導入事例
ITツール導入ありきではない、業務起点のDX。
西銀座デパートが「プロセスRe:Design」で可視化した「真の課題」
株式会社西銀座デパートは、ショッピングセンター「NISHIGINZA」の管理・運営を行う企業である。テナントの賃料計算や出店契約など、多岐にわたる管理業務を少人数で担っており、部署の垣根を越えた業務課題の解決を模索していた。単なるITツールの導入ではなく、まず業務プロセスを可視化し、業務課題の本質を見極めたいという狙いから、PFUの「プロセスRe:Design アセスメントサービス」を導入。表面的な事象の奥にある根本的な原因を深掘りしたことで、これまで見えていなかった課題が浮き彫りになり、具体的な改善策の検討へと導かれた。
株式会社西銀座デパート
取締役総務部長 荒関 良規 様
総務部 総務グループ 課長 小島 悟 様
銀座の玄関口で長年親しまれる「NISHIGINZA」
東京・銀座の玄関口・数寄屋橋交差点前に位置する、ショッピングセンター「NISHIGINZA」。
NISHIGINZAは1958年10月の開店以来、日本のショッピングセンターの先駆けとして、多くの来街者に親しまれてきた。館内にはアパレルやライフスタイル雑貨を中心に、個性的でエッジの効いたショップが出店し、トレンドに敏感な層から多くの支持を集めている。
株式会社西銀座デパートは、NISHIGINZAの管理・運営を担っている。魅力あるテナントを支えるパートナーとして、基盤業務である不動産賃貸管理から、日々の館内管理、出店者に寄り添うきめ細やかなサポート、そして館全体の価値を高める販売促進まで、多岐にわたる業務を行っている。
日々の改善で感じた「課題を見極める」重要性
これまで同社では継続的な業務改善を推進してきたものの、部署ごとの個別改善にとどまっていた。業務全体を俯瞰的に管理・統括する立場にある荒関氏は「現場が抱える課題の本質を十分に把握しきれていない」と感じていた。
荒関氏は当時の状況を次のように振り返る。「アナログな業務プロセスや属人化、情報共有のしづらさなど、漠然とした課題意識はありました。しかし、それらの事象が本当に解決すべき課題なのか、また、その課題を引き起こしている根本原因がどこにあるのかを、組織として正しく把握できていないのではないかと考えました」。
例えば、情報の共有体制だ。同社では長年の習慣から紙ベースの業務が多く、重要な契約書も原本は本部のキャビネットなどに保管されていた。現場の担当者がコピーを持っていても「これが本当に最新版なのか」という不安が常にあり、確証を得るためにわざわざ原本を確認しに行くといった非効率な作業が常態化していたという。
特に同社の不動産賃貸管理業務においては、テナントの賃料計算や契約書締結といった「絶対にミスが許されない正確性」が求められる。荒関氏はこうした業務特性を踏まえ、効率化にとどまらず、プロセスの刷新によって業務のプレッシャー自体を緩和したいと考えていた。心理的安全性と生産性を両立した「働きやすい職場環境」を構築すること。それが、同社が目指す業務改善の姿だった。
業務の改善案まで踏み込む「プロセスRe:Design アセスメントサービス」を選択
こうした課題を解決するため、過去にITツールの導入を検討したことがあった。しかし、「ツールを導入することで何ができるか」という機能起点のアプローチでは本質的な課題解決につながらず、当時は導入を見送った経緯がある。
その反省から、「まずは現状のプロセスにおける課題を正しく認識することが重要だ」という結論にたどり着いた。
そこでツール起点ではなく、「業務そのもの」に焦点を当てたサービスを探していたところ、候補に挙がったのが、PFUのDX支援サービス「プロセスRe:Design アセスメントサービス(以下、プロセスRe:Design)」である。
選定の決め手となったのは、情報の整理だけでなく業務の裏側にある課題の本質を見極め、抜本的な改善案の策定まで踏み込んで提供する点だ。「業務の棚卸しと整理を行うサービスは多かったのですが、プロセスRe:Designでは、私たち自身が業務のあり方を考えながら、SEに伴走してもらえる。業務全体のあるべき姿を一緒に描けるという点が魅力でした」と荒関氏は語る。
3つのフェーズで進められた業務改善プロジェクト
こうして2025年12月に荒関氏を責任者とするプロジェクトが発足した。
プロジェクトは3つのフェーズに分けて実施された。まず着手したのが「業務可視化フェーズ」だ。役職を問わず全社員18名を対象に、業務の棚卸しを実施した。「どの業務で、どの作業を、どれだけ行っているか」を洗い出して各自で記入し、集計した内容を元に上長が業務状況の把握と分析を行った。
続く「業務プロセスの診断フェーズ」では、検討すべき業務課題を「出店契約業務」と「出店者賃料計算業務」の2つに絞り込み、業務フローに落とし込んで分析した。
