1. 冊子の契約書や申込書を裁断せずに、高精度にスキャン! 冊子の電子化におすすめのスキャナーを紹介
2025.3.21

冊子の契約書や申込書を裁断せずに、高精度にスキャン! 冊子の電子化におすすめのスキャナーを紹介

契約書や申込書を紙で管理していると、取引先との契約内容や申込内容を見返したいときに、目的の書類を探す手間がかかります。
これを効率化するために電子化することが推奨されていますが、契約書や申込書は、製本された冊子状であることも多く、裁断せずに電子化することは容易ではありません。本記事では冊子を電子化する方法や、裁断せずにスキャンできるスキャナーを紹介します。

1. 冊子を電子化するメリット

冊子の電子化には、次の3つの効果が期待できます。

1) 検索性の向上

契約書や申込書の場合、PDF化して保存する際に「取引先名」「取引締結日」をファイル名に含める命名規則を組織内で徹底しておくことで、PCでキーワード検索が可能になり、必要なファイルを容易に見つけることができます。

2) 情報共有の促進

電子化されたファイルは、同時に複数人での書類閲覧・情報共有が容易になるため、組織内での業務効率が向上します。

3) 紛失リスク低減によるセキュリティ対策

移動中や書類の受け渡し時などに起こりうる物理的な紛失リスクを無くし、情報漏洩防止をはじめとしたセキュリティ対策を強化できます。

2. 冊子を電子化する方法

2-1. 冊子を裁断してスキャンする

冊子を電子化する方法の1つとして、冊子の「のど(綴じている部分)」部分を裁断してページを分解する方法があります。この場合、「シートフィードスキャナー」の利用がおすすめです。シートフィードスキャナーとは、原稿を自動的に送りだしてスキャンする自動給紙機構(ADF:Automatic Document Feeder)(以下、ADF)を備えたスキャナーのことで、一度に大量の原稿を読み取れることが特徴です。
裁断することで、「のど」部分がなくなるため、ページの一部が浮く心配もなく、きれいなデータを作成できますが、元の状態(冊子の状態)で保てないのが大きな欠点です。もしも再製本が必要になった場合には手間がかかります。

2-2. 冊子を裁断せずにスキャンする

原本の保存を重視する場合は、冊子を裁断せずにページを開いた状態でスキャンする方法があります。この方法は、ページを開いた状態で一枚ずつスキャンする必要があり、ADFを使用するより、スキャンの手間と時間がかかりますが、原本を傷つけずに冊子の状態を保ったまま保管できるのが大きなメリットです。

3. 冊子を裁断せずにスキャンする3つの方法

裁断せずにスキャンする方法は、原本を傷つけずに電子化できますが、選択する方法によって効率や必要なコストが変わってくるため、利用目的・環境にあわせて、最適な選択を行う必要があります。ここでは、3つの方法を紹介します。

3-1. 複合機のスキャン機能を使う

一般的には、ビジネスユースの複合機は、コピー、プリンター、ファックス、スキャンなどの複数の機能を1台に集約して搭載しており、電子化する際はその中のスキャン機能を利用します。すでに複合機が社内に導入されている場合、導入のための費用がかからないのが利点ですが、複合機はスキャン専用機と比較して、読取速度やスキャンできる紙の種類に制限があります。
また、複数の機能があるが故に、さまざまな目的で利用されるので、順番待ちが発生するなど、使用したいときにスキャンできず、業務に支障が出てしまうこともあります。

複合機のイメージ画像

3-2. スキャン専用機を導入する

スキャン専用機は、紙の書類を電子データに変換する、スキャン機能に特化した機器です。複合機とは別に導入する場合、費用がかかりますが、複合機よりサイズや重量がコンパクトで場所を取らず、持ち運びも容易で、読み取り品質が高いのが利点です。
また、スキャン後のデータ管理・連携などを効率化するソフトウェアが付属していることもスキャン専用機の大きな特徴です。例えば、QRコードやバーコードを使ったスキャンデータの保存先の自動仕分けや、ファイル名の自動設定も可能で、データ整理を効率化することができます。

スキャン専用機のイメージ画像

3-3. スキャニングサービス(スキャン代行サービス)を利用する

スキャニングサービス」とは、スキャン作業を外部に委託するサービスです。電子化作業を担当する人員不足やスキャナー機器などのリソース不足が課題となっている場合に適しています。冊子を裁断せずにスキャンできるかどうかは、利用する業者によって異なるため、あらかじめサービス内容を確認しておく必要があります。サービス利用料は、ページ数・ボリュームに応じて案件ごとに発生するため、必要な書類に絞って、一度に依頼すると効率的でしょう。電子化が必要な書類が定期的に発生すると見込まれる場合は、スキャナーを導入し、自社内で対応することで、長期的には費用を抑えられると期待できます。

