仕事用と自宅用、スキャナーの使い分けで紙のデータ化はスムーズに進む
スキャナーには最適な使い方がある。外出先と自宅のデスクそれぞれに合ったモデル、そして使い方をすれば、紙のデータ化は、びっくりするほどスムーズに進む。
目次
客先で活躍してくれるiX100
便利そうだったので、試しに買ってみました、というのが、ScanSnapの出会いだった。鶴岡さんはオフィスのパソコン周りをサポートする会社に勤めている。鶴岡さんの担当はソフトウェアのセールス。ファイルメーカーを使って、クライアントに合わせた業務システム開発やRPAシステム開発などの営業を行っている。営業職なので自分のデスクで仕事をすることもあるが、外出、お客さんのところや自社の営業所にいることも多い。
そんな鶴岡さんにとって小型軽量で携帯できるScanSnap iX100の購入は、革命的なものだった。以前は打ち合わせだと、最後にシステム開発用に、お客さんがいつも使っている書類のコピーをもらっていたが、その必要がなくなった。
「その書類にどんな項目があるか、どれを開発するシステムに盛り込むのかを確認するためにいただいていました。そこで必要なのはどんな項目があるか、ということだけです」
そこでiX100が活躍する。打ち合わせの際に用意されたお客さんの書類を、その場でスキャンしデータで残すようにしたのだ。打ち合わせ時にさっとスキャンすれば、書類のコピーをとってもらう手間はないし、預かったコピーが溜まってカバンが膨れることもない。移動が多い鶴岡さんにとって荷物が減り、離れたお客さんや部署のメンバーとデータ共有できるメリットは大きいものだ。紛失してしまう心配もない。
目の前でスキャンするとお客さんが驚いてくれる
お客さんからの依頼には古い社内システムを新しいものにしたいという話も多い。これまで使っていたシステム内にあるデータがMicrosoft Excelなどに書き出せず、移行に大きな労力がかかってしまうケースも少なくないが、そんな時にもScanSnapが活躍する。力業だが、システム内のデータを一度、紙にプリントアウトして、改めてScanSnapでスキャンすればOCRで出力にある数字をデータとして扱えるようになるのだ。データのチェックは必要だが、ScanSnapのOCRは精度が高く実用レベルにある。iX100があれば打ち合わせの場で実演を行い、流れを説明することもできる。
「お客さんの前でスキャン、読み取ったデータをお見せすると、驚いてくれるお客さんも多いので営業しやすいってこともあるかもしれませんね」
仕事の際、鶴岡さんは15インチのMacBook Proも持ち歩いており、iX100はこのパソコンとつないで使っている。外出先でネットワーク環境がそれぞれに異なるため、機器をWi-fiで繋ぐ時もあれば有線接続する時もあるという。
スキャンしたデータは、すぐ使うことが多いため、ひとまずパソコンに保存するようにしている。データは『ScanSnap』と名づけたフォルダに入り、時間がある時に用途に合わせてDropbox内のフォルダに振り分けて保存するようにしている。
ScanSnap iX100は鶴岡さんの私物。会社には古いモデルであるScanSnap iX500が用意されており、同僚たちは名刺のスキャンに使うケースが多いとのことだ。
本の自炊はiX1500が大活躍。400冊ほど電子化し部屋もすっきり
iX100を大活用している鶴岡さんは、もう1台、ScanSnapを持っている。
「出たばかりのScanSnap iX1500を購入しました。iX100と同じく仕事の書類をスキャンすることもあるし、名刺をスキャンすることもありますが、メインは『自炊』。紙の本を電子書籍化しています」
自室には1,000冊ほどの蔵書がある。1年ほど前、数本の本棚の整理とハードカバーなど持ち歩きづらい本も多かったことから鶴岡さんは電子化を始めた。休日など1日中作業をすることもあり、400冊ほど電子化を終えた。プロファイルも専用のものを作った。両面スキャンはもちろんスキャンしたデータはiX100データと同じくDropboxに保存する。ただし自炊データはネットワークが安定している自宅での作業となるので、ScanSnap Cloudで直接、Dropboxにクラウド保存する。
「電子化した本は『Kinoppy』というアプリで読んでいます。このアプリにはDropbox連携機能があり、自炊データをアプリから呼び出せます。また、『しおり』機能で、販売されている電子書籍と同じように、自炊データを開くと前に読んでいたページが表示され、スムーズに続きを読めます」
