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”文具王”こと 高畑正幸氏に聞く ScanSnap徹底活用術


 
第5回 ポータブルオフィスで "どこでもスキャン" ScanSnap+MacBook

"道具使いの名人"として知られる「文具王」こと高畑正幸氏。Macを使いこなし、また以前からScanSnapに注目していたという文具王が語る、S510MとS300Mのクリエイティブな使い方。

高畑正幸 たかばたけ・まさゆき
1974年、香川県生まれ。本職は文房具メーカーのデザイナー。さまざまな媒体を通して、本当に実践できる便利な仕事術を提案している。




データが増えてもパソコンの重さは変わらない


第5回はScanSnap S300Mが主役のお話です。S300Mはモバイル用のScanSnapで、スキャンするスピードなどはS510Mに一歩を譲りますが、重量はたったの1.4kg(S510Mは2.7kg)。サイズも幅284かける奥行き95かける高さ77mmと、自動給紙方式・両面同時読み取りのスキャナーとしては世界最小です。しかもバスパワー駆動できるという、これまたおそろしく便利な道具なのです。

もちろん、デジカメやケータイのようにポケットに入れてホイホイ持ち歩くわけにはいきませんが、それでも連続両面同時スキャンできる道具が、Macと一緒にカバンに入れられるところまで小型化されたのはすごいことです。スキャナーを持って移動するなんて、以前は考えもしませんでしたが、トランクやキャリアカートで移動するような本格的な出張やクルマでの移動なら、検討の余地は充分あります。

もはや多くのビジネスマンにとって、数日以上の出張にパソコンを持参するのは、ほとんど必須。パソコンのせいで出張カバンが重くなったという愚痴もときどき聞きます。「その上、スキャナーまで?」と思われるかもしれません。でも、確かにパソコン関連製品が重いのは事実ですが、そのおかげで外出先でも膨大な量の資料を参照したり、ネットワークにアクセスすることができます。そこに入っているデータをすべてプリントアウトして紙で持ち歩くことを考えれば、いくらデータを詰め込んでも重さの変わらないパソコンは、ありがたい存在です。


ScanSnap S300Mはホワイトとシルバーが基調のスタイリッシュなルックス。持ち運ぶ際はすっきり収まる専用のソフトケースがあると便利。


コード類も収納可。ちなみにACアダプタで駆動すればスキャン速度はアップ。




ScanSnap S300Mで実現するモバイルオフィス


多くの人はパソコンの重さに比べて、書類の重さに鈍感な気がします。一度自分のカバンの中から、紙類を全部取り出してみてください。特に出張時。その重量は、自分のパソコンなどと比べてどうですか? ちなみに私の勤める文具メーカーの総合カタログなどは、1冊で1.2kgを超えていますから、個別商品のカタログと合わせると、簡単にScanSnapの重量を超えてしまいます。たとえば、海外の見本市でたくさんの商品を買い付けたりするバイヤーとか、学会や研究関連で多くの資料のやり取りを行う研究者など、出張中にどんどん紙が増えてしまう人は少なくないはずです。もちろん紙でなくてはならないものもありますが、確認さえできればよいというものであれば、その場でスキャンしてデジタル化するのもアリではないでしょうか?

しかもScanSnapは、通信環境のある場所では高品質なFaxの代わりとして利用できますから、特に滞在期間が長い場合、S300Mを持ち込めば、ホテルや会議室をオフィスや書斎として、今まで以上に快適に使えます。たとえば印刷物の図などを本社に送りたい場合など、ホテルのモノクロFaxを依頼しなくても、その場で高品質なデータを転送できます。昔は出張先にフルスペックの書斎が作れるなんて、思ってもみませんでした。でも今なら可能です(むしろ自宅の書斎より集中できたりして?)。

ところで、モバイル製品の泣き所は重量・電源・通信です。通信環境はずいぶん改善されてきましたが、重量と電源の問題は依然残っています。その点、S300Mが素晴らしいのは、その軽量ぶりと、パソコンがあれば電源アダプターなしでも何とかなってしまうこと。ただし、USBポートが1個しかないMacBookAirではバスパワーは使えませんので、悪しからず。一番向いているのはMacBookです。ポートが片側に並んで付いているのも使いやすい点です。

