片づけのプロでも苦戦した!実家片づけのリアルすぎる記録とその攻略法

初めまして。整理収納アドバイザー、生前整理アドバイザー準1級認定指導員の、こにしさよです。
今回は、私自身が実家の片づけを行った際のリアルな記録と、同じように悩む方に役立つノウハウをお伝えします。
目次
「実家、そろそろ片づけなきゃ......」
そう思いながら、なかなか手が動かない。それが「実家片づけ」の現実です。
私は整理収納アドバイザーであり、生前整理アドバイザー準1級認定指導員として、これまで多くのお宅の片づけに関わってきました。プロとして「片づけの大変さ」は知り尽くしているつもりでした。
でも、いざ自分の実家が「片づけ待ったなし」の状態になったとき、思い知らされました。
片づけのプロでも、「実家片づけ」は手強かった

母が腰の骨を折り、2階に上がれなくなりました。季節外の衣類を箪笥に仕舞うために2階に上がれない。
なので、1階に物がどんどん溜まっていく...「身体的な制限」が、家の散らかりと直結していることは分かっていましたが、まさかここまでとは正直、想像もつきませんでした。
「とりあえず2階のベッドをおろせば終わり」のつもりでスタートした実家片づけが、気づけば家全体のプロジェクトになっていたのです。
なぜなら、「中途半端は、やっていないのと同じ」という片づけのプロという職業病ゆえ、妹、甥っ子、娘、スタッフの手を借りて家中の物を整理したのです。
やってみて分かった「お客様宅」とは違うこと
整理収納の現場には慣れています。物が多いお宅は何度も経験してきました。
でも実家は、全く別物でした。
違い① 母娘だから遠慮がない
お客様には「いつ使っていますか?」と優しく聞けるのに、自分の母には「これ要らないでしょ!」と容赦なく問い詰めてしまう私。そして案の定「要る!」と母。
でも、手伝ってくれている孫やスタッフの言葉には、母はコロッと態度を変えて素直に従うのです。
この不思議な現象、いったい何なんでしょう!!
違い② 「捨てる=もったいない」の壁。
母は昭和17年生まれ。戦前戦後、物のない時代を生き抜いてきた世代です。
家の裏の物置を片づけたとき、謎の発泡スチロールや古いカーステレオ、竹の棒、大昔の電気ストーブが出てきた時の衝撃は今も忘れられません。

違い③ 処分に困る物が沢山
築48年の一戸建て住宅には、あらゆる物が詰め込まれていました。
携帯電話や水銀体温計、消火器は、普通のゴミとして処分できません。携帯・スマホは「小型家電リサイクル法」の対象なので、最初は大型電気店へ持ち込み処分。
2回目はリサイクルショップで買い取ってもらいました。
消火器は専門の「消火器リサイクル推進センター」へ。
2010年以降に販売された消火器にはリサイクルシールがついているので処理は無料ですが、実家の消火器は2001年製で、1,100円処分費用を払いました。(サイズにより金額は変わります)
※消火器はリサイクルシールがついている物は無料です。 2010年以降に製造された新品には、あらかじめ貼付されています。回収は自治体ではなく、消火器リサイクルセンターという専門機関で処理します。(近くの代理店に持ち込みます)
- 水銀体温計 → 市の環境局へ
- スマホ・ガラケー → 大型電気店、環境局は無料
リサイクルショップでは買い取りしてもらえた(2025年当時1台20円) - パソコン → PCリサイクルマークがついている物はメーカー無料引き取り
- 消火器 → 消火器リサイクル推進センター

