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"道具使いの名人"として知られる「文具王」こと高畑正幸氏。Macを使いこなし、また以前からScanSnapに注目していたという文具王が語る、家庭で出る紙のスッキリ整理術。
毎日毎日、自宅に流れ込む物や紙。特に私は自宅が仕事場でもあるので、気をつけていないと、どんどん増えてしまうのは常に悩みのタネです。あたりまえですが、捨てなければその分増えてしまいます。
私は団地に住んでいますから、帰宅するときはまず集合郵便受けから紙類を出したら、まずマンションの広告みたいな完全に不要なものは、その場で設置されたゴミ箱に捨てます。残りを手に持って帰宅したら、その場で全て開封。手帳と財布に挟んであるレシートや名刺なども取り出します。私信以外はその場で不要な物はゴミ箱に廃棄。レシートは、経費として処理するもの以外を捨てて、振込用紙とか、宅急便の不在通知などは、再配達などの手配をしたら、作業が済むまでは目につくところに貼っておきます。私信は前々回にお話したように、スクラップします。宅急便もたくさん来ますが、購入した家電や雑貨などは受け取ったらその場で開梱。製品と説明書と保証書を取り出したら、商品のパッケージや箱もとっておかずにすぐに捨ててしまいます。これだけでもかなりの量のゴミを毎日捨てています。
文具王の場合、用事が残っている紙は、作業が済むまで見えるところに貼り付け。
今後不要と判断したものは捨てていかないと、紙が増える一方です。
しかしこれでも、まだかなりの紙が机の上に残ります。大半は一過性のもので、用事が済んでしまえば捨てても問題のないものが多いはずですが、ちょっとしたことで捨てるかどうか迷うものも少なくありません。もちろん、しばらく使わなかったものは、捨ててしまってもたいした問題にはならないというのもわかるのですが、やはり心理的な抵抗はありますし、捨ててしまったあと、困ってもだれも助けてはくれません。
そんなときにScanSnapがあれば、「いつか見返すことがあるか否か」ではなく、「もし必要になったときに原本が必要か否か」で判断できます。目の前の書類が「いつか必要になるか否か」を考えるのは未来予測ですから、とても難しい。それに対して、「原本保管が必要か否か」はルールですから、簡単に決められますし、原本が必要な書類はかなり少なくなります。
たとえば、製品などに付いてくる書類の中で、取扱説明書はもしかしたら使うかもしれないけど、二度と見ないかもしれない書類です。しかし保証書は万が一の時には、基本的には原本がないと意味のないものです。
なので私の場合、保証書は迷わず保管。取扱説明書は迷ったらスキャン、です。取扱説明書に保証書がくっついている場合は、断裁して全部スキャンしたあと、保証書の部分だけを保管しています。
「原本保管が必要」な保証書は、迷わず保管。
残すか捨てるか迷うものは、スキャンして捨ててしまいましょう。
取扱説明書の他にもちょっと気になるチラシ、パスワードや各種設定方法、自治体などのお知らせやルール、連絡先など必要事項が書かれたはがきなどは、とりあえずスキャンして捨てます。私は文房具関連の展示会などに行ったときにはたくさんのチラシや資料をもらってくることがありますが、それらもほとんどはその場でスキャンして捨ててしまいます。
スキャンしたものは特に細かく整理しているわけではありませんが、Evernoteに、「取扱説明書・保証書」や、「アカウント・設定」といったフォルダを作ってそこに放り込んであります。取扱説明書などはWEBで検索しても見つかる場合もありますから、このフォルダは滅多に開く事はないかもしれません。ある意味デッドストックに近いものですが、場所をとることもなく、もし必要になっても手元にあって見ることができるという安心感は、紙を捨てる勇気を持つための保険でもあります。
※パソコンではEvernoteクライアントから、オフラインであっても同期済みのノートを見ることができます。iOS端末やAndroid端末のEvernoteアプリの場合は、プレミアム会員になっていれば、オフラインでノートを見られるように設定ができます。
滅多に見ないデータになってしまっても、万一必要なときに「いつでも見られる」ことには価値があると思います。Evernoteでは、整理をしなくても検索で目的のものを探し出せるので、簡単です。
紙をスキャンしてデジタル化する行為は、保存して見返すためだけではなく、目の前のかさばる書類を捨てるためにもとても有効です。しかも速くて簡単なScanSnapをEvernoteに連携すれば、捨てるかどうするか、迷っている間にもワンプッシュでスキャンできてしまいます。最初に保管する方法さえ決めてしまえば、スキャンは迷うより簡単です。
高畑正幸
たかばたけ・まさゆき
1974年、香川県生まれ。TVチャンピオンで3度優勝し「文具王」の異名を持つ。文房具の企画デザインからマーケティング、執筆、販売など様々な活動を行なっている。また、さまざまな媒体を通して、本当に実践できる便利な仕事術を提案している。
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