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無料から使える!文字起こしツール5選 | 議事録作成のコツも解説

無料から使える!文字起こしツール5選 | 議事録作成のコツも解説

会議の音声ファイルを使用して議事録を作成している方のなかには、文字起こし作業を負担に感じている方も多いのではないでしょうか。そのような方には、議事録作成時間を大幅に短縮できる、文字起こしツールの使用がおすすめです。

本記事では、無料で使用できる文字起こしツールを5つ紹介します。実際に使ってみたリアルな使用感を解説しますので、ぜひツール選びに役立ててください。

あわせて、議事録作成のコツも詳しく解説します。この記事を読んで、面倒な議事録作成を簡単かつスマートに終わらせましょう!

目次

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    1.文字起こしツールを選ぶポイント3

    いざ文字起こしツールを使い始めても、期待したとおりの文字起こし結果が返ってこないと困りますよね。そこでツールを選ぶとき、「ここだけは確認しておきたい」というポイントを3つご紹介します。この3つを押さえるだけでも、ミスマッチをかなり防ぎやすくなるはずです。

    • フィラー除去機能の有無
    • 翻訳(多言語対応)機能の有無
    • 無料プランの利用範囲

    フィラー除去機能の有無

    フィラーとは、「えっと」「あのー」「はい」などの議事録には不要な発話を指します。会議中つい発しがちな言葉ですが、フィラー除去機能があると議事録化する際の編集の手間が省けます。

    必ずしも必要というわけではなく、細かなニュアンスも正しく残さなければいけないような場面では、機能がないほうがよい場合もあります。事前に機能有無を確認しておきましょう。

    多言語対応・翻訳機能の有無

    海外拠点とのやり取りがあったり、外国人社員が多い会社では、日本語以外の言語で議事録を作成する機会も多いでしょう。

    そのような企業では、各言語の音声が認識できるか、また、異なる言語間での翻訳が必要であれば翻訳機能が搭載されているかも確認しておきましょう。

    無料プランの利用範囲

    無料でどこまでも使える...というわけでなく、利用回数や文字起こしできる分数など、無料で利用できる範囲に制限があるツールもあります。

    とはいえ、頻繁にツールを入れ替えて使うのは現実的ではありません。機能を確認し、用途や予算に合うものを利用しましょう。

    2.【実際に使ってみた】無料プランのある文字起こしツール5選!

    ここからは、文字起こしにおすすめのツールを実際の使用感とあわせてご紹介します。
    いずれのツールも音声データをアップロードしての文字起こしが可能です。

    なお、リアルタイムで文字起こしする場合は、いずれのツールも音声の入力元(マイク)を1つにする必要があるため、オフライン会議等での利用に限定されます。

    ツール名 概要 対応OS 無料利用範囲 有料プラン利用範囲 フィラー除去機能 多言語対応 リアルタイムの文字起こし データセキュリティ
    Googleドキュメント Googleが提供する文書作成ツール iOS/Android/ブラウザ 全ての機能を利用可能 なし なし 音声入力・翻訳とも可能(60か国語以上) 可能 音声データのアップロードはなし。
    作成されたドキュメントは世界水準のデータセンターで安全に保管。
    CLOVA Note LINE提供のAIを活用した音声認識アプリ iOS/Android/ブラウザ 月300時間まで(ユーザーデータの取得に同意すると月600時間まで) なし あり 音声入力のみ(日本語、英語、韓国語、中国語) 録音終了後に文字起こし(スマホアプリのみ) データは日本国内のサーバーに暗号化して保管。
    「サービスの品質向上のためのユーザーデータの取得」に同意しない限り品質向上のデータとしては収集されない。
    Gemini(Google AI Studio) Google提供の生成AIツール ブラウザ 利用回数に制限あり 利用量に伴う従量課金制 あり 音声認識・翻訳とも可能(40か国語以上) 録音終了後に文字起こし    機密情報やGoogle のプロダクト、サービス、機械学習技術の向上に使用されたくないデータの入力は非推奨。
    MyEdit CyberLink提供の画像・音声編集サイト ブラウザ 付与されるクレジットの消費範囲内(1日3クレジット付与) 付与されるクレジットの消費範囲内(1日3クレジットおよび1カ月300クレジット) なし 音声入力のみ(英語、中国語、日本語、韓国語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ポルトガル語
    ※多言語対応は有料
    なし 提供した情報はすべて個人情報として取り扱い。該当する法律、規約、サイバーリンク社一般プライバシーおよびCookieポリシーに則り管理される。
    Word Microsoft提供の文書作成ツール 文字起こし利用の場合は、ブラウザ、アプリ(Windowsのみ)     ディクテーション機能(リアルタイム文字起こし)は無料 トランスクリプト機能(音声データからの文字起こし)はMicrosoft 365への加入が必要 なし 音声入力・翻訳とも可能(入力は30か国語以上、翻訳は翻訳前の言語による) 可能 音声データはOneDriveにアップロード。
    データセンターは常に監視され、正常性と安全性を維持。
    #2-1

