設置場所はシュレッダーの横。「スキャンしてデータで残し、紙は処分する」という考え方を象徴する場所です。ほかの先生方の反応はどうだったでしょうか。

    「置いたばかりの頃は『何これ? プリンター?』というような反応で、皆さんにすぐ使っていただけたわけではありませんでしたが、僕と同じ分掌の情報推進部の先生は積極的に使ってくださいました」

    「一例を挙げると、県教育委員会からの通知文書などのスキャンです。これらは紙に印刷された状態で管理職から分掌主任に渡されるので、僕は情報推進部の主任の先生からコピーをもらうことになります。そこで僕が主任の先生に提案したのが『紙のコピーではなくPDFでください』ということでした。『iX1500』でスキャンすると教員専用の共有フォルダーに自動で保存されるように設定してあるので、スキャンしたことさえ教えてもらえればすぐに見られるわけです」

    「そうしたところ、主任の先生の作業が少なからず楽になったんですね。もうコピー機でコピーをとらなくてもよくなったので。それを機に主任の先生は、スキャン後の紙はファイリングで保存しておきながらも、探したいときにはPDFを見るようになったようです。やはり、まずは使ってもらうことが重要ということですね。優れた製品は、えてして使ってみないと便利さがわからないものですから」

    こうしてScanSnapを起点にしたデジタル化が始まりました。その一例がタブレットとの連携です。2019年、愛知県の教員に一人1台ずつの『マイクロソフト Surface Go』が支給されましたが、従来は15インチのノートPCを使っていたため、急にタブレットを活用せよと言われて戸惑う先生も少なくなかったそうです。その状況が好転しました。

    「過去に作ったプリントや資料も、ScanSnapで取り込んでPDFにすればタブレットで見られます。そしてSurface GoのUSB Type-CとプロジェクターのHDMIをケーブルでつなぐことで、タブレットの内容をプロジェクターで投影して授業を行うこともできるようになります。そこに至って先生方も授業では軽いタブレットが有利であると実感し、タブレットを積極的に使うようになってきました」

    「中にはScanSnapにとことんハマッてしまった先生もおられますよ。先生方の手元には、他校の先生が作った資料や研究会の資料、論文の冊子、とっておきたいプリント類などがたくさん溜まっているものです。それらを『iX1500』でスキャンすればファイル名をほぼ自動で付けてくれるし、OCRで検索可能なPDFにもしてくれますから、その先生は『これなら検索できるじゃないか』と、どんどんスキャンしてPDF化していました。考えてみれば、もともと断裁機まであるのが学校ですから、ないのはScanSnapだけだったということですね」

    左が1台目の「iX1500」、右は「ドキュメントスキャナー ICT教育支援プロジェクトによる2台目の「iX1500」の液晶画面。

    左が1台目の「iX1500」、右は「ドキュメントスキャナー ICT教育支援プロジェクトによる2台目の「iX1500」の液晶画面。それぞれ「B4&A3」「JPG」「高画質JPG」「数学科用」と、教務に合わせて設定したプロファイルのボタンが並んでいます。

    複数台のスキャナーが揃ったことでテストへのマークシート導入が進んだ

    教務デジタル化のきっかけを作った1台目の「iX1500」に続いて、2020年11月に「ドキュメントスキャナー ICT教育支援プロジェクト」によるスキャナー2台が杏和高校に届きました。同じ「ScanSnap iX1500」と、業務用スキャナーの「fi-7160」です。

    「複数台のスキャナーをどのように設置するのが効率的か、今もまだ考えているところですが、とりあえずは2台とも従来の『iX1500』の近くに置いてスキャナー3台の態勢にしています」