そして最終の「プロセス最適化支援フェーズ」では、対象の業務について、現状の進め方を前提とせず、あるべき業務プロセスと最適化した案をPFUと議論を重ねながら策定した。
プロジェクトが終了したのは2026年3月。標準のスケジュールでは約6か月かかる内容を4か月で完了した。
「短期間で膨大な作業が求められるプロジェクトでしたが、PFUの経験やノウハウに基づくアドバイスが非常に助けになりました」と荒関氏は語る。
肌感覚から業務の可視化へ 動き出した社内改革
プロジェクトが終了して間もない現在、社内ではすでに具体的な変化が出始めている。荒関氏は、「プロセスRe:Design」がもたらした成果として次の3点を挙げた。
- 「作業ボリューム」の可視化
- 「見えない業務」の発見
- 「根本的な原因」の特定と「改善策」の具体化
1. 「作業ボリューム」の可視化
全社員の業務を棚卸ししたことで、これまで肌感覚でしか捉えていなかった作業ボリュームが、客観的な数値として可視化された。これにより各作業に対する解像度を上げることができた。推進リーダーを務める小島氏はその効果を次のように語る。「これまで、どのような業務があるかは把握していたものの、各作業がどれほどの時間を要しているかは不透明でした。今回、作業ボリュームを算出したことで、重要度の低い作業に多くの時間を費やしている実態が明らかになりました」。
作業を定量化したことで、「実際にこれだけの時間がかかっている」という事実ベースでの判断が可能になり、社内での業務改善に向けた議論も活発化している。
2. 「見えない業務」の発見
業務全体の棚卸しは、これまで隠れていた非効率な作業を明らかにする契機にもなった。そのうちの一つが「会議の準備」だ。「どのような会議が行われているかは把握していましたが、今回の分析によって、会議そのものよりも『会議の準備』に想定以上の時間が費やされていることが分かりました」と小島氏は語る。
館内の遺失物管理に関する課題が浮き彫りになったのも大きな収穫だった。軽微な作業だと認識していた遺失物管理が、実は年間で1,000件程度発生しており、すべて「紙」で管理していることが業務のボトルネックになっていた。こうした見えない業務を見つけ出せたことも重要な成果となった。
3. 「根本的な原因」の特定と「改善策」の具体化
最も大きな効果として荒関氏が挙げたのが、表面的な問題の背後にある原因を特定できた点だ。
例えば、従来から「情報共有ができていない」という問題は認識されていたものの、社内では漠然と「コミュニケーションミス」が原因だと捉えられていた。しかし業務フローを詳細に分析した結果、実際には「共有すべき情報がどこにあるか分からない」「欲しい情報を参照する権限が割り当てられていない」といった、システムやルール上の不備が根本的な原因であることを特定できた。
また改善策を具体化する過程では、PFUの第三者としての視点も有効だった。荒関氏は「業界の特性や当社の特殊な業務を理解した上で、課題を様々な角度からヒアリングし、社内だけでは気づきにくい観点も含めて具体的な改善策まで踏み込んで提示してくれました」と語る。
業務プロセス全体の抜本的な改善はこれから本格化するが、社内ではすでに「遺失物管理のIT化」や「ドキュメント管理の改善」、「会議体の見直し」など、分析結果に裏付けられた具体的な改善プロジェクトが動き始めている。
可視化された課題を土台に、最適なIT化と業務改善を推進
今後は、「プロセスRe:Design」で描かれたあるべき業務プロセスの姿を土台として、具体的なITツール導入の検討に入る予定だ。PFUから提案されたローコードツールの活用、スキャナーを利用したドキュメント管理のペーパーレス化、既存ツールのさらなる活用など、現状の運用体制や現場環境に寄り添った施策の実行を目指している。
荒関氏は「いきなりITツールを導入するのではなく、まずは業務をきちんと可視化し、しっかりと把握することが、すべての土台になると改めて認識しました」と語る。同社は「プロセスRe:Design」によって得られた貴重な気づきを原動力に、強固で効率的な業務基盤の構築へ向けて、歩みを進めていく。
お客様概要
- 名称
- 株式会社 西銀座デパート
- 所在地
- 東京都中央区銀座4丁目1番先
- 設立
- 1956年(昭和31年)6月13日
- 資本金
- 200万円
- 事業内容
- ショッピングセンター「NISHIGINZA」の運営・管理
商標について
- プロセスRe:Design、プロセスリデザは、日本国内における株式会社PFUの登録商標です。
- その他、記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。