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ズボラさんにこそやってほしい!エクセル家計簿のススメ

ズボラさんにこそやってほしい!エクセル家計簿のススメ

「一年の計は元旦にあり」という言葉があります。毎年のように「よし、今年こそは家計簿をつけるぞ!」と決心しても、長続きしなかった――そんな経験はありませんか?

ありがたいことに日本にはもう一度"新年"がやってきます。そう、4月に始まる"新年度"です。
進級や進学、家族の昇進や転職などを迎えるこの季節に、"続けられる家計簿づけ"に再チャレンジしてみませんか?

でも、どの方法が続けやすいのでしょうか? さまざまなスマホアプリや家計簿ソフトがありますが、実はマイクロソフト エクセル(以下、エクセル)やGoogleスプレッドシート(以下、スプレッドシート)が家計簿として優秀な上、ズボラでも続けやすいのです。その理由とエクセルでの家計簿作り、続け方などを紹介します。

目次

    紙の情報を、もっと自由に 情報整理に長けたスキャナーScanSnap

    1.エクセルで家計簿をつけるメリットとは?

    エクセル家計簿のメリット

    余分なコストがかからない

    スマホやPC向けの家計簿アプリのうち、無料で使い始められるもののほとんどに、データ閲覧期間が限定されている、連携した銀行口座情報をリアルタイムに更新できない、広告が表示されるといった制限があります。全機能を使うには、サブスクリプション契約をしなければなりません。

    しかしMicrosoft 365をすでにお使いであればエクセルはコストを追加することなく使えます。契約していなくても、アカウントを作るだけでブラウザで動くMicrosoft 365 for the webでエクセルを使うことができます。Googleスプレッドシートであれば、Googleアカウントで追加料金無しに利用できます。

    Microsoft 365 for the webGoogleスプレッドシートは、スマホからもアクセスできて便利ですよ。

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    家計簿の計算はほとんどが加算減算のみ。後は月ごとの合計を出すためのSUM関数などごく基本的な関数のみで簡単に作れます。

    カスタマイズしやすい

    家計簿アプリでは、食費、日用品、服飾費、美容費など費目が細分化されているものがほとんどです。細ければ細かいほど、ズボラさんには「めんどうだなぁ。後でいいか~」と家計簿づけのハードルが高まり、気づけば入力しなければならないデータが溜まり、あきらめてしまうことに。

    それならばいっそのこと「買い物での支出」「固定費の支出」だけにするなど、最小化して続けやすくしたほうが良いでしょう。慣れてきたら増やせば良いのです。

    そのような柔軟なカスタマイズをできるのが、エクセル家計簿の良いところなのです。

    可視化できる

    紙の帳簿と異なり、入力したデータを簡単に可視化できるのもエクセル家計簿の良い点です。シート上の空いている箇所に円グラフを作って「今月は食費の割合が多いなぁ」と反省したり、年間の折れ線グラフを作って「支出を少しずつ減らせている!」と悦に入ったりできるのです。

    単なる数字の羅列を眺めるより、グラフにしてパッと見でわかるようにしたほうがモチベーションも上がることでしょう。

    長期保存して見比べられる

    エクセル家計簿もスプレッドシート家計簿も、これらのサービスが終了しない限り、入力したものは残り続けます。「10年前はこのくらいの収入で、今はこれだけ増えた」「支出割合を抑えられている」など過去データと見比べることができるのです。

    2.エクセル家計簿に入れたい科目を考える

    家計簿のような表を作るには、まずどのようなデータを入れるか考えておくと、その後のデータの加工がスムーズになります。

    収入の他、支出にはどのような科目を入力すれば良いでしょうか。

    2-1.しっかり家計簿を付けたいならコレ

    お子さんがいたり、細かく家計を見直したりしたいというのであれば、以下のようなものを項目として入れると良いでしょう

    大分類 小分類 内容
    固定費 住宅費 家賃、住宅ローン、管理費など
    通信料 固定インターネット利用料、携帯電話料金など
    保険料 生命保険、学資保険、個人年金など
    車両費 駐車場代、自動車税、カーローンなど
    学費 学費、習い事の月謝など
    税金 住民税、所得税、国民健康保険料など
    交通費 通勤通学の定期代
    小遣い 家族それぞれの小遣い
    その他 大人の習い事の月謝、コーヒーサブスク利用料など
    変動費 食費 食料品代だけでなく外食費用も含む
    日用品費 トイレットペーパーや洗剤など
    水道光熱費 水道代や電気代など
    医療費 通院費、薬代など
    教育費 固定費以外で子どもの教育にかかる費用全般
    服飾費 洋服代やクリーニング代など
    理美容費 美容院代や化粧品代、エステ代など
    交際費 結婚式のご祝儀や飲み会代、食事会代など
    娯楽費 映画鑑賞代、小旅行費用、趣味に費やしたものなど
    雑費 他に分類されないもの
    特別費 イベントや旅行など毎月あるわけではないもの