4. 冊子を裁断せずにスキャンできる専用機

スキャン専用機の中でも特に、冊子の読み取りに長けている3つのタイプを紹介します。

4-1. オーバーヘッドスキャナー

上部の読み取りユニットから光を照射して原稿をスキャンするのが「オーバーヘッドスキャナー」です。非接触でスキャンできるため、原稿に負担がかかりません。また、最近はページの「歪み補正」や「自動平坦化」といった機能が付いているモデルも多く、読みやすいデータの作成が可能です。ただし、暗い場所や直接光が当たる場所など、照明条件が悪い環境では、読み取り品質が低下する可能性があるため、注意が必要です。

4-2. フラットベッドスキャナー

コピー機のようにガラス面に原稿を下向きに置いて読み取るタイプのスキャナーが「フラットベッドスキャナー」です。コピー機と構造が似ていることにより、扱いやすいだけではなく、光を遮断した状態で読み取るため、光の影響が少なく、画質が安定しているのが特徴です。

4-3. 複合型スキャナー(フラットベッドとADFの両方ついているタイプ)

「フラットベッドスキャナー」とADF搭載の「シートフィードスキャナー」の2つの機構が備わっているのが「複合型スキャナー」です。冊子以外にもスキャンしたい紙が多く発生する業務に適しておりそれぞれの機構を使い分けることで、さまざまな形態やサイズの原稿を効率的に電子化することができます。
機器の導入費用は、オーバーヘッドスキャナーやフラットベッドスキャナーに比べると高価ですが、大量の書類の高速処理と、冊子のスキャンといった2つの目的を1台で兼ねることができるため、コストパフォーマンスもよく、スペースも節約できます。

5. PFUのおすすめスキャナー

PFUが提供しているオーバーヘッドスキャナーと複合型スキャナーをご紹介します。

5-1. ScanSnap SV600

オーバーヘッドスキャナーの画像
1) 主な特徴

オーバーヘッドスキャナー「ScanSnap SV600」はページをめくったことを検知して、自動で次の読み取りを開始します。ブック補正機能やポイントレタッチ機能など、多彩な原稿の読み取りに対応する画像補正機能が搭載されており、冊子を開いた際に発生する中央部の歪みや、スキャンした際に発生する文字列、線、および図形の水平方向の歪みを自動的に補正します。

ScanSnap SV600の画像補正機能の概要イメージ
ScanSnap SV600の歪み補正のイメージ画像
2) SV600の導入事例

「ScanSnap SV600」を活用した契約書の電子化で、管理業務にかかる時間を年間1,700時間削減【横浜環境保全株式会社様】
横浜環境保全株式会社様では、社内伝票と契約書のシステムへの入力に多大な時間を要し、情報システム課で連日の時間外勤務が発生していました。そこで、PFUのスキャナー「fiシリーズ fi-7160」とオーバーヘッドスキャナー「ScanSnap SV600」、業務用OCRソフトウェア「DynaEye 10」を導入し、社内伝票のOCRや契約書の電子化を開始。「ScanSnap SV600」を活用した契約書の電子化では、契約書の管理全般で年間1,700時間の削減を果たしています。

5-2. RICOH fi-7700

複合型スキャナーの画像
1) 主な特徴

A3サイズ対応のフラットベッドスキャナーと毎分100枚(A4横送り)の高速両面読み取り可能なADFを一台に搭載しているのが「RICOH fi-7700」です。「カバーオープンクロック機能」により、フラットベッドのドキュメントカバーを開けたままスキャンでき、毎回カバーを開け閉めする手間が省けるため、作業時間を短縮できます。

複合型スキャナーのカバーを開けている画像
2) RICOH fi-7700の導入事例

1台で多様なサイズや形式の郵便物に対応する「fi-7700」でスキャン作業を大幅に効率化【株式会社トドケール様】
株式会社トドケール様では、郵便物管理業務代行サービス「クラウドメール室」で郵便物をPDF化するにあたり、複数のスキャナーを併用していたため、複数ファイルの結合や1件ずつ手作業でのファイル名を付与しなければならず、効率が低下していました。これに対して、1台のスキャナーでサイズや形式がバラバラな内容物に対応する、PFUのA3フラットベッド付きモデル「fi-7700」を導入。郵便物のさまざまな内容物を、1回のスキャニング作業で1ファイルのPDFにまとめられるようになりました。また、標準添付ソフトウェア「PaperStream Capture」を利用することで、QRコードごとにファイルを仕分けて自動的にファイル名を付与できるようになり、時短にもつながっています。特に、「fi-7700」のフラットベッドは、ドキュメントカバーを開けたままでもスキャンできるため、スキャン作業の効率化に大きく貢献しています。

6. まとめ

冊子も含めた紙の書類を電子化することで、契約書や申込書などの管理業務の効率化を進めることができます。

ScanSnap」と「RICOH fi Series」はBPO企業のお客様にも多く採用いただいている"プロが選ぶスキャナー"です。冊子の電子化にお悩みの方は、PFUにぜひご相談ください。

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