スキャン&共有で仕事もスムーズ荷物も大幅に削減!
イベント広報やWeb制作など複数の業務のかたわら、整理収納アドバイザーとして、オフィスを快適にしている福永恵さん。失敗しない、お片付けとデータ整理の極意とは。
目次
お部屋もパソコンの中も整理の考え方は同じ
福永さんは、フリーランスとして複数の企業に在籍し、音楽イベントの広報、web制作、音楽出版社の印税分配サポートなどの仕事を請け負っている。整理収納アドバイザーの資格を取得したきっかけは、仕事先の音楽事務所やweb制作会社のオフィスに紙資料があふれかえっていたこと。
フジロックのような音楽フェスでは、総スタッフは数百人と大規模だが、広報チーム5~6人で、多くの外注先と一緒に仕事をしている。外注のデザイナーやライターなどとのやりとりは紙が中心で、いまだにファクスを使うこともあるそうだ。デザインの現場は、ここ数年で徐々にデータ化しつつあるものの、校正の原稿はすべて紙で残すことが多い。単発のプロジェクトであれば終わったらファイリングして片付けられるが、継続している案件は、過去にやりとりした内容をすぐに見返せるように、しばらくデスクに置いていたりする。結果、大量の紙がデスクに山積みされてしまうのだ。
「クリエイティブな仕事ほど、バックグラウンドは散らかっていたりするんです。私はもともと整理好きな性格なこともあり、気になってついつい片付けてしまったりして。でも外注者という立場上、会社にお片付けを提案するまでは踏み込めなかったので、説得力をもって説明できるように、資格を取ることにしました」
取引先の人たちも皆、この状況をどうにかしたい、という問題意識はあったらしく、福永さんの提案はあっさりと受け入れられたという。これまですべて紙で残していた書類をScanSnapで取り込み、処分してもらうようにした。データ化しておけば、過去の書類を検索してすばやく取り出せるし、移動先からでも参照できるのは大きなメリットだ。
「クリエイターやエンジニアは、もともと情報整理能力が高いから、いったん片付いた状態をつくり、何をどこにしまうかのルールを決めさえすれば、きちんと整理された状態を維持されていますよ」
今ではクライアントのほうから「その書類はどうやって整理しているの?」と聞かれることのほうが多くなっているそうだ。
福永さんが重視するのは紙からデータ化したあとの整理方法だ。スキャナーを使えば、紙は減らせるが、それだけでは整理された状態にはならない。
「書類を整理する方法としてファイリングがあるように、紙をデータ化したら、それをどのように整理するかによって使いやすさが大きく変わります」
フォルダーやラベルでデータを探しやすく整理
そもそもデータ化の目的は、必要な時に効率よく取り出せるようにするためだ。どこかに保存されていれば検索すれば見つかるかもしれないが、今は検索精度が上がっているだけに、検索結果が大量に出てしまい、探し出すのに時間がかかる。運用しやすいように、業務や用途に合わせたファイル名の付け方やフォルダーの分類方法を決めておくことが大切だ。
スキャンする基準は、共有するかどうか
複数の会社の業務や案件を抱える福永さんの場合、2TBのDropboxをメインのストレージとして使用し、案件ごとにフォルダーを作り、その中にチームメンバーとの共有フォルダーを細かく分けて分類しているそうだ。ポイントは、日付や取引先単位ではなく案件ごとに分けていること。終了した案件のフォルダーは、パソコンやスマホとの同期を切ることでローカルのストレージを節約でき、Dropbox内のデータはそのままバックアップとして残しておける。Gmailもフィルターを使い、自動でラベルを付けて、ひとめでどの案件の連絡かわかるように整理しているそうだ。
「お部屋の中もパソコンの中も整理収納の考え方は同じ。そのままあてはめれば、使いやすく整理できますよ」と福永さん。
書類をデータ化しておけば、移動先でも見られる。データ化の基礎は「共有するかしないか」。共有する可能性のあるものはスキャンし、絶対に共有しないものは、そのままクリアフォルダーなどに入れておく。
修正指示は手書きが断然早くてわかりやすい
ウェブ制作の仕事では、修正指示のやりとりにスキャナーを活用。「以前は、ページのキャプチャー画像をパワーポイントに貼り付けて指示を書き込み、エンジニアやデザイナーに戻していましたが、今はキャプチャーのプリントアウトにペンで直書きしたものを、iX1500でスキャンしてDropboxの共有フォルダーに入れています。すごく時間の短縮になりましたね」
一見、デジタルのままやりとりするほうがスマートに思えるが、実際には、キャプチャー画像をパワーポイントのスライドに貼り付けて、マークやコメントを追加する、という作業はけっこう手間と時間がかかる。それに、テキストや図形ツールで指示を入れると、レイアウトされた文字や図形との区別がつきにくく、見落とされてしまう恐れもある。ペンで手書きするほうが断然早く、相手にも伝わりやすいのだ。