    Google ドキュメント

    Googleドキュメントとは、Google社が提供する文書作成ツールです。Googleアカウントがあれば誰でも無料で利用でき、文字起こしの機能が搭載されています。

    Googleドキュメントは、会議内容を録音した音声ファイルとリアルタイムでの文字起こしのどちらにも対応可能です。リアルタイムの文字起こしはスマホでも簡単に行えます。 

    Googleドキュメントで会議音声サンプルを文字起こしした結果がこちらです。

    Googleドキュメント文字起こし結果

    改行が入らなかったり、所々誤字はありますが、概ね文字起こしできています。話者の切り替わり位置や句読点など、最終的には人の手で編集する必要があるため、たたきを作ってもらうようなイメージで、文字起こしの補助的な用途で使用するのがよいでしょう。

    また、Googleドキュメントは多言語への翻訳機能も有していることから、グローバル対応する必要がある場合にも活用ができます。

    Googleドキュメント翻訳

    「ツール」→「ドキュメントの翻訳機能」から翻訳可能(64か国語に対応)

    なお、Googleドキュメントで音声ファイルを文字起こしするには、事前にPCの設定が必要です。詳しい方法やリアルタイムでの文字起こしの方法は以下の記事で解説しています。

    #2-2

    CLOVA Note

    CLOVA NoteはAIを活用した音声認識アプリです。提供はLINEAIテクノロジーブランドである「LINE CLOVA」で、現在β版が提供されています。LINEアカウントがあれば月300時間までは無料で使用でき、ユーザーデータの取得に同意すると月600時間まで利用枠を拡大できます。PC版は音声ファイルの文字起こしのみの対応となりますが、スマホアプリ版ではリアルタイムの文字起こしにも対応しています。

    PC版のCLOVA Noteは、以下の方法で利用できます。

    1. CLOVA Noteのサイトにアクセスし、「CLOVA Noteを開始する」をクリックします。

      digiup253-04.png
    2. LINEアカウントでログインしたあと「新しいノートを作成」をクリックし、音声ファイルをアップロードすると文字起こしされます。

      digiup253-05.png

    実際に、会議音声サンプルを文字起こしした結果がこちらです。

    CLOVA Note文字起こし結果

    若干の誤字があるものの、句読点や発言者の切り替わりは正確に認識されています。経過時間も表示されるので、データをさかのぼって確認したい際にも便利です。なお、1分程度の音声ファイルの文字起こしにかかった時間は1分弱でした。

    「参加者1」「参加者2」となっている参加者名も任意の名前に一括変更でき、文字起こししたデータはWord.docx)形式、テキスト(.txt)形式、Excel.xlsx)形式、SRT.srt)のいずれかの形式でダウンロードできます。データを外部に共有する際にも便利に使えますよ。

    #2-3

    Gemini(Google AI Studio

    Gemini(旧称Bard)は、Googleが提供している生成AIツールです。テキストはもちろん、動画やコードなど複数のデータを処理できます。文章や画像の生成で使われることの多いGeminiですが、適切なプロンプト(AIへの指示)を出せば、文字起こしも可能です。

