ScanSnap

教材・資料をスキャンしてコロナ禍でも教育活動(教材研究)が可能に。マークシート×ScanSnapによる採点の効率化も実現し授業を準備する時間の確保にも成功

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ScanSnapテレワーク支援プロジェクトに応募して5台の「ScanSnap iX1500」を導入した石川県立津幡高等学校様に、ScanSnap導入によって教育現場がどのように変わり、また今後どのような可能性が広がっていくかについて伺いました。

石川県立津幡高等学校は、石川県河北郡津幡町にある公立高校です。スポーツ健康科学科と、普通科に相当する総合学科の2コースから成り、全校で395名の生徒が在籍しています(2020年9月現在)。このたびScanSnap導入を主導した同校教員の山川岳先生に、新型コロナウイルス問題による休校から現在までの経緯をお話しいただきましょう。

目次

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    「公立の本校では、2020年3月末から5月のゴールデンウィーク明けまで休校となり、4月は入学式を一日行っただけという状況でした。こうした休校期間には、私たち教員は授業再開に備えて在宅ワークで教育活動(教材研究)などの業務を進めることになります。ところが教材のほとんどは学校に紙で保管されていて持ち出しが難しく、スキャナーもなかったため、思うようにいかないという事情がありました」

    そこに折よくScanSnapテレワーク支援プロジェクトの情報が。山川先生はさっそく応募を決めました。

    「実際のScanSnap導入は7月初旬になりましたが、今もコロナ禍が去ったわけではなく、再度の休校も十分に起こり得ることです。そうした緊急事態への準備として、現在は教材のデータ化などを進めています」

    教材・資料をスキャンしてコロナ禍でも教育活動(教材研究)が可能に。マークシート×ScanSnapによる採点の効率化も実現し授業を準備する時間の確保にも成功

    なお、県のコロナ対策として急きょGoogleの学校向けWebサービス「Classroom」が導入されたため、休校になってもオンラインで生徒への課題出題や生徒からの答案提出を行うことが可能になっているそうです。そこにScanSnapが加わったことで、コロナ禍への対応も含めた学校のICT化が一歩進んだ形になったといえます。

    蓄積された紙の教材をデータ化。求人票と名刺もスキャンして管理

    ScanSnapの具体的な活用法を、スキャン対象となる紙の種類に即して紹介してもらいましょう。まずは前述の「学校に保管されている教材」です。

    「私の担当教科は家庭科で、1年生と2年生を対象にした家庭総合、3年生を対象にしたフードデザインとファッション造形基礎という授業を行っています。どの科目も図表で示さないと生徒が理解できない事柄が多いため、教材の量は他の教科と比べても多いのではないかと思います」

    「私自身が教材や資料を作成するときはすべてデータで行っており、タブレットに入れたデータを授業のときにプロジェクターで投影するという方法をとっています。ところが、これまでに赴任した先生方が残された教材は、素晴らしいものが多々あるのですが、ほぼすべて紙媒体でデータになっていません。それら蓄積された教材をスキャンしてデータ化すれば、プロジェクター投影をしたり、Google Classroomで生徒に配布したりと、はるかに活用しやすくなります」

    これは他の教科にも共通していえることです。このたび導入されたScanSnap iX1500は5台あるため、山川先生が先生方に使用法を説明し、使用希望者を募りました。その結果すべてのScanSnapが、教材等のデータ化を希望する先生のデスクに収まり、それぞれ活躍しているそうです。

    「ScanSnap iX1500は、保存先別などのプロファイル(スキャン設定)を自由に作れるので、とても重宝しています。私の場合、研究や課題のためにスキャンした教材のデータは教員ごとに割り振られているクラウドのストレージに保存し、企業からの求人票や担当の方の名刺は学校のサーバーのストレージに保存するというように、便利に使い分けています」

    「求人票と名刺」は、教材に次いで頻繁にスキャンする紙の一例です。山川先生は公務として進路指導も担当しており、それらの保管にもScanSnapを活用しているのです。

    「求人票はハローワークのWebページでPDFを確認することもできますが、学校とのつながりを大切にしたいと考えてくださる企業様が一定数あるため、持参されたり、郵送で届いたりした紙の求人票や名刺が溜まっていきます。これは従来、紙のまま保管していましたが、セキュリティの面からもデータでの保管が好ましいので、ScanSnapでスキャンできるようになって非常に助かっています」

    スキャンしたデータの保存先は学校のサーバー内の進路指導課フォルダー。そうすることで進路指導の担当教員や、必要なときは学校の教員全員がすぐに見られるので、紙で保存しておくよりも安全かつ便利です。

    「ScanSnap iX1500の場合、名刺とレシートに関しては最初からプロファイルができていたので、スムーズに運用を開始できました。付属の名刺・レシートガイドを使うと、小さな紙もスムーズにスキャンできますね あれには感動しました」

