フリーランスが仲間を作り、新たなスキルと信頼を獲得する場所 ~交流特化のコワーキング、オオサカンスペースでScanSnapをタッチ&トライ~

フリーランスというと「ひとりで黙々と仕事をする」姿を思い浮かべがちですが、実は、そんな働き方だからこそ仲間がそばにいることの大切さを実感するものです。
大阪のScanSnapタッチ&トライスポット、オオサカンスペースは、メンバー同士の協業率60%以上という「交流特化のコワーキングスペース」。ここには、フリーランスがスキルと実績を積み重ねていける「交流」と、それを可能にする仕掛けがあります。
そんな場を運営しているのが、株式会社Kaeru(カエル)の大崎弘子さんと宮田恵さん。
フリーランスが互いに成長し合う場としてのオオサカンスペースについて、おふたりの #コワーキングラジオ から興味深いお話を紹介します。
さらに、2025年1月に開催された「ScanSnap体験会」の様子や、新しいメンバーを迎えるときの工夫、イベント企画の背景についてもお聞きしました。
目次
コワーキングスペースはフリーランスが成長し続ける場所
「あれ?みんな年収上がってない?」オオサカンでの交流がフリーランスをパワーアップする理由
オオサカンスペースは、2025年1月に14周年を迎えました。運営スタッフとの付き合いが10年を超えるメンバーも多く、気心の知れた関係性が、日々の仕事や学びの土台になっています。
運営代表の大崎弘子さんは、こんなエピソードを話してくれました。
「5年目くらいかな。あるときみんなでおしゃべりしてたら、"あれ?なんか、みんなめっちゃ年収上がってない?"って気づいたんです」
その理由を、オオサカンスペースで生まれた日々の積み重ねとともに、こう紐解いてくれました。

運営代表 大崎弘子さん
1. 仕事のチャンスが自然と増える環境
ひとつは、メンバー同士で仕事を頼んだり頼まれたりする機会が自然と増えること。
コワーキングスペースで一緒に過ごしていると、すでに持っているスキルに対して「こんなんできる?」「あんなんお願いできる?」と、仕事の相談を受けることがよくあります。
フリーランスは忙しい時期もあれば、そうでないときもありますが、「いま暇ねん」「じゃあ、ちょっと手伝ってよ」と助け合う関係が生まれるのも、顔の見える距離にいるからこそ。
2. "ちゃんとしてる人"という信頼が積み上がる
「ちゃんと仕事をしてくれる人」という、当たり前だけど実はとても大切な信頼が積み上がっていきます。 納期を守って、丁寧に納品すると、「ちゃんとした人」として信頼されるようになります。
その信頼の積み重ねが、やがて紹介につながることも。 「こないだ誰々にホームページ作ってもらってんけど、よかってん」なんて話が、次の仕事を運んでくれることもあります。
3. 仲間がいるから、背伸びした案件にも挑戦できる
自分ひとりでは受けにくい案件にも挑戦しやすくなります。 「8割はできるけど、あと2割がちょっと不安」というときも、「ここだけ手伝ってもらえる?」と仲間に相談できれば、その2割を補って背伸びした案件にも挑戦できる。
その経験が自信になり、同じような仕事をもっと早く、もっと正確にこなせるようになる。そして結果的に、単価も上げられる。そうして少しずつ、スキルと収入がレベルアップしていくのです。
4. お金の話が、気軽にできる安心感
オオサカンスペースには「お金の話」ができる空気があります。
リアルな場で日々顔を合わせているからこそ、ちょっとした雑談の中で「この見積もりどう思う?」「これくらいの予算でやるのって、アリ?」といった相談もしやすい。
距離が近く、コミュニケーションコストが低いからこそ、実務に直結するヒントや後押しをもらえるのも、大きな強みです。
気軽に発表できる「これから会議」が、仲間づくりのきっかけになる
仕事やお金の相談ができるような関係は、ただ同じ場所で働き、たまにランチやお酒を共にしているだけで自然に生まれるものでしょうか。
やはり、仲間としての関係を築くには「きっかけ」が必要です。
その貴重な機会が、オオサカンスペースで半年に一度開催しているイベント「これから会議」。
これからの半年間で取り組みたい目標やプランをメンバー同士で共有するイベントで、発表のあとはたこ焼きパーティーをしながら、ざっくばらんな会話が広がります。
なんと、2015年6月の初開催からずっと続いているというから驚きです。

