公開日 2023.5.16
共働き夫婦が家事を上手く分担できていないと、どちらか一方の負担が大きくなったり、不公平さを感じたりして、家事に対する不満が生まれてしまいます。
そこで役立つのが、「家事分担表」です。家事分担表とは、どの家事を誰が担当するのかを可視化した表で、この表を使用すると、家事の分担をわかりやすく管理できます。
この記事では、家事分担表を使うことのメリットや、家事分担表を作るための準備、作り方の例などを解説します。家事分担のモヤモヤを解消したいご夫婦はぜひ参考にしてください。
まず、家事分担表を作るメリットを3つ紹介します。
家事の内容を表にまとめることで、日・週・月ごとに行うべき作業がどれくらいあるのかを夫婦で共有しやすくなります。
また、「炊事」「洗濯」「掃除」など名前のある家事の他に、普段は気付かなかったり無意識にこなしていたりする見えにくい家事も、夫婦で認識を共有できます。
見えにくい家事を洗い出し、誰が担当するのかを決めることで、負担の軽減・分散につながります。
家事の分担を口頭で決めるだけだと、いつの間にか忘れてしまい、つい以前の習慣でパートナーのどちらかに負担が偏ったままに戻ってしまうことは少なくありません。
家事分担表を作って見えるタスクとして家事を管理しておけば、責任感が芽生えて継続しやすくなります。
すでに終わった家事に対して「ちゃんと終わった?」と聞かれると、ムッとしてしまう人も多いもの。
完了した家事に印を付けられるタイプの分担表を作って、チェックすることを習慣付ければ、相手に聞かなくても家事の進捗がわかるようになります。
また、家事が終わっているとわかったとき、お礼を伝えやすいという効果もありますよ。
家事を分担するにあたり、どんな家事があるのか、どの家事を誰が担当するのかを考えなければなりません。
実際に家事を分担するときは、以下の2ステップで決めましょう。
まずは思いつく家事を細分化しつつ、書き出してみてください。これは、家事の内容を夫婦で共有し、認識差を生まないためのステップです。
例えば、「洗濯」を担当することになった場合、片方にとっては「脱ぎ捨てられた服やタオルなどを回収し、洗濯機で洗ったあとはシワにならないよう振りさばいて干し、乾いたら畳んでしまう」と考えていても、もう一方にとっては「洗濯機を回す」だけかもしれません。
家事を一度細かく分けて考え、「ここからここまで、まとめて“洗濯”担当にしよう」などと話し合いましょう。
炊事、洗濯、掃除などわかりやすい家事の他、トイレットペーパーの交換やゴミ出し、常備品の確認と補充などの見えにくい家事も書き出して共有します。ただし、家事の細分化は重要ですが、細かくこだわりすぎても洗い出しが大変です。後になって漏れているものがあれば、気付いたときに追加していけば問題ありません。新たな家事は、その都度相談しつつ分担していきましょう。
次に、書き出した家事を夫婦で分担します。
1人が固定で担当するもの、交代制にするもの、気付いたときにやるものに分けて決めましょう。
家事分担は、項目をきっちり半分にしようとすると、内容のバランスなどで「相手の方がラクしている」といった不満につながりかねません。それぞれが得意なことや生活スタイルなどを考えつつ、お互いが納得できる形で分担することが重要です。
ここからは、家事分担表の作り方を3つ紹介します。メリットやデメリットも踏まえて、自分たちに合ったものを作ってみてください。
共働き夫婦におすすめの家事分担表の作り方
100均グッズのホワイトボード、マーカー、マグネットで家事分担表を作成できます。油性ペンもあると便利です。油性ペンとホワイトボードマーカーを使い分けて、消したくない部分を油性ペンで書くと、必要な部分のみ書き換えられます。また、家事はマグネットシートに書くとよいでしょう。分担を見直したいときや家事を追加したいときは、マグネットシートだけ変更すればよいので、簡単に分担表を更新できますよ。
この家事分担表のメリットは、作成後の調整や変更もしやすく、何度も消して使い回せるところ。空いたスペースにメモ欄やチェックボックスを作るのもおすすめです。
デメリットとしては、消して書き直す手間がかかることや、小さなサイズのホワイトボードだと細かい分担を入れられないことが挙げられます。
・磁力のあるホワイトボード
・マグネット
・マーカー、油性ペン
・カッターまたはハサミ
マグネットは丸いものや四角いもの、自由にカットできるシートタイプまでさまざまな種類があるので、どう使うか考えながら選びましょう。
用意したマグネットをカッターやハサミで切り、分担したい家事を書きます。消す必要がないものは、油性ペンで書くのもおすすめです。
ホワイトボードに枠線や朝・夕などの変更しない部分を書き込みます。
次に、枠の中にマグネットを貼って、分担表を埋めていきます。色や形の異なるマグネットを使って担当者がわかるようにすると、分担も簡単に変更しやすくなります。
子どもも参加する家事分担表を作るときは、家事の項目にイラストを入れたり、完了・未完了がわかりやすいよう両面で使えるものを作ってみましょう。マグネットをひっくり返して貼るだけで家事が終わったサインになるので、子どもも簡単に参加できますよ。
家事分担表として販売されている商品もあるので、イチから作るのではなく既製品のマグネットやシールを買うのもよいでしょう。ただし、既製品にない家事や項目を追加する場合、自分達で新たなマグネットを用意しなければいけません。
ExcelやGoogleスプレッドシートでも、家事分担表を作成できます。PCやタブレットを使って家事分担表を作成し、Googleスプレッドシートで共有すれば、インターネット環境のある所でいつでも編集・確認ができます。
ExcelやGoogleスプレッドシートで作成すれば過去の表もかさばらず保存できるため、保存場所に困りません。過去のデータを確認しながら、分担の見直しや項目の変更も簡単にできます。
