ScanSnap

全校生徒がiPadを持つ同志社中学校の図書館には誰もが使えるScanSnapが

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7年前からひとり1台iPadの施策を進めてきた同志社中学校。その経験を活かして、昨年4~5月の緊急事態宣言時も、在宅で問題なく授業を続け学びを止めることはなかった。ICT教育の準備をしっかりと行っていれば学校休校時の教育の持続性も極めて高く、本当に生徒のためになることが分かった。

目次

    紙の情報を、もっと自由に 情報整理に長けたスキャナーScanSnap

    7年前からひとり1台開始 全学年がそうなって5年

    「ひとり1台の端末を」と唱えた文部科学省のGIGAスクール構想。多くの学校で、WindowsPC、Chrome Book、iPadなどの導入が進んでいるが、上手くいっているところもあれば、ルールが多過ぎて活用できていない、端末のパフォーマンス(処理能力、バッテリー持続時間など)が悪くて活用できてない、校内のWi-Fiのパフォーマンスが足りず困っている......というような話を聞く。

    関西の私立の雄、同志社大学の系列である同志社中学校では、すでに2014年の1年生からひとり1台のiPadの導入を開始。2016年には3学年ともiPadを使える環境を整えた。

    「iPadにした理由はいろいろあります。バッテリーが長持ちするというのも理由のひとつです。また直感的な操作ができるため、レクチャーが不要だというのもありました」と同校のICT教育を主導する英語科の反田任(たんだ・たかし)先生は言う。教育系で、実際に使える有効なアプリの数が圧倒的に多い、画面が美しく、写真や資料が美しく表現できると、実際に教育に使うなら、iPadしかないような評価だった。

    「最初は、電子辞書の置き換え的なところからスタートしたので、iPadminiに英和辞書、国語の辞書も入れました。技術科の授業で作品の制作過程のレポートをカメラで写真を撮ったりして......そうやって、どんどん活用範囲が広がっていきました」

    左:iPad でアクセスした『同志社中学校学習ポータルサイトe-CAMPUS』。全校へのお知らせや、教材配信はここから。見逃したプリントもダウンロードできる。
    右:英語の課題。PDFで入手して、Apple Pencilで書きこんで回答することができる。進められる生徒は、どんどん課題を進めて先に進んでしまえるとのこと。

    同校は『教科センター方式』といって、学内に各教科の教室が分散配置されており、授業ごとに生徒が移動する。iPadのバッテリーライフの長さは、こういった環境にも好都合だった。

    2カ月間問題なくオンラインで授業を開講

    もともと、6年前から導入を始めており4年前からは全学年でiPadを積極的に使っていたので、コロナの影響で緊急事態宣言が出た2020年の春にも、4月からスムーズにオンライン授業に切り替えられたという。

    4月の最初からZoomや学習ポータルサイト、ロイロノートスクールなどを活用して学習を継続できたという。

    「iPadを使っている本校の学生は、アップルのスクールワークはもちろん、オフィス365も、Google Classroomも使えます。3つのプラットフォームのすべてを使えるというのもiPadのメリットのひとつだと思います」

    左:どこまで課題をやったか、残った課題が何なのかもひと目で分かる。これならリモート学習でもやることを見失わずに済む。
    右:昨年4 ~ 5月のリモート授業の時期は、先生方がそれぞれ繰り返して見られるように、字幕入りの授業動画を作成したという。

    左:1回ではついていけなくても、くりかえし見たりすることができる。英語の授業なども発音を繰り返して聞けるのが良さそうだ。
    右:学年ごとに、同じ年式の予備のiPad が大量に保管されている。壊したりして修理中でも、授業を受けられるようにするためだ。

    「4~5月の2カ月間は完全にリモートで授業を行っていました。最初のうちはさすがに先生も慣れていないので、学校で先生を対象にセミナーを開いて、オンデマンドで流す動画をどう作るかのレクチャーをしたり、Zoomの使い方の練習をしたりしました。今は先生方には各教室にMacBookAirと、ひとり1台のiPadを用意しているので、Keynoteでスライドを制作し、表示しながら画面収録」というようなことも可能になっています」

    突然のことだったのに、意外と先生方は積極的に動画を作ってくれたという。

    「さすがにオンラインで6時間の授業は受ける方も無理があるので、特別時間割にしてオンラインの授業を行いました」

    授業時間が足りない分は、体育祭、学園祭、球技大会などが中止になったことで補えたという。6月からはもう登校して授業を受けているが、遠方から電車通学する学生の多い学校なので、密を避けるために始業時間を約1時間遅らせてラッシュの時間帯を避けているという。