「これから会議」
未来の話をできる、めずらしい場
「これから会議」は、発表する側にとっても、聞く側にとっても、大きな価値があると大崎さんは話します。
「いまの自分ができることや、得意なことを話す機会は、仕事の中でもあると思うんです。でも、たとえば "これからライティングもやっていきたい" みたいな未来の話って、よっぽど仲の良い人と呑みに行ったときくらいしかできないですよね。」
「これから会議」の発表をきっかけに、頭の中を整理して自分の進む方向性がはっきりする。
それがモチベーションにもつながるし、周囲のメンバーにも自然と伝わっていきます。
聞くことから始まる、協力と信頼
聞く側にとっても、「他のメンバーがどんな課題を抱えていて、どんなサポートを求めているのか」を知るきっかけになります。
結果として、共通の目標や興味を持つ仲間との交流が増え、協力し合える関係が生まれます。
誰かの挑戦を自分の得意分野で支えることが、信頼関係のきっかけになる。
そうやって築かれたつながりが、やがてビジネスパートナーに発展することもあるのです。
利害関係がないからこそ、応援し合える
直接の利害関係がないメンバー同士で、発表する内容に対して純粋に応援したり、助け合ったりできる空気があります。
この環境だからこそできるのが「これから会議」だと思っています。
他人同士が分かり合い、信頼関係を築くには時間がかかるもの。だからこそ「これから会議」のような機会を一度きりで終わらせず、継続してきたことの価値はとても大きい――そう感じさせてくれる取り組みです。
新しいメンバーも、気づけば輪の中に~オオサカンスペースの"馴染みやすさ"の理由
オオサカンスペースを長く利用するメンバーさんの交流が、互いの成長につながっていく理由がとてもよくわかりました。
ところで、新しくメンバーになった方は、どんなきっかけで輪の中に入っていくのでしょうか?
運営スタッフの宮田恵さんにもお話をうかがいました。

宮田 恵さん
気軽に参加できる、カジュアルな定例イベント
「『お誕生会』とか『夕飯持ち寄り部』といった、恒例のイベントがけっこうあるんです。 "歓迎会"のように構える感じじゃなくて、すごくカジュアルな雰囲気なんですよ。」(宮田さん)
イベントの中には、自己紹介や「最近あったいいこと」や「ちょっと困ってること」などを話す時間があって、乾杯してご飯を食べて終わり...ではなく、ちゃんと"全員の話を聞く"時間があるそうです。
「毎月そうやって、自然に発言しやすい場をつくるようにしています。
誰でも最初は緊張されると思うんですけど、最初の3か月くらいをそういう形で過ごしていただくと、だいたい馴染んでもらえるんですよね。もちろん作業に集中されたい方もいらっしゃるので、そのあたりはその方のスタイルにお任せしています。」(宮田さん)
インタビューは、交流のきっかけにもなる
――オオサカンスペースのホームページには、メンバーさんのインタビュー動画も掲載されていますが、あれは事業面の応援サービスとして行っているのでしょうか?
宮田さん:もちろん応援の意味もあるんですが、実はインタビューって、スタッフとメンバーが交流する"きっかけ"にもなっているんです。 いろんなお仕事の話を聞く中で、自然と距離が近くなっていく感じですね。
タイミングとしては、オオサカンスペースに慣れてきた頃に、スタッフから「お仕事のこと、よかったら聞かせてください」と声をかけているそうです。
――メンバーさんのインタビューに限らず、オオサカンスペースのホームページは360°全方位の情報が詰まっていて、読んでいるとメンバーになりたくなりますね。...大阪に住んでいれば(笑)
オオサカンまるっと1日堪能デー
「確定申告/決算もくもく会&ScanSnap体験会」を開催

ScanSnapタッチ&トライスポットでもあるオオサカンスペースには、「ScanSnapで検索して来ました」という方が、少しずつ増えてきているそうです。
設備にScanSnapが置いてあると知って、同人誌の自炊や書類整理などの目的で訪れるビジターの方もいらっしゃるとのこと。
そんな中、2025年1月、オオサカンスペースの【14周年記念】として「まるっと1日体験できる~堪能デー~」を開催しました。
この日は、確定申告や決算の作業を持ち寄って取り組む「もくもく会」と、ScanSnapの使い方を気軽に試せる「ScanSnap体験会」を同時開催。