見落としがち!高齢の親の定期購入トラブル
こうした「目に見える物」だけでなく、片づけを進める中で思わぬ落とし穴も見えてきました。
実家に行く度に、小さな段ボールが届いている謎。開けると歯磨き粉。洗面所に収納しようとしたら...棚の中にも同じ歯磨き粉がずらり。
なんと、1回3本7,000円弱の定期購入をしていて、ストックが7本!しかも大容量!
「死ぬまで足りる量」状態。高齢の親の定期購入の管理、盲点でした。
段ボールの中の納品書に記載されていた電話番号に電話し、解約に成功。
もし、歯磨き粉のストックに気づかず放置していれば、永遠に届き続けていたことでしょう。
片づけは命を守る作業でもある
箪笥を処分するために動かしてみたら、ホコリだらけのコンセントを発見。そのまま放置していたら、「トラッキング火災」を引き起こす危険性がありました。
また、押し入れの物を全て出してみたら、天井に穴が空いていることを発見。
片づけは、単に「きれいにする」だけではない。親の命を守る作業でもあると、改めて実感しました。

実家の「物」片づけ攻略法
今回の体験を通して、実家片づけをスムーズに進めるための"コツ"が見えてきましたので、整理してお伝えします。
目的をはっきりさせる
今回の我が家の場合は「1階だけで安全に生活できる環境を整えること」が最初のゴールでした。
「生前整理のため」「安全確保のため」「介護しやすい環境を作るため」、各家庭、目的によって、片づける場所や優先順位が変わりますが、「気になった時」がはじめ時です。
「捨てる」ではなく「行き先を決める」
「これ捨てていい?」と聞くと100%「いる!」と言います。
でも「これ、私が使っていい?」と聞くと「どうぞ」とあっさり。
物を粗末にすることへの抵抗は、誰でもあります。でも「誰かが使ってくれる」と分かると、「勿体ない」意識が薄れ、手放せるのです。
孫が「使いたい」と言ったときの母の表情は、特に穏やかでした。
「捨てる」という言葉は禁句。
物との「お別れ」方法は、「行き先を決める」発想にすることが、実家片づけの鍵です。(壊れている物、傷んでいる物は捨てます)
【親が手放す魔法の言葉】
「これ、私が使いたい。持って帰っていい?」
「孫に使わせたいから持って帰っていい?」
「着物が好きな〇〇さんが、この帯揚げ使ってくれるって」
実際に新品のタオルや、母が使わなくなったバッグやアクセサリーは私や娘が持ち帰り、父の新品の服やネクタイピンは甥っ子が持ち帰りました。
不要品の賢い処分方法
大量の不用品が出ます。リサイクルできる物はダメもとでリサイクル店に持ち込むことをおすすめします。
我が家の場合、「エコリング」に持ち込んで買い取ってもらいました。
買い取ってもらったお金で、ファイルボックスなどの収納グッズを購入。
「実家の物が、実家の収納グッズに変わる」サイクルがうまく回りました。