ただし、スマートフォンで変更・編集したいときは小さな画面でファイルを開いて操作しなければいけないため、操作に手間がかかる点がデメリットです。シートを共有するときは、共有者の権限設定(閲覧のみ・編集可など)を忘れないようにしましょう。
まず、Googleスプレッドシートの公式サイトにログインして、スプレッドシートを新規作成します。
次に、シート内で家事分担表のベースとなる枠を作り、曜日やチェック欄、項目を入れる欄などを作成します。
さらに、家事の項目を書き込み、曜日ごとや項目ごとに担当を埋めていきます。担当がわかりやすいように、色を使い分けたり、必要のない曜日はグレーアウトするなどして、見やすく変更しましょう。
日や週、月ごとにシートを作ったり、チェックボックスを配置したりと、使いやすい仕様を夫婦で確認しながら作り替えるのもよいでしょう。
表が完成したら、URLをスマートフォンに送って夫婦で共有。Googleスプレッドシートで共有すれば、家でも出先でも分担を確認できるので便利です。また、Excelで作成した表をGoogleスプレッドシートにインポートして共有することもできます。
「表をイチから作るのはちょっと…」という場合は、Web上でGoogleスプレッドシートを公開・シェアしている人がいるので、参考にしたりテンプレートとして利用するのもおすすめです。
無料で使えるテンプレートを活用して、自分たちにあった分担表を作成・カスタマイズしてみましょう。
「スマートフォンやタブレットを使ってサクッと家事分担したい」という方におすすめなのが家事分担アプリです。
出典: 「魔法の家事ノート _ 35style(サンゴスタイル)(http://ilike.style/housework-app)」より引用
家事分担アプリを使うと、スマートフォンで家事を入力できて簡単にタスク化できます。アプリには、通知機能や感謝の気持ちを伝えやすくする機能も付いているので、機能を活用して家事分担を習慣化しやすいというメリットもあります。
紙に印刷できない点や、家事をシェアするパートナー・家族をアプリ内で招待しなければいけない点など、アプリ特有のデメリットはありますが、自分たちの家事分担の考え方にあったアプリを使ってみてはいかがでしょうか。
家事分担アプリのおすすめは?共働き・専業で使える人気アプリを紹介
家事分担表は家事の負担を分散したり不満を解消したりすることに有効ですが、別のトラブルを引き起こす原因になることもあります。
例えば、一度決めた分担で実際に家事を始めたところ、相手の方がラクに見えてモヤモヤしてしまったり、分担表にこだわりすぎてイライラしたりと、ストレスの原因になってしまうことも。
このようなトラブルを避けるためのポイントを2つ紹介します。
家事は生活の一部です。毎日するものだからこそ、一方的に作業を割り当てたり生活スタイルを考慮せずに分担を決めたりすると、後々のストレスにつながります。
また、パートナーに求める家事のレベルや行ってほしい頻度が合わず、結果的にやり直したり手伝ったりすることで、お互い不満を募らせてしまうというケースも。
家事分担を決めるときは、家事にかかる時間や行う頻度、時間帯などを考慮して、不満が残らないように割り振りを考えましょう。
体調不良や急用などで、担当の家事をこなせないときもありますよね。分担表で決めたことにこだわりすぎず、交代しあうのもOKと決めておきましょう。
イレギュラーな状況があっても、お互いの予定が分かっていると臨機応変に対応できます。
家事分担表とあわせてスケジュール共有アプリの活用もおすすめです。
夫婦のスケジュールを共有!無料で使えるおすすめのアプリ3選を比較
せっかく作った分担表も、3日坊主になってしまってはもったいないですよね。次は、決めた家事分担を継続させるコツを3つ紹介します。
まずは作った分担表をリビングの壁や冷蔵庫付近など、目に付く場所・見やすい場所に貼りましょう。目に見えるようにしておくだけで、普段から意識できるようになります。
他にも、スマートフォンで写真を撮っておくのもおすすめです。出先や別の部屋にいてもチェックできて便利ですよ。
分担表通りに全ての家事を分担することを目指さないことも継続のコツです。残業や急用などで予定通りに進められない場合もあることを忘れず、できるときにできる家事をこなしていきましょう。
それでも家事が思うように進まないときは、時短家電を導入するのもおすすめです。便利な家事グッズを使えば、家事一つ一つの負担軽減につながります。
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納得して決めた分担だからといって、相手に任せきりではなく、お互いに感謝を伝え合うように意識しましょう。
きちんと感謝の気持ちを伝えることで、自身の役割により前向きになり、家事分担の継続につながります。
家事分担表のフリースペースに相手へのメッセージを書き込めるようにしておくのもよいですね。
家事分担表を作るときは、きちんと話し合うことでお互いの負担を理解し、夫婦間での家事を巡るストレスやトラブルを解消できます。
ただし、小さな不満を残していたり、家事に対しての認識やモチベーションに差があったりすると、後々トラブルになることも。疑問や不満が出たら早めに話し合いましょう。
家事分担を続けるには、一度決めた分担でも微調整をしたり、予定にあわせて臨機応変に対応したりすることも大切です。お互いの得意不得意や都合を考慮して助け合いながら、感謝の気持ちを忘れずに家事分担を続けましょう。
※GoogleスプレッドシートはGoogle LLCの商標です。このコンテンツはGoogleによって承認されたものではなく、Googleと提携しているものではありません。
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