本の電子化はまだ終わっていないが、本棚の数も減らすことができ部屋はかなりすっきりした。
「いつでもどこでも蔵書を読めるのはやっぱりいいですよね。本の断裁は大変ですが、スキャンはあっという間に終わります」
また最近は、読みたかった本の電子版ではなく、古本屋で購入し、自炊して電子化することもあるという。手間はかかるが、作業に慣れたし、そのほうが安くすむ。
iX1500を手に入れた際、いろんなものをスキャンしようとプロファイルをたくさん作ってみたとのことだが、自炊など利用するものは限られてきたという。
「仕事でデータを保存する場合でも、自炊した本のデータを保存する場合でもデータはDropboxに入れるようにしています。決まったところに入れないと、どこにデータがあるかわからなくなるので。2TBの有料プランを契約し、そこで保存しています」
仕事でもプライベートでも、2台のスキャナーを使い分けている鶴岡さん。ScanSnapは欠かすことのできないマストアイテムだという。
iX1500を手に入れ、自炊を始めて1年ほど。4本の本棚がなくなり、部屋もすっきり。空いたスペースにデスクを置いた。
>>Tsuruoka's Setting【紙の本をスキャン】プロファイルのおかげで、面倒な自炊もスムーズに
鶴岡さんが本の電子化用に作ったプロファイル。自宅のiX1500で仕事関係の書類をスキャンすることもあるのでそのためのプロファイルもあるが、メインで活用するのは本を電子化する自炊用のプロファイル。試行錯誤を繰り返し、現在の設定になった。
また、iX1500はもちろん、仕事で携帯するiX100もScanSnap Homeで管理している。スキャナーごとにアプリを変えなくてよいのはやはり楽。スキャンしたデータをすべてScanSnap Home上で確認できるので、名刺などをデータ化し忘れる心配がないのもいい。
左:『継続スキャン』で1冊ずつPDFを作っていく
いろいろと試した結果、鶴岡さんは小説やビジネス書など文字が多い本だけでなく、写真が多い雑誌もこのプロファイルでスキャンする。画質は『ノーマル』で十分にきれいだという。また、読み取る紙の枚数は本ごとに異なり、一度に読み取れないことがほとんどなのでフィードは『継続スキャン』を選択。これなら複数のPDFデータをひとつの本にするために繋げるという手間もない。
右上下:iX100だけでなく、自宅に置いているScanSnap iX1500でも名刺や仕事の書類をスキャンできるようにしている。名刺のデータはEightに、領収書はfreeeへクラウド連携。クラウド契約システム用のプロファイルもある。
オンオフを問わずScanSnapを愛用する鶴岡さん。ソフトウェアを扱う会社に勤めデジタルに明るいこともあり、その便利さを十分享受している。雑誌は断裁機ですぐにバラバラになり、後はスキャンするだけなので自炊も楽。カバーがある本は、別途、それらをカッターなどで切り出す手間があるので少々時間がかかる。さらにハードカバーの本は断裁がやや難しいとのこと。とはいえ、この1年でかなり作業にも慣れ、多い時は1日で50冊ほど電子化できるようになったという。
■取材協力
鶴岡洋介(つるおか・ようすけ)さん
1973年、松戸市生まれ。経理業務や生保営業、ディズニーキャストを経てラディックスに入社。主にシステム開発営業を行う。趣味は読書、ドライブ、ラーメン二郎の食べ歩き、SKE48松井珠理奈の応援。STAYUP
横浜駅から徒歩6分の場所にあるシェアオフィス、STAYUP。グループ会社が運営していることもあり、ここで作業をすることも多い。
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記事制作:flick!編集部
本記事は『flick! digital(フリック!デジタル)特別編集 デスクが片づくデジタル超整理術』に掲載されました。
記事は2019年11月10日時点の内容です。
ScanSnap iX1600
毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。 ※ 記事中の「ScanSnap iX1500」の後継モデルです。 |
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