また、Dropboxで共有すれば、個々にメールを送らなくて済むのも時短になる。デザイナーやエンジニアは、自分の担当しているファイルが更新されれば通知が表示されるので、すぐに作業に取り掛かれる。お互いにこまめなメールチェックや形式的な文章を書く手間が省けて効率的だ。
書類や本をデータ化して荷物を軽量化
福永さんのメインマシンは12インチのMacBook。デザインや表計算など大きな画面が必要な作業は外付けのディスプレーにつないで使っている。
「横浜市の自宅から都内の取引先まで出かけて仕事をすることが多いので、なるべくコンパクトなPCを選ぶようにしています」
書類を家に忘れることがないように、紙モノはなるべくスキャンしている。うっかり忘れた時は、家族に頼んでScanSnap経由でDropboxに入れてもらったこともあるという。
移動中は、資格試験の勉強時間に充てており、テキストを電子化して、Kindleで読んでいる。「テキストは大きくてかさばるし、電車で開くのは周りの目が気になります。空き時間にパッと読みたい時にKindleは楽ですね」
何冊ものテキストを持ち歩くのは大変だが、電子書籍なら別のテキストに書いてあったことをサッと検索できる。
ScanSnapとの最初の出会いは、2014年の暮れ。整理収納アドバイザーとして、家庭の紙モノを処理しようと思い立ち、iX100を見つけたのがきっかけだ。昨年、iX1500を購入してからは、紙の整理だけでなく、仕事での活用頻度がぐっと増えた。
「iX1500は、読み取りスピードが速く、簡単に使えて便利だけれど、それは単なる手段。せっかく便利な道具を持っていても目的がないと宝の持ち腐れになってしまう。目的を定めれば、これほど便利なツールはありません」
福永さんは、ツールの使い方だけでなく、データをどのように活用したいのか、まず目的を考えるようにアドバイスしている。
マークシートでアンケート集計を自動化
福永さんは、整理収納アドバイザーのほかに、関連資格である住宅収納スペシャリストの資格を持ち、その事務局を運営している。「認定講座の参加者から収集したアンケートを担当講師から事務局へ送ってもらうのですが、以前は紙でもらっていたものを、今はScanSnapでデータ化してもらっています。さらにもう一歩踏み出したいと考えているのが、マークシートの導入です」
現在のアンケートは、記述式と5段階評価を記入してもらう形だが、スキャンしたデータで届いたとしても、アンケート結果を集計してグラフなどを作成するには、1枚ずつ手作業で表計算ソフトに入力しなくてはならない。そこで、福永さんは、『スキャネットシート』というScanSnapに対応したマークシートへの移行を検討しているところだ。
スキャネットシートはオリジナルのマークシートを作成するサービスで、学校や塾のテスト採点やアンケート調査、各種診断用の集計・グラフ作成ソフトが無料で提供されている。アンケートの集計や分析を自動化すれば、担当者の負担が減り、より効果的にマーケティングに活かせそうだ。
>>Fukunaga's Setting【仕事の書類をスキャン】帰宅したら、その日もらった書類や名刺を一気にスキャン
プロファイルをきちんと設定しておけば、ワンタッチで処理できるのがiX1500の特徴。福永さんは、名刺はEight、家計のレシートはDr.Wallet、事業用の経費はfreeeと連携。仕事用の書類は、使用頻度の高い案件のみプロファイルを設定して、直接保存できるようにしている。ほかのメンバーと共有するファイルは、誤送信を防ぐために、いったん自分用のフォルダーに保存してから移動しているそうだ。
Dropboxはバックアップとしても使うため、有料の2TBプランに契約。仕事の案件ごとにフォルダーを作成し、共有する相手ごとにさらにフォルダーを細かく分類している。相手と共有するフォルダーは、勝手に中身を削除されないように権限を設定しておくのがポイントだ。
■取材協力
福永恵(ふくなが・めぐみ)さん
短大卒業後、音楽業界、Web制作業界に従事。その後フリーランスとして、イベントPRやWeb制作を請け負う。 整理収納アドバイザー1級、住宅収納スペシャリスト、ルームスタイリスト1級を取得。ScanSnapプレミアムアンバサダー。
Comfy Styling
収納やインテリア、料理など、心地よい暮らしのアイデアを紹介する福永恵さんのブログ。整理収納サービスの依頼も受け付けている。家庭のお片付けからオフィスのデータ整理まで対応。詳しくはお問い合わせを。
記事制作:flick!編集部
本記事は『flick! digital(フリック!デジタル)特別編集 デスクが片づくデジタル超整理術』に掲載されました。
記事は2019年11月10日時点の内容です。
ScanSnap iX1600
毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。 ※ 記事中の「ScanSnap iX1500」の後継モデルです。 |
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