    「こうなると、オンラインの良いところもありますから、全部を学校でやらなくても良いのかな......とも思います。Zoomで授業をしたり、オンデマンド授業を行って、何をやったかはクラスルームでやりとりするのも良いです」とのこと。早くからiPadを導入して、生徒・先生とも扱いに習熟している学校ならではである。

    iX1500は生徒が自由に使えるfi-7160は、先生が『デジらく採点2』と連動させる

    同志社中学校はPFUの『ドキュメントスキャナーICT教育支援プロジェクト』の対象校。

    これはコロナウイルス対策として、オンライン授業・校務をを支援するために、PFUがScanSnap iX1500、fi-7160、そして採点ソフト『デジらく採点2』を、全国の小中高等学校のうち25校へ提供するというもの。同志社中学校はこれに応募し、提供を受けている

    ※現在ScanSnap iX1500は販売終了しており、現行の後継機種はScanSnap iX1600です。

    iX1500は図書室の目立つところに設置され、生徒が自由に使えるようになっている。

    左:オープンな雰囲気の図書・メディアセンター。約380台まで接続できるFRUNOのアクセスポイントが数多く配置されており、強力な通信環境にある。
    右:学校のWi-Fi 回線は多くの生徒が同時に接続するために負荷がかかりやすい。同志社中学校では最近Wi-Fi ルーターを更新。FRUNO SYSTEMSの1基で約380台まで接続できるWi-Fi ルーターを多数導入。

    簡単なマニュアルも一緒に置かれており、それを見れば誰もがScanSnapを使って、スキャンした画像を手元のiPadにスキャン画像を送ることができる。実際に、学校から配られたプリントや、手書きのメモなどをスキャンする生徒が多いという。

    ご覧のように、簡単な設定で生徒たちが紙のプリントをiPadで閲覧できるデジタルデータにできる。生徒達の方がすぐに慣れて、たまに手書きの紙や、プリントをスキャンしていくという。

    図書室の一角のテーブルに、ScanSnap iX1500が鎮座している。生徒達が、いつでも触れるところにScanSnapがあるなんて、本当にうらやましい環境だ。

    左:生徒のiPad で、スキャンするにはどうしたらいいかが簡単な説明にまとめられている。アプリをダウンロードして、Wi-Fiを繋ぐだけと簡単。
    右:学校側が用意しているアプリはmobi Appsオンデマンドから自由にダウンロードできるので、まずScanSnap Connect Appricationを探す。

    左:iX1500のタッチディスプレイに、スキャナー名とIPアドレスが表示されるので、iPad のアプリをタップすると、Wi-Fi 経由で接続される。
    右:ダウンロードされたScansnap Connect Apprication。安全なアプリだけが、ここに用意されている。

    左:ScanSnapがiPad に接続されると、ディスプレイは黒く反転する。わかりやすいインターフェイスだ。
    右:あとはiPad 側でも、iX1500側でも、どちらのスキャンボタンを押してもスキャンされ、iPad のアプリ側にスキャンデータが取り込まれる。

    fi-7160の方は取材時にはまだ実稼働はしていなかったが、生徒のテストを、1クラス分まとめてスキャンすると、一緒に提供されたアプリ『デジらく採点2』により自動的に採点されて集計されるようになるのだという。

    コロナ禍で、子供たちが課題に取り組む時間が増え、先生方が採点しなければならない課題が膨大になってるという。そういった問題に対するプランとして、fi-7160と『デジらく採点2』の組み合わせは注目したい。

    コロナ禍の影響からは今後徐々に世の中は回復していくと思われるが、ICTの進んだ学校は災害の状況下でも学びを止めることなく、生徒が危険を冒す事無く学習を継続できることが分かった。他の学校も同志社中学校から学ぶことは多いことだろう。

    左:こちらは先生の利用を前提にPFUからモニター提供されたfi-7160。『デジらく採点2』と一緒に使うことが前提とされている。
    右:コロナ禍で課題が増えているので、先生方の採点の手間が非常に大きくなっているとの話があり、PFUが全25台の提供を決めた。

    ■取材協力

    反田任

    反田任(たんだ・たかし)先生
    同志社中学校のICT教育を先導した。担当教科は英語。Apple Distinguished Educator 2015に選ばれている。

    同志社中学校

    同志社中学校はその歴史を遡れば、新島壌が1875年に創立した同志社英学校にルーツを持ち、同志社尋常中学校として始まってからでも115年の歴史を持つ。中高一貫の共学校で、多くは同志社大学に推薦で入学する。自由な校風で、昔から制服も髪形の規制などもない。もとよりキリスト教主義の学校で、英語教育にも熱心であったが、近年ICT教育に非常に力を入れており、2014年の1年生からひとり1台のiPadを導入。その先進的なICT教育は多くの他校の注目するところとなっている。

    https://jhs.js.doshisha.ac.jp/

    記事制作:flick!編集部
    本記事は『flick! digital(フリック!デジタル)特別編集 デジタル超整理術 リモートワーク編』に掲載されました。
    記事は2021年2月18日時点の内容です。
    (注:デジUP!に掲載するにあたり、一部加筆修正致しました)

    ScanSnap_iX1600

    ScanSnap iX1600

    毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。

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