多種・大量の書類をデータ化することでテレワークが可能になり、業務改善の礎にもなった|豊テクノ株式会社 経営企画部 管理グループ(ScanSnapテレワーク支援プロジェクト)
豊テクノ株式会社様に、ScanSnap導入によってテレワークがどのように変わったかを伺いました。
目次
高精度の精密切削・研削加工技術で自動車のエンジン・ミッション部品などを製造する豊テクノ株式会社の業務が新型コロナウイルス問題の影響を大きく受け始めたのは、内外の製造業が軒並み開店休業状態に陥った2020年4月のことでした。
「自動車メーカーからの発注が目に見えて減ったので、生産現場の社員に関しては木曜日と金曜日を休みにすることになりました。ただ、私の所属する経営企画部などの間接部門は休めない事情もあり、テレワークに移行することも難しかったので、できるだけ毎日出社するようにしていました」
「テレワークに移行しにくかった理由は、業務上の書類が非常に多く、しかもそれらがすべて紙だからです。現場で何かを生産すると日報が紙で出ますし、その製品を検査すると製品検査成績書が発生し、出荷すれば売上伝票が出てきます。紙が仕事の起点になっているということですね」
それらの書類は、いつもなら押印のために、紙のまま人の手から人の手へ渡っていきます。
「私の業務は生産管理や購買なので、日々の出来高を早く知るために、それらの書類が回ってくるといち早く見る必要があります。ところが家にいると、それができなくなってしまうんですね。電話で聞けばよいとはいっても、書面で見ることと電話越しに聞くのでは意味合いと確実さがまったく違います」
そこに届いたのが5台の「ScanSnap iX1500」です。これを松本さんはどのように配置したのでしょうか。
「すべて会社に設置しました。当初は社員の自宅に置くことも検討しましたが、家から書類を会社に送ることはほとんどありません。そこで会社のいくつかの部署に置くことにし、発生した書類を、そのとき出社している社員にスキャンしてもらうようにしました。そうすれば日報などを見たいと思ったときにすぐ見られます。これでようやくテレワークが可能になりました」
スキャンデータはメールで受け渡しするのではなく、リモートデスクトップを使って自宅のパソコンで会社のパソコンのデスクトップを開き、NAS(ネットワークHDD)の共有フォルダーを直接見るという方法をとったそうです。
松本さんによると、ここで有効だったのが「iX1500」のプロファイル(読み取り設定)編集機能でした。「iX1500」は書類別・保存先別・使用者別など、30までのプロファイルを作り、それぞれに専用のスキャンボタンを作ることができます。
「これがすごく便利でした。会社にいる誰かに、NASへの保存専用に設定したボタンを押してスキャンしてもらうだけで自動的に保存されますから、自宅のパソコンからリモートデスクトップでNASの共有フォルダーを開くと、そこに最新のスキャンデータが入っているというスムーズさです。電話などで逐一説明したり指示したりする必要もありません」
「iX1500」には、読み取った書類の表題を自動でファイル名にする機能もあります。これも大いに役立ったとのこと。
「これまで書類のスキャンは複合機で行っていましたが、ファイル名が数字や英字の羅列になるので、パソコン上でファイル名を全部付け直す作業が不可欠でした。ScanSnapならその必要がないので、本当にボタンを押すだけでスキャンと保存が完了します。そもそも『iX1500』はスキャンするときにパソコンを立ち上げる必要がありません。そこからして複合機とはまったく違う便利さです」
サイズの異なる売上伝票も重ねてスキャン。家からでもすぐに見られるようになった
ScanSnapは、スキャンする紙のサイズや向きがまちまちでも自動的に補正してデータ化するため、伝票などを手にとった状態のまま重ねてセットし連続スキャンすることができます。この手間いらずの機能が特に力を発揮したのは、売上伝票のデータ化だったそうです。
「売上伝票は取引先ごとに体裁がまちまちで、毎日少なくとも5?6種類が発生します。ScanSnapはそれらをまとめてスキャンでき、紙の向きまで修正してくれるので本当に便利です。横に倒れた状態のデータをいちいち回転させて見るということもなくなるので、ストレスがものすごく軽減されます。スキャンする出荷担当者にも大好評でした」
売上伝票も日報と同様、NASの共有フォルダーに直送しているので、家のパソコンからすぐに見ることができるようになりました。