    「ScanSnap iX1500」が2台並び、その近くに「fi-7160」も設置されています。

    「ScanSnap iX1500」が2台並び、その近くに「fi-7160」も設置されています。

    このうち「fi-7160」については、まだ日も浅いためハイレベルな機能の活かし方を探っている最中とのこと。一方、先生方が使い慣れた「iX1500」は、2台になったことでデジタル化をさらに促進する結果になりました。その代表的な例がテストへのマークシート導入です。マークシートのテストでは解答用紙をスキャンし、その画像を専用のソフトで読み取って採点と得点化を行います。このときのスキャンにScanSnapがうってつけなのです。

    マークシートの解答をScanSnapでスキャンし、採点ソフトと連携すれば大幅な効率化が実現します。

    マークシートの解答をScanSnapでスキャンし、採点ソフトと連携すれば大幅な効率化が実現します。

    「先日終わった学年末考査、いわゆる三学期の期末テストでは、数学や家庭科の先生がマークシートを導入しました。僕自身は二学期の期末考査もマークシートで実施していて、ほかの先生方がそれをご覧になっていたことと、『iX1500』が2台に増えたことの相乗効果で『やっぱりマークシートはいいね』という機運が盛り上がったように思います」

    「『ドキュメントスキャナー ICT教育支援プロジェクト』での『iX1500』提供は本当にありがたいことでした。マークシートを導入する先生が増えると、誰かがスキャナーを使っていたら待ち時間が発生することになります。そこにScanSnapの台数が倍になったわけですから、本当に助かりました」

    なお杏和高校の場合、「ScanSnap Home」をインストールして常時接続できるPCが1台のみのため、同じPCで2台目の「iX1500」も同時に使えるよう、魚住先生は「VMware」でPCの中に仮想マシンを立ち上げるという方法をとったそうです。

    1台のPCで2台の「ScanSnap iX1500」を活用するために導入した「VMware」の画面。

    1台のPCで2台の「ScanSnap iX1500」を活用するために導入した「VMware」の画面。ICTに明るい魚住先生ならではの工夫です。

    またマークシート導入に先んじて、先生方に解答用紙をスキャンする習慣をつけてもらったともいいます。このときは多くの教科で解答用紙がB4だったため、生徒に用紙を背中合わせに二つ折りしてもらい、そのまま回収して「iX1500」でスキャンし、マークシート採点用のJPEG画像で保存するという"練習"を行いました。こうした工夫の甲斐あって、マークシート導入は順調に進んでいるといいます。

    「先日の学年末考査では、数学の解答用紙がスキャンしやすいA4になっていました。また休み明けの課題考査では、国語の先生もマークシートを使っていました。記述式のほか、部分的にマークシートを使う形です。それを見て、先生の考え方次第でどんどんマークシートにシフトしていけるのだなと実感しました」

    マークシートの導入は、生徒にとって大学入学共通テストの準備になると同時に、先生方にとっては採点業務の負担軽減にもなるといわれます。具体的にはどの程度、軽減されるのでしょうか。

    「数学の先生に聞いたところでは、マークシート用の問題を作成したりスキャンを試したりすることに一定の時間を使ったものの、採点自体は全クラスが1時間で終わったそうです。記述式の場合、問題の作り方にもよりますが、僕の感覚では1クラス40枚の解答を1時間半くらいで採点できればよいほうだと思うので、全クラス1時間は相当な速さです」

    「ICT活用のポイントは、これまでやむなく時間をかけていた作業を効率化して時短を図り、空いた時間を教員の本分の仕事、たとえば生徒への対応や面談などに充てることにあります。マークシート導入でその時間を確保でき、本当によかったと思います」

    教材作成や授業にもScanSnapが活躍中。スキャンした資料の投影によって学習効果もアップ

    スキャナーの存在は、教材作成などにもよい影響を及ぼしているといいます。

    「我々教員が『これはよい教材だ』と思うものは紙であることが多いため、テストやプリントを作るときに活用しようと思っても、編集にかなりの手間と時間がかかります。でも紙の教材をスキャンしてデータ化し、タブレットやPCを使って切り出して編集すれば、ハサミと糊で切り貼りして作成するのに比べてはるかにスムーズです」