    ※機密情報やGoogle のプロダクト、サービス、機械学習技術の向上に使用されたくないデータの入力は非推奨となっています。

    Geminiで文字起こしをするには、開発者向けプラットフォームであるGoogle AI Studioを利用します。

    1. Google AI Studioにログインします。ログインにはGoogleアカウントが必要です。

      digiup253-07.png
    2. テキスト入力スペース左側の「+」マーク>「Record Audio」をクリックし、Google AI Studioを利用するアカウントを選択します。(初回ログイン時のみ)

      digiup253-08.png
    3. テキスト入力スペース左側の「+」マーク>「Upload to Drive」をクリックします。

      digiup253-09.png
    4. アップロード画面で、音声ファイルをアップロードします。

      digiup253-10.png
    5. 以下画像のように指示出しし、「Run」をクリックします。
      なお今回は、「この音声ファイルを議事録化してください。発言者も明示してください。「えー」「えっと」「はい」「あの」など、意味のないフィラーは省略してください。」と指示出ししました。

      Google AI Studio プロンプト

     実際に文字起こしした結果がこちら。1分もかからず文字起こしされました。

    Google AI Studio 文字起こし結果

    指示内容通り、発言者の名前が会話内容から特定できる形で文字起こしできています。誤字もほぼなく、フィラー(本音声内では「はい」)もほぼ削除されています。
    さらに議事録の要点をまとるよう指示を与えてみたところ、以下のような内容が出力されました。

    Google AI Studio 要約Google AI Studioが英語サイトであるため、使い慣れていないと多少抵抗感があるかもしれませんが、操作自体は簡単なので、慣れれば問題なく使用できます。

    なお、テキスト入力スペース左側の「+」マーク>「Record Audio」から同じ内容を直接録音して文字起こしさせた場合も、ほぼ同じ精度で生成できました。ただし録音終了後の文字起こし生成となり、会議と同時並行での文字起こしはできないため注意してください。

    #2-4

    MyEdit

    MyEditは台湾のIT企業・CyberLinkが提供する画像・音声編集サイトです。動画のテロップ作成や、授業ノートの文字起こし、インタビューの文字起こしといった用途で活用できるよう、ツール内における機能のひとつとして文字起こし機能が提供されています。AIが搭載されており、音声データを文字起こし生成する際に、正確な音声認識と補正をサポートしてくれます。

    MyEditでの文字起こし方法は以下のとおりです。

    1. サイトにアクセスし、右上の「サインイン」をクリックしてサインインします。

      digiup253-14.png
    2. 左側の「無料クレジットを獲得」をクリックし、ポップアップ表示内の「3クレジットをもらう」から獲得します。MyEditは1日1回ログインするごとに3クレジット獲得できます。

      digiup253-15.png
    3. クレジットが追加されたのを確認したら、画面上部の「オーディオ編集ツール」>「文字起こし」と進みます。

      digiup253-16.png
    4. ドロップもしくは「ファイルを選択」から音声ファイルをアップロードします。

      digiup253-17.png 
    5. 「生成」をクリックすると、文字起こしされます。

      digiup253-18.png生成ボタン内に消費されるクレジット数が表示されます。

    文字起こしは1分で1クレジット消費されます。11回ログインすれば3クレジットが得られますが、毎日ログインするのが面倒な場合や、長時間の文字起こしを行いたい場合には、有料プランを検討しましょう。

