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カレー沢薫のなりゆきデジタル化ぐらし〜Vol. 13〜

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目次

    現在2月下旬であり、本格的な確定申告シーズン到来だ。

    しかし我々フリーランス、特に漫画家の中には2月を確定申告シーズンだと捉えていない者もおり、2月に確定申告の準備をしているというと「早く取り掛かっていて偉い」ではなく「落ち着け」と諭されることさえある。

    漫画家と確定申告と言えば、過去申告漏れを指摘された者もいるが、「邪悪指数」はそこまで高くないと思っている。

    なぜなら、大抵の動機は「確定申告のことが良くわからず先延ばしにしている内にこうなった」である。

    そんなことあるかと思うかもしれないが「ありえない」と言っている人間ほど年末調整勢であり、同業者は軒並み「あるね」と思っている。と思う。

    脱税は脱税なのだが「税金って払わなければタダじゃん」という天才的なひらめきにより、故意に脱税しようとするならば逆に確定申告はすると思う。

    した上で、売上未計上や経費の水増しなど、バレないように税を脱しようとするはずであり、確定申告自体しないという裸一貫どこからでもかかってこいと言わんばかりのノーガード脱税はしないだろう。

    なぜこんな危険なことを、と言われたら「確定申告がわからなかったしそれをしないことで何が起こるかもわからなかった」としか答えようがない。

    もちろんシステムを知らなかったからと言って、丸タートル製麺の天ぷらを順に食いながらレジに進んでも無罪というわけではない。

    裁判官も「年の割に社会制度の常識がなさすぎる」と、巻き添え被弾するフリーランスが5万人はいそうなことを言って断罪していた件もあったが、その後活動再開しており、世間にも「マジで悪気はなかったのだろう」と伝わった結果と言えるかもしれない。

    もちろんすべてのフリーランスがこんな感じではないのだが、そういうこともありえるので、編集者は売れている作家に対し、舐めてんのかと怒られる覚悟で「先生は確定申告というものをご存じですか?」と聞くべきだ。

    さもなければ「あの巨人は結局なんだったのか」というでかすぎる謎を残して人気作が終わりかねない。

     

    ともかく、わからなかった、では済まないので、どれだけ年の割に社会制度の常識が欠けていても、確定申告はしなければならない。

    今まで、写真や通知表、おくすり手帳などをスキャンしてきたが、そういった個人的なものをスキャンするのにScanSnapを買うのは敷居が高いだろうし、ScanSnapを導入しなければさばき切れないという量のおくすりはもらわないに越したことはない。

    やはりScanSnapが輝くのは事務作業、特に確定申告を自分でやっている個人事業にとっては、案件であることを差し引いてもおススメである。

    私は「わからなかった」と言って法廷に立つ側なので、自分で確定申告することはあきらめ税理士に依頼しているのだが、それでもScanSnapは役に立っている。

    書類は紙のまま税理士のところに郵送するのだが、一発でOKになることなどほとんどなく、足らない書類を追加で送れと毎回言われるのだ。

    数枚の書類を再び郵送するのは面倒だし時間もかかる、よってそれらはScanSnapPDF化してメールで送ればよい。

    しかし、私が契約している税理士はスカンジナビアのバーで出会ったミステリアス美女よりガードが固く、提携してから5年ぐらいメールアドレスを頑なに教えてくれなかった。

    せっかくPDF化していてもそれを送る術がないと無意味なので、ScanSnap導入前に、税理士にアドレスを聞いておいた方がいいし、間違っても連絡手段がFAXの税理士とは契約してはならない。

     

    また税理士に依頼している人より、自分で申告している人の方がよりScanSnapを有効活用できると思う。

    確定申告で一番面倒なのは領収書の集計だと思う。

    スキャン時に緊張感があるのは、厚いものよりも、むしろ薄いものである。スキャン途中で詰まり、救出した時には原型をとどめていないという凄惨な事故を想像するからだ。

     

    そんなわけで今回スキャンするのは「レシート」である。

    何もそんな命知らずなことをしなくても、そういうのはガラス板に乗せて穏便に読み取ればいいんじゃないかとも思うが、そんなことをしているから確定申告な行為に時間を取られるのだ、こんなものは怒りに任せてScanSnapにぶち込んでやればいい。

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    ボタン長押しで長いレシートもぶち込める

    そんなラソボー怒りの確定申告だったのだが、レシートは無事生還した。

    領収類というのは「定型」という概念を覆すフリースタイルな形で発行されがちなので、自力で数百枚の領収書をさばかなければならないフリーランスは、買っていいと思う。

    ちなみに私の今年度確定申告書類はすでに税理士に送ったし、不足分もスキャンして送った。

    その後税理士からは「事業税...」という不穏な確認電話が来て以来連絡がないので、万事うまくいっているのだろう。

    万が一、私が「わからなかった」と言って、法廷に立っていたらそういうことだし「本当にわからなかったんだな」と思って欲しい。

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    ScanSnap_iX1600

    ScanSnap iX1600

    毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。

    この記事を書いた人

    漫画家・コラムニスト カレー沢薫

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    元気な漫画家、まだまだ成長中。文章をかきます。

    karezawakaoru

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