S300MとMacBookのコンビがあれば、出張だけでなく、たとえばフリードメインを採用している会社での日常業務にも活用できるでしょう。社内でS510Mを持ち歩くのはちょっと厳しい面がありますが、S300Mをトートバッグタイプのケースに入れて持ち運べば、簡単に席を移動できます。さらに、クルマ移動の多い営業マンなら、車内に積んでおけば外でも使えます。バスパワー駆動をフルに活用して、バッテリの駆動時間内であればファミリーレストランやカフェでも使用できます。通信環境が整っていればFax代わりの使用も可能です。その他、短期の転勤・留学、フィールドワーク、サークルの合宿、催事や工事などの仮設事務所など、S300Mはさまざまなところで広く活用できるのではないかと思います。



文具王が愛用するトートバッグ型のセミハードケース。書類ボックスのような構造で、ネームタグ代わりに名刺を入れるポケット付き。ノートパソコンと周辺機器をひとまとめに入れられるので、オフィス内の移動に便利。もちろん普通のトートバッグでもオーケー。




ベルクロを活用して機動性をアップ!


さて、外出先でもScanSnapの利便性をフルに活用すると、当然のこととしてデータ量も膨大になります。しかも、かなりの勢いでデータが増えることに。したがって、大容量のストレージは不可欠です。デスクトップなら増設や外付けも容易ですが、やはりモバイルで使うとなると、バスパワー駆動の2.5インチHDDが便利でしょう。USBなら500GB程度までありますし、今後も確実に大容量化は進むと思われます。250GB程度の容量でよければ、FireWire接続のものをオススメします(現状ではUSBタイプのほうが大容量)。FireWireはUSBよりも安定した高速転送ができ、MacBookにある2口のUSBが両方空くので、HDDと同時にS300Mをバスパワー駆動できます。ここにスキャンしたデータをどんどん放り込めば、"資料室を持ち歩く"くらいのことを実現できるのです。

そしてモバイルにおいては、こういったモノを持ち運び、使う術も重要です。たとえば、接続用のケーブル類はストラップを付けてきちんと束ねるようにしましょう。ちょっとしたことですが、ケーブル類は適当にカバンに放り込むと、絡まって大変です。いちいち、こんがらがったケーブルをほどくのに時間をかけるのはスマートではありません。

さらに、モバイル環境で使用するなら、こんな手があります。MacBookのモニターの背面に、ベルクロテープ(マジックテープ、面ファスナ)の"メス"を貼り付け、HDDには"オス"を貼り付けます。こうしておけば、モニタ裏にHDDをペタッと貼り付けることができます。美しいかどうかはともかく、これなら社内の打ち合わせなどでちょっと移動するときにも、接続したままひょいと持ち出せますし、移動中に膝の上で使用することも実際に可能です。ついでに通信端末(たとえばイーモバイルなど)にも貼っておけば、さらに便利です。MacBookにベルクロを直貼りするのは抵抗感があるとは思いますが、あまりに便利なので、一度やってみると、やめられなくなりますよ(笑)。



モバイル機器の十分な活用にはコード類の整理が不可欠。ベルクロ付きのテープで束ねるのが文具王流。



文具王的ベルクロ活用法。ベルクロにはオス(硬いカギ状のほう)とメス(柔らかいほう)があるので、洋服などに引っかけないよう本体にはメスを(上)、HDDやモデムなど周辺機器にオスを貼る(下)のがおすすめ。


くっつけるとこんな感じに。社内ならこの状態でも手軽に持ち運びが可能。HDDなど重いものを下に貼るのがベター。iPod touchもペタッと。


文具王が愛用する全面がベルクロのバッグ。重量のあるものは別にして、何でもベルクロで整理整頓。ちなみにベルクロは無重力空間(宇宙)での作業にも不可欠なツールだとか。




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