    「何より驚いたのは、文字認識機能(OCR)の精度が非常に高いことです。特に名刺の場合、読み取りミスがあると修正の手作業が必ず発生してしまいますが、ScanSnap iX1500ではその必要がほとんどありません。これは本当にありがたいことです」

    マークシート導入で効率を上げ教育内容の充実につなげる

    もう一つ、スキャンすることで教育内容の充実にも寄与する対象があります。「マークシート方式のテストの解答用紙」です。

    マークシートは専門の業者が解答用紙を支給したり読み取りを請け負ったりするものですが、同校の場合は予算などの事情で業者への委託が難しいため、山川先生は市販のマークシート処理ソフトを使用して学内で行う方法を選択しました。このとき解答用紙の読み取りを行うために必要なのがスキャナーです。今回のScanSnapの導入はマークシート導入の足がかりにもなったのです。

    「この方式はソフトとスキャナーさえあれば良いので、あまりお金をかけずに導入できるのがありがたいところです。本校では『マークシート読取君』(株式会社マグノリア)というソフトを用意し、ScanSnapとの組み合わせでマークシート方式のテストを実現しました。このソフトは比較的多くの学校が利用しているようです」

    テストのマークシート化は、ICT化の中でも山川先生がかなり力を入れている部分だといいます。学校のペーパーテストには採点が付き物ですが、採点にかなりの時間が取られることが多くの教員を悩ませており、解決が望まれているからです。

    「現在の教育で重要視され、本校でも力を入れているのが『思考力を問う問題』。これは生徒に考えさせて論述させる、表現させる問題です。一方、テストでは単語が合っているかどうかといったことを確認する問題も欠かすことはできません。そして採点は授業などの合間に済ませなければならず、時間が限られています」

    「そうしたことを勘案すると、単語が合っているかどうかの採点はマークシート方式で効率よく済ませ、生徒の思考力を問う問題は自分の目でしっかり読んで採点するというバランスが好ましいと考えられます。つまり、問題の軽重に応じた採点方法を採用することで、限られた時間の中でより良い結果を出そうということです」

    それがこのたびのScanSnap導入によって可能になりました。現在、山川先生はマークシート方式と記述式、複数の解答用紙を生徒に配布してテストを行っています。

    「これまで採点にはテストごとに2時間から3時間はかかっていたところ、現在は長くても30分程度で終わらせられます。マークシートにした問題の採点はスキャンするだけですから一瞬で終わりますし、思考力を問う問題も30分あれば十分に採点できます。ですから時間的には1/4程度になっていると思います」

    それだけ余裕が出れば、場合によっては思考力を問う問題の採点にもっと時間をかけることも可能ですし、テストの問題をより厚みのあるものにしたり、授業がより充実するよう準備したりすることに時間に充てることもできるでしょう。

    「特に授業の準備は重要だと思います。学校教員は本来、良い授業を行うことが仕事ですから、準備以外の業務に取られる時間をどうやって減らしていくかというところがキーポイントになるのではないかと思います」

    マークシート方式は、公立学校として行う地域住民や保護者へのアンケートにも導入され、役立っているそうです。

    「単純に計算すれば、生徒が500人の学校ならば500枚のアンケートが戻ってくることになりますが、従来はそれを手で集計していました。大変な作業量で時間も取られますが、マークシート方式にすればテストの採点と同様に、スキャンするだけで集計できます」

    このほか、「会議資料やレシート・領収書」もScanSnapのスキャン対象です。

    「学校では出席者に紙の資料を配って行う会議が毎月行われますので、1年で12回分の資料が溜まると膨大な量になります。紙のままだと必要なときに見返すことも大変ですので、私は全部ScanSnapでスキャンしてデータで保管しています」

    「レシートや領収書は、民間企業でいう立替経費精算が発生したときにスキャンしています。実技教科の家庭科では、生徒から徴収した実習費で材料を一括購入していますが、糸が足りなくなって私が直接買いに行くといったことも起こります。そのときに受け取ったレシートや領収書をスキャンしてデータで保管しておくと、紛失の心配もなく、とても便利です」

    このように石川県立津幡高等学校では、ScanSnapの導入を糸口にした改革や効率化が進んでいます。コロナ禍における学校のリスク管理や、教育現場のICT化を推進するにあたって、ぜひ参考にしてください。

    ■取材協力

    山川 岳

    石川県立津幡高等学校

    教員 山川 岳 様

    ※オンライン会議にて、取材にご協力いただきました。
    ※著作権の対象となる教材をスキャンし、授業の範囲で配布することは「授業目的公衆送信補償金制度」に"準ずる範囲"で権利者に個別の許諾を要することなく利用可能です。
    詳細は文化庁ホームページをご参照ください。

    ScanSnap_iX1600

    ScanSnap iX1600

    毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。
    ※ 記事中の「ScanSnap iX1500」の後継モデルです。

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