    2-2.お金の流れを知りたいならコレ

    もちろん、ここまで細かくては続かないという方も多いでしょう。

    食費とそれ以外の生活費の割合や、お金をどこに多く使っているのかを知りたいだけなら、下記のようなシンプルな科目で十分かもしれません。

    項目 内容
    固定費 上記すべての固定費
    食費 食材や外食費用
    その他生活費 食費以外でかかる生活必需品費
    教育費 固定費以外で子どもの教育にかかる費用
    雑費 趣味、娯楽、交際費など上記に含まれない費用
    特別費 イベントや旅行など毎月あるわけではないもの

    2-3.家計簿づけに慣れたいならコレ

    「収入と支出だけわかれば良い」、「とにかく続けることを目標にしたい」という人であれば、下記のような科目を設定するのはどうでしょうか。

    項目 内容
    固定費 上記すべての固定費
    生活費 食費、その他生活費、医療費、教育費、雑費
    小遣い 自由に使える家族それぞれの小遣い

    固定費と小遣いは、月の初めに支出として入力しておいて、あとはすべて「生活費」として入力していけば良いので、キッチンタオルと豚肉と大学ノートが混在するレシートでも、合計金額を家計簿に入力するだけで済みます。これならズボラさんでも続けられますよね。

    3.シンプルでわかりやすいエクセル家計簿を作ってみよう

    それではさっそくエクセルで家計簿を作ってみましょう。目指すは面倒くさくなく、続けられる家計簿づくりです。
    また、今回は完全無料で作成するため、ブラウザ上で作業できる「Excel for the WebWebアプリを使いました。Microsoft 365を契約中で、デスクトップアプリのExcelをお持ちの方でもほぼ同じ方法で作ることができます。

    今回作成する家計簿はコチラ。

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    それでは早速作っていきましょう!

    3-1.シンプルな項目とシンプルな科目

    家計簿に最低限必要な項目は、「科目」、「出金」、「入金」でしょう。日ごとにつけるのであれば、「日付」項目のあったほうがつけ忘れを防げますし、「残高」項目があれば節約につながるかもしれません。

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    また、後ほどグラフ化するのであれば、あらかじめ「科目」をリスト化しておくと良いでしょう。「科目」項目入力時に、リストを参考に入力できますし、リストにあるものだけをプルダウンメニューで選んで入力するといったことも可能です。

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    3-2.数式を入れて自動計算

    入力したら、自動的に残高や月の出金額や入金額を表示するよう設定しておくと、自分で計算せずに済むので、ズボラさんでも続けやすくなります。

    まず、項目直下の「残高」には、前月からの繰越金額をそのまま入力したいので、セルE2の値がそのまま入るように「=E2」とします。

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    その次の残高には、「(前行の)残高」-「出金」+「入金」を意味する「=F2-D3+E3」と入力します。

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    あとはそのセルの数式を下へ向かってコピーするだけです。これで、「(前行の)残高」-「出金」+「入金」を意味する数式をそれぞれの行にコピーできました。

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    せっかく科目リストの表を作ったので、その右側にそれぞれの科目の合計額を表示するようにしておきましょう。これには「SUMIF」関数を使います。これは、「ある範囲の中」で「条件」に合う数値があれば「範囲内の数値」を合計するという関数です。

    ここでは、「日付」項目を除いたB列からE列を「ある範囲の中で」に指定し、「条件」を同じ行にある「科目」セルに、計算したい数値(「範囲内の数値」)を「出金」と「入金」項目のあるD列からE列としました。

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    これにより、「ある範囲の中」に条件に合う科目の文字を見つけたら、出金または入金の数値を自動的に合計します。

    列名である「B」や「E」を範囲に指定したのは、表がどれだけ長くなっても、式に手を加えなくても良いようにするためです。「B2E50」と、セル名で指定すると、51行目から下に入力した数値が反映されなくなってしまうからです。

    最後に、入金合計と出金合計を自動的に表示するSUM関数を設定しましょう。「入金」項目はE列にあるので「=SUMEE)」、「出金」項目はD列にあるので「=SUMDD)」としておけば、表が長くなっても手を加える必要がありません。

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    これで、どんなにズボラでも続けられるエクセル家計簿の完成です!