大型電気店でガラケーの処分。リチウムイオン電池を外し、シムカードを外し、物理的に穴を開けます。
我が家で行った処分法
- 市の処理場への持ち込み(業者より安い)
※自治体により1日に持ち込める回数や予約方法が違うので必ず確認すること。
- エコリングなどの買取サービスを活用(着物、ブランド品、壺、掛け軸、食器、携帯電話など)
※エコリングはブランド品を中心に幅広く買い取りを行っている、全国展開のリユースサービス。
- 子ども用の着物や草履はフォトスタジオに寄贈
- 水銀体温計は、市の環境局事業所へ
- スマホやガラケーは、小型家電リサイクル法により、大型電気店か市の環境事業所、または買取サービス店へ
実家ではしませんでしたが、我が家の学習机はジモティーで「使ってくれる人」に譲りました。
手間ではありますが、捨てる以外の方法はエコに繋がります。
時間や手間がかかりますが、業者に頼む前に、まずこれらを試してみることをおすすめします。
※ジモティーは家具や家電等の不要になった物を売買・譲渡できる、地域密着型の掲示板サービス。
おかんアートは最強の難敵(無理に捨てないという選択)
友達が手作りしてくれたという、薄汚れた置物。「これは絶対に手放さない!」そう言い切る母に、私は完敗しました。
人からもらった物、思い出の品は、価値の物差しが違います。そこは無理に手放させないことも、大切な判断です。
よくある疑問にお答えします
ここまでの内容を踏まえ、実際によくいただくご質問についてもお答えします。
Q.親が「捨てたくない」と言って全然進まない。どうすればいい?
A.その場では決めなくていいです。
「保留ボックス」(紙袋や段ボール)を作って、迷う物をとりあえず入れておきましょう。
家がきれいになってくると、不思議と「これはいらないかな」と自分から言い出すようになります。
Q.実家が遠くて何度も行けない。効率的に進めるには?
A.まず「安全確認」を最優先に。廊下や階段に物を置かない。
次に「重要書類の場所を把握する」こと。
通帳・印鑑の場所、保険や証券の有無を確認するだけでも大きな前進です。
Q.業者に頼むタイミングはいつ?
A.「安全でない状態」なら1日も早く。
転倒リスクがある、火災の危険がある、そう感じたら迷わずプロに相談してください。
Q.人からもらった物や贈り物が出てきた。どうしよう?
A.無理に捨てる必要はありません。
使えるなら使う、使えないなら「ありがとう、役目を終えたね」と伝えてあげるのも一つの方法です。
親世代は、「贈ってくれた人に悪い」と思っていますが、贈った本人は忘れています。
(実際、私がプレゼントしたという扇子が出てきましたが、私はプレゼントしたことさえ覚えていませんでした)
実家の「書類」片づけ攻略法
物の片づけと並んで、もう一つ大きな課題となるのが「書類の整理」です。

実家の書類は、一般家庭とは別物
整理収納の現場でファイリング作業は何度も経験しています。でも実家の書類は、これまでと全然違いました。
後期高齢者にしか届かない、行政からの通知が大量にある!
一枚一枚開封して、読んで、理解して...地味ですが大切で大変な作業です。そして時間がかかる。
そこで私は、一旦家に持ち帰り、ScanSnapでスキャンし、PDFにしてAIで要約。
クラウドにフォルダを作成し、妹と共有しました。
デジタル×AIの力で、書類の「意味の把握」を大幅に効率化できたのはラッキーでした。
なぜ実家の書類整理は難しいのか?
理由は大きく3つあります。
- 量が多く、種類も多岐にわたる(年金、介護、医療、行政、保険......)
- 「捨てていいのか」の判断が難しい書類が多い
- 父と母、両親分があるため、人別に管理しないと混乱する
書類片づけ、4ステップ攻略法
STEP 1|全ての書類を一か所に集め要不要の判断を
「家のどこに何があるか」を把握することが最初の一歩。散らばった書類を1か所に集めます。
大事な書類と、チラシやダイレクトメールなども一緒に保存している場合もあるので、分類をします。
期限切れの書類は重要かどうか確認し、要不要の判断を。
STEP 2|人別・カテゴリ別に分ける
ファイルを2つ用意し、「父の書類」「母の書類」、人別管理にしました。さらに年金・介護・病院・保険などカテゴリ別にファイリング。
これだけで「どこに何があるか」が一目瞭然になります。
(セキセイ ドキュメントファイル アクティフ 12インデックス A4は、12仕切り13ポケットあるので、仕分けしやすくておススメ)

STEP 3|ScanSnap iX2500でデジタル化
重要書類は現物を残しますが、重要というほどでもない書類や写真などは、紙で持ち続けると場所を取るし、見返すのが大変。
そこで活躍したのがScanSnap iX2500です。
- 両面・カラー自動判別で、複雑な設定なしにスキャンできる
- スキャンしたPDFは自動でクラウドに保存。離れた妹とも共有できる
- 行政からの難しい書類をスキャン → AIに要約させる
紙の書類をPDF化することで、兄弟・姉妹間での情報共有がぐっと楽になります。