    「この方法が何より優れているのは、OCRによるテキストの抽出です。ScanSnapで検索可能なPDFを生成すれば、PDF上で範囲を選択してテキストをコピーできるので、先生それぞれの様式の中に問題の文章をペーストするといったことが簡単にできます。ScanSnapのOCRは精度が高いので、手直しの手間もさほどかかりません」

    さらにはScanSnapの場合、教材にしたい新聞記事の切り抜きなど、変型の紙でもスムーズにスキャンが可能です。よほど極端な形でもないかぎり、これまでに困った経験はないそうです。

    「先ほどお話しした、スキャンにハマッた先生は資料集も断裁してスキャンしていました。これは授業にとても有効です。もともと資料集は生徒も購入して持っていますが、授業で『資料集の図1を見てください』と言っても、中には『あれっ、どこだろう?』とわからない生徒もいます。でもスキャンした資料をプロジェクターで投影すれば、全員が同じものを確実に見ることになるので学習効果が高まります」

    スキャナー・タブレット・プロジェクターを連携させることで実現する、効率的かつ効果的な授業の一例といえます。

    「これまで先生方はいろいろなICTにトライしてきましたが、たとえば電子黒板にPowerPointで作ったスライドを映して授業をすればよいといっても、そのスライドを作ること自体がものすごく負担になっていたんですね。でも基本的なところからデジタル化していけばよいわけですから、教科書や資料集をスキャンして投影するだけでも十分だと僕は思います」

    「本校では家庭科の先生がすでに実践されています。家庭科では生徒に見せる画像がたくさんあります。そのうち教科書に載っている図やグラフだけでもプロジェクターで拡大して見せると、本当に学習効果が上がるようです」

    このように杏和高校では現在、先に導入した「ScanSnap iX1500」と、「ドキュメントスキャナー ICT教育支援プロジェクト」によって提供された2台のスキャナーが教務デジタル化への道を切り開きつつあります。

    「今後はマークシートのテストがもっと増えてもよいと僕は思っています。また、学校評価などのアンケートの集計は未だに先生方が『正』の字を書いて行っているので、そこもぜひマークシート化していきたいところです」

    魚住惇先生

    ScanSnapがさまざまな教務のデジタル化に役立っています。

    インタビューのまとめに、学校のデジタル化の中でスキャナーが果たす役割について改めて聞きましょう。

    「GIGAスクール構想によって学校にデジタル化の波は来ているとはいえ、現在は移行期間だと僕は思います。デジタルでやっていこうといっても、学校におけるほとんどの情報は紙ですから。となると、現在の課題は『紙をどうやってデジタル化するのか』ですよね。そこで、アナログ情報をデジタル情報に変換するツールとしてのスキャナーが大きな存在になってくるわけです」

    「ここで重要なのは、『学校にスキャナーがある』ということ。ScanSnapに関していえば、実は個人で持っている先生も多いと聞いています。でも、個人としてスキャナーの便利さと重要性を認識していても、学校にスキャナーがなければ始まりません。やはり、学校の予算で導入したスキャナーが学校にどんと置いてあって、学校で支給された端末にちゃんとつながっていて、いつでも使えるという環境を整備することがいちばん大事です。それがあって初めて、多くの先生方がデジタル化を果たしていくことの地盤になると思います」

    魚住先生、ありがとうございました。

    愛知県立杏和高等学校の外観。

    愛知県立杏和高等学校の外観。

    魚住惇先生

    魚住 惇(うおずみ・じゅん)
    愛知県立杏和高等学校情報科教諭。ScanSnap プレミアムアンバサダー。『教師のiPad仕事術』著者。

    ブログ:さおとめらいふ - 教師のiPad 仕事術
    Facebook:魚住 惇(ジュン)
    Twitter:@jun3010me

    ScanSnap_iX1600

    ScanSnap iX1600

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