「従来は出荷した分の売上伝票を出荷担当者が手で持ってくる方式でした。それを思えば、通常業務に戻っても大きな効率化が実現していることになります。出荷担当者の手元でスキャンしてしまえば、私たち伝票を取り扱う担当者はタイムラグなしに見られますから」
「それに、伝票は紙のままより画面に表示したほうが見やすいということもポイントですね。拡大も自由にできますし、特に老眼が入り始めた人の目にはデータのほうがやさしいと思います。売上伝票を最初にスキャンしたときは、みんな『すごくきれいで見やすい』と驚いていました」
ちなみに、以前からプライベートでScanSnapを活用していた松本さんが「iX1500」の初期設定を行い、そのあと社員の皆さんが使い始めたところ、全員がすぐに使い方を覚えたそうです。
「液晶画面で読み取り面(片面/両面)やカラーモード(カラー/白黒など)を選ぶ方法は、みんな一回で覚えました。私自身はスキャンデータをメールに自動で添付する機能をよく使います。スキャンするとメールソフトが自動で立ち上がるのを見て、みんな驚いていました。私が勤務している新しい工場から本社への連絡はFAXが多かったのですが、今後は簡単にメールで行えます」
山積みの製品検査成績書も今後はスキャンしてデータ保存へ
豊テクノ株式会社ではコロナ禍以前から、遠からずScanSnapを導入して書類をデータ化することを考えていました。日報や売上伝票もさることながら、製品検査成績書という書類が特に大量に発生するためです。はからずもコロナ禍を契機に各所に配置された「iX1500」は、この書類の保存にも活躍する見込みとのこと。
「製品検査成績書は、製品が図面通りに作られているかどうかを検査室で検査測定し、その結果を書き込んだ帳票です。その日の最初に製造したものを製品ごとに調べるなど、日々のルーティンとして行う検査の書類なので、毎日数十枚単位で発生します。これがかなり膨大な量になっているため、過去の記録を探し出すのが大変なんですね」
自動車の部品は厳しく管理されており、自動車メーカーが製造した車両に万が一の不具合が出たときは、豊テクノ製品を含む全部品をトレースして確認しなければなりません。そのため製品検査成績書も5年、10年といった保存期間が定められており、必要なときに取り出せるようにしておかなければならないのです。
「しばしばではありませんが、『念のために見せてほしい』と言われることはあります。ところが製品検査成績書の枚数が多すぎるためバインダーでは追いつかず、現在は月ごとに段ボール箱に入れて工場の空きスペースに積み上げてある状態です。しかも月に2?3箱のペースで増え続けています」
これではとても立ち行かないということで、社を挙げて改善活動を実施。2020年7月からは、松本さんが勤務する工場で発生した製品検査成績書はScanSnapでスキャンし、データで保存することが決まったそうです。
「スキャンしたあとの原紙に関しては、お客様と今後相談し、確実なデータ保存をお約束した上で破棄する方向で考えています。過去の分のスキャンは量が量なので簡単ではありませんが、新規発生分を日々データ化しながら、少しずつでもスキャンを進めていきたいと思います」
このほか、製品の図面もスキャンしてデータ化し、必要なときにタブレットで見られるようにして、より一層の業務効率化を図りたいということです。
「現在は業務が正常化しつつありますので、今後は日常の業務の中で、ScanSnapのいろいろな使い方をみんなが自分なりに見つけていくのだろうと思います」
製造業の生産管理における日々の伝票作業をテレワーク・効率化し、さらには中長期的な保管・確認が必要な検査成績書などの共有化など、さまざまな業務の効率化に書類のデータ化が活躍しました。 テレワークと通常業務の別を問わず、ぜひ参考になさってください。
■取材協力
豊テクノ株式会社
経営企画部 管理グループ
松本 隆樹 様
自動車部品などを製造する豊テクノ株式会社(広島県東広島市)で生産管理や購買などの業務に携わる。
※オンライン会議にて、取材にご協力いただきました
ScanSnap iX1600
毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。 ※ 記事中の「ScanSnap iX1500」の後継モデルです。 |
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