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    試しに入力してみましょう。

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    日々の出金額に応じて残高が減っていること、また各科目の合計額が自動的に計算されていることがわかりますね。

    3-3.ScanSnapでレシートを取り込めば数字の入力も手間いらず

    科目を簡易化したエクセル家計簿でも、1週間とたたず、毎日入力するのが面倒になってきます。買い物から帰ってきて夕飯の支度や洗濯物の取り込みがあるのにPCを開くのは面倒くさいものですし、寝る前になれば「明日でいいや」となってしまいます。少なくとも筆者は「明日でいいや」と思ってしまい、結局続けられませんでした。

    でも、とりあえず、レシートを財布に残しておいて、週末に一気に入力するのであればできそうです。

    スキャナー「ScanSnap」があれば、レシートをセットしてスキャンするだけで、レシートの支払金額総計をOCR処理により数値化してくれます。

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    ScanSnap iX1600なら、たまったレシートの束をまとめてセットして一気にスキャンが可能。

    ScanSnap iX1600

    ScanSnap iX1600
    56,100円(税込)

    領収書以外の書類にも、子どもの学校プリントや日記帳、領収書以外の書類のスキャンにも役立ちます。

    ScanSnap iX100はラップほどの大きさで、どこにでも置いておきやすいコンパクトサイズ。

    ScanSnap iX100

    ScanSnap iX100
    26,400円(税込)

    2枚同時のデュアルスキャンが可能、かつ手に取りやすいサイズ感なので、スキャンの習慣化もかないます。バッテリーを搭載したモバイルタイプのスキャナーで、カフェ等で集中して作業したいときも役立ちますよ。

    もちろん、現時点でのOCR技術は完璧ではないので、間違いがないかをチェックする必要がありますが、1から金額を手入力する必要はありません。スキャンしたレシートの画像を大きく表示する機能もあるので、レシート原本で確認するよりも楽ですよ。

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    大量にスキャンしたら、「Ctrl」+「A」などで全選択してから右クリックし、支払金額の数値をCSV出力しましょう。

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    出力されたCSVファイルを開き、日付と数値の部分をコピーしてエクセル家計簿に貼り付けます。

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    日付や数値の位置がずれてしまっているなら選択して移動させましょう。

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    こうすれば、1週間分といわず、2週間分、1カ月分でも、面倒くさいと感じることなく入力できます。ぜひ試してみてくださいね。

    3-4.グラフで可視化、瞬時に把握

    1カ月分の入力が終わったら、各科目が家計の中でどれほどの割合を占めているのか、グラフを作って確認してみましょう。

    科目リストの表を選んで、「挿入」タブのグラフの種類の中から「円」→「2-D円」と選ぶだけで、割合を把握するグラフを作成できました。

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    つけた家計簿が1年分貯まったら、エクセルの「串刺し集計」(3-D集計)機能などを使って棒グラフや折れ線グラフの複合グラフを作ることもできるでしょう。

    4.Googleスプレッドシートでも家計簿を作れる!

    Googleアカウントさえあれば誰でも使えるGoogleスプレッドシートでも同じように計算式を入れてスプレッドシート家計簿を作れます。

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    エクセル家計簿でもスプレッドシート家計簿でも、数式を入れたシートをひな型(テンプレート)としておき、そのシートをコピーして使うようにしましょう。毎回コピーするのが面倒くさければ、作った勢いで1年分コピーしておくというのも1つの方法です。

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    まとめ

    エクセルまたはスプレッドシート家計簿なら、慣れに応じてカスタマイズできますし、なんといっても追加費用がかかりません。いってみれば、「サブスク利用料無料」です。簡単に作れますし、ScanSnapがあれば、レシートからの転記も手間がかかりませんので、ぜひチャレンジしてくださいね。

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    毎分40枚・80面の両面高速読み取りを実現し、簡単操作のタッチパネルを搭載。Wi-Fiの5GHzに対応し、原稿サイズ、色や両面・片面を自動的に判別。 驚くほど簡単、スピーディーに電子化します。
    ScanSnap_iX100

    ScanSnap iX100

    バッテリー・Wi-Fiを搭載しながら、わずか400gのコンパクトボディ。場所を選ばず原稿を電子化でき、手軽に情報の保管や共有が可能。

    この記事を書いた人

    渡辺まりか

    個人サイト

    ScanSnapアンバサダー。ガジェットをこよなく愛するフリーランスライター。 約10年、福島県郡山のビジネス専門学校でMS-Accessなどの講師を務める。実際に見て聞いて使って書くのが好きな、“notコタツ”ライター。二級小型船舶操縦士免許、乗馬5級、普通二輪免許など多様な資格を取得。

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