レシートがスルスル読み込まれる快感
ScanSnap体験会では、「前から気になってたんだよね~」という方々に向けて、レシートのスキャンを実際に体験してもらいました。
宮田さんのノートパソコンとScanSnapを接続して、溜まっていたレシートをスキャンするデモンストレーションを実施。参加者は順番を待ちながら、自分のPCにScanSnap Homeをダウンロードして、交代でスキャンの操作を試していました。
スルスルと読み込まれていくレシートに、参加者からは「おおー!」「はやっ!」と感嘆の声も。
確定申告が少しだけ楽しくなる、そんな発見のある時間となりました。
使ってみたらわかる便利さ
-- 宮田恵(みやっち)@オオサカンスペース☀️ (@miyacchi_osakan) January 30, 2025
次は溜まった名刺をスキャンしたい!
#ScanSnap さんのご協力のもと、体験会を無事に終えることができました、ありがとうございます。
オオサカンスペースはScanSnapのタッチ&トライスポットです#堪能デー https://t.co/PxWeHFWijP
イベント企画は「目的」から逆算、5W1Hで具体化していく
オオサカンスペースでは、場所を貸すだけでなく、独自に企画・開催しているイベントも多くあります。イベントづくりの考え方について、運営スタッフの宮田恵さんに聞きました。
単発イベントも、まずは"目的"から考える
――「社員の数より事業の数が多い」とも言われるKaeruのスタッフにとって、毎月のイベント開催は大変ではないですか?
宮田さん:実は、もうずっと続けてるイベントが多くて。
すでに"型"ができているので、2週間前に告知、料理の手配、備品チェック...と、決まった流れで準備できるんです。だから準備にそこまで時間はかかっていません。
――とはいえ、先日の「堪能デー」や「ScanSnap体験会」など、単発イベントもありますよね。ああいった企画はどこからスタートするのでしょう?
宮田さん:すべては"目的"ですね。そのイベントは何のためにやるのか?誰に向けて届けたいのか?メンバー同士の交流なのか学びのためなのか...。
目的が違えば、やり方もまったく変わってくるので、まずはそこをはっきりさせます。
実行には、スケジュールと告知設計を
――目的が決まった後、実際に動き出す際に大切なことは?
宮田さん:スケジュールと告知方法ですね。
1か月後にイベントをするなら、いつ・どこで情報を発信するか?SNSはもちろん、メンバーチャットや直接のお声がけなども含めてどうやってお知らせをしていくか?具体的な設計をしていきます。
参加費や告知文も、まず私が案を出して、それを社内でチェックしてもらう流れです。
出会いが"企画"の種になることも
――企画によっては「こういうイベントやりたいけど、自分たちだけでは難しい」といったこともあるのでは?
宮田さん:ありますね。でも"誰か講師を探さなきゃ"とはあまりならないです。
イベントや交流会に行ったときに出会った方と話して、『それ、おもしろい!』『うちのメンバーにぜひ聞いてほしい!』と思ったら、もうその瞬間から企画が動き出すんです。
たとえば知的財産に詳しい方と出会い、その方と話した内容が「これは有益だ」と感じた時点で、イベントが形になりはじめる――そんな流れも多いそうです。
続けるからこそ、価値が生まれる
宮田さん:イベントって"続ける"ことが大事だと思っています。
『持ち寄り部』や『これから会議』も、"なぜそれをやるのか"という目的がしっかりあるから、続ける意義があるんですよね。続けてきたからこそ築けた関係性があると思います。
――「これから会議」や定例イベント、何気ないやりとりの積み重ねの中に、オオサカンスペースらしい交流のかたちと、メンバーとの信頼関係がにじんでいるように感じました。
オオサカンスペースの運営のみなさま、14周年記念イベントでの「ScanSnap体験会」開催と、インタビューへの丁寧なご対応をありがとうございました!
※ 記事中にご紹介したトークのフルバージョンは、以下からお聴きいただけます。
・コワーキングスペースと年収 #コワーキングラジオ
・【台本なし!】 #これから会議 とは。 #コワーキングラジオ
この記事を書いた人

御堂筋線「本町駅」徒歩30秒!メンバーが互いに刺激を受け、共に成長できるコミュニティとして交流が盛んなコワーキングスペースです。電源や高速Wi-Fiはもちろん、ひとり用防音会議室「ぼっちボックス」も完備。メンバー間の積極的な交流と協業を促進する環境を大切にしており、毎月の交流イベントのほか、年に2回の「これから会議」を継続開催しています。メンバー同士の協業率は60%以上。
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