STEP 4|「捨てる」基準を決める
保存の目安は「年度をまたいだ書類は1年分だけ保管」など、シンプルなルールを作ることが大切。
医療費の領収書は確定申告に使う場合があるので、1年分は保管しておくと安心です。
思い出の写真は最後にスキャン
写真整理は思い出話に花が咲いて手が止まってしまい、非常に時間がかかるので、最後の最後に。
先にアルバムに貼っていない写真をスキャンしました。
台紙に貼られた写真は見返す機会が少ないもの。スキャンすることで、より鮮明に。
クラウド保存しておくと、いつでも見返すことができます。

右は50年以上前の私と妹。
スキャンした方が実際の写真よりも鮮明。
結婚式の写真を台紙から外してスキャンしました。(写真は処分)
まだまだ大量に写真があるので、「どこまでスキャンして残すのか?」今後の課題です。
よくある疑問にお答えします
書類についても、気になるポイントがあるかと思いますので、まとめてお答えしていきます。
Q.捨てるか残すか、書類をどう判断する?
A.「今後、手続きで必要になる可能性があるか」で判断します。
年金・保険・介護の書類は残す。
数年前の病院の領収書は処分しても基本OK。(ただし医療費控除申告中の物は保管を)
Q.親は「紙で管理したい」と言って聞かない。どうしよう?
A.無理にデジタルに移行しなくて大丈夫。
「紙のオリジナルはそのまま」で、子ども側がスキャンして共有するだけでもOKです。
親の習慣を変えようとするより、子どもが使いやすい形を作るほうがスムーズです。
Q.ScanSnapは難しくない?
A.ScanSnap iX2500はボタン一つで両面スキャンができるシンプル設計。
専用アプリとの連携設定は最初に子どもがやってあげれば、あとは親でも迷わず使えます。
子どものスマホへの自動送信設定にしておくと、離れていても書類内容をすぐ確認できて便利です。
本棚やファックス台を手放して部屋が広くなったため、一人用の電動ソファを購入しました。
かつて物であふれていたこの場所が、今では心からくつろげる癒やしの空間になったと実感しています。

Before

After
実家片づけを終えて、よかったこと
大変な作業ではありましたが、実家片づけを終えてみて、気づいた変化がありました。
- 「安心・安全」な環境になった
1階だけで日常生活が完結できるようになりました。
使わない重いお鍋を処分したので調理が楽になり、裏の物置を整理したので、洗濯を干しに2階に上がらなくてよくなりました。 - 親のことを、もっと知れた
海外旅行のために買い物のお釣りを小銭で貯めている母。84歳になっても、まだまだやりたいことがある。生きる意欲は、ちゃんとある。
物を通して、「親の今」を知ることができました。 - 連鎖する「片づけ」の輪
一緒に作業した妹と娘が、帰宅後に「自分の家も片づけたくなった」と言って、たくさんの物を手放したそうです。
「人のふりみて、わがふり直せ」。片づけはうつります!
おわりに
実家片づけは、親の「物」と向き合うだけでなく、親の人生や価値観に触れる時間でもあります。
プロである私でも、感情的になる場面が何度もありました。過去一番、大変な整理収納作業は実家片づけでした!!
でもその「大変さ」も含めて、「大きく変わった」ので、今は大切な経験だったと思っています。
完璧に片づけなくていい、一度でやり切らなくていい、親子喧嘩してでも1日も早くやって欲しい!
親も、あなたも、今日が一番若いのです。
まず親の安全を確保することから、一歩ずつ始めてみてください。
この記事を書いた人

家を建てた時にいろいろこだわったのをきっかけに整理収納アドバイザーに。 整理収納アドバイザー、住宅スペシャリスト、生前整理アドバイザー準1級認定指導員、ScanSnapプレミアムアンバサダー、ScanSnap整理収納コンシェルジュ、風水鑑定士、Fino株式会社代表取締役。
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