    実際の文字起こし結果は以下のとおりです。

    MyEdit 文字起こし結果

    もともと画像や音声を編集するツールであるため、タイムコードとテキストが一緒に表示されます。誤字はほぼありませんでした。

    文字起こししたデータはテキスト形式でダウンロードできます。改行が多く入りますが、テキストエディタの一括置換機能などを利用して編集すれば、見やすく活用できます。

    #2-5

    Word

    すでにMicrosoft 365のアカウントをお持ちの方は、Wordでも文字起こしが可能です。

    Wordには、以下2種類の文字起こし機能が搭載されています。

    • ディクテーション:リアルタイムでの文字起こし
    • トランスクリプト:音声ファイルからの文字起こし

    音声ファイルから文字起こしをするには、トランスクリプト機能を使用します。アップロードしたファイルはOneDriveに格納されるので、安心して使用できますよ。

    ※無料で利用できるWeb版のWordでも文字起こしは可能ですが、使用できる機能はディクテーション(リアルタイムでの文字起こし)に限定されます。

    トランスクリプト機能を活用した文字起こし方法は、以下のとおりです。

    1. Wordを開きます。

    2. 「ホーム」タブの「ディクテーション」>「トランスクリプト」をクリックします。

      digiup253-20.png
    3. 文字起こしする音声ファイルの言語を選択し、「音声をアップロード」をクリックしてファイルをアップロードします。

      digiup253-21.png
    4. 文字起こしが完了したら、「ドキュメントに追加」をクリックします。なお、文字起こし結果をドキュメントに追加する前に、テキスト右側の編集ボタンをクリックし、話者名を編集しておくのがオススメです。

      digiup253-22.png

    文字起こし結果がこちらです。

    Word文字起こし結果

    AI搭載型のツールと比較すると誤字数は少し多くなりましたが、文字起こしのたたきとして、十分活用できるでしょう。

    また、Wordでの文字起こしは、音声ファイルがOneDriveにアップロードされ保護されるため、何より安心して利用できるのがポイントです。

    3.議事録を作成するときのポイント

    文字起こししたデータは、いずれもそのまま議事録としては使えず、決定事項などわかりやすくまとめる必要があります。
    まとめあげるときは、以下3つの議事録作成の目的を意識して、情報を正確かつ端的に伝えることを意識しましょう。

    • 情報を正確に記録・共有する
    • 責任の所在や会議で決まったアクションアイテム・担当者を明確にする
    • プロジェクトの進捗を適切に管理する

    最後に、議事録を作成する際のポイントを3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

    3-1.フォーマットを活用する

    議事録には以下のような、共通して記載しておくべき項目があります。

    • 表題
    • 日時
    • 開催場所(オンラインの場合は省略可)
    • 出席者
    • 議題

    これらの書きモレを防止したり、担当者による記載項目のバラつきを防ぐために、フォーマット用意して活用するとよいでしょう。

    フォーマットサンプル

    3-2.重要事項をわかりやすく正確に記載する

    議事録には、初見での分かりやすさが求められます。
    期限、担当者、決定事項など、重要事項を箇条書きなどで分かりやすく記載しましょう。重要事項に関わりのない部分は思い切って削ることも大切です。

    記載事項が正確か不安な部分があれば、音声データや文字起こしデータを都度確認するようにしましょう。音声データや文字起こしデータは、議事録作成の強い味方になります。

    3-3.参考資料を添付する

    もし会議に参考資料がある場合は、議事録に添付します。資料をとおして具体的な情報を確認できるようにしておくことで、関係者の理解が深まり、後の確認やフォローアップがスムーズになります。また、議論の根拠や背景がわかりやすくなり、誤解を防ぐ助けにもなります。

    加えて、参考資料を含め議事録の保存方法を統一することも大切です。紙とデータの資料が混在すると、過去情報の検索・共有がしづらく、資料紛失の原因にもなります。できる限り、データで統一して保存すると良いでしょう。

    紙の資料のデータ化にはスキャナー活用がおすすめです。
    たとえばタッチパネル搭載のScanSnap iX1600は、読み取る書類・保存先・画像の解像度などを設定したプロファイルをアイコンとしてパネルに登録でき、資料のスキャン以外にも、名刺管理や領収書管理など、用途に応じて様々なスキャンをカンタンに行えます。

    また、ScanSnap Cloudを使えば各種クラウドサービスとも連携でき、PCの起動なしでスキャンしたデータをGoogleドライブなどのクラウドサービスに保存できます。

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    4.無料の文字起こし機能を使って効率よく議事録を作成しよう!

    本記事では、5つの文字起こしツールと、議事録を作成する際のコツも解説しました。

    文字起こしツールを適切に活用すれば、議事録作成の大幅な効率化が可能です。本記事で紹介したツールは無料で使えるものばかりですので、実際に使いながら比較検討してみてください。文字起こし機能を使い、スピーディーに議事録を仕上げましょう!

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