文具王のScanSnapスーパー活用術⑰「ScanSnap iX2500 登場」編

今回は、7年ぶりにフルモデルチェンジしたScanSnapハイエンドモデル「iX2500」を紹介します。
ScanSnap iX2500は、2018年発売のiX1500とその改良型であるiX1600の後継となるモデルで、ScanSnapシリーズの中では最高峰のモデルが満を持しての大型アップデートということで、どこが変わったのか私の気になるポイントを簡単に見ていきたいと思います。
目次
ハードウェア
まずはハードウェア。ハードウェア的には質実剛健。しかも今後まだまだ発展していく余力と柔軟性を持った骨太なアップデートになっています。
外形としては、iX1500やiX1600の丸みを帯びた柔らかいデザインに対し、iX2500はエッジの立ったシャープなデザインになっています。見た目はちょっとゴツゴツしていますが、全体的な大きさは、高さが7mm増えただけで、ほぼ同じです。設置面積はA4用紙ぐらいの大きさで、デスクにギリギリ置けるギュッと詰まったサイズ感です。

ScanSnap iX2500はエッジの立ったシャープなデザインに

設置面積はA4用紙ぐらい
給紙カバーを開くと、まず見て分かるのは大型化したタッチパネルと物理ボタン。タッチパネルは、以前の4.3インチから5インチへと大型化していてグッと見やすくなり、しかも感圧式から静電容量式にかわっています。つまりはスマホと同じ方式になったことで、操作感がグッとよくなっています。
そして、物理ボタンの復活。iX1500、iX1600では、全ての操作がタッチパネルに集約されていましたが、iX2500では、スキャンボタンをタッチパネルの外に独立したボタンとして配置することによって、タッチパネルは情報の表示と選択だけに使う事ができるようになったので、画面がより広く使えるようになりました。タッチミスによる誤操作も少なくなりそうです。

タッチパネルが大型化。
さらに静電容量式となったことで、スマホのような滑らかな操作感に。

スキャンボタンは、物理ボタンが復活。
タッチミスによる誤操作も少なくなりそうだ。
給紙性能
給紙性能は、全ての要素が性能アップ。スピードはA4用紙でiX1600の毎分40枚からiX2500では毎分45枚へとスピードアップ。給紙トレーは一度にセットできる枚数が50枚から100枚へと2倍になりました。これは、雑誌や書籍をまるごとスキャンしたい人や、大量のアンケートなどを一度に処理するような場合にはかなり嬉しい仕様です。
もちろん、これまで通り、紙を取り込む際に余計な紙を分離するためのブレーキローラーと、紙の重なりを検知する超音波センサーが装備されていて、確実な給紙を行いますが、iX2500には原稿の傾きを検知するとストップする機能が追加され、原稿が破れたりするのを防止してくれます。
解像度はこれまでと同じですが、画像処理技術の向上によって、モアレの軽減や発色の調整、縦筋軽減など、これまで以上にクリアで読みやすいスキャン画像が得られます。
ソフトウェア
そしてソフトウェア系ですね。
基本的にはこれまでの使い勝手を踏襲していますが、今回iX2500にあわせて更新されたScanSnap Homeでは、新しく「ドラッグアンドドロップで連携」という機能が追加されていて、使ってみるとこれがものすごく便利です。PCと接続してこの機能を選択してスキャンすると、画面上に小さなウインドウが出てきて、スキャンしたファイルのアイコンが表示されます。このアイコンを他のアプリのウインドウなどにドラッグアンドドロップするだけで、そのファイルを簡単に貼り付けることができます。ファイルの保存先を探す必要がないのがいいですね。
デフォルトでは、保存形式がPDFになっていますが、JPEGの設定も作っておくと、WEB会議で手書きのラフスケッチを共有するとか、画像処理ソフトにドロップしてすぐ加工するなんていう作業がすごく楽になります。
ほかにも、たとえばスキャンした画像をそのままAIのアプリにドロップして文字起こしをさせたり、翻訳や作表をさせたりするのもここから行うのが一番早そうです。

「Microsoft Teams」「OneNote」「Notion」との連携時や、「ドラッグアンドドロップで連携」を選ぶと、画面と連携先アプリのウィンドウが起動し、素早くデータを連携できる。
もちろん、従来通り、各種クラウドサービスと連携しておけば、PCに接続していなくても自動的にファイルを指定のサービスにアップすることができるので、たとえば名刺はEightへ、レシートはクラウド会計ソフトへといった流れは、PCレスで行うことが可能です。
ScanSnap iX2500 の可能性
そして紹介が最後になりましたが、実はこのScanSnap iX2500。キャッチフレーズが、「時・場所・デバイス、自由自在 直感操作のタッチパネルを搭載したフラッグシップスキャナー」となっています。この「時・場所・デバイス 自由自在」って、どういうことかというと、たとえばこのiX2500が自宅とオフィスとか、会社の各営業所とか、異なる場所にある場合、自分のPCやスマホをそれぞれのiX2500につなげると、いつも使っている自分のスキャン設定が画面に出てくるようになっているので、どこでも自分の設定でスキャンすることができます。さらに今後のアップデートでは、スマホをかざすだけで、一時的に自分の設定をiX2500に反映させる機能が搭載される予定とのことですから、今後コワーキングスペースなど公共のスペースにiX2500が置かれることを想定していて、様々な場所で自宅やオフィスと同じ設定をすぐに使えるようになる予定だそうです。
公共空間でのスキャンについては、自分が設置するわけではないので、今すぐに利用出来る話ではありませんが、カーシェアやバイクシェアのように、スポットが増えてくると、気軽にスキャンできる世界が拡がると考えれば、すごく期待できますよね。
他にも既に多くの機能やサービスのアップデートが予定されているそうなので、まだまだ便利になりそうな予感です。ScanSnap iX2500は、現時点でもスキャナとして十分すごいんですが、そのすごさの本質は、底知れない柔軟な可能性にあると私は思います。安定した最強の足回りに、大型のタッチパネル、そして、新型チップによる高い処理能力が装備されたことで、今後の、たとえばAIの活用によるスキャンニーズの変化にもファームウェアやScanSnap Homeなどのソフトウェア、そしてScanSnap Cloudなどのサービスの更新で対応できる幅がすごく広いはずです。
7年ぶりのアップデートで見た目以上にグッと力強くなったScanSnap iX2500。紙とデジタルの境界を越える橋渡しとして、本気でスキャンしたい人にお勧めです。
この記事を書いた人

" 道具使いの名人 "として知られる「文具王」こと高畑正幸氏。Macを使いこなし、また以前からScanSnapに注目していたという文具王に、ScanSnapのクリエイティブな使い方を伺いました。 散逸しがちな情報を効率よく整理・活用する、ベストな方法とは?アナログとデジタルの隙間を埋めて、仕事や生活をもっと便利に楽しくするコツは? 思いつきそうで思いつかない "文具王的・ScanSnap" 活用術を掲載しています。
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膨大な文房具と資料を自宅を兼ねるオフィスに管理する文具王。ドキュメント類は可能な限りスキャンデータに。プロファイル活用がキモだ。


「人生が変わる 紙片づけ!」著者 石阪京子さんの "私が8年間ScanSnap iX100を使い続けている理由"
■この記事を書いた人 片づけアドバイザー・宅地建物取引士 石阪 京子(いしざか・きょうこ)さん家と心と向き合い、布団1枚から紙切れ1枚まで家を丸ごと片づける、LINEレッスン、